ハサウェイがアムロやシャアに影響される前に機械オタクになった世界線のお話   作:陸奥九十九

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やっとアムロとシャアが出てきました。あとハサウェイを盛り過ぎた気がする。これも閃ハサで異様に強いハサウェイが悪いんだ……。
次回でいよいよハサウェイがシャアとも邂逅する、はずです!どう展開してくれよう?未定です!
高評価や感想本当にありがとうございます。感想で「あ、確かに!」と気づくこともあってとても楽しいです。

あといつも誤字報告ありがとうございます!ちゃんと見直してるはずなのに、必ず1箇所はある誤字。気を付けます!


コロニーで見える景色 シミュレーター

シャトルはその後まもなくラー・カイラムに回収された。戦闘に巻き込まれて、シャトルの損傷こそあれど人的被害はゼロ。奇跡的だと思う。乗客、乗組員は順次ラー・カイラムへ移り、恐らく最寄りのコロニーで降ろされるのだろう。

 

「でっか……」

「そりゃでけえさ。軍艦ってのは、でけえモビルスーツを何機も収容するし、修理まで必要なんだからな」

「いやあ、そりゃそうなんですけど」

 

ラー・カイラムは想像の5倍大きかった。なんというか、複合商業施設が動いているというか、でっかい都市の官公庁が空を浮いているというか、そういう感じの巨大さだった。

 

「じゃあ、シャトルも中に収容するんですかね?」

「いやあ多分無理だろ。戦闘宙域にもまだ近い。でっかい置物を玄関に置かせてはくれねえだろうさ」

「じゃあ、修理はまた宇宙空間ですか……怖いなあ……」

「なんでお前がやる想定なんだよ!近くのコロニーまで曳航して、修理はそこでやるだろうさ。コロニーお抱えのシャトル専門のメカマンがな。だからお前はゆっくり休んどけ!ほれ、ガイドビーコンが出た。おめえはキャビンに帰りな」

「ああ、待ってください。もう出来るので」

 

まあ素人の雑なお絵描きレベルだけど、無いよりはマシ、かなあ?

 

「今回加工したプログラムと、増設したケーブルの回路を纏めました。もしよかったら使ってください」

「おめえはまた、休んどけって言っただろ」

「自分がいじったものって、なんか気になっちゃうんですよね。それがちょっとしたものでも。最後までやれないと、なんか怖くて」

「……そういうことなら、仕方ねえか?」

「です。凝り性なのかもしれませんね」

「責任感と呼んでやれ。ほれ、接艦作業だ。おめえもキャビンに帰りな」

 

それじゃあ、とキャビンへ戻る。

 

席へ戻ると、何故かアデナウアーさんが僕を迎えた。

 

「ハサウェイ君!いやあ本当に助かったよ。地球連邦政府を代表して、お礼を言おう」

「はあ。いえ、クルーの皆さんのおかげです。僕はお手伝いさせてもらっただけなので」

「何を言うんだい。君の尽力あればこそさ!お父様にもぜひお礼を言わねばな」

「お父様?僕の父親、ですか?」

「そうとも。知らないのかい?君のお父様だろう。ラー・カイラムの艦長、ブライト・ノア大佐は」

「え、そうなんですか?」

「おや、知らなかったのかい?」

「ええ、軍事機密だとかで、父は仕事のことをほとんど話さないので」

「そうか、ならばせっかくの機会だな。ぜひゆっくり過ごしたまえよ」

「はあ、どうも」

 

そう言ってアデナウアーさんは操縦室へ向かっていった。機長との最後の打ち合わせかな?

 

「ねえ」

 

ん?と振り返ると、クェスが袖を引っ張ってきた。

 

「ハサウェイのお父さん、凄い人なんだ?」

「らしいよね。凄い軍人さんだって」

「なんだよ、興味ないの?」

「無いわけじゃないけど、父さんあまり仕事のことは話さないから。ほら、軍事機密とかもあるだろうし」

「ふぅーん……」

 

興味を無くしたのか、クェスは窓の方へ向いた

 

それからすぐに、乗客の移動が始まった。ハッチを抜けると、そこには連邦の、ベージュやグレーの制服を着た軍人さんが待ち構えていた。

 

「誘導します!急がず列を作ってこちらへ!」

 

