狩猟笛使い、ブルアカ世界へ   作:教頭

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ボーン装備ワールドだと露出少なくね?って言われて気づきました。
前話の装備は4Gから持ってきたということで何卒……。

にしても記憶が曖昧すぎる。
ワールドってちょっと前の作品だったよね?


05.砂塵の銀行強盗:覆面水着団とギルドの影

第一章:不夜城の邂逅とモモフレンズ

 

ブラックマーケット。

それはキヴォトスの法が届かない、欲望と硝煙が渦巻く不夜城だ。

アビドス対策委員会の面々と先生は、この地で一つの大きな「矛盾」を目撃することになる。

 

「あ、あの……! 皆さん、アビドスの生徒さん……ですよね?こんなところで何をしているんですか!?」

 

追われていたところを助けた生徒は、トリニティ総合学園の生徒、阿慈谷ヒフミだった。

彼女は、本来ならばお嬢様学校の生徒として、このような無法地帯に足を踏み入れるはずのない少女だ。

 

「ん……、あなたこそトリニティの生徒……」

「そんな大きな袋を抱えて、どうしたの?」

シロコが首を傾げ、セリカが持ち物について尋ねる。

 

「ええっと……、あ、あはは……。実は、ブラックマーケット限定の『モモフレンズ』新作グッズ『ペロロ様(狩人Ver.)』を買いに……。学校には内緒なんですけど、他にもここじゃないと手に入らないレアものが多くて」

 

ヒフミは恐縮しながらも、ブラックマーケットでの「生き残り方」を一行に語り始めた(それだけ入り浸っているということである)。

その中で、彼女の口から意外な組織の名前が飛び出す。

 

「実は私、どうしても手に入らない絶版品を探す時は、『ハンターズギルド』さんに依頼を出しているんです」

 

「ハンターズギルド……。あの、変た……デカい男がマスターをやってるっていう?」

セリカが嫌そうな顔をする。先日、ボーン装備(4G準拠)という名の「正装」で現れたあの男の印象が強すぎたのだ。

 

「はい! ギルドマスターさんは、機械には凄く疎いんですけど、ギルドの皆さんは凄く優秀なんです。私が依頼を掲示板に出すと、次の日にはブラックマーケット中のジャンク屋からお宝を掘り出してきてくれるんですよ。手数料も良心的ですし、何よりギルドのご飯は美味しいって評判で……」

 

ヒフミが語る「ハンター」の噂。

それは、ブラックマーケットにおいて、理不尽な暴力から弱者を守り、一定の秩序と流通を担保する「必要悪」としての側面だった。

 

だが、その話を聴いているホシノの表情は、表面上は取り繕っているものの内心は穏やかではなかった。

先日、あの男が口にした「ユメ」という名前。

砂漠で消えたはずの、最愛の先輩。

 

(ハンターズギルド……。あそこに、ユメ先輩がいるの……? もし、本当に生きているとしたら、どうしてアビドスに帰ってこないんだろ。どうして……、私のせい……?、私が……)

 

「……?ホシノ先輩どうしたんですか?」

 

「ふぇ!?……いや〜、なんでもないよ〜。うへ〜……」

 

ホシノは、胸の奥で渦巻く疑念と期待を、誰にも悟られないように深く飲み込んだ。

 

 

 

 

 

第二章:カイザーの裏切りと、銀行への宣戦布告

 

ヒフミの案内でマーケットの深部へと進む一行は、そこで「許されざる光景」を目撃する。

アビドスから「借金返済」として集金に来ていたカイザーコーポレーションの社員たちが、マーケット内の銀行の裏口で、武装したならず者たちと密談を交わしていたのだ。

 

「……今回の分だ。受け取れ」

「へへっ、さすがはカイザーの旦那。これだけの予算があれば、オートマタの最新型を数個小隊は雇えますぜ」

 

詳しく盗み聞きした結果、これまで借金返済のために支払っていたお金が襲撃のための資金源となっていることを知る。

 

セリカが、拳を強く握りしめた。

「……私たちの、あのお金が……。学校を壊すための武器に変わってるっていうの!?」

 

「許せません……。これは明白な契約違反、いえ、略奪です」

アヤネの詳細な分析を待つまでもなく、対策委員会の怒りは頂点に達していた。

 

