ヒトヒトの実 超人種モデル ゴールドマンを食った男の話 作:アルピ交通事務局
「副船長、もう大丈夫みたいね」
「ああ、おかげで完治した」
貴虎に巻かれている包帯を解けば傷口は完全に塞がっていた。
カレンはそれを見て、もう大丈夫だと安心している。貴虎も問題無く動けるぞと体を動かしている。
「そういえば、次の島に関する情報を聞いてないわね」
「次の島の情報は分からなかった」
記録指針が示す先に向かおうとしているが、次の島の情報に関して聞いていないとロビンは言う。
情報を集めている貴虎だったが、次の島に関する情報は全くと言ってわかっていない。
「……また世界政府加盟国でなければよいが」
「それは無いんじゃないかしら?世界政府加盟国同士が繋がってたら、簡単に貿易が出来るもの」
エルデンランドの様な世界政府加盟国が次の島だったらと考えるがロビンは否定する。
世界政府加盟国でないのならばそれはそれでありがたいが……厄介な事はまだ1つある。
「無人島でのサバイバルは場合によっては覚悟せねばならぬな」
なにも偉大なる航路は人が住んでいる所だけじゃない。無人島も普通にある。
嘗て文明が栄えていたが何かしらの病で死んだ、凶暴な生物との生存競争で死んだ、他にも色々な理由で人間が生き残ることが出来ず大自然が発達した未開の地でのサバイバル。偉大なる航路を冒険していく上ではそれは普通にありえる。
「将軍の旦那!近づいてきたぜ!」
「ふむ……人が住んでいるな」
「文明がありますね……おそらく……世界政府非加盟国ですね」
ハヤトが次の島に近づいてきた事を知らせれば、見聞色の覇気を最大限にまで広めて人の気配を感じ取る。
人が住んでいるのが分かり、孔明は望遠鏡を出した。明らかに人工物である物があるので人が住んでいる地域と予測するがそれと同時に世界政府非加盟国である事を述べる
「世界政府非加盟国か……めんどうなところだな」
「なにがそんなにまずいんですかい?」
「世界政府非加盟国と言うことは世界政府加盟国の常識が通じない、場合によってはならず者の集まりの様な場所だ」
世界政府非加盟国の可能性が浮上すればリグレットは厄介だと感じた。
まだ上陸すらしていないのに、なにが厄介なのかがワトソンは分かっていないのでリグレットが聞けば世界政府非加盟国は加盟国とは色々と勝手が異なるのだと軽く説明をする。
「世界政府非加盟国と言うのを理由に好き勝手にする無法者が多いわ」
「ふむ……取りあえずは船を停泊させろ」
「あいよ」
ロビンも世界政府非加盟国はあまりいい国ではないのだと言うのだが、上陸しなければならない。
世界政府非加盟国ならばと表の港に停泊させてもなにも問題は無いと判断をしたのでハヤトに船を停泊させる様に言えば船を停めた……
「ここにも色々と居るな」
港に船を停泊させたが、海賊船以外にも色々な船が停まっている事に気付く。
海賊同士がここで争いをしている、と言う気配は感じない。偉大なる航路あるあるの海賊が金を落とすことで経済が回る世界政府非加盟の土地の一つか
「誰が行く?」
この島の名前も情報もなにもわかっていない。
未知なる島なのは分かっているので誰がこの島に上陸し、誰がゼロ・オリジン号の船番をするかについて聞いた。
やはりと言うべきか初の島なので上陸したいと思う面々が多いと言うか全員だ。
船長である私は当然出るとして他の面々も行きたいと思うのが自然な事で、最終的には私と宗次とザウスとロビンが先に島を散策することとなり、残りの面々は船で待つことになった。私達の探索が終われば交代する形だ。
「さて、この島にはどんな食材があるか」
「貴様はそればかりだな」
「料理人として当然な事だ」
この島にはどんな食材があるのかを楽しみにしてワクワクしているザウス。
もっと他に楽しむことが出来る物があるだろうと呆れるが、ザウスからすれば未知なる食材として出会うワクワクの方が楽しい様だ。
「記録指針の記録が何時溜まるか等は後で孔明に任せるとして、この島に関する情報を知らなければならないな」
