ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話   作:アルピ交通事務局

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研鑽の日々!の巻!

 

 結論から言えば3色の覇気の基礎を学べた。月にある月の文明を学ぶことが出来た。

 

 だが……覇気を会得するのに10年も費やしてしまった。月にある月の文明の技術に至っては一部が理解できない。幸いにも書物として色々と残すことが出来たから知識を売りにした者ならばきっとなにかの役に立つだろう。

 

「っぐ……いかんな」

 

 3色の覇気の基礎を会得した。

 

 武装色の覇気を使うぞと意識すれば腕を黒くする事が出来る。見聞色の覇気を使うぞと意識すれば気配をより精密に感じ取れる。覇王色の覇気を使うぞと意識すれば相手に重圧を与えれる。

 

 まだまだ覇気を覚えたてで基礎の世界に入門を果たしたと言われればその通りだろう。ルフィ達は脅威的な速度で覇気を会得したがオレは10年という年月を費やしてしまった。ルフィ達はイレギュラー、例外の存在と言えばそこまでだがそれでも2年あれば圧倒的に成長が出来る。

 

 ルフィ達は覇気に関する情報を知らなかったで割り切ればいいが、オレは既に覇気については知っている。そして覇気に必要なのは自分には出来るという強い心の力、意思だ。それで10年の歳月を費やしてしまったのは情けない……が、この世界は覇気を一生知らないまま終わる者が多いと割り切る。

 

「この星の方が重力はあるか」

 

 覇気の基礎を会得し更には月の文明を学んで月の技術を本と言う形で納めた。ならばやることは決まりだ。己の鍛錬に時間を費やせる。

 

 月とは青い星の6分の1ぐらいしか重力がなかった。筋トレは休まずに行なっていたが、長い間に重力が軽い場所に居たせいで青い星に戻った際に身体に掛かる重力が酷く重たいものだと感じる。

 

「ゆっくりだ……ゆっくりでいい……」

 

 この星の重力に体を適応させなければならない。

 

 こればかりは他者を寄せ付けない圧倒的な筋肉を持っているゴールドマンでも不可能な事……地を這いつくばる姿はなんとも情けないものだがそれを覚悟の上でオレは月に向かった。それほどまでに月には価値があった。

 

 1日、2日と重たい体にムチを打つ。東の海であることはなんとなくで分かるが嘗て育った島ではないのは確かで……4日後に重力と適合した。

 

「ふぅ……筋トレだな」

 

 完全に重力と適合したので筋トレをする。

 

 鍛え抜いた技術もいいが、それを支える土台である肉体を作らなければ話にならない。今のオレはゴールドマン同様にムキムキではあるが月の重力のせいで見た目以上にしっかりとした力を発揮する事が出来ない。要するに見せるだけで中身が無い筋肉だ。

 

 超人的でなく文字通り超人の肉体を手に入れたとなれば鍛え上げる……悪魔の実の能力を利用していると言うのは聞こえはいいが、逆に悪魔の実の能力に依存しているとも認識出来る。鍛え上げた筋肉は基本的には嘘をつかない。

 

 悪魔の実図鑑を過去に読んだ際に記憶したが、オレにとっての弱点になる悪魔の実は4つ。

 

 ゴールドマンの象徴である純金の頭部を錆化させるサビサビの実、純金を操るゴルゴルの実、そしてメタンガスを作れるガスガスの実、後は精々様々な光を作れるピカピカの実。理論上はカピラリア光線も作れるだろう。ヤミヤミの実?アレは攻略法はある。

 

「素手以外にも色々と精通しなければならんな」

 

 筋トレも大事だが、技術の開発にも努力をする。

 

 超人ボディを手に入れた以上はオレの戦闘スタイルは超人レスリングだ。しかし、全ての道はローマに通ずるという言葉があるように全ての武芸はなにかしらの形で超人レスリングに繋がるとオレは見ている。

 

 剣、槍、斧、鎖、牙、弓……この6つの刃物を扱う技術、アバン殺法がある。

 

 アバン殺法と聞こえはいいが、奥義は3つだけだ。

 

 最適解な力加減やフォームで切り裂く、『力』の『地』の奥義

 

 圧倒的な素早さで形の無い物を切り裂く『技』の『海』の奥義

 

 目視する事が出来ない物を見抜いて切り裂く『心』の『空』の奥義

 

 この3つを6つの武器に合わせて使うのがアバン殺法だ。よく分からない謎理論でなく一応はしっかりとした理論を持って会得することが出来る。

 

『空』に関してはある意味会得済みだ。覇気と言う心の力で目に見えない実体を捕まえて攻撃することが可能なのだから。

 

 問題は『地』と『海』の奥義……超人的な肉体を宿しているが故に肉体の力に頼ってしまっている。

 

