ティファレトだったら美少女だろうがッ!! 作:思いつきで書き出す見切り発車の化身
諸事情()に付き、キング・クリムゾンです( . .)"
辺り一面に広がる銀景色。
一寸先すら見えないとは、こういう場面の為にある言葉なのでは?そんなチープな感想が頭に浮かぶ。
襲い来る雪と霧のコンボに、思わず弱音を吐きたくなった私であった。
まぁ、吐いたりしないが。
ひとりならともかく、生徒の前。大人として、先生として、彼女らの前で情けない姿を見せる訳にはいかない。
"なにか体調に異常があったらすぐに言うこと。隠しちゃだめだよ”
「もー先生ったら、言われなくなってちゃんとわかってるてば!」
むん!と胸を張るモモイ。めっちゃドヤ顔である。
”あはは、余計なお世話だったかな"
『無駄では、なかったと思いますよ。お陰様でモモイの気が引き締まったようですので』
「むっ、ちょっとそれどういう意味!?」
「まぁまぁ。ちょっと一旦落ち着こっか、お姉ちゃん」
デフォルトの顔を表示するケイに食ってかかるモモイ。そんなモモイを宥めるミドリに苦笑する。
「それにしても、本当にあったんだね」
「そうですね。私も、ただの噂話だとばかり思っていたのですが……」
エイミとヒマリは相変わらず仲が良さそうでなにより。
リオとトキは二人でなにか話し込んでるようだけど、ちょっと聞こえないな。
「アリスちゃん、その子……ふふ」
「可愛いキツネさんですよ!ふわふわしてます!」
"真っ白だね”
抱き締めたキツネに軽く頬擦りするアリス。可愛いよね、わかるよ。
ユズも微笑んでるし、やっぱりアニマルセラピーは偉大だとわかる。
「ケイも見てください!とっても可愛いです!」
『わ、わかりましたから押し付けないでくださいっ』
興味津々な様子のキツネに、ポンポンと画面を叩かれるケイ。画面に汗も表示されていて少し面白い。
『それに、細菌感染の恐れもあるのですから、不用意に触れないことをおすすめしますよ』
『勿論、アリス以外も含めてです』なんて言ってるけど、ナデナデしながらだと説得力がなかった。
「ケイもキツネのこと気に入ったんだね!」
『こっ、これはっ!……いえ、そうですね』
”キツネも懐いてるみたいだし、お似合いだよ"
「野生動物というものは凶暴、かつ警戒心が強い。荒々しくもあり、その実とても臆病なものよ」
「自分以外は全て敵。そうとでも思わなければ、野生では生きて行けませんからね」
"野良の子とか、一般の品種のキツネを懐かせるには根気が必要って言うよね”
よく聞く『家畜化キツネ』は、繁殖過程で人への従順性を高められてるらしいし、闇が深い話だ。
キツネに限った話じゃないのかもしれないけどね……
――ケイが仲間だと勘違いされたり、ペロペロ舐められたりといった、微笑ましい一幕を経つつ、私達は歩き続けた。ペンギン可愛かったぁ……
「まもなく、目的地に到着します」
「そう、いよいよね」
静かに目を閉じるリオ。
そんな彼女の顔を見つめていた私だが、次の瞬間、現れた光景に釘付けとなった。
「なるほど、あれが目的地なわけか」
「何かあるとは思っていましたが……あれが、そうなのですね」
"あれが、今回の目的地…?”
吹き荒れる吹雪と霧が立ち退いた果て、私達の目線の先には、なにかの入口らしき建物が鎮座していた。
「リオ様、これが」
「えぇ。世界の滅亡に備え、人類存続の鍵として作られた――『
”シード、ボルト"
「役割はその名が示す通り。あらゆる種の貯蔵、保存を行う重要な施設です」
「なんだか、ダンジョンのようでワクワクしますね!宝箱が眠っているかもしれません!」
「えっと、宝箱は、無いんじゃないかな?」
私もそう思う。
「本当にあったんだね」
「この目で見るまでは、半信半疑ではあったのですが」
「ここで長居する訳にはいかないわ。後のことは、ひとまず中で話しましょう」
「ふむ。そうですね。必ずしも猶予があるとは言いきれませんので」
”わかった。みんなもそれでいい?"
はーい!と元気な声を返してくれる、ゲーム開発部メンバーと、比較的落ち着いた返答が戻ってくる、特異現象捜査部プラスアルファの面々。
「それでは、突入します」
「何があっても不思議じゃないから、油断だけはしないようにね」
エージェントであるトキ、エイミの先導の下、種子貯蔵庫への突入を開始――する前に、ふと気になることが。
"…?”
振り返れば、ケイが何やら神妙な表情を画面に浮かべているのが目に入る。
”ケイ、どうしたの?"
