悪魔超人軍総帥 悪魔将軍   作:アルピ交通事務局

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突入 偉大なる航路!の巻!

 

「どうやらちっとはマシな一味になった様だな」

 

 リヴァースマウンテンの双子岬にやってきた。

 前回乗っていなかったザウスを見て直ぐに料理人だと分かったクロッカスはコックを仲間にしたと分かった。

 船と船に乗っているメンツを見て多少はマシな一味になったと言ってくる。

 

「まだまだだ……偉大なる航路の洗礼を受けていない」

 

「今まではここで止まっていましたからね……」

 

 今までは偉大なる航路のスタートラインであり出入口であるリヴァースマウンテンには来ていたが偉大なる航路は通っていない。

 まだ未知なる海である偉大なる航路には入っていない。私がその事を告げれば、孔明もここから冒険が始まるのだと偉大なる航路を見る。辺り一面、海しか見えない。

 

「一応は聞いておくが、記録指針(ログポース)は持ってるだろうな?」

 

「当然です」

 

「ほぉ……新世界でも使える記録指針(ログポース)か。普通ならば魚人島で買うのが定番だが、よく見つけたな」

 

 クロッカスは一応はと記録指針(ログポース)を持っているかどうかを聞いてきた。

 孔明は新世界用の記録指針(ログポース)を見せればクロッカスは感心していた。

 

「それだけではありません。このリヴァースマウンテンに繋がる永久指針(エターナルポース)を1つ、永久指針(エターナルポース)を作る道具を5つ程購入しています」

 

「優秀な航海士だな」

 

「いえいえ、それほどでも……ところでですが、このリヴァースマウンテンの記録(ログ)は何時ぐらいに?」

 

 孔明は記録指針(ログポース)だけでなく永久指針(エターナルポース)も用意していると見せた。

 クロッカスは優秀だと褒めれば孔明は軽く流し本題、リヴァースマウンテンの磁場はどれくらいあれば記録指針(ログポース)に記録させる事が出来るのかを聞いた。

 

「数時間ほどあれば記録(ログ)はたまる……しかしだ、どれかは分からない。この双子岬から7つの航路が導かれる。新世界用の記録指針(ログポース)は針が3つ。運が良ければ3つのルートを記されるだろうが、頼るのは1つのみ」

 

「なるほど、数時間で……」

 

「ならば少し茶でも淹れるか。クロッカスだったか、お前もどうだ?」

 

 数時間で記録指針(ログポース)に記録(ログ)が貯まる事が分かった。

 直ぐに双子岬を出ることが無いと分かればザウスは休憩を提案し、クロッカスにも飲まないのかを聞いた。

 

「料理王の茶とは贅沢だな……貰おう」

 

「そこまでの物ではない」

 

 双子岬に船を停めてザウスはクッキーが入ったバスケットとティーセットを持ってきた。

 ピクニックシートを敷いて悪魔超人軍とクロッカスは少しの休憩を取る。

 

「偉大なる航路に入ったから、いきなり船を全速前進だ!って行かないんすね」

 

「ああ……だがそれはある意味好都合でもある」

 

「どういうことすか?」

 

「偉大なる航路は東西南北四つの海の常識が通じない……ありえない天候やありえない海流、ありえない島なんかが無数に存在している。優秀な航海士や操舵手が居ても、四つの海の何れかから偉大なる航路に入った途端に現れる出鱈目な海の洗礼を味合う事になる」

 

 船を一気に走らせるつもりが、一旦休みを取らされたのでハヤトは少し意外そうにする。

 貴虎は全速前進で次の島に進むことが出来なかったのはある意味好都合だと四つの海の何れかから偉大なる航路に入った海賊達が偉大なる航路の出鱈目な気候や海流にやられることを言う。

 

「大丈夫っすよ。僕にかかればこんな海、ヘッチャラです!僕だけじゃなくて孔明さんって優秀な航海士も居るんすから怖いものはなんにも無いっすよ!」

 

「まったく……こういう時には元気だな」

 

 海を渡り切る事ならば出来ると主張するハヤト。

 ハヤトの操舵手としての能力は申し分ない。その上で孔明という優秀な航海士が居るのだから怖いものはなにもない。海賊達との戦闘等では怯えているが、こういう所では自信ありげなハヤトを見てリグレットは少し呆れる。

 

「ところで副船長、集めた情報でなんかヤバいのないんすか?」

 

「ああ、あるぞ」

 

 呆れるリグレットを特に気にせずに話題を貴虎に振ったハヤト。

 偉大なる航路に入る前に最後に立ち寄った南の海でリヴァースマウンテンに最も近い島で手に入れた情報が書かれたメモ帳を貴虎は取り出した。

 

