筆者はエリキャロ派です。
黒竜は奇妙なものを見ていた。自らの炎を浴びて無事なものなど数えるほどしか見てこなかったからである。
良く見ると、なるほどこの黒い生物は半径3m程の炎熱を支配下に置いている。炎に対しとてつもない適性をもっているようだ。なにやら敵ではないなどと言ってるようだが巫女から伝わる思念に依然変わりはなく、虚言でない保証もない。であればこれほどの脅威を見逃すことはできない。何やら伏兵も放った様子。手早く片付け、巫女の守りを固めるとしよう。炎が効かずとも質量で押しつぶしてしまえばいい。
黒竜はそれに近づき、足で踏みつける。しかし手ごたえはない。黒い生物は体から炎を噴射し、胴体辺りまで飛んできていた。ほう、これは飛べるのか。しかもなかなかの速さ。ならば拳で叩き潰そう。
拳を打ち出す。しかしその生物は体を駒のように回転させた。こぶしは受け流され、回転を維持したままこちらに迫ってくる。なにやら刃物を持っているようで通った後がチクチクと痛むがその程度。残った腕でとらえようとするがなんと器用なことか、加速し、腕の死角に入りながら迫ってくることをやめない。どうやらこれは顔を狙っているようだ。
だが黒竜は虚しさすら覚える。同サイズであればあの回転も必殺の域に達する威力であろうが、自らにはトゲが刺さった程度。まあよかろう、撃ち込ませてやるとしよう。大技を放って止まったところを捉えて終いにするとしよう。そんなことを考えていた。その生物が肩に到達して、勢いそのままに横っ面の位置まで跳んでくる。
瞬間_
何かが弾け_
黒竜の目の前に大地が迫ってきていた。
黒竜は混乱した。何が起きたかわからなかった。すぐに体を起こし、体を起こし?そこでようやく理解する。今自分は地に伏せていたのだと。
黒竜はすぐに追撃に備え体を起こす。しかしその生物は追撃などしてこなかった。それどころか
「まあこれを一発入れたとは思わねえよ。さあ仕切り直しといこう。」
そう金棒を担いだ戦士は言い放った。
なんたることか、いまこの瞬間まで眼中になかった存在に情けを掛けられている。黒竜は自らの驕りを恥じた。
__謝罪をしなければならない__
「気にすんなよ。」
__改めて貴公の名を聞かせてはもらえないか__
「あー、うん、そんなら堅苦しい肩書はなしで行こう。宮園武道。姓が宮園、名が武道。」
__戦士タケミチよ、改めて手合わせ願いたい__
武道は竜の言葉をしらない。しかし戦士の心は
「もちろん。さあ
お互いの魔力が膨れ上がっていく。そして次の瞬間____
「だめぇー!!止まってヴォルテール!!!」
巫女からのストップがかかった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「落ち着きなって。大丈夫だから。」
キャロ・ル・ルシエは恐怖していた。自らの行いを。自分を守ろうと白竜が本来の姿で飛び出し、しかし落とされ、その悲しみで黒竜を呼び出した。そして泣いているところに駆けつけてくれたのは優しい手の女の人、小さくなった白竜も回収してきてくれた。安心しかけたのもつかの間。黒竜の相手を一人で請け負った人がいるのだという。そして鳴り響く衝撃音。なにかとんでもないことが起きたのだと、フェイトと一緒に駆けつけたのだ。
「とにかくすぐにヴォルテールには帰ってもらいます。ほんとにごめんなさい。」
やはり自分の力は人を傷つける。もうこんな力封印しなくちゃ__そんな風に考えた。
「ああそれちょっと待ってくれ。」
なぜか被害者から止められるまで。
「本気ですか?」
「本気も本気。このまま終わるとヴォルテールも消化不良。キャロも自分の力にトラウマ抱えたまま終わっちまうだろ。」
自己紹介が終わったあとこの人はとんでもないことを言い出した。ヴォルテールと喧嘩したいと言い出したのだ。フェイトさんも口が塞がらない様子だ。
「暴力はそりゃあ怖いもんさ。だけどなそれだけじゃあ無いんだぜ。」
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それから私が見たのは今まで見たどんなことよりも激しい『暴』の嵐でした。だけどそこには確かに対話があって、フリードもそれに魅せられた様子でした。私も呆れて乾いた笑いが出て、最後にボロボロの二人がこぶしを合わせて笑ってたときにはそれを綺麗だと思ってしまいました。
私の力のことはやっぱり怖い。だけどフリードはもちろんヴォルテールだってそれだけの存在じゃなくって、何かあったときに(物理的にも)受け止めてくれる人もいるがいることを教えれくれました。
私も受け止めてあげられる側になりたい。フリードもヴォルテールももっと自由にしてあげたい。だからこの力を受け止めて強くなっていくって決めたんです。
下世話な覗き魔は最後の喧嘩の前に消しておきました。
今回の件でオリ主とヴォルテールはブラザーになりました