青き世界に恒星間入植船が一隻   作:嗚呼田鋼多

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初めまして。
嗚呼田鋼多《ああだこうた》といいます。

ものすごく見切り発車で書いています。
途中で書けなくなってしまったらすいません…。




惑星ルビコン3、衛星軌道上、恒星間入植船ザイレム。

コントロールタワーの最上階、総合操艦室及び戦闘艦橋(ブリッジ)

そこに一人の男が立っている。

 

「オールマインドがやられたか…」

 

白いコートを着た青年が、口と頭から血を流しながらつぶやく。

誰もいないザイレムを見渡しながら、入ってくる情報を整理する。

彼の名前は、ザイレム。

もはや風前の灯となった彼に何の因果があったのだろうか、彼に意識が宿り、人と同じような体をも得た。

 

「これもコーラルによるものだろうか…」

コーラル。

情報伝達性があり、優良な燃料としても使用可能。さらには兵器への転用が可能という、夢の物質。しかし、集まれば集まるほど、指数関数的に増殖する。発見されてから半世紀以上がたつにもかかわらず、その詳細にはいまだわからないことのほうが多い。

よって、何が起きても、それを証明できる証拠がない…そんな謎多き物質でもあるのだ。

 

データを見ていた顔を上げる。

遠く、LOCステーション31の上、一機のACがバスキュラープラントを眺めている。

その直後、コーラルリリースが始まる。

コーラルの赤い奔流が、ステーションを、衛星砲を、ルビコン3を、もちろんザイレムも飲み込んでいく。

意識が薄くなっていく。

 

(なんだよ…せっかく生まれたのに、すぐに消えるのか? 物足りないな…)

 

その愚痴が誰かに聞かれることはなく、赤い奔流はすべてを平等に飲み込んでいった。

意識はほぐれ、流され――再構築される。

 

 

「はっ!」

 

背中に冷たさを感じる。どうやらいつの間にか気を失っていたらしい。

傷も治っている、体に異常はない。

起き上がると、場所は変わらず、ブリッジのまま。

しかし、外の様子が違う。

 

「…海?」

 

青い海が、ブリッジのすぐ外に広がっていた。

波のせいだろうか、海水が少しずつブリッジに流れ込んでいる。放っておいたら、すぐに水没してしまうだろう。

しかし、

 

「どうすればいいんだ…?」

 

いい方法がわからない。

窓を直す?

いや、時間がかかるし、特殊硬化ガラスもない。

船自体を上昇させてブリッジを海の上に?

…できるかもしれない。

 

「全艦、システム起動。通常モードへ移行」

 

遠くで響く、重低音。

ザイレムの最下層、活動を停止していた超巨大ジェネレータが、うなりを上げ、このザイレムをまどろみからたたき起こそうとする。

 

パッとブリッジのモニターの一つが点灯する。

それに続き、天井照明やほかのモニターも点く。

それがあらわすのは…

 

「浸水、だよなぁ…」

 

ほぼすべてのモニターが、浸水を警告している。

そして、都市機能を一部復活させれば、それを食い止め、復旧させることも可能だということも同時に報告している。

 

「都市保全システム起動。状況を報告せよ」

 

バシャリ。海水がかかる。

 

「…反重力システム起動、出力2%。都市機能の15%を海上に」

 

かくして、ほぼすべてが海に沈んでいたザイレムは、アーレア海にいたときと同じく、都市機能を少しだけ海上に出した、洋上都市へと戻った。

 

 

「あぁ…どんどんエラーが増えていく…どうすればいいんだ…?」

 

……いまだに山のように積み重なる問題とともに。彼がこの世界の現実を知るのは、まだ先のようだ。




アズレンとの絡め方どうしよう…
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