「偉大なる航路はこのリヴァースマウンテンの磁気を記録して記録指針(ログポース)の頼りに航路を歩むんだが……どうにも最初の島は決まっているみたいだ」

 

「え、7つの航路だから島はそれぞれあるんじゃないんすか?」

 

「その認識は間違いじゃない。だが、7つの航路で最初に辿り着く島は何れも賞金稼ぎの島と言われている」

 

 双子岬から7つの航路がある。

 その航路の1つを選んで航海するが、7つのルートで最初に辿り着く島は賞金稼ぎの島……

 

「偉大なる航路の洗礼からのか」

 

「ああ。偉大なる航路に入ればいきなり偉大なる航路の出鱈目な海に苦戦する。何とかしてやっと辿り着いたとしてもそこは賞金稼ぎが集う島で偉大なる航路の海に苦戦して疲弊している所を一網打尽だ」

 

 原作では7つのルートの内の1つ、ルフィ達が歩んだルートしか語られていない。

 ルフィ達が最初に辿り着いた島は賞金稼ぎの島……他の6つの航路も最初は賞金稼ぎの島で、偉大なる航路の洗礼からの賞金稼ぎの襲撃、やられる奴はあっさりとやられるだろう。貴虎に偉大なる航路の洗礼からのと聞けば頷いた。

 

「最初の島が賞金稼ぎの島か〜怖いっすね」

 

「なに、そこに留まっている以上は底が知れている」

 

 どの航路を選んでも最初の島が賞金稼ぎの島である事が分かればハヤトは少し怯える。

 リグレットはそこに留まっていて世界に羽ばたく名高い賞金稼ぎではないので大して強くは無いとハヤトを励ます。

 

「この船の賞金首は悪魔将軍、貴虎……後はロビンか」

 

「この額を見て逃げる、なんて都合の良い話は無いわ」

 

 ザウスが私、貴虎、ロビンの手配書を取り出した。

 大金と呼ぶに相応しい金額でこの賞金額に怯えて逃げるという都合の良い展開は起こらないとロビンは先に言っておく。

 

「ここから先、悪名で有名な海賊、腕自慢な海軍、現地の人間と色々な者に出会うだろう。海賊らしく皆でワイワイと楽しく宴をして、と言う甘い考えを持っているのであれば引き返せ」

 

「それは先達者としてのアドバイスか?」

 

「ああ……なにも旅は楽しいだけではない、様々な困難がある。楽しいだけの冒険は無い」

 

 クロッカスがアドバイスを送ってきた。

 先達者としてのアドバイスかを聞けば頷いて冒険は楽しいだけの物ではないと言い切った。

 

「先達者?貴方は冒険の経験がおありなのですか?」

 

「数年ほど船医を務めていてな……楽しい分、出鱈目な冒険でもあった」

 

 先達者だと認めたので孔明が冒険をしていたのかを聞いた。

 クロッカスは数年ほど船医を務めていて少し過去を思い出し懐かしそうな顔をしている。

 

「……」

 

 昔を思い出して懐かしむクロッカスを見て貴虎は黙っている。

 クロッカスが始祖の祭壇がラフテルにあった事を知っていたのと船医を務めていた事からクロッカスがロジャー海賊団の船医だったのではないのかと考えている。海兵だった頃ならば深く詰め寄るが、今は悪魔超人軍の1人で副船長であり余計な詮索はしない。

 

「生憎だな、私達は海賊ではない悪魔超人軍だ」

 

「……そうか」

 

 海賊をやっていくのならば覚悟をしておけと先達者としてのアドバイスを貰ったが、一言だけ言っておく。

 世間から見れば海賊扱いだろうが、少なくとも私は貴虎達を海賊でなく私と共に私の最後を見届ける悪魔超人軍の1人と認識している。

 

「久々に美味い茶とクッキーを食べた……美味かったぞ」

 

「……」

 

「どうした?」

 

 数時間が経過し記録指針(ログポース)の記録(ログ)が溜まった。

 針が3つある新世界用の記録指針(ログポース)はそれぞれ別の方向を示している。クロッカスは私達がそろそろ出航だと分かったので茶とクッキーが美味かった事を述べるのだが、私はクロッカスを見つめた。クロッカスはなにかあるのかと聞いてきた。

 

「随分と親切だな」

 

「双子岬の灯台守として海賊達にアドバイスをするのは日常的な事だ」

 

 少しだけ親切にしているクロッカス。

 双子岬の灯台守として出航する海賊達にアドバイスをしているだけに過ぎないと言う。クロッカスがそう言うのならば深い詮索はしない。

 

「どれにしますか?」

 

