ヒトヒトの実 超人種モデル ゴールドマンを食った男の話 作:アルピ交通事務局
「いや〜楽しいですね」
病に侵された病弱な体から元気な肉体に戻った宗次は元気が溢れている。いや、溢れすぎていると言ったところか。
ゼロ・オリジン号の細かな雑用を孔明は迷いなく押し付けたが宗次はノリノリで引き受けている。
「元気だな、貴様は」
「病気が無くなってこの通りですからね」
「そうか……ところで次の島の情報を知らないか?」
私が宗次に元気な事を指摘すればこの通り!と誇らしげに胸を張った。
貴虎は宗次が元気ならばと、記録指針が示す次の島について心当たりがないのかを聞いてみると同時にメモ帳を出した。
「ゼロ・オリジン号にはまだまだ必要な人材も居るからな……噂だと、偉大なる航路の航海の途中で仲間が死んで冒険が出来なくなった者達が集い海賊団を再結成する所があるらしい。そこでなら必要な人材を集めれる」
偉大なる航路にあるとある島について貴虎は確認する。
確かにそこでならば仲間集めはしやすいが、そこに辿り着くかどうかは分からない。宗次を見れば、宗次は次の行き先を言う。
「確か、世界政府加盟国だった筈です」
「……よりによってか」
「ふん、何処かで当たる筈だろう」
宗次は何処だったかと思い出し、出てきた場所は世界政府加盟国だった。
今までは世界政府加盟国でないところばかりであり今回は世界政府加盟国だ。そこで問題を起こせば大事になるなと少しだけ貴虎は頭を抱えるが、このまま旅を続けたとしても何れは何処かで世界政府加盟国に当たる。特に新世界に向かう為に通らなければならない魚人島がその一例だ。
「将軍の旦那、島が見えてきやしたぜ!」
「ふむ……アルティメットアイ!」
ハヤトが島が見えてきたと言うのでアルティメットアイを用いて私は島を見る。
上から見ていないので正確な形は不明ではあるが、この国は巨大な島が1つと普通のサイズと比較して少し小さめな島がある。
「お〜い!」
「なんだ?」
「あんた達、見たことない旗を掲げてるけど海賊か?海賊だったら、この国に立ち寄ったらいかん」
島に上陸しようと考えていれば船に乗った1人の兵士が現れる。
海賊かどうかを確認して、海賊ならばこの国に立ち寄ってはいけないことを言ってくる。
「だが、船を停めて記録指針の記録を貯めなければ」
「ああ、言い方が悪かった。この大きい島は入ったらダメだ。ここは文字通り世界政府加盟国の1つエルデンランドだ。でも、そっちの島はエルデンランドの領地じゃねえ」
「なるほど……ハヤト、そちらに船を」
「あいよ!」
島の兵士が大きい島が、世界政府加盟国エルデンランドの領土だから小さめの島に上陸してくれと頼んできた。
孔明は納得すればハヤトの指示を出してエルデンランドの領地でない島に立ち寄った。
「ふむ……人の数が無数に感じ取れるな。異常なまでの戦闘能力は感じない」
エルデンランドの領地が普通の肉眼で見ることが出来る距離にある小さめの島。
見聞色の覇気で気配を感じ取ってみるが物凄く強い人間が居るという気配は感じない。それよりも感じれるのは……市場の賑わい等だろう。
誰が先に島に上陸するかの話題になった。
私、孔明、宗次、ザウス、ハヤトが島に上陸する。貴虎、ロビン、リグレットはゼロ・オリジン号に残る。誰が行くか行かないかで揉めるかと思ったがそんな事はなく、すんなりとメンバー分けが終わった。
「では、酒場に行って参りますか」
小さめの島に上陸したらそこは普通の街だった。
怪しい所はなにもないと感じ取った孔明は情報を集める為に酒場に向かう。
「僕は宗次くんと一緒に島の探索に行ってきますね」
「ザウスは……言うまでもないか」
ハヤトが宗次と一緒に島を巡るというのでここで別れる。
ならばとザウスを見るが、ザウスの事だからこの土地の料理や珍しい食材等を探そうとしてる……何処まで行っても料理人でブレない姿勢を持っている。
私も孔明と一緒に情報収集するかと酒場に向かった。
「いらっしゃい」
「1つ、お聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「姉ちゃん、1つで足りるかい?」
「どういう事です?」
「この島の
「ふむ……そもそもでここはどういう感じの国なのですか?ならず者だと分かった途端に入国を断られましたが」
酒場のマスターが記録指針の記録が何時ぐらいに貯まるのかについて軽く教えてくる。
