13話 寝起きドッキリクイズ
寝ぼけてバイトのように返事したけど、いったい何と会話したんだ!?
「うわぁーっ!」「ふわぁっ!」
見たことのない美少女が家の中にいる、そして肩とか触られた!?
「ビビったぁ」「おぉぉぉぉ〜っ!?!?!?」
乙女にあるまじき声をあげさせられ、そんな事してる場合じゃないけど謎にダンボールを梱包する。声色に清楚さを取り戻そうとしたけど、わけ分からなさすぎて音程が乱れる。
「おっ↑ おっ↓ おっ→ おっ↑」「なっ、なになに怖い」
美少女の方が冷静なせいで、慌てすぎる自分の方がおかしいんじゃないかと頑張ってブレーキを踏む。
「オォーッ! ホーウォッホーワッホーワチャーッ! はいっ、ミルクと離乳食はこの中にしまいました。中には何が入ってるでしょうか?」
「み、ミルクと離乳食……?」
「正解! よく分かったね!」
14話 渋谷系レボリューション
「てか怖っ! 何ですぐデカくなんの? 怖っ」
「まあ今どきは何もかものスピードが速いんですわ」
見てない間に何が起きたのか、妙に人懐こくて軽妙に喋る女の子が、長年過ごした友達かのように話しかけてくる。
「あの子でいい、いいのか? どうなってるのぉ?」
「あー、あー。た、たぁー、たぁすけて、たすぅけて?」
質問したわけじゃなく疑問を口に出したんだけど、だんだん言葉が流暢になり今まさに言葉を学習している。
「たすけて、きっとタスケてくれるってしんじてる♡」
「成長が速すぎる!」
「え、待って普通にタイプなんだけど。もしかしてモデルとかやってる? 今ヒマ? よかったらお茶とかしよーよ♡」
混乱してたけど、頭が軽くなりすぎた少女に彩葉は目を覚ます。
「得体の知れないものはお断り!」
15話 次のマットへいってよし
彩葉が出ていかせようとしたら、抵抗が激しく謎の美少女と綱引きになる。
「ちょっと動いてよ!」「いーやーっ!」
さっきまでふわっとしてた赤ちゃんの柔肌が、まだ柔らかいけど存在感が強くなってしっかりと握れる。
「はいソーランソーラン! 何の教育も受けてない子にっ、負けるはずがっ! ないん、ぐぬぬぬぬぬ!」
その賢さゆえに彩葉は気づいてしまう。自分の体の使い方が下手で、圧倒的にこの子の姿勢のほうが有利なことに。そして筋持久力が低いから何秒も続けられない。
「待って離すからこのままじゃ輪ゴムみたいに、あっ」
まるで狙ってやったみたいに、謎の子は綺麗に後転してベランダの窓に頭をぶつける。
「ぐえぇっ!」
「だっ大丈夫? 綺麗な後転だったよ、せ、先生も合格くれる」
16話 食卓のイメージ
「頭痛い助けて〜! うぇぇぇんっ、ぐぅ~」
「あぁもう痛いのか泣くのか、お腹鳴らすのもどれかひとつにしてよー! はぁ〜、ぐぅ〜」
連鎖する空腹の音に2人で顔を見合わせる。
「助けて〜」
「そこにまとめるんだ……えーとじゃあ離乳食を。これとかすぐ食べられるって、調べたんだけど〜……」
ひとまず落ち着くために、まだ赤ちゃんだと思って貴重なストックを使い切る。
「ええと、歯がもうあるってことは……うん、柔らかいし、大丈夫そう」
「おいしい、あまーい」
深夜に見た目が中学生ぐらいな子と、一緒にあむあむ離乳食を食べてるってなんだろう。
「誰かと食べるごはんってこういうのだったかなー?」
「まだたりなーい、おなかすいたー」