その声に従って移動を始める。なんと言おうか、空気が結構ピリピリしてる。苛立ってるとかじゃなく、気が立ってる。そうか、あの戦闘をしていたのはこの人たちか。

 

「ここから奥には入らないでください」

「士官食堂からは出ないで」

 

そう誘導され、士官食堂へ入る前で、よく見知った顔を見つけた。

 

「ほら君」

「すみません、あの、父が」

「父?」

「ええ、父さん!」

 

僕の呼びかけに気づいたように、こちらへ向かってきてくれる。近くで見て……うん、父さんだ、な?多分。

 

「ハサウェイ!お前、このシャトルに乗っていたのか。怪我とかはないな?」

「うん大丈夫。本当に、父さんが艦長さんなんだ……」

「うん?いやそうだが、どこでそれを?いやその前に、母さんとチェーミンはどうしたんだ?一緒じゃないのか?」

「シャトルに、3人は乗れないって。それで、僕だけ」

「……そうか、大変だったな」

「次のシャトルさえ出れば、母さんたちも来れるはずだから、ただ……」

「ああ、分かってる。分かってるよ……」

「艦長。感激の対面中申し訳ないが」

 

そう言ってアデナウアーさんが父さんに話しかける。

 

「父さんこれだけ、母さんとチェーミンから。それじゃあ」

「ああ、しっかり休みなさい」

 

母さんとチェーミンの手紙を渡し、食堂へ入る。なんだか嫌な気配がする。そんな漠然とした気分の悪さがあった。

 

 

 

士官食堂でご飯を頼もうとしていたはずなのに、何故か僕はクェスに引っ張られ、モビルスーツの前に立っていた。当のクェスはコクピットになんか乗ってる。良いんだろうか?軍事機密じゃね?まあ、見たからと言ってどうとも思わないけどさ。

 

「やられた?」

「そういうことだ、惜しかったな、クェス・パラヤ」

 

メカニックのアストナージさんが、解説もしながらガイドをしてくれている。良いのだろうか?実はこれ軍事機密じゃなくて、量産市販品のシミュレーターなのか?

 

「これが大きくて、あたしの手に合わないんだもの」

「ノーマルスーツを着れば合うさ」

「ふーん、ねえ!ハサウェイもやってみなよ!」

「え?いや、僕は良いよ」

「そういわずに、ほら!」

 

クェスが僕の手を引っ張り、シートへ押し込む。アストナージさんは特に止める様子もない。そうか、やはりこれは市販品のシミュレーターか。じゃなきゃ普通止めるもんな。以前軍事機密がらみの仕事でヤシマ重工に行った時なんて、3重のセキュリティに役員の生体認証まであったし、軍事機密ってそういう扱いだよね。

 

「良いんですか?」

 

ただ確認はしたい。万感の念を込めた良いんですか?人生初緊張感のある良いんですか?だ。

 

「勿論さ。ほら、レバーを握ってみろ」

「あたしの方が成績いいかもね?」

「そうかもね」

 

大丈夫そうなので、ヨシ!

まあこれも経験か。基本操作はプチモビと大きく変わらないんだな。知らないボタンが無数についてるけど、2本の、レバー?球体操作パッド?と足元のペダルは変わらない。これ衝撃でパッドから手が離れないか?どうなんだろ?

 

「ほう、上手いもんだな」

 

操作感はとてもナチュラルだ。緩く操作すれば緩く、機敏に操作すれば機敏に、人間の感性によく合っている。この操作感はどうやって作ってるんだろう?ミリ以下の操作にも追従するし、一方で無意識のブレは拾わない。これはある種、究極のバイワイヤかもしれない。

 

「ほら、敵が来るぞお」

 

警告音、ペダルで回避行動。これもスムーズだ。じゃあ踏み込め。豆粒のような距離にいた敵にすぐに近づく。ターゲットをセンターに入れて、スイッチ。敵機撃破。

すぐにまた警告音。どこ?後ろか。反転動作。視界がぐるぐる回る。宇宙って感じだ。上下左右が無いから、敵が寝っ転がっているように見える。

追加の警告音?どこから?いや、考える前に避けろ。回避行動をとりつつ敵へ。ターゲットをセンターに入れて、スイッチ。撃破。動き続けろ。

 

シートが軽く揺れる。被弾したのか。なるほど、4DXじゃん。敵は何処だ?頭上と、真下!