2週間とは短いのか長いのかよくわからない。しかしそれよりも孔明が気になっていたのは、ここがどういう感じの国なのかと言う話だ。
「エルデンランドは世界政府加盟国の1つ……海賊達が来るってなら1つ前のパルフェ島からの記録を経由してやってくる。エルデンランドはならず者はお断りの方針だ」
「私達はこうして上陸できてますが?」
「ここはエルデンランドが色々と手を出してはいるが、登録手続き上はエルデンランドとは全く関係ない扱いだ」
エルデンランドに上陸出来ないと言われたが、無事に上陸している事を指摘する孔明。
酒場のマスターはエルデンランドの本当の領地は最初に上陸を果たそうとしていた大きな島であり、私達が実際に上陸した島はエルデンランドとは登録手続き上は無関係な島だと言う。
まるで日本のパチンコ屋だな。
パチンコの玉をパチンコ屋で現金に換金すれば法律に触れる、だからパチンコ屋の近くにパチンコ屋と繋がっていない様に見える場所で現金に換金している……似ているな。
「つまりここは世界政府加盟国ではない場所と?」
「そうだ……だから海賊を受け入れて物資の補給もさせる。だが、エルデンランドが目と鼻の先で……暴れればどうなるのかは分かっているだろう?」
「奇妙な島なこと……情報をありがとうございます。烏龍茶を1つ」
ありがたい情報は貰えたと孔明は烏龍茶を一杯頼んで飲んだ。
この島では騒ぎさえ起こさなければ問題無く次の航路に進むことが出来る。情報を集め終えた後に一度ゼロ・オリジン号に向かえば少し殺気を漲らせている宗次が居た。
「どうした?」
「それが……どうにもこの島、オークションがあるみたいで」
何があったのかについて聞けばハヤトが答えてくれた。
オークションがあるから宗次は怒りに近い闘志をメラメラと燃やしている……
「オークション?その程度は珍しくもなんともないだろ……家宝の刀でも売られていたのか?」
「違いますよ……人間が売られていたんですよ」
「「「!?」」」
オークションと聞いても珍しい物が売られている程度の認識のリグレットが刀でも売られていたかを聞いた。
宗次は直ぐに否定してオークションで売られているのは人間、つまりはヒューマンオークション、奴隷を売っているオークションだと分かった。
貴虎、リグレット、ロビンは驚いた。孔明も驚いているが直ぐに分析をする。
「なるほど、そういうわけですか」
「なにが?」
「そのままの意味です。世界政府加盟国で奴隷のオークションをしてしまえば色々と問題がおありでしょう。エルデンランドの領地は私達が最初に上陸しようとした島、そして私達が実際に上陸して足を運んでいる島はエルデンランドの管轄外の島、治外法権です」
奴隷を売っている理由を即座に孔明は見抜いた。
エルデンランドでやれば大目玉を食らうからエルデンランドの外でやる、極々普通の考えである。
「分かってた事っすけど、外の世界にはああ言うのホントにあるんすねぇ……」
「船長さん、僕達で破壊しに行きましょうよ。幸いにも強そうなのはいないんで」
奴隷のオークションに困惑するハヤトに対して宗次は破壊したいと言う。
宗次の言葉を聞いて、そういう事をやはり言い出したかと少し呆れながらも私は答える。
「無理だ」
「無理って、僕達なら」
「そうじゃない。そこを叩いてもその場しのぎの正義に過ぎないんだ」
私がハッキリと無理だと言えば、自分達ならばオークション会場を破壊出来ると言いたげな宗次。
貴虎がなにを言いたいのかがわかっており、ここでヒューマンオークションを破壊したとしてもその場しのぎの正義に過ぎない。
「ヒューマンオークションは世界政府加盟国以外で行われている。それを厳しく取り締まる法も無ければそれを行う側も自身が行っている事が悪行だという自覚を持っていないのが大半だ。襲撃したらしたで懸賞金がつけられるか額が上がるかのどちらかだぞ」
「……そう、なんですね……」
いちいち相手にしていたらキリが無いと貴虎に言われると落ち込む宗次。
奴隷やヒューマンオークションをどうにかしたいと言うのであれば革命軍とでも仲良くなればいい。宗次が少し落ち込んでいるので貴虎はもう少し言葉を選んだ方が良かったかと考えていればザウスが挙手する。
「なんだ?」
「この島の
「その辺りはお前に任せている筈だが、なにか問題でもあるのか?」
次の島に向かうまでに2週間程この島に滞在しなければならない。
島を出る頃にもう一度食料補給をしたいとザウスが言うが、食事関係は大体ザウスが管理している。わざわざそれを言ってくるという事はなにかあるのか?
