悪魔超人軍総帥 悪魔将軍   作:アルピ交通事務局

53 / 84
誠の侍!の巻!

 

「闘志を隠しきれない鼠が一匹、なんの様だ?」

 

 私の見聞色の覇気の探知から回避し、誰かが船に乗った。

 闘志を剥き出しにしたことでそれを理解し、船上に出てみれば着物を着た剣士が立っていた。

 

「勿論、賞金稼ぎですよ……ここ最近は全くと言って歯応えが無かったけど、貴方は違いますね」

 

 剣士がそう言うと鞘から刀を抜いた。隠そうとしていた闘志を隠すことをやめた。

 孔明を見た。孔明は他の者達を呼びに行く隙があるかと剣士を見るが……隙らしい隙が無い。

 

「じゃあ、やりましょうか」

 

 剣士はそう言うとゼロ・オリジン号から港に飛んだ。

 船で喧嘩をして船を破壊しては意味が無いのと……ここで私が戦いを拒めばゼロ・オリジン号は一刀両断出来るぞという脅し文句である。

 

「ならば……ふん!」

 

「やっぱスゴいな」

 

 ゼロ・オリジン号で戦うことをしないのならば、戦いに応じる。

 私もゼロ・オリジン号を跳び下りて港に立った。相手の力量の詳細は分からないが、私の見聞色の覇気に気付かれないのであるのと……着物を着ている剣士からあることが考えられる。

 

 跳び下りて港を走っていけば剣士もついてくる。

 全力ではないがかなりの速度を出している。剣士は特に距離を離されて置いていかれることもなく、街に辿り着いた。

 

「ここならば問題はありませんね」

 

 街の住人達は眠りについている。街は辺り一帯暗闇、でなく所々に街灯の明かりが照らされている。

 剣士はここならば問題無く戦えるなと抑えていたのか先程よりも強い闘志を剥き出しにした。

 

「狙っていたか?」

 

「まさか、偶然ですよ……おでん様が使った妖術を使えた人を見るのは始めてだな」

 

 獲物を狙う時に大事なのは一番自分に得意な盤面で戦うことだ。

 街灯が所々照らされているが、それでも暗闇と呼ぶには相応しい場所である。私の見聞色の覇気に引っかからない程に高度な気配のコントロールからここまで狙っていたのかを聞くが偶然で片付ける。

 

 剣士は闘志を剥き出しにしている。これならば暗闇に近い街でも見聞色の覇気で動きを読み取れる。

 

「!」

 

「うわ、今のはいけたと思ったんだけど……」

 

「これは驚いた……久しぶりに未来を視た」

 

 見聞色の覇気で数秒先の未来を感じ取った。

 私の首が切り落とされる未来が視えたのでその未来を回避するために剣士の刀による斬撃を回避した。

 

 見聞色の覇気は極めれば未来を見ることが出来る。

 私も当然、そのレベルにまで鍛え上げてはいるが……そのレベルにまで見聞色の覇気で感じ取らなければならない程の相手は久しぶりだ……ミホーク以来か?

 

 剣士の刀による攻撃を未来を視て回避する。

 しかし剣士も私の動きを予測しているのか直ぐに対応をしてくるので……私は両腕のガントレットから剣を抜いた。

 

「貴方も剣士ですか?」

 

「否、超人レスラーだ」

 

「レスラーなら武器は反則じゃないですか」

 

「コレも体の一部に過ぎない……そろそろ遊ぶのはやめておけ」

 

「結構本気で挑んでますよ……でも、貴方にはそれじゃあ届かない!」

 

 両腕のガントレットから刃が出れば剣士かを聞かれたが、私の戦闘は超人プロレスだ。

 レスラーならば武器は反則という最もな意見を言ってくるが、このガントレットに装備されている剣も私の一部だ。

 

 剣士が剥き出しにしている闘志から感じ取れる強さと実際に戦った際の強さが噛み合わない。

 遊ぶのをやめろと釘を差せば……溢れる闘志に相応しい斬撃を放つために残像も残さない速度で私との間合いを詰めてきて唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、左一文字、右一文字、左切上、右切上、逆風、突くの9つの剣術を一瞬の内に行った。

 

「ゲホッゲホッ……驚いたな……これ、ワノ国で実戦最強と言われていた天堂無心流の奥義なんですよ?」

 

「唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、左一文字、右一文字、左切上、右切上、逆風、突く、剣術に置ける基礎を圧倒的な速度で放つ……基礎の集大成でもある見事な技だ」

 