警告音が出るとほぼ同時に回避行動。それでも被弾。なるほど、避けた先で当てられてるのか!挟まれたら死ぬ。多対一でも勿論死ぬ。そんなのフロムゲーで履修してるんだよ!

近い方、ここからでも当たるだろ?射撃、撃破。次は下。こっちは遠すぎる。近づけ……いや、なんだ?回避行動!

 

左右のペダルをガシャガシャと交互に踏み変える。敵がどこにいるかを確認しろ。何処だ?真下にいたやつと、後ろ?それに……右側!

右側の敵を射撃、撃破。すぐ動けすぐ動け。これ止まったら死ぬゲームだ。止まらないと照準が定まらなくて、ただ止まったら蜂の巣にされる。

また警告音。しかも真下でも後ろでもない。いや、考えるな。ランダムに動いて当たらないことを祈れ。あとペースを上げろ。当たったら一発で墜とせる武器を持ってるんだから。もっと早く。囲まれたら死ぬ。囲まれる前に各個撃破する。

真下の奴、射撃、撃破。後ろの奴が迫ってくる!真下の奴を囮にしたのか!回避は、無理!防御行動!

シールドを構えると、そこに光る斧が叩きつけられる。またシートが揺れる。

近接格闘。攻撃が防がれた瞬間なんて、一番無防備でしょうが。横っ腹にサーベルをぶっ刺して、相手を引きはがすように蹴っ飛ばす。撃破。

警告音!上から光る斧を持った敵が振ってくる。回避無理、シールド!と思ったところで、ボガアァァーーン!と大きな爆発音が響く。

 

ああ、撃破判定か。これ、上から来た奴を盾で受けた時に、無防備な腹を撃たれたんだ。……はあぁぁーーー!何だこのクソゲー!二度とやらんわ!

 

「これ設定酷くありません?」

 

思わずアストナージさんにそう言うと、アストナージさんが呆けたようになっていた。

 

「酷くないさ。さっきのはシールドで受けちゃいけない。攻撃を仕掛けられて自分の動きが止まった時点で、相手から狙撃されることを頭に入れなければな」

 

茶髪の男性が、そう言ってコクピットを覗き込んだ。誰?

 

「ただ素晴らしいセンスだな。今すぐにでもロンドベルに入れるぞ?なあブライト?」

「あ、ああ。ハサウェイにこんな力が……」

 

コクピットから出ると、なぜか大所帯になっていた。父さんとアデナウアーさんもいるし、茶髪の若い人もいる。

 

「凄いよハサウェイ!6機も墜とした!あたしなんか2機だけだったのに!」

「家にいるとき、プチモビはずっとさわってたんだ。アルバイトでさ。操作感が大きく変わらなかったし、そのせいかもね?」

「え?ハサウェイ、アルバイトしてるのか?」

「え?うん。でも、祖父ちゃんのお手伝いレベルだよ?言ってなかったっけ?」

「あ、ああ、聞いていないが……」

「でも、ハサウェイはシャトルだって直したろ?凄いよ!」

「え?どういうことだハサウェイ?お父さん何も聞いてないぞ!?」

 

何だろう?すごく面倒くさい。もう地球に帰りたくなってきた。

そうだ、帰ったらヤードの奥でゴミになってたスープラを直そう。あのぐちゃぐちゃのボディを奇麗に直すんだ。そうだ埃被ってたフレーム修正機の使い方も覚えなきゃ。バーナーであぶって、ハンマーでたたいて、当て板と鉄板で形を直して……新車同然のボディに再現出来たら最高だよなあ……。エンジンは何故かヤードにいくらでも転がってるし、2Jはパワー出せるもんなあ……。ターボの限界に挑戦してみるのもいいかも。T88を奇麗にリビルトして、シングルターボで800馬力仕様……夢あるなあ。でも下からキレイに回して公道でも走らせたいなあ。だったらツインターボの方がいいかなあ?ターボコントローラーの使い方も、トミナガさんに教えてもらわなきゃあ……

 

「実際どうだ?もし将来パイロットになりたかったらぜひうちに来てくれ。素質は十分以上だ」

「アムロ!そういう話は、まだハサウェイには……」

「そうか?俺は15歳でガンダムに乗った、カミーユもそう変わらない年だったし……ハサウェイ、君は今いくつだ?」

「えっと、13歳です」

 

