あとハルカがめっちゃ悪い感じに……。
……そういえば、原作ではなぜ起爆装置一つで紫関ラーメンが爆破できたのだろうか……?
まさか事前に設置を……?
こんな拙い小説に評価や感想してくれるなんて嬉しいねぇ……
第一章:便利屋68の「本番」と、弾ける柴関ラーメン
アビドス砂漠、夕暮れ。
砂に埋もれかけた一軒のラーメン屋『柴関ラーメン』の前に、四人の少女たちが立っていた。
自称「アウトロー」を標榜する組織、便利屋68の面々である。
「……はぁ。まさか敗ぼ、……撤退する羽目になるなんて」
社長のアルが、顔を青くして震えていた。依頼主であるカイザーグループの担当者からは、「前回のは、ただの肩慣らしだよね? 次が本番だよ?」という、血も凍るような圧力をかけられたばかりだった。
「社長、気になさらないでください。次は私が……私が、あの学園ごと、すべてを消し炭にしますからぁ……!」
ハルカが、どす黒いオーラを放ちながら呟く。
「ま、とりあえず飯にしよう。腹が減っちゃ、悪巧みもできないからねー」
そう言いながら、ムツキが面白そうに暖簾をくぐる。
だが、運命は残酷だった。
店内でラーメンを待っていた際、店主の些細な一言――「最近のアビドスは物騒だから、変な商売に引っかからないようにね」という言葉が、極限状態だったハルカの脳内回路をショートさせた。
「……今、社長の仕事を……便利屋68を……否定しましたか……?」
「え? いや、そんなつもりじゃ……」
「否定しましたね……。謝っても許しません……。ゴミは、ゴミ箱……いえ、塵すら残さず、爆破です!!」
ドォォォォォン!!
アビドスに、激しい爆破音と炎が立ち昇った。
第二章:ゲヘナの介入と対策委員会の憤怒
その爆破音を、冷徹な瞳で遠くから観測している一団があった。
ゲヘナ学園、風紀委員会。
委員長であるヒナの不在をいいことに、行政官のアコが独断で動かしていた「便利屋68確保作戦」の部隊である。
「作戦開始です。便利屋の自爆でしょうか? どちらにせよ、アビドスの無法地帯でゲヘナの恥晒しをこれ以上放置するわけにはいきません。総員、突撃してください」
アコの冷ややかな号令とともに、風紀委員会の車両が砂埃を巻き上げて突進する。
だが、そこにはもう一つの「正義」が待ち構えていた。
「……待ってください!あなた達ゲヘナの風紀委員会ですよね!?ここがアビドスの土地と知ったうえでのことですか!!」
炎上するラーメン屋の前に、アビドス対策委員会のメンバーが立ち塞がる。
アヤネが、暗に領域侵犯であると主張する。
「ん、ゲヘナの人間が、アビドスの土地で勝手に爆破事件を起こし、さらには勝手に検挙を始める……。これは宣戦布告と受け取らざるを得ない……」
シロコの瞳が、冷たく細められる。
「アビドスの土地?まぁそれは置いておいて……、これはゲヘナ内部の問題です。部外者は退いていただけますか、アビドスの遺物(アーティファクト)の皆さん」
アコの言葉が火に油を注いだ。
「便利屋、ゲヘナ、そしてアビドス……。三つ巴の混戦。くふふっ、楽しくなってきたね!アルちゃんっ!」
ムツキが爆弾を投げ込み、シロコがドローンを展開する。
「な、な、な、何でこうなるのよーーーーーっ!!!」
顔芸を披露するアルをよそに、静寂だったアビドスは一瞬にして硝煙と銃弾が飛び交う戦場へと変貌した。
第三章:砂漠の「正装」と、変態の襲来
「……なんだなんだ? えらく賑やかな音が聞こえてくるじゃないか」
戦場の喧騒を裂くように、朗々とした男の声が響いた。
銃声が止み、全員の視線が一方向へと集まる。
ビルの頂に立っていたのは、後光を浴びて不気味に、そして逞しく輝く二メートルの巨漢だった。
だが、その姿を見た全員が、一瞬だけ戦いを忘れて絶句した。
今日のハンターは、いつもの全身を覆う鎧ではない。
『ボーン装備一式』。
巨大な怪物の骨を削り出し、最低限の部位だけを覆ったその装備は、逞しい胸筋、腹筋、そして太ももをこれでもかと露出させていた。
「な……何あの人……。露出狂!? 変態!?」
セリカが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「変態だーーっ!変態がいるっ!」
「ろ、露出狂だーっ!」
「あれがブラックマーケットの王?ただの露出狂じゃん」