「2本の剣で軽々と受け切った人に褒められても……それに、僕の本領はここから!天堂無心流でなく、誠の剣術を見せてあげますよ」

 

「やはり……侍であったか」

 

 着物を着ている剣士、ではなく侍だった。

 鎖国国家のワノ国の人間がどうしてここにいるのかが気になるが、向こうはギアを上げていく。見聞色の覇気で未来を見るが一歩でも遅れてしまえば自分が死んでいる未来が見える。

 

 侍の刀をガントレットの剣で受け止めてみれば一撃一撃が重い。それに動きが不規則だ。

 まるで1人の剣士でなく、無数の剣士と戦っている様な感覚で……とにかく素早い。おそらくは純粋な足の速さだけならば私以外の悪魔超人軍の人間では絶対に勝てない程だ。

 

「こりゃ驚いた……僕の縮地を相手にこんな暗闇で……ケホッ、ケホッ……」

 

「縮地か……貴様の剣には貴様以外の色々な物が混ざっているな?」

 

「!」

 

「貴様が何者なのかは少々気になるところだが、おいそれと渡されるほどに私の首は甘くはない……硬度10,ダイヤモンドパワー」

 

 ワノ国の侍であるならば余計な事を気にする必要は無い。

 ダイヤモンドパワーを使って体をダイヤモンドに変換させれば目にも写らない速度で動いてくる。闘志を剥き出しにしているおかげか見聞色の覇気で先読みは出来る。先読みは出来るが

 

「っく!」

 

「この硬さ、金剛石の様な硬さですね」

 

「一撃一撃が即死の剣を、幾度となく組み合わせて……」

 

 侍の方が手数が多く、侍の方が攻めてきている。

 ガントレットのダイヤモンドソードで攻撃を受けてはやり返そうとするがそれよりも先に動いていてそれの対応に追われて、攻撃する隙が無い。何発か剣を受けてしまっているが高度調節機能によるダイヤモンドパワーのおかげで体に傷はつかない。

 

 侍が使っている剣術、一撃だけで並大抵の猛者ならば仕留める事が出来る力を秘めている。

 それを無数に組み合わせている……だが、それだけでなく、なんだ?……この侍とは別の誰かと戦っている感覚がする。

 

「金剛石の様な硬さなら都合が良い……天堂無心流の奥義でなく僕自身の奥義は金剛石をも砕く!」

 

 侍がそう言えば荒々しかった闘志が洗練されていく。

 なにかの奥義を出してくるのならばやることは1つだ。

 

「来い、侍の剣がどれほどの物なのかを見てやる」

 

「ならお言葉に甘えて……一歩音消え……二歩無窮……三歩絶刀」

 

 侍は消えた。あまりの速さでそう感じなければならないほどの速度で動いた。

 気付けば私の前にやってきており、侍は私の胸のマークの中心に向かって刀を突いた。

 

「金剛砕三段突き……っ!?」

 

「っぐ……反応することすら難しい同時の三段突きか」

 

 互いに背中を向け合えば、私は膝をついた。

 ポロポロと身体からダイヤモンドが零れ落ちていき、ダイヤモンドの身体から元のメタリックなカラーにまで変貌した。

 

 一方の侍はと言えば持っていた刀が砕けた。

 侍の剣術は金剛石を砕くほどの物ではあったが、武装色の覇気を纏っても刀の方が耐えきれなかった。

 

「硬度調節機能を破壊されるのは久々だが、どうやら勝負は決まった様だな」

 

「なにを言ってるんですか……ゴホッ、ゴホッ……侍ってのは刀を2本持っている物、今のが砕けてもとっておきがゴホッ……」

 

「少しずつ貴様が弱体化していくことぐらい見抜けんとでも思ったのか?」

 

 侍は刀は2本あると2本目の刀を抜こうとする。私は刀が無いと思ったから勝敗は決したと感じたのではない。

 船に乗り込んできて私を見て極上の獲物だと闘志を漲らせていた。徐々に徐々に高まっていく闘志や見たことがない剣術等に苦戦を強いられて最終的には硬度調節機能を破壊された。しかし、この通り私は生きている。そして侍は戦っている最中にも何度かしていた咳が酷くなっていく。漲り溢れていた闘志が弱っていく。

 

「貴様……病に犯されているな」

 

「……だからどうしたって言うんですか?貴方にはゴホッ、ゴホッ……関係無い話ですよね!」

 

 侍は病に犯されている事を感じ取れば、それを理由に手を抜くことや戦いを中断することはするなと言わんばかりに刀を抜いた。

 ギラギラと熱く煮えたぎり漲る闘志は消えている。しかし線香花火の様な今にでも消えそうで消えない儚い闘志が燃えていると感じ取れる。だが……

 

