エレメンタル・ザ・ウォー 作:サクラザキアツヤ
火・水・森・雷の四属性と、希少な光・闇の二属性が存在する。
それぞれの属性には相性があり、火は森に強く、水は火に強い――まるで能力の“じゃんけん”だ。光は全属性に有利、闇は全属性に不利とされる。
属性を極めた者は「魔人」を覚醒させることができ、魔人は人型や動物型の半透明の巨人の姿で現れ、戦闘や概念への干渉など強大な力を発揮する。魔人は死んだ使い手の消滅後も、数十年後に他の人物に再発現することがあるという、都市伝説的存在でもある。
この世界では、人々はそれぞれ「属性」を持って生まれる。
火、水、森、雷――そしてごく稀に現れる光と闇。
属性には相性がある。火は森に強く、水は火に強い――まるで能力のじゃんけんだ。
光は全ての属性に有利で、闇は全ての属性に不利とされる。
だが、弱いとされる属性にも、例外はいるかもしれない――まだ誰も知らないだけで。
そして、この物語の主人公、立花碧は少し変わった存在だ。
すべての属性を持って生まれた彼は、まだ十分に鍛えきれていない。
だから周囲からは、できそこないのオールラウンダー――そう見られている。これは、碧と仲間たちが、日常と危険に満ちた世界の狭間で、少しずつ力を試し、成長していく物語の始まりである。
第1話「異変」
それは、誰にとっても当たり前だった日常が、ほんの少しだけズレ始めた日の話だ。
人々に“属性”が与えられてから、すでに百年以上が経っている。
火、水、森、雷――そしてごく稀に現れる光と闇。
属性は特別なものではない。
火で料理をし、水で掃除をし、森で庭を整え、雷で電力を補う。
能力は生活の一部であり、危険な使い方をすれば処罰されるが、人を守るためなら許される。
そしてもう一つ。
属性を極限まで鍛えた者にのみ現れる、“魔人”という存在。
半透明の巨人のような姿で現れ、強大な力を持つが、普通の生活で使われることはまずない。
――それが、この世界の常識だった。
◆
「今日は実戦形式だ」
私立天野空学園、体育館。
異能コントロールの授業で、教師の声が響く。
「属性相性を理解しろ。火は森に強く、森は水に強い。じゃんけんと同じだ。間違えたら負ける」
立花碧は、軽く息を吐いた。
(……分かってる。分かってるけどさ)
自分は“オールラウンダー”。
火、水、森、雷――すべての属性を使える。
そのはずなのに。
「立花、前へ」
森属性の生徒と向かい合う。
腕に木を纏い、地面から枝を伸ばす典型的なスタイル。
(有利なのは火。でも、使い慣れてない)
迷った瞬間が、致命的だった。
木の一撃を受け、碧は床に転がる。
「そこまで!」
敗北。
周囲からは同情でも嘲笑でもない、微妙な視線が向けられる。
“全部使えるのに弱い”
それが立花碧の評価だった。
授業後、体育館の隅。
バスケの個人練を終えた進藤冬馬が、ボールを抱えたまま声をかけてくる。
「また負けた?」
「……うるさい」
冬馬は水属性。
しかも、小学生の頃に魔人を覚醒させた天才だ。
「でもさ、分かってるでしょ」
「何が」
「碧は鍛えきれない。全部持ってる代わりに、全部中途半端になる」
碧は反論できなかった。
「悪い意味じゃないよ。事実ってだけ」
「……分かってる」
冬馬はそれ以上言わず、再びボールをついた。
それが、二人の日常だった。
◆
放課後。
夕焼けの街を、碧と冬馬は並んで歩いていた。
そのときだった。
「……なんだ、あれ」
人だかりの向こうで、巨大な木が地面を突き破っていた。
警察が対応しているが、森属性の男が次々と障害物を生み出し、近づけない。
「フリーダムレボリューションズ……」
噂に聞く、能力を悪用する集団。
その瞬間、木の破片が弾き飛ばされ――
碧の足元へ、一直線に飛んできた。
「碧!」
間に合わない。
――そう思った次の瞬間。
ドンッ、と地面が爆ぜた。
爆風に押され、木片が逸れる。
碧の前に立っていたのは、冬馬だった。
「動くな」
冬馬の体が、一瞬だけ液体のように揺らぐ。
周囲に散らばっていた液体が、意志を持つように集まっていく。
アルコール。
理科室で見慣れた薬品。
そして――危険極まりない、即席の爆発性液体。
(……マジかよ)
「森は燃える。それだけだ」
冬馬は、迷わなかった。
液体をばらまき、発火。
連続する爆音と炎が、森属性の男を包む。
木は燃え、爆風で吹き飛び、男は体勢を崩した。
「チッ……!」
男は撤退。
煙の中、冬馬は静かに息を吐いた。
◆
「……すげぇな」
「真似するなよ。死ぬから」
軽く言う冬馬に、碧は何も言えなかった。
自分は、何もできなかった。
逃げることすら、冬馬がいなければ間に合わなかった。
その夜、学校から注意喚起の連絡が届く。
そして碧は、布団の中で天井を見つめていた。
(このままじゃ……ダメだ)
まだ、自分は一人で戦えない。
でも――
(次は、逃げない)
それが、立花碧の中で生まれた、最初の“異変”だった。
まぁ色々後々わかってきます。
こんにちは、僕は現役高校生のサクラザキアツヤです。
気が向いたから小説を書いてみました 簡単にこの世界の説明をすると西暦は2126年で約100年前に人類にもれなく属性が割り振られてます。
火、水、森、雷が基本です。 火は森に強く水に弱い、水は火に強く森に弱い、森は水に強く火に弱い、ここまではじゃんけんみたいな関係です。 だけど雷は水と森にやや強く、火にはめっちゃくちゃ弱いです。
どれぐらいかと言うと雷の攻撃は火にはかすり傷にもなりません。
だけど拘束くらいならできます。そしてごく稀に闇という属性を持った人が産まれます。闇は全ての属性に基本弱いです。そしてさらに希少なのが光、もうほぼゼロに近くてはっきり言って最強です。全ての属性に対して強いです。さらにどの属性の人でもまれに持って生まれるのが魔人です。魔人は感情や思考、身体能力が具現化したもので人型と動物型があります。これも結構希少でなおかつ持っていても一定の強さまで自分を鍛えないと扱えません。今いる中で魔人を使ったのは冬馬だけですね 冬馬はなんと小6で覚醒させてます。ぶっちゃけ序盤で1番強いのは冬馬です。魔人の能力が自分を液体に変化させその状態で触れた液体の性質が使えるようになるというものです。それぞれ魔人にも名前があって冬馬の魔人は月夜見(ツクヨミ)です。魔人は基本空間などの概念には干渉できませんが、闇と光の魔人のみ概念に干渉できます。