『地』の奥義は最適解の力加減で攻撃をするというものになっているが、超人的な肉体を持っているが故に元のフィジカルでゴリ押しをしてしまう。それではいかん。

 

 ゴールドマンの力は圧倒的だ。それは否定しない。しかし、純粋なパワー、即ち超人強度だけならばゴールドマンよりも遥かに上な超人はそれなりにいる。圧倒的な力を持っていたとしても、それを生かせる者で無ければ意味が無い。1000万パワーという超人強度を売りにしている超人は1000万パワーと言う力だけでなくそれを完璧に使いこなす事が出来る技量を持っていると自慢している。

 

「確か超人強度を下げる技術があった筈だ」

 

 ゴールドマンの超人強度は1500万、最大が1億の超人強度の中で低いように見えるが1500万パワーの超人強度は高い。

 

 超人強度と言うのは高ければ高い程に良いものであるが、それを使いこなすのは至難の技だ。例えるならば特に訓練されていない人間がほんの少しでもアクセルを踏めば法定速度を軽々と越えるF1カーやスポーツカーを乗っているのと同じだ。

 

 覇気の訓練と知識を身につける事に時間を費やしていたオレは完全にゴールドマンのスペックに引っ張られている。

 

 動物系の悪魔の実は食べるだけで動物が持っている高い運動能力を手にする。それ故にその運動能力のスペックをゴリ押してしまう……幻獣種系は動物としての力+幻獣としてのファンタジーな力が加わるので能力に依存している者は依存しているだろう。

 

「ふん!」

 

 キン肉マンが持つ超人強度は体の外に出すことが出来る。超人パワーとして出すことが出来る物で例えば超人強度100万の超人に対して超人パワー100万を渡せば生き返らせる事が出来るという……だが、逆に超人強度が相手の方が高い場合は文字通り命を捧げれば超人は復活する。

 

 胸からポンッと赤色の球が出てきた。その瞬間、身体から力が抜けた。

 

 超人強度2の超人が存在していて普通に生きていく事が出来るのだが……やはりと言うべきかゴールドマンの持っている超人強度が高いのが当たり前な為に超人強度の塊をそのまま摘出すれば元の力が高すぎてそれに馴れているが為に一気に力を奪われた感覚がする。

 

「これで、いい……」

 

 力の奥義である『地』の技を会得するのに必要なのは万全の状態でなく力が無い状態だ。

 

 ちょうどいい岩の上に薪を置いた。オレは人差し指に力を込めて振り下ろせば……メシリと薪をめり込ませた。オレが求めているのはこれではない。だが、一歩ずつ前に進んでいる。

 

 薪に向かって人差し指を振り下ろす。薪は凹んだり裂けたりする。しかしこれではない。『地』の奥義を完成させるには薪を綺麗に割らなければならない。今のオレは最適な力を入れることが出来ていないが比較的にマシな力を入れることが出来ている。

 

 後天的に宿した超人的なパワーに物を言わせれば、この薪は軽々と粉砕出来るだろう。だが、それではいけない。

 

「ふん!……ふん!」

 

 力の奥義である『地』の技はなにも全身の力が無くなる程の疲労感を感じなければ会得出来ない技ではない。『地』の奥義は力の技ではあるが、その認識は少し違う。最効率なフォームを覚えると言う事だ。最も自分に適した動きを身体で覚える事、常識外れの腕力に物を負わせるものではない。

 

 頭では答えは分かっている……これほど楽な物は無い。

 

 どういう意味か、何をどうすればどういう風に身に付くか、それが分かっている事は嬉しい。

 

「む?」

 

 奥義の会得に1日2日と日々を重ねていけば薪が綺麗に真っ二つになった。

 

 超人パワーを抜き取った事で体に込められている圧倒的な超人パワー無しで動くことが出来るだけでなく酷い脱力感にも襲われている。この感覚でしか掴み取れない物があると薪に対して攻撃を続けていれば答えに至った。

 

 今のはおそらくは偶然だろう。偶然とは言え『地』の奥義である力を最も発揮する最適解なフォームで薪をパックリと割った。

 

 偶然とは言え成功した……ならば回数を重ねるだけだ。1回成功したので2回目を目指すが、身体は覚えていない。『地』の奥義である最適解なフォームは理屈でなく感覚で覚えなければならない。

 

 最初の紛れの感覚を掴む事が出来なかった事は惜しいとは思うが、掴む事が出来なかったが使うことは出来た。ならば何度も試行錯誤することで体で『地』の奥義を会得する事だ。

 

 薪は沢山あるし薪が無理でも岩なんかでもどうにかなる。『地』の奥義を会得するのだと時間を重ね……『地』の奥義を会得した。

 