「ん、先生、決まりだね」

シロコが、バッグから「あるもの」を取り出した。

 

「……えっ、シロコちゃん、それ、強盗とかが被るマスク……?」

 

「ん、銀行を襲う」

 

シロコは真顔で言い放った。

「証拠を手に入れるには、あの銀行を襲うのが一番早い。カイザーの裏取引の記録を手に入れる」

 

「えぇぇぇ!? 銀行強盗!? 犯罪ですよぉ!」

ヒフミが悲鳴を上げるが、既にアビドスの面々は、それぞれのマスクを被り始めていた。

 

そんな中、ホシノだけは別の目的を重ねていた。

ブラックマーケットの銀行は、ハンターズギルドの勢力圏と、カイザーの支配圏が複雑に交差する場所にある。

銀行を揺さぶれば、必ずハンターズギルドも動く。

あの男――ハンターが現れれば、『ユメ』という人物について聞き出すチャンスがあるかもしれない。

 

「……よし、おじさんも一肌脱いじゃおうかな。……あ、シロコちゃん、おじさんのマスクはこれでいい?」

 

「ん、大丈夫……、あ、ヒフミの分のマスクがない……、そのまま(素顔)でもいい?」

「絶対嫌です!」

 

皆が準備を進めている最中、ホシノは、先輩の形見である盾を強く握りしめ覚悟を決めた。

 

 

 

 

 

第三章:覆面水着団、見参

 

「動くな! 全員、手を頭の後ろに組んで伏せろ!」

 

シロコの叫びとともに、ブラックマーケット第一銀行のロビーに銃声が響いた。

覆面を被った5人(+1人)の少女たち(とノリノリの先生)による、前代未聞の強盗劇の幕開けだ。

 

「な、なんだお前たちは!? ここがどこだか分かっているのか! カイザーコーポレーションの資本が入っている銀行だぞ!」

 

銀行員たちの制止を、ノノミのミニガンが文字通り「一掃」する。

「静かにしてください。私たちは、正当な権利を取り戻しに来ただけですから」

 

銀行内はパニックに包まれたが、アビドス対策委員会の動きは迅速だった。

セリカが通信回線を遮断し、シロコが金庫のロックを解除する。

ヒフミはなし崩し的に、金庫室の監視カメラを潰す役割を押し付けられていた。

 

一方、ホシノは銀行の警備ログを確認していた。

(……おかしい。ハンターズギルドの警備が入っていない。ここはギルドの縄張りのすぐ近くなのに……)

 

その疑念は、金庫の奥で見つかった「秘密の帳簿」によって証明される。

そこには、カイザーコーポレーションがハンターズギルドを陥れるための、緻密な計画が記されていた。

 

「……『ハンターズギルド排除計画』。カイザーは、ハンターズギルドの影響力が強くなりすぎたことを嫌っているみたい」

ホシノが帳簿を読み上げる。

 

カイザーは、ブラックマーケットにおけるハンターの台頭を、自分たちの利権を脅かす最大級の障害と見なしていた。

だからこそ、ハンターズギルドが介入できないように裏で手を回し、自分たちの息がかかった銀行で、ギルドを蹴落とすための資金の確保(資金洗浄)と軍備増強を行っていたのだ。

 

「ハンターさんは、ブラックマーケットの『顔』として信頼を集めてる……。カイザーは、それを引き摺り下ろして、自分たちがマーケットを完全支配しようとしてるんだね」

先生が眉をひそめた。

 

「そんなの、絶対許さない……! アビドスを壊して、マーケットの秩序まで壊して、全部自分たちのものにするなんて!」

セリカが激昂する。

 

その時、銀行の外から、聞き慣れた「音」が聞こえてきた。

しかし、それはいつも突然現れる陽気な笛の音ではない。

重厚な戦車の走行音、そして、統制された兵士たちの足音だ。

 

「……カイザーの親衛隊だ。銀行強盗の現行犯として、私たちを消すつもりだろうね」

ホシノがシールドを構える。

 

 

 

 

 

第四章:ギルドの影、カイザーの牙

 

「ギルドマスター(ハンター)は、今、ギルドの連中を連れて砂漠の北側へ遠征に行っているはずだ」

カイザーの指揮官が、銀行を包囲しながらほくそ笑んでいた。

「今のうちに、この目障りな銀行強盗どもを排除し、すべての証拠を闇に葬れ。ハンターズギルドには、『強盗を防げなかった無能な集団』というレッテルを貼ってやる」

 