 孔明は記録指針(ログポース)を見せてくる。

 記録指針(ログポース)の3つの針がそれぞれの方向を見ている。この3つ内の1つにウイスキーピークが入っていて選んでしまえばハズレだが、7分の1の確率で、ハズレを引いたとしてもリヴァースマウンテンに戻ってくる永久指針(エターナルポース)は持っている。

 

「右の針だな」

 

 3つある記録指針(ログポース)の針の内の右の針を選んだ。

 孔明は分かりましたと頷けばハヤトに目を向ける。貴虎が双子岬に船を停めていたロープや海に沈めていた錨を外す。リグレットは畳んでいた帆を開いた。

 

「それじゃあ……よっこいしょっと」

 

 船の出航の準備が出来たのでハヤトは舵輪を握った。

 ハヤトの顔は変わっていき覇気を溢れる男に変貌した。

 

「さぁ、将軍の旦那!命じてくれ!」

 

「ハヤトよ、ゼロ・オリジン号を発進させろ」

 

「あいよ!!」

 

 ハヤトは舵輪を動かしてゼロ・オリジン号は走っていく。

 リヴァースマウンテンはあっという間に見えなくなって、辺り一帯が海だけになった。

 

「悪魔将軍は我々が最後の島に辿り着いたあの時に会いたかったと思って笑った、そして今も待ち望んでいるジョイボーイではない……だが、何故だろうな。悪魔将軍と会話をしていればお前を思い出すんだ、ロジャー。お前とは異なる男なのは確かだと言うのに」

 

 双子岬で悪魔超人軍を見送ったクロッカスはロジャーを思い出す。

 私とロジャーを比較しても似ているところは無い。それなのに何故か私からロジャーを感じて思い出していた。

 

「なんでぇ、スゲエ海だと期待してたが今まで通りと変わらねえじゃねえか」

 

「なにを言い出すかと思えば、ここからだぞ」

 

 双子岬が見えなくなって頼れるのは記録指針(ログポース)の針のみだ。

 ハヤトは偉大なる航路の海は出鱈目と聞いていたが今まで通り変わらない海と言うのだが、ザウスは少し呆れてここからが本番である事を告げれば……雪が降ってきた。

 

「雪だと!?今の時期に雪なんてありえんのか!?」

 

「偉大なる航路の島々は四つの季節の島でもある」

 

「四つの季節?」

 

「そう。暖かく穏やかな気候に見えるが独特の植物や動物が生息する春島。夏の暑さが広がり激しい気候変化や特殊な生態系がある夏島。物寂しい気候や秋に似た環境を持つ秋島。雪や氷に覆われた極寒の島で厳しい寒さと独自の文化や生物が存在する冬島。この四種類の島であり、その四種類の島にも春夏秋冬、合計で16の季節がある」

 

 雪が降ってくるなんてありえないと驚くハヤトにザウスは軽く説明をした。

 やはりというべきか偉大なる航路はありえない気候をしている。

 

「ザウスの旦那、詳しいな」

 

「偉大なる航路の世界政府加盟国にも出張した事があるからな、入口程度の知識はある……今から半日ほどは雪や雹や竜巻などありえない気候が襲ってくる。ハヤト、操舵手ならば頼んだぞ」

 

 出張料理人として過去に偉大なる航路にある世界政府加盟国にやって来た事もあるから入口の知識を持っているザウス。

 ハヤトに操舵手ならばこの出鱈目な海を読み切っておけと操舵を任せればザウスは船内に戻った。

 

「ザウスの旦那は手伝わないのか!?」

 

「ザウスにはザウスのするべきことがあるのですよ……天候等を読みますが船を操縦するのはハヤト、貴方です」

 

 おそらくは船員達が何時でも栄養補給が出来る様にと料理を作りにキッチンに向かったザウス。

 今から出鱈目な海があるのに手伝わないことをハヤトは驚いているが、孔明は何時でも栄養補給が出来る仕込みに行ったのだと見抜いた。直ぐに話題をザウスから航路に切り替えて、孔明はハヤトに天候を読んで情報は教えるが船の操縦は任せたという。

 

「こいつは出鱈目な海だな……将軍の旦那、これからこんな海が当たり前で船を大きくするならアシスタントが欲しいぜ」

 

「奇遇だな。仲間を増やさなければならないと私も感じていたところだ」

 

 ロビンのハナハナの実の能力で人海戦術が必要な所を誤魔化しているが、それでも船員は全員動かなければならない。

 舵輪を握って船を操縦するハヤトはアシスタントが欲しいと言う。帆を操るアシスタントや敵対する海賊が仮に近くに居た時に大砲の弾を持ってくる戦闘員であり雑用をこなす者がそれなりに必要だと私もちょうど感じていた事だ。




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