「その程度で勝てるほどに、甘くはない」

 

 目にも止まらない速さで動いているせいか侍の呼吸音がおかしくなっている。

 それでも尚、とてつもない速さを出して挑んでくるが、先ほどの最高速と比較してしまえば軽やかな速度だ。侍の刀を握る握力が弱まっているのでちょうどいいと私は侍の刀に向かってガントレットのソードをぶつけた。

 

「っ!?」

 

「驚いたか?ガントレットのソードを使い相手の武器を経由して腕を一時的に麻痺させる衝撃は」

 

 とある漫画で鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)と呼ばれる剣術をガントレットのソードで再現した技術だ。

 侍は刀を握る握力が奪われた。病の体に無理を押したので膝をついている。

 

「まだだ……」

 

 腕を一時的に麻痺させていて、病の体に無理を押したので肉体の限界は既に迎えている。

 侍として刀を握ることが出来ない、勝負は決まったと思っていたが侍は諦めることをしなかった。それどころか利き腕を殴っていた。

 

「僕だけこんな所で終われないんだ……僕だけがこんなんじゃ情けない」

 

「貴様……ショーグン・アイ!」

 

 肉体は既に限界を迎えている筈なのに気力で立ち上がった侍。

 ポワァと微弱ながらも肉体が発光している。その発光について心当たりがある……心当たりがあるが、実際に目にする事は初めてだ。

 

 私の心当たりは当たっているかどうかを確かめる為にショーグン・アイで侍を見る。

 侍は赤色の光を当てられる……すると侍の周りには無数の別の侍が立っていた。別の侍達が病に侵された侍の肉体を動かすのに力を貸している。そこには居ないはずの侍なのに……

 

「火事場のクソ力……」

 

 それはキン肉マンvs悪魔将軍の戦いで、悪魔将軍にボロボロにされるキン肉マンが友情パワー、火事場のクソ力と呼ばれる物で何度も何度も立ち上がってくる光景に類似していた。

 目の前に居る侍は悪魔の実の能力者でなく、純粋な人間だ……だが、紛れもなく友情パワーや火事場のクソ力と呼ばれる物で立ち上がってきた。

 

「いき、ますよ……」

 

 今にでも倒れそうなか細い声で侍は刀を手に取った。

 侍の背後に見える無数の侍達が口を動かしている。声は聞こえないが、声援を送っている。侍はまだまだ戦うつもりだと分かったのでショーグン・アイをやめる。突撃してくる侍を掴んで一本背負いを叩き込んだ。

 

「カハッ……」

 

「流石は侍、鎖国国家が成立出来る要因だ」

 

 一本背負いを叩き込めば侍は意識を失った。微弱ながらも放っていた光を失った。

 この侍に恐怖に近い感情は抱かなかったが……見事なまでの強さだったと私は褒め称えた。

 

「ふむ……」

 

 硬度調節機能が破壊されたが少しすれば治る。ゴールドマンの肉体もとい超人ボディは1日あれば大抵の傷はあっという間に治る。

 この侍は強い。このパルフェ島の中で最も強く段違いの強さを持っている。おそらくは覇王色の覇気を本気で放ったとしても侍は耐え抜くだろう。

 

「連れて行くか」

 

 侍が微弱ながらも光を放ち、火事場のクソ力を使った。

 なにかがあるなと感じ取った私は侍の刀を鞘に戻し、侍を俵の様に担いでゼロ・オリジン号に戻った。

 

「お戻りに……何故に連れてきたのです?」

 

「少々面白いものが見れたのでな」

 

 ゼロ・オリジン号に戻れば孔明が出迎えてくれるが、私が侍を背負っている事に気付く。

 何故に敵を連れてきたのかを直ぐに聞いてくるので面白いものが見れたと答える。

 

「目立った外傷はありませんが、衰弱はしていますね……船の上に侵入してきた際に咳き込んでいましたが」

 

「病に侵されている……その上で、私を傷つける程の攻撃をした」

 

「金剛の体を持つ貴方をですか?」

 

「そうだ……あのまま戦っていたら、危うかったな」

 

 もし侍の体調が万全であったら、戦いの結果は私の勝利は変わらないが受けたダメージが桁違いだ。

 私は少し傷を受けているが、この程度ならば手当てをしなくても勝手に治る。侍は意識を失って眠っているのでゼロ・オリジン号の空いている一室に寝かしつける。




感想待ってます。感想が作者のやる気を出します
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。