カイザーの狙いは、あえてハンターの不在を狙って事件を起こさせ、その責任をギルドに押し付けることにあった。

彼らにとって、アビドス対策委員会が銀行を襲ったのは、願ってもない「棚ぼた」の好機だったのだ。

 

銀行内に閉じ込められた覆面の強盗団(アビドス対策委員会)。

だが、先生の指揮は冷静だった。

 

「みんな、落ち着いて。カイザーの狙いは分かった。証拠の帳簿は確保した。あとは、ここを突破して、この真実をマーケット中にバラまくだけだ」

 

「……ふふ、面白くなってきたね。おじさん、暴れちゃうよ?」

 

ホシノの瞳が、青く、鋭く輝く。

彼女の目的は、今や二つになった。

アビドスの権利を守ること。

そして、カイザーの陰謀を叩き潰し、あの「ハンター」という男を引っ張り出すことだ。

彼に、どうしても聞かなければならないことがある。

 

「突撃ーーっ!!」

 

先生の号令とともに、覆面強盗団が銀行から飛び出した。

最新鋭のオートマタと、カイザーの特殊部隊が待ち構える中、少女たちの怒りが爆発する。

 

「な、なんだこいつらの戦闘力は!? たった五人で、我が社の精鋭部隊を……!」

 

カイザーの兵士たちは、次々と薙ぎ払われていく。

ノノミの掃射、セリカの電撃的な突進、シロコの無駄のない射撃。

そして、ホシノの鉄壁の守り。

 

「……いやー、いきなり体を動かすものじゃないねー。おじさんはこれくらいで勘弁してよー」

 

ホシノは、次々と向かってくる敵を盾で弾き飛ばしながら、いつもの調子で口を開く。

 

作戦は成功した。

奪われた資金の一部と、カイザーの裏取引の証拠を奪い、覆面の強盗団は鮮やかにマーケットの雑踏へと消えていった。

 

 

 

 

 

第五章:ホシノの孤独な追跡

 

騒動が落ち着いた後。

アビドス対策委員会のメンバーたちは、ヒフミと別れ、拠点へと戻り戦利品の整理と今後の対策を練っていた。

「ん、大勝利だった……、ブイ……」「とってもスリリングでした!」「もうあんなことコリゴリです……」「私も……」

シロコたちが喜ぶ(?)中、ホシノは一人、窓の外の砂漠を見つめていた。

 

(カイザーの帳簿にあった……『ハンターズギルドのマネージャー・ユメ』という記述。あれは、ただの偶然じゃない)

 

ホシノは、先生や仲間にこのことを話すべきか、迷っていた。

だが、もし、もしあれが自分の知っている「ユメ先輩」ではなかったら。

もし、偽物だったり、あるいは残酷な罠だったりしたら。

やっと前を向き始めた後輩たちに、これ以上の混乱を与えたくない。

 

(……一人で、確かめるしかないか)

 

ホシノは、自分のバッグの中に、一通の手紙を忍ばせた。

それは、ハンターズギルドの掲示板に出すための「個人的な依頼」だ。

 

『依頼主:匿名

内容:ギルドのマネージャー、ユメさんに直接届け物をしたい。

報酬:アビドス産の高級な茶菓子』

 

そんな、取るに足らない依頼。

だが、それはホシノにとって、自分の人生を賭けた最大級の「クエスト」だった。

 

 

 

 

 

第六章:不穏な足音

 

翌日。

ブラックマーケットのハンターズギルド拠点。

 

「……ハンターさん、お帰りなさい。今日の遠征もお疲れ様でした」

 

ユメが、戻ってきたハンターを温かいお茶で迎える。

ハンターは、大きな体を揺らして笑いながら、背負った狩猟笛と大荷物を下ろした。

 

「おお、ユメ!はっはっは、残念だが『鋼蛇竜』の情報は見つからなかった!まぁ仕方がない!今夜はこんがり肉を食って明日に備えよう!」

 

「ふふ、楽しみです。あ、そういえば、マスターがいない間に、マーケットの銀行が『覆面を被った強盗』に襲われたらしくて。カイザーの人たちが、ギルドの警備不足だって騒いでましたよ」