そうか、この人がアムロさんか。父さんと母さんがよく話してる人だ。すごいパイロットの人。あと恋人が結構頻繁に変わる人。

 

「13歳か……確かに少し早いかもな。だが、良い目をしている」

 

気になったら声をかけてくれ、そう言ってアムロさんは別のモビルスーツのところへ飛んでいった。

 

「ハサウェイ、ほらこっち!」

「ちょっと!……ごめん父さん、行くね?アストナージさんもどうも!」

 

クェスに引っ張られモビルスーツから離れる。うん、なんか疲れた。精神的にも。ご飯食べてゆっくりしたい……。

 

 

僕はクェスに連れられ、何故か知らないけどラー・カイラム内のレストスポットにいた。艦内での生活にメリハリをつけるため、自然の映像を投影した、休憩スペースだ。

僕流され過ぎじゃないだろうか?ただご飯にありつけるのは嬉しいので、ハンバーガーをもしゃもしゃと食べていた。

 

「美味しい?」

「美味しいよ。食べる?」

「ううん、お腹減ってないから」

 

3つ買ったうちの一つを差し出すが、そう返された、ほな僕の顔を覗き込むのやめてくれへん?食べづらいんだけど。

 

「ねえ、あれがアムロ・レイなんだね?」

「え?そうね、アムロさんだね?」

「なんだか、普通の大人みたいだった。あの人、凄いパイロットなのに。」

「そういうものじゃない?周囲を圧倒したり、見るからにオーラが出てる人もいるけど、凄いのに普通の人もいるよ」

「ハサウェイみたいに?」

「僕の先生たちみたいに、かな?」

「ハサウェイ、誰かに師事してるの?何の?」

「武道と、あと機械関係をちょっとね。まあ、武道の先生は見るからに凄い人なんだけど。それに機械関係は、僕が勝手に心の中で先生だって呼んでるだけなんだけどさ」

 

傍目から見ると普通のおじさんだもんなあ、祖父ちゃんもトミナガさんも。

 

「ねえ、なんで凄いのに、凄いように見せないの?」

「凄いように見せるのが目的じゃないから、じゃない?やりたいことがあって、やりこんで、結果凄くなった人なんかは、あんまり偉ぶらないのかもね?」

「ハサウェイもそうなの?」

「僕はあんまり凄くないよ。クェスに凄いって言ってもらえるのは嬉しいけど、僕は僕よりずっと凄い人たちを知ってる。だから、凄いって言われても、あんまり実感ないんだよね」

 

天才と呼ばれる人、プロフェッショナルと呼ばれる人。僕はまだ、そのレベルにはいない。

 

「お父さんは、あんなに偉ぶってるのに……」

 

クェスが苦虫を噛み潰したように言う。

 

「クェスは、お父さんのこと、苦手?」

「嫌いだ、あんな人。母さんをほっぽり出して、若い女を作って……」

 

おお、思った以上に重いな。実情は知らないが、アデナウアーさん結構カス野郎かな?

 

「そっか、大変だったんだね」

 

僕は家族に恵まれている。父さんは真面目な軍人さんで、母さんはこれ以上無く家族を愛してくれている。チェーミンは最近ちょっと難しいけど、それでもかわいい妹だ。祖父ちゃんは僕の師匠で、時折友達のようで、しっかり諭してくれる父親のようでもある。祖母ちゃんは、そんな祖父ちゃんと僕を見守ってくれてる。

だから、クェスの苛立ちと、不安と、孤独と、そう言ったものを理解することは、多分出来ない。

 

「ねえクェス、クェスは最近何が好きなの?」

「え、何急に?」

「僕は機械いじりが好きで、特に車やバイクが好きなんだ。クェスは?」

「私は……おしゃれが好き。可愛いものも、好き」

「良いねえ、その髪型も、自分で考えたの?」

「……そう。そうなんだ!可愛いでしょ?」

「うん、良いと思う。アシンメトリーはオシャレ上級者だね。可愛いよ」

「そうだろ!リボンも違くてね……」

 