「貴虎よ、現在の船の蓄えは?」
「この前の宗次から貰った金を合わせて5200万ベリーだ」
「将軍よ、悪魔超人軍は金を得る機会が圧倒的に少ない。このままでは何れは資金が底をついてしまう」
「ふむ…………」
ザウスが貴虎に船の蓄えを聞けば今の段階ならば多いがこれからの事を考えれば雀の涙な金額を言った。
悪魔超人軍が現在金を得る手段を持っていない……金を得る方法は3つ、1つはゴールドマンやマグネットパワーを用いて砂金やダイヤモンドを生み出すこと。1つは賞金首の海賊を狩って誰かに換金してもらうこと……そしてもう1つはあるにはあるが、あまり気乗りしないし、最も可能性が低い。
「海賊らしく奪います?」
「海賊じゃない、悪魔超人軍だ……とは言え、それもありといえばありだ」
海賊船が近づいてきたのであれば、海賊らしく相手から身包みを剥ぐ。
ルフィ達はあまりしていないが、この世界の海賊達ならば当たり前の様にしている事だ……
「将軍、なにかあるのでしょう?」
「ふん、隠し通せぬか……硬度10、ダイヤモンドパワー」
ロビンは私がなにかを隠していると気付いたので聞きに来る。
流石にこれ以上は隠しても無駄かと硬度調節機能を用いてダイヤモンドの肉体に変化し……汗を流す。流した汗を容器に入れて手刀で破壊すれば巨大なダイヤモンドが完成した。
「なんとコレは見事なダイヤモンドですね」
「体液をダイヤモンド、サファイア、エメラルド等に変換出来る」
人差し指を曲げてコンコンと巨大なダイヤモンドを叩く孔明。
ダイヤモンド以外にも他の宝石を体液で作れることを言えば驚かれるが気にしない。
「こんな便利な能力あったのに、なんで今の今まで隠してたんすか?」
「この能力があれば怠ける奴が確実に出てくるからだ……………」
「まだなにか隠しているのですか?」
「アレか?昔、革命軍にレシピを売るという契約をさせた商売か?」
ハヤトが便利な能力があるなら早いところ教えてくれてもよかったのにと少し不服そうに聞いてきた。
私がこの能力を使わないのはこの能力を使えば金があるという事だ努力せずに怠ける者が続出するから。それを言ったのだが、孔明はまだなにか金を稼ぐ方法を知っているなと見抜き、貴虎が革命軍に料理でなく料理のレシピを売るフランチャイズビジネスを教えた事を思い出す。
「いや、そうじゃない……」
「どうした?」
「私が記憶している物語を売れば、多少は金になると思ってな」
前世の自分に関する記憶は無いが、サブカルチャー等の知識はある。
それを世間に売ればある程度は受けるだろうが……そうなったらそうなったで困る。作ったのは別の者であり、その手柄を横取りする事になる。果たしてそれでいいのだろうかの罪悪感、知的財産が奪うのは流石に考えものだ。
「因みにどのようなお話なのですか?」
「……2週間もあるんだ。原稿を執筆させてくれ」
話を売る、と言うことはそれ相応の話があると孔明は認識している。
私も色々とあるので具体的にはコレだ!と言う作品は無い。この島には2週間程滞在しなければならないので、なにか1つの作品でも執筆させてくれと頼んだ。
感想待ってます。感想が作者のやる気を出します