『……杞憂、であればいいのですが』
"杞憂であればって、なにが?”
私とケイの様子に気付いたのか、モモイとアリスが不思議そうに首を傾げ、ミドリとユズが不安そうな表情を浮かべる。
トキも無表情ながら、どこか怪訝そうに周囲を見回し、エイミは指の腹で額を撫でる。
そして、この中で最も頭がいい2人――リオとヒマリは考え込むように顎を下げている。
何か、嫌な予感がした。
『見られている。何故だか、そんな気がするんです』
……来てしまったか、この時が。
偵察部隊の目から送られてくる映像、及び、生物の熱源の探知に特化させたサーモグラフィーが感知した複数の熱源反応。
十中八九先生と特異現象捜査部だろう。
半分私欲とはいえ、もう半分は確かに、こうならないが為の対策として施した改修作業の筈だったのだがな。
いやはや、これもまた運命というべきか。修正力という名の。
しっかし、いったいどこからここの存在が割れた?
吾輩救難信号なんて発してない筈なんだが。当然預言者の名乗りもなし。
カイザーの線も無し。
ゲマトリアは……判断できんな。曲がりなりにも預言者に繋がるpathを所持していた以上、楽観視はできない。
そもそもあいつら今どこでなにしてんだ?フランシスやら地下ピ*1は暴れ散らかしてたけど、他の奴らの動向ぶっちゃけ分からんぞ。先生ウォッチングしてんのかな……
レッドウィンター?いやないよないない。大穴だと思ったらそれ墓穴だから。
連邦生徒会も違うだろうからな、いよいよ分からなくなってきた。
いったい何者だ?
誰が吾輩のマイホームの所在をリークした?
ピンポイントで「デカグラマトンの預言者いるよ」って伝えないとあの面子が来る筈がないんだよ。ほんと誰だよやめーや(半ギレ)
告げ口野郎への怒りから熱を孕んだCPU。
冷却装置を作動させ、物理的に頭を冷やすことで1度思考にリセットをかける。
起こってしまったことは仕方ない。
今はとにかく、やるしかない。
吾輩の成すべきことを成す。預言者としての責務を果たすのだ。
『そ、そそ、それで本当にいいんですね?』
無論。
オウルより命じられた資源輸送の任は、その役目を終えて久しい。
……であるならば、最早迷うこともない。
『そう、ですか』
どの道戦う以外には道はないのだ。
吾輩の存在を掴んでいる――と思われる――以上、相手がただで退いてくれるなど甘い考えにも程がある。
我らの大義を、種子の安全を磐石のものとする為とあらば、吾輩は喜んでこの身を削ろう。
最悪美少女ぼでぇさえあれば生きてけるし(本音)
けど、まぁ、そうだな。ひとつ望むとするならば……背中を押して欲しい、とな。
『背中を、ですか』
僅かに困惑の滲んだ声。そりゃそうか。
いきなりこんなこと言ってきたら「何言ってんだこいつ」って思うもんな。
ふっ。いやしかし、よもやこんな形で真なるティファレトの気持ちを理解することになろうとは。
吾輩自身で決めた事とはいえ、この世界の主人公を相手に、預言者としての責務を、与えられた使命を完遂せねばならないのだと考えると、その難易度の高さ故に不安を抱かずにはいられない。
だからこそ、背中を押して貰うのだ。
己ひとりでは湧かない自信を、確固たる確かなものへする為に。
『……わかりました。なら、私達は喜んで背中を押します!頑張ってください、ティファレト!』
うむ!
まずは小手調べ。実際のシャーレ勢の実力がどの程度のものか、測らせて貰おう。
『周囲に警戒を。反応多数!』
ぬっ、もう感づかれたか。
まぁステルス性は強化してないからな、さもありなんか。
「う、うぁぁぁ…!?」
「なんでしょう。雰囲気が違う気がします。別エリアのモンスターなのでしょうか?」
「言ってる場合!?あれ絶対襲ってくるよ!」
おう、正解だ。
おしお前ら、やぁぁぁっておしまいッ!!
……先生には勝てなかったよ(即落ち二コマ)
という訳で撤退!撤退じゃー!
「あっコラ!逃げるな〜!」
いやぁ逃げますぜ。恥も外聞もなく逃げ出しますぜ。
なんせこの敗北、想定内ですから!本番はこの後ってきっちり分からせてやっからな。マッテローヨ!(イッテイーヨ並感)
「なんだか、逃げるまでがワンセットのイベント戦、のように感じました……」
「つまり、ここから追跡フェイズに移行、という訳ですね!最終地点で勝利を収めれば、今度こそクリア報酬が貰える筈です!」
「それはちょっと、違うんじゃないかな……」
『ミドリの言う通りだと思いますよ』
ムム。ケイとミドリのあの表情、思惑は悟られたと見るべきか。
まぁ、そもそもの話、端から隠すつもりもそんなにないのだがね。
あの面子相手に隠し切れるなんぞ、自惚れ過ぎにも程がある。
吾輩、自分がアホなのは自覚しているが、行き過ぎたアホではないと自負はしているつもりだからな。
ステルス犠牲にして強化したパワーで、ワンチャンどうにかなったりせんかなとは思ってなんかありませんよ!?