クェスは話す。たくさん話す。

髪型は二つ結びが好きで、ひらひらした可愛い服が好きで、色は明るいピンクや黄色が好きで、でもファッションはモノトーンの落ち着いたのも大人っぽくて好きで。

普通の女の子だ。

結構毒づくし、たまに凄いことを言おうとしたり、凄いことをしようとするけど。可愛いものが好きで、大人っぽいものも好きで、可愛く着飾った自分も好きで、そんな自分を、誰かに好きになって欲しいと思ってる。

 

ケンカの仕方を知らずに、子供のままでいられずに、でも大人には勿論なり切れず、いつの間にか大人ぶるようになってしまったんだろう。誰も彼女を助けてくれなかったんだろう。

僕にはたくさんの先生がいた。生き方を教えてくれる先生、立ち方を教えてくれる先生。だからこうして、楽しく生きていられる。

 

彼女には、それが無かった。頼れる人がいなかった。認めてくれる人がいなかった。父親はいても受け入れがたく、母親は去って孤独になった。逃げた先で彼女を受け入れたのは、特別なニュータイプになってくれる彼女だけだった。

可愛いものが好きな、寂しがり屋の女の子を、誰も受け入れてくれなかった。

 

多分、僕じゃなくてもいい気はする。

僕よりも大人で、僕よりもカッコよく、そんな人はいくらでもいる。それこそアムロさんとかで良い気がする。

でも、ここで突き放すのも違う気がする。

 

まあ、当座は僕で我慢してもらおう。そのうちかっこいい人を見つけて一緒になるだろう。僕はそれまでの話し相手だ。そう思えば、責任感もなく適当にやれる。

 

「ねえ聞いてる?」

「聞いてるよ。それでどうなったの?」

「それがね……」

 

うんうんと相槌を打ち、彼女が楽しそうに続ける。

 

そうだ、サイド1って結構地球に近いんだっけ?古いコロニーだし、ここでならスクラップ同然のプチモビなんかもたくさんあるんじゃないか?せっかく宇宙に上がったんだし、ざっくり調べてみるか。ジャンク屋さん、いや町の工場にでも聞いてみるか。

それに宇宙で運用されてるプチモビも一度操縦してみたいな。操作感が地上用とどう違うのかとか、そこら辺共通化出来たら宇宙の凄腕技術者をそのまま地球に呼べたりするもんな。

そう考えると、あのシミュレーターの操作感は本当に良かった。適度なダルさと追い込んだ時のカミソリ感。そこそこでも行けるし追い込めばスパッと行ける。GSXに似てるかもしれない。シミュレーターだけなのかな?実機もそうなのかな?プチモビにもああいうOSを作ってあげたいよなあ。自分の手足の延長線上のような操作感を。

 

「ねえハサウェイ!」

「なにー?」

「ボーっとしてる!ちゃんと聞いて!」

「ごめんごめん、ちょっと考え事してた。飲み物無いね、何が良い?」

「リンゴジュース!もう!」

 

ちゃんとしてよね、と呟くクェスを尻目にカウンターへ向かう。

 

「ここでも、夕日が落ちるんだな……。まあ、そりゃそうか」

 

地球と変わらない宇宙、地球の延長線上にある宇宙。

 

「宇宙も地球も大して変わらないのに、なんで地球を特別視するんだろ?」

 

シャアという男は、本当によくわからない。いや、テロリストをよくわかってる方が問題か。

 

「ハサウェイまだー?」

「はーい!」

 

とりあえず、今はクェスに構ってやろう。

 

 

同時刻に、サイド1、そのドッグに、小型の宇宙船が入港しようとしていた。サイド1はガイドビーコンを出し、その船を受け入れようとしていた。

 

「連邦政府の提供してくれたコードでバッチシです」

 

操縦士が金髪の男、シャア・アズナブルに言う。

 

「能天気な連中なのかな?」

 

シャアは皮肉気にそう言う。敬意など微塵も抱かない、不遜な風体だ。

 

「大佐、そりゃ違います。我々の根回しの結果です」

 

老人、いや老兵のような男、ホルストがしたり顔でそう返す。

 

「わかっているよ」

 

シャアもそれに相槌する。シャアは船の受け入れを進めようとする連邦軍を尻目に、再び皮肉気に笑みを浮かべた。

 




読了ありがとうございました。
ガンダムっぽくなってい来た、かな?
創作の励みになりますので、感想や高評価など頂けると嬉しいです。
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