「ぎゃー!!!変態!」
「アコちゃんと同レベルがいるなんて……」
「ちょっとそれどういうことですか!?」
便利屋や風紀委員会の面々が口々に叫ぶ。
「おいおいっ! 変態とは心外だな! これは俺の故郷での『正装』の一つだ! 狩猟笛使いにとって、骨の響きは魂の響きなんだよ!」
ハンターは豪快に笑いながら、背負った巨大な『ボーンホルン』を構えた。
「……ん、どこからどうみても変態……」
シロコが無表情に銃口を向けるが、ハンターは意に介さない。
「はっはっは! まあ文化の違いというやつだ。便利屋の嬢ちゃんたちに、ゲヘナの風紀委員会、それにアビドスの面々か。これだけの戦士が集まるなら、一曲奏でなきゃ男が廃るってもんだ!」
ハンターは戦場の中央へと、地響きを立てて飛び降りた。
第四章:高周波の暴力と阿鼻叫喚
「邪魔です、その変態的な格好()の不審者を排除しなさい!」
アコの苛立った命令を受け、ゲヘナの自動小銃が一斉に火を噴く。
同時に、便利屋のハルカが「社長の邪魔をするなぁぁ!」と銃を乱射し、先生の指揮のもと対策委員会のノノミがガトリングで応戦する。
まさに混沌。
四方八方から弾丸と爆発が交錯する中、ハンターの瞳が鋭く光った。
(……まずいな。これ以上混戦が続けば、キヴォトス人が頑丈とはいえ、誰かが大怪我を負いかねん)
彼は情報の精査を終えた。
この場を鎮めるには、物理的な暴力ではなく、「感覚への直接干渉」が必要だと。
「よし……。耳をかっぽじれよ嬢ちゃん共! 特大の旋律を聴かせてやる!」
ハンターはボーンホルンを力一杯地面に突き立て、その弦(骨の繊維)を強引に引き絞った。
ドォォォォォン……キィィィィィィィィィン!!
それは、音というよりは「震動の質量」だった。
狩猟笛から放たれた超高周波の衝撃波が空気を物理的に圧縮し、全方位へと拡散した。
いうなれば黒板をひっかくような音がスピーカーから質量を伴って大音量で流れるようなものである。
パリン! パリン! パリン!!
周囲の窓ガラスが粉々に砕け散り、ゲヘナが展開していた通信機器やドローン、便利屋が仕掛けていた起爆装置が、異常なノイズを立てて次々とショートしていく。
「あ、あぎゃぁぁぁぁぁぁ!! 耳が……耳があぁぁぁ!」
「頭が割れる……! 止めて、その音、止めてぇ!!」
ヘイローを持つ生徒たちといえど、三半規管に直接叩き込まれる高周波の暴力には抗えない。
アビドスのメンバーも、ゲヘナも、便利屋も、(先生はアロナが防音壁を張って守った)全員が武器を放り出し、地面にのたうち回って耳を塞いだ。
「ふむ。少し出力を上げすぎたか。……だが、これで静かになったな」
ハンターが演奏を止めると、辺りに静寂が戻った。
聞こえるのは、ショートした機械の火花が散る音と、少女たちの荒い呼吸だけだった。
第五章:委員長の降臨と撤退
その静寂を破ったのは、遠くから近づく小さな少女の、……しかし支配者としての圧倒的な圧を持つ足音だった。
「……アコ。また貴女は、私の許可なくこんなことを」
現れたのは、ゲヘナ学園の風紀委員長、空崎ヒナだった。
彼女は惨状をひと目見て、深く、深く溜息をつく。
地面に這いつくばる部下たち、正装(ボーン装備)で笑う巨漢、そして呆然とするアビドスの面々。
「委員長……。あ、あの……これは……」
アコが画面越しに這い上がりながら弁明しようとするが、ヒナの鋭い一瞥に言葉を失った。
「撤退する。これ以上の交戦は、ゲヘナにとって何の利益もない。……アビドスの皆さん、そして、そこの……『ハンター』。部下の非礼を、私が代表して謝罪します」
ヒナはハンターの格好を見て一瞬眉をひそめたが、静かに頭を下げた。
(社長……今のうちに……)
(ええ、逃げ……じゃなくて撤退するわよ……)
カヨコの合図で、混乱に乗じて便利屋68も逃走を開始した。
「はっはっは! ヒナといったか。お前、いい気迫だな。新大陸のモンスターほどではないが中々のプレッシャーだぞ」
「……お褒めに預かり、光栄です。では、失礼します」
その後ヒナは、先生及びアビドス対策委員会と二言三言言葉を交わし、恨みがましそうにこちらを見るアコが写るモニターを抱え去っていった。
第六章:こぼれ落ちた「名前」
「ふぅ。ようやく片付いたか。……さて、俺も帰るか。拠点で『ユメ』が待ってるからな」