 

「覆面の強盗……? なんだそりゃ、ずいぶんと面白い恰好をしてんな?」

 

こっそり手に入れた監視カメラの映像を再生する。ビデオには覆面を被った強盗団の姿が写っていた。そのうちの一人が銃を乱射したのち、紙袋を被った人物が監視カメラに近づいて覗き込み……、そこからの映像は表示されない。

 

「えぇ、みんな覆面だったのですが、一人だけ紙袋をかぶっていて……、その方は『ファウスト』と呼ばれており、強盗団の『リーダー』であるとのことでした」

 

「ほぉ、……今までそういうやつがいるとは聞いたことがないが……。手口と言い今まで情報を見せなかった秘匿性と言い、中々のやり手だな……。ユメ、『ファウスト』を要注意人物リストの上位に組み込んでおいてくれ」

 

「分かりました、ギルドのみんなにも情報を共有しておきます」

 

ハンターは豪快に笑い飛ばしたが、その瞳には一瞬、鋭い観察者の色が宿った。

彼は、キヴォトスの理不尽を知っている。

自分の背後に牙を突き立てようと、カイザーという名の狡猾な獣が牙を研いでいることも知っている。

『ゲマトリア』と名乗り、物語の背後で己の目的のために動く組織が、自分の存在に注目していることも知っている。

だが、これまで全く姿を見せなかった『ファウスト』という存在……。

姿の見えない存在(オオナズチ)に散々辛酸を嘗めさせられた経験から、トップクラスの危険人物と認識していた。

 

「……マスター? どうかしましたか?」

 

「いや、なんでもない。……ユメ、そういえば掲示板に変な依頼が来ていたぞ。お前に直接、茶菓子を届けたいとかいう『匿名』の依頼だ」

 

「私に? 嬉しい。どんな人なんでしょうね」

 

ユメは、その言葉に、無垢な笑顔を浮かべた。

彼女の記憶の断片で、小さな、しかし誰よりも強い意志を持った後輩の姿が、一瞬だけ揺らめいた。

 

ブラックマーケットの深部で、アビドスの過去と現在が、ゆっくりと、しかし確実に交差し始めていた。

カイザーコーポレーションの陰謀。

ハンターズギルドの誇り。

そして、一人の少女の、止まっていたはずの想い。

 

物語は、砂漠の熱風とともに、次なる激動の章へと進んでいく。

 

「……待っててね、ユメ先輩。私が、必ず見つけ出すから」

 

星空の下、ホシノは自分自身にそう誓った。




【資料】カイザーコーポレーションの内部文書(流出)

文書番号:KB-882-X

件名:ハンターズギルド弱体化計画およびブラックマーケット完全掌握に関する報告

【状況分析】
現在、ブラックマーケットにおいて「ハンター」と呼称される正体不明の男性が率いる『ハンターズギルド』が急成長を遂げている。
彼らは独自の武力(高周波兵器および原始的な格闘術)と、高品質な食糧供給を背景に、マーケット内の武装勢力を次々と傘下に収めている。
これは、我が社のキヴォトス全域における物流・警備利権に対する明白な挑戦である。

【対抗策】

信頼失墜工作:ギルドの警備エリア内での意図的な不祥事(強盗、爆破等)を演出し、ギルドの管理能力に疑問を投げかける。

資金源の遮断:アビドス高等学校からの回収資金を迂回させ、ギルドを孤立させるための軍備資金としてブラックマーケット銀行へ集約する。

首領(ハンター)の孤立化:彼の唯一の弱点と思われるマネージャー(コードネーム:ユメ)の身辺を調査し、必要に応じてこれを人質、あるいは交渉のカードとして利用する。

【追記】
先日発生した強盗団による銀行襲撃事件は、計画を一時的に狂わせるものであった。
犯人グループの使用武器、および戦闘スタイルから、アビドス対策委員会の関与が強く疑われる。
ハンターズギルドとアビドスが結託する前に、両者を同時に排除する段階(フェーズ2)への移行を推奨する。

なお、強盗団リーダーと思われる「コードネーム:ファウスト」について、要注意人物として捜索・排除すること。

署名:カイザーコーポレーション・ブラックマーケット支部長
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