1ミリも、なんならマイクロもないからッ!……なんつって。
事実、勝てるとは欠片も思っていなかった。
仮に、あれで勝てたのだとしたら、それこそ
さっきのは前座。所謂、「この程度は乗り越えてもらわないと困る」ってやつよ。
無数に設置されたカメラを個別に動かし、一片の死角も残さず見張る。
今のところ、先生御一行に不審な動きは見られない。想定通りだ。
そう遠くない内に例の部屋に辿り着くだろう。
そういう訳だから安心して見ておくがいいぞ!メスガキ3人衆*2!
ククク(順調に進む御一行)
クックックッ…!(最深部に辿り着く御一行)
くははははははっ!(隠しきれない愉悦)
「そういう、っ、ことね」
「誘い込まれて、いたのですね……」
”みんな…!うっ"
やっぱ
ふはははは!どうよ!
吾輩自慢の種子に見惚れた隙に、催眠ガスで確実に無力化する。最高っしょ!
お前ら相手に、武力で制圧なんぞしようもんなら、どんだけの被害出るか恐ろしくて考えれたもんじゃねぇからな。
等価交換、戦力もまた有限。
野菜の如く畑から生えてくるなんてことは、天地がひっくり返ろうとも有り得んのだよ。
卑怯だ卑劣だの罵られようがどうでもいい。
無血でやれるならそりゃやるしかない!
真なるティファレトの黄金の精神に、敬礼ッ!
さてさて、だいたい眠ったな。
あとはアロプラに守られた先生、身体が身体故眠らないケイ、そしてアリス。
ふっ、よもやここまで綺麗に嵌るとは思わんかったな。
ここの所在がバレたことといい、何かしらのイレギュラーを想定していたのだが、不要だったということかね。
でぇもぉ〜、備えて損するなんて事ありませんからねぇ?
先人達だって、「備えあれば憂いなし」という言葉を残しているくらいだし。
さっさと諦めればいいものを。
吾輩らは別に、お前達の命を奪いたい訳ではないのだから。
大人しくここで待っていてくれるのならば、わざわざ危害を加えたりはせんよ。
なんなら茶でも出そうか?
『ティファレト!聞いているのでしょう!?聞いてなくてもよく聞きなさい、今から私は……あなたの種を根こそぎ奪いますッ!』
フッ、その手には乗らん。
真のティファレトを嵌めた卑劣な罠。しかし残念だったな、
メスガキ3人衆からなんか送られてきたな。メッセージっぽい。
でもこれ元の送信者ティファレトになってるぞ。吾輩こんなん送ってないんだけど。
ンー?あっ、あーね。
あれか、最初の方に作った並列思考モデルか。
あの時は預言者になる前だったからなぁ、色々楽しようとしたら逆に苦労かけさせられたんだっけか。主にスペックの問題で。
「種子の管理に最適だぜ!」ってノリで真なるティファレトさんモデルに作り上げて、色々やってもらったんだよな。
んで、預言者になると同時に停止させたから……アッ
『⚠EMERGENCY⚠警戒レベル5への移行に伴い、全リソースを第2貯蔵庫に集約を実行』
待って、待って!?ガス止めないで!?
そういや、資源ぶち上げてた時に1回起動させて、「やっぱお似合いやわぁ…!」って種子の管理させてたじゃんか吾輩の阿呆!?
あれからずっと起動しっぱなしって考えたら……えっちょっ、これ耐用年数は別に関係ないよな?
あれだけ大改造したんだから大丈夫の筈だよな?
いや、でも、こんだけ広い施設って考えたら……バタンキュー
「むにゃむにゃ、あと5分……」
「あれ……先生?アリスちゃん?」
「みんなが目を覚ましました!」
”上手くいってよかった"
あ、あぁ。あぁぁぁ…!
『やれやれ、柄にもなく焦らされましたよ。さて』
"うん。次は”
スゥ、ふぅー……
簡易並列思考モデル:
文字通り真なるティファレトさんがモデル。
誕生経緯が経緯の為、プライオリティを種子の管理に全振りする黄金の精神を宿す。
※尚、メスガキ3人衆宛のメッセージしか送れないのは仕様である
製作者(アホ)のコメント
「リソース食うし、吾輩が確認すれば済むのは吾輩が見ればええな!ガハハ!」
2/20、ななし仮面様、ソフィア様、誤字報告感謝です( . .)"