ハンターは、ボーンホルンを背負い直しながら、何気なく独り言を漏らした。
彼は、自分が救った「ユメ」が、ホシノ、引いてはアビドス高等学校においてどのような意味を持つ名前なのか、この時の彼は全く知る由もなかったのだ。
「……え?」
その独り言を、幸か不幸か聞き取った者がいた。
小鳥遊ホシノである。
彼女は、銃を下ろしたまま、石のように硬直していた。
「……今、なんて言ったの……?」
ホシノの声は、かすかに震えていた。先ほどの音波攻撃で耳がやられているせいではない。
心の奥底、数年前に凍りつかせたはずの場所が、今の言葉だけで粉々に砕かれた。
「ん? ああ、俺のギルドのマネージャーだよ。『ユメ』っていうんだ。俺が砂漠で拾ってな。おっちょこちょいなところもあるが、いい奴だぞ」
ハンターは、ホシノの異変に気づかなかった。
彼は既に、拠点に帰ってから食べるであろう『こんがり肉』の焼き加減に思考を飛ばしていた。
「拾った……? おっちょこちょい……? そんな……」
ホシノの視界が、ぐらりと揺れた。
あの、砂漠の向こう側。
自分が死に物狂いで探し続け、結局見つかったのは、壊れた盾と、主を失った遺品だけだった。
あの日、彼女は死んだのだ。
砂漠に消え、二度と戻らない……。
そう自分に言い聞かせ、その痛みを抱えて、蓋をして生きてきた。
「ま、待て!ハンター! お願い、待って、今の話……!」
ホシノが叫ぼうとした瞬間、ハンターは既に大きく跳躍していた。
「じゃあな、アビドスの面々! 風邪ひくなよ!」
そう声を張り上げ、その巨体はあっという間に消えていった。
「……あ、待って……。行かないで……!」
ホシノは、彼を追おうとして足がもつれ、膝をついた。
「ホシノ先輩!?」
今までに見たことのないその姿を目撃し、思わずシロコたちが駆け寄るが、ホシノの耳には彼女たちの声は届かなかった。
(ユメ……。ユメ先輩……?)
同じ名前の他人か?
それとも、あの人は……あの「ハンター」という男は、本当の、本物の彼女を……?
砂漠で見つからなかった彼女が、もし生きていたとしたら。
もし彼の元に彼女の姿があったのなら。
「……あはは。そんなわけ、ないよね……。だっておじさん、あんなに探したんだもん。……あんなに、泣いたんだもん……」
ホシノの瞳から、一滴の涙がこぼれ、アビドスの大地に吸い込まれて消えた。
希望。
あるいは、残酷なまでの淡い期待。
ホシノの心の中で、止まっていた時計の針が、狂ったような音を立てて動き出し始めた。
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一方、ハンターの拠点。
「おかえりなさい、ハンターさん! 今日の装備……えっと、少し涼しそうですね?」
「ああ! 骨の響きは最高だったぞ、ユメ!」
何も知らない「ユメ」が、いつものように暖かいスープを差し出す。
彼女の記憶の奥底で、かつて自分が愛したアビドスの校舎と、後輩の面影が、ほんの一瞬だけ、淡く、熱く脈動したことに、まだ誰も気づいてはいなかった。
【資料】ボーン装備の解説(ハンター視点)
装備名称:ボーンαシリーズ(MR仕様)
外見的特徴:
主に大型モンスターの骨を加工して製作された装備。
露出度が非常に高いが、これは新大陸において「関節の可動域を確保し、素材の軽量化を図る」ための伝統的な設計思想に基づく。
決して変態的な意図で製作されたものではない(とハンターは強く主張している)。
性能的特徴:
【高周波発生装置(ボーンホルン)】:
骨の繊維を震動させることで、小型モンスターを追い払ったり、ディアブロス等の地中に潜むモンスターを強制的に引きずり出す「音爆弾」と同等の効果を発揮する。
キヴォトスの生徒たちに対しては、その鋭敏な聴覚(特にヘイローによる強化された知覚)に過干渉を引き起こし、一時的な行動不能に陥らせる「環境利用兵器」として機能した。
ハンターの主観:
「雷狼竜の鎧は少し暑苦しい。砂漠での狩猟には、この風通しのいいボーン装備こそが至高だ。……え? セリカの嬢ちゃんが目を逸らしてた? 照れてるんだろ、きっと」
【資料】ボーン装備の解説(生徒視点)
「ん、変態……」「流石にあの格好はない」「変態」「露出狂」「あはは……流石に露出が多いかなと……」「エッチなのは駄目!死刑!」「普通に犯罪だと思う」「同志です」