「……『海』と『地』は逆ではないだろうか」

 

 次に会得するのは『海』の奥義。

 

 海の奥義は液体や気体等の物質的には存在しているかどうか色々とあやふやな物を切り裂く速さの技だ。色々とあるが、この技はスゴくざっくりと言えば飛ぶ斬撃とかがそれに該当している。

 

 嘗て勇者アバンは自分に対して何倍もの重力の負荷をかけることで会得した。圧倒的な素早さから生み出される技であるが……この技、冷静になって考えてみれば圧倒的な運動能力に物を言わせないと出来ないとも認識出来る。

 

 最適解なフォームが『地』で、最速の剣が『海』だが最速の剣は圧倒的な運動能力を用いてであり『地』が技術で『海』が力の剣なのではないだろうか?

 

 まぁ、色々と言っても仕方ないのは確か……そしてこの『海』の技だが『地』の技を会得するよりも遥かに難易度が低い。理由は至ってシンプルだ。オレは既に超人的な運動能力を持っているからだ。

 

 この世界では剣の達人ともなる者ならば当たり前の如く飛ぶ斬撃を使う事が出来る。勿論、純粋な技術力もあるだろうが根底にあるのは1トン以上の重さを軽々と持ち上げて筋トレに使う現実ではまず見ないフィジカルだろう。

 

「ふん!」

 

 予想通りと言うべきか『海』の技はあっさりと会得する事が出来た。

 

『空』の技に関しては既に会得しているも同然なので『地』『海』『空』を同時に使うアバン殺法の奥義であるアバンストラッシュは使える……まぁ、アバンストラッシュはその3つを完璧に同時に使いこなさなければならないので何度か練習はしないといけないだろうが。

 

 ただこれで終わりではない。アバン殺法の『地』『海』『空』に必要な技術を会得しただけに過ぎない。

 

 アバン殺法は全部で6つある。

 

 アバン流刀殺法、アバン流槍殺法、アバン流斧殺法、アバン流鎖殺法、アバン流弓殺法、アバン流牙殺法。

 

 全て刃物ではあるが武器としての使い方は異なっている。『地』『海』『空』を先に会得した後に今度は武器の使い方を覚える。

 

 武器にはそれぞれ売り文句がある。それを見抜き、それぞれに適した『地』『海』『空』を生み出す……と言ってもおそらくはオレが常時使うのは腕に装着するタイプの武器である牙を用いた牙殺法だけだ。あくまでも武芸は一通り会得したと言いたいが為に6つの武器を会得する。

 

「……意外とあっさりと会得する事が出来るものだな」

 

 2年だ、体感的に言えば2年で6つの武術の会得した。やはり読み通りと言うべきか、オレに合っているのは牙だ。別に他の5つが合わないと言うわけではなく、単純にこのゴールドマンの超人ボディが腕を使って攻撃する牙系の武器と相性がいい。

 

「さて……今度はプロレスか」

 

 遠回りをしたが今度こそは原点回帰だ。超人である以上は鍛え上げた肉体で行う超人レスリングで戦う。

 

 とは言うものの具体的なプロレス技なんて知らない。そして相手にぶつけることが出来ない。その辺の木を加工したとして関節技なんて用いてもダメージは無いだろう。

 

 48の殺人技の中で知っている物を会得する。52の関節技は4つ覚えれば勝手に身体が残りの48個を発動する。

 

 しかし48の殺人技はオレには使いこなせない。48の殺人技の正体は相手を殺す技ではない。相手の持っている邪念を殺す技だ。だが、そんな技はオレには使いこなせないのは目に見えている。

 

 しかし、他の悪魔超人のトンチキなプロレス技は使えない。悪魔超人が使っている技の大半がその悪魔超人の超人としての個性を活かした武器であり、その技を模倣する事が出来るかと言われればNOだ。よくわからん人体構造のおかげで悪魔超人のトンチキなプロレス技が成り立っている。

 

 覇気の鍛錬、プロレスの鍛錬、筋トレ……コレを欠かさずに行い続ける。

 

 そうすると徐々に変化が訪れる。それはゴールドマンの肉体の筈が悪魔将軍の姿になった……おそらくは、悪魔の実の覚醒に至った。だが、それだけではまだ終わらない。終わってはいけない。ここはまだ通過点だ。

 

 自分自身に覇王色の覇気をぶつけ続ける。武装色の覇気を体に込め続ける。

 

 覇気という物は染み込ませる事が可能なものだとそれとなく描写がされている……そうやって鍛えて鍛えて鍛えて鍛え抜いて、気付けばダイヤモンドパワーを会得する事が出来た。ゴールドマンの肉体だからで済ませられない圧倒的な肉体の硬度を手に入れた。

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