「じゃあ、たまにはああいう店もいいんじゃないかしら?」
この島に関する情報をまずは手に入れなければならないなとなり、何時もの様に酒場で情報を収集するかと考える。
しかしロビンはたまにはああいう店もいいと唐揚げやコロッケ等をその場で揚げてくれる肉屋と惣菜屋が一緒になった店を指さした。
ああ言う店は色々と情報がありそうだなと思っていればザウスが先に歩いていく。
「オススメの惣菜はあるか?」
「いらっしゃい、オススメの惣菜ね……だったらポークポテトのコロッケがオススメだよ」
「ほぉ、コロッケか」
「ああ!見た目はジャガイモだけど豚肉みたいな味がしているポークポテトってジャガイモを使ったコロッケでな……この島の名物だ」
「ならば4つほど頂こう」
ザウスは肉屋兼惣菜屋の店主にオススメは何かと聞いた。
ポークポテトと言う聞いたことがないジャガイモを使ったコロッケがオススメと言うのでザウスは4個購入して私達に1個ずつ分ける。
「ふむ、肉の味とジャガイモの味がしっかりとしているコロッケだな」
「美味しいですね〜」
ポークポテトと言うジャガイモで出来たコロッケを私達は食べる。
豚肉の味とジャガイモの味がしっかりと伝わる美味いコロッケで宗次も満足そうにしている。
「ところでなんだけど、ここってなんていう島なの?」
「ああ、お客さん旅の人ね……ここはタソガレ王国、世界政府非加盟国の1つ……世界政府非加盟国にありがちな飢饉に侵されてるって事は無いんだけどね」
ロビンがコロッケを平らげれば、店主にここがどういう島なのかについて聞いた。
予想通りと言うべきか、ここは世界政府非加盟国の1つ……世界政府非加盟国の1つならばもう少し物騒な感じがするのだが、とても穏やかな島国だ。
「あら、平和なのね……もっと物騒な雰囲気のイメージがあるのだけど」
「そりゃあこの島には栄之進さんが居るからな!」
「栄之進?」
「栄之進さんは天才からくり技師で、色々な事に精通しているんだ……あんた達が食べたコロッケの材料になったポークポテトも栄之進さんが品種改良して誰でも簡単に肉が食べれるジャガイモとして作ったんだ」
「それはスゴいですねぇ」
殺伐とした雰囲気があるイメージがある世界政府非加盟国だが、物凄く平穏なのは1人のからくり技師のおかげだと店主は誇らしげに語る。話を聞いた宗次は会ってみたいなと気になっている。
「その栄之進とやらは何処に行けば会える?」
「何処に行けばって、なにするつもりだいあんた?」
「なに、この様な芋があるのだから他にも色々と作っているのではないのかとな」
ザウスも栄之進について気になった。正確に言えば栄之進が品種改良した物が他に無いのかが気になった。
タソガレ王国を豊かに発展させている者ならば相当な者だろうと思っていれば店主は浮かない顔をした。
「栄之進さんは捕まったんだ」
「捕まったって、なにをしたんですか?」
「それが物凄いオナラが出るさつまいもを作ったから捕まえられたんだ」
「……なんだ、そのしょうもない理由は」
栄之進が捕まったと言うあまり聞こえがいい話ではない話が出てきた。
宗次が罪状について聞けば、あまりにもしょうもない理由が返ってきた。ザウスは呆れている。
「そうなんだよ。あんまりにもしょうもない理由なんだ……そもそもでこの国の偉いさんが栄之進さんに色々と注文してて、その内の1つに物凄いオナラが出る芋を作ってくれって頼んで……あの人は色々と出来る科学者だけど、本業はからくり技師だってのに」
「ふむ……なにやら裏がありそうだな」
空を飛べるレベルのオナラが出るさつまいもを作らせたのはタソガレ王国の人間で実際に栄之進は作り上げた。
ならばなにかの罪に問われる様な事にはならない。ザウスは裏があるなと予測している。
「ああ、そうだ……栄之進さんの公開裁判が行われるんだ……皆、栄之進さんが悪い人じゃないって分かっててこの裁判は理不尽だって……俺も行きたいけど、店があるからな。あんた達、栄之進さんに会いたいなら見に行ってみなよ」
今日が裁判が行われる日で、ここで裁判が行われると店主から聞いた。
まだまだ街を散策したいのだが、どうしても栄之進と言う男が気になったのでものは試しだと栄之進の裁判を見に行くことにした。
「静粛に!静粛に!……これより栄之進の裁判を行う」
「……あの人、ワノ国の人ですかね?」
裁判所に向かえば着物を着ていて丁髷の初老の男性が手錠をつけられてロープで縛られていた。
あの男こそが栄之進だと分かった。着物や髪形から宗次はワノ国の人間なのかと疑問を抱いたが、誰かが答えるわけではない。
「栄之進よ、貴様は物凄いオナラが出るさつまいも、オナラ芋を作った。その芋を食べた我々はオナラが止まらずにオナラの勢いに余って糞尿まで垂れ流してしまった!それもこれも全てはお前が芋を作ったからだ!」
「とんでもない暴論ね」
裁判官が栄之進の罪を読み上げるが、あまりにもとんでもない暴論だった。
ロビンはそんな暴論がまかり通るの?と思っていれば予想通りと言うべきか、タソガレ王国の民衆は叫んだ。
「栄之進さん、いや、キテレツ斎さんは悪くない!」
「キテレツ斎さんは便利な物を作って我々を豊かにしてくれた!」
「キテレツ斎さんに物凄いオナラが出る芋を注文したのはお前等だろ!」
「無理難題を引っかけてキテレツ斎さんに汚名を被せようとしているのは丸見えだ!」
タソガレ王国の民衆は栄之進もといキテレツ斎は全くと言って悪くないという事を主張する。
しかし裁判官は表情を全くと言って揺るがない。木槌をカンカンと鳴らして静粛に!と裁判を傍聴している者達を黙らせた。
「このオナラ芋が原因で我々は粗相をした……全ての責任はお前にある。異論はあるか?」
「オナラ芋を作ったのは紛れもなく私です……ですが、貴方達の狙いは私に汚名を被せることですか?」
「質問にだけ答えろ!裁判に関係無いくだらない詮索はするな!」
キテレツ斎は自分が作った物だから自分に責任があるというのは認めている。
だが、キテレツ斎は別の何かがあるのだと読んでいる。裁判官はくだらない詮索をするなと一蹴した。
「キテレツ斎よ、お前は数々のからくり等を作って世の中を良くしようとした。しかしその結果、我々は粗相をした。貴様はこれ以上の発明をすることを禁じるべく、座敷牢にて終身刑を言い渡す!」
「…………貴方の狙いは、やはりそうですか」
座敷牢にて終身刑を言い渡されたキテレツ斎は何かを確信した。
裁判を傍聴している者達は理不尽過ぎると嘆いているのだが、裁判官は話を聞かず……キテレツ斎は連れて行かれた。
「……随分とバカげた裁判だったわね」
キテレツ斎が座敷牢での終身刑を言い渡され、誰もが不服に思っている。
そもそもで罪状があまりにもしょうもない物であり、ロビンはこの裁判がバカげた裁判だったと茶番だったと感じた。
「あのキテレツ斎とやら、なにやら別のことに気付いていた様だが……」
「このくだらない裁判はフェイク、キテレツ斎のなにかを狙っている。そんな所だろう」
キテレツ斎が裁判官と少しの会話でなにかを狙っているとキテレツ斎は気付いた。
ザウスはその事について気付いたので、私はこのくだらない裁判そのものがフェイクであり、キテレツ斎のなにかを狙っている。そんなところだ。
キテレツ斎の裁判は終わった。キテレツ斎は連れて行かれた。
連れて行く役人の目は何処か悲しそうな顔をしている。
この街の散策は一応は終わった。
私達は一旦ゼロ・オリジン号に戻り、船番をしていた孔明達と交代を……と言っても人魚のカレンは簡単に入れないので船に残った。
「オナラを物凄く出す芋だなんて、下品ね」
「なにを言う。食物繊維とでんぷんが豊富で栄養価が高い芋だぞ」
孔明達が出歩いているので、カレンに何があったかについて軽く話す。
やはりと言うべきか、オナラが物凄く出る芋はカレンには下品と感じるがザウスはオナラが物凄く出ると言うことは栄養価が非常に高くて美味しい物だと主張をした。
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