現在俺は17歳。八神から仕事の相談があるというので聞きに行くと
「陸・海合同節分会?」
「せやで。あくまで仮の名前やけど民間人も招いて行う管理局のイベントや。」
2年前、とある空港火災の一件から八神は自身の部隊を作るために奔走していた。イベントの広告塔もその一環なのだという。あと陸と海で親睦を深めて連携を取りやすくすることも目的の一部だそう。
まあ、あの事件の時に限らず陸と海の連携は今なお酷いが、あの時は特に大変だった。非番だったが上司から娘が2人遊びに来るが、少々手が離せない自分しかできない仕事が急遽入ったから空港まで代わりに迎えに行ってくれとのことで向かっていたら、どうも密輸品が原因らしい火災の発生。
急行すれば八神もやってきて、高町とテスタロッサも救助に参加するとのこと。八神の指揮の元、炎に強い耐性のある俺が瓦礫をどかして炎を抑えて、後続の魔導士が通れる道を作りながら先行していく。見つけた要救助者に守りを施して後続に任せて先陣を切る。それを繰り返して何とか応援部隊が来るまで持ちこたえたのだった。なんでヘルプがメイン張ってんのじゃ。
その中で上司の娘姉妹も見つけたが、発見したときに悲鳴を上げられてしまった。ちょっとだけショックだった。それぞれ居合わせた高町とテスタロッサに後を任せた。姉の方は陸士候補生だったらしく、今じゃ俺たちの後輩だ。
「仕事は最高やけど顔がアカンわ、あんな状況で出くわしたらそら悲鳴でるよ。」
「わかっとるわ。民間に受けがいいのは男の子ぐらいで怖がられてんの。」
「まあその面だからできることがあってな。」
なんかもう読めたよ
イベント当日
「「「「鬼は~外!福は~内!」」」」
「ぐわ~」
鬼の面をつけた俺は子供たちに豆を投げられていた。
ヴォルケンリッター達は子供たちに付いて、転んだり危険がないように見守っている。ヴィータは子供たちに紛れて見守っている。ほかにも陸や海からきた魔導士がいて民間向けのイベントはつつがなく進行中。
しかしもう一つの目的は微妙。陸と海の連中は距離がある。特に陸側から向けられるヴォルケンリッター達への視線はあまりよろしくない。八神本人は俺が陸で動いていた甲斐もあり被害者として見られるのが主流となりつつあるが、夜天の書の4人の騎士たちはまあ今の代もやらかしてるので近いとこで仕事してないと海側でも今の待遇に疑問を持つものはいる。
なのでここからがある意味本番。
豆まきがおわり、子供たちは別室にて大豆をつかったスイーツ調理の体験のため移動していき、ヴォルケンリッター達もそちらについていく。
「ではここから魔導士のみなさんは事前にお知らせしていたとおり、合同演習のお時間です。鬼チームは俺一人。あとは全員でかかってきてください。鬼の体に一定以上命中させたら勝利になります。大丈夫機動力の低い金棒型のみで行くので。」
同じ境遇になる事で結束を深めましょう。
まあ蹂躙ですね。はい。オーバーSとはそういう生き物だ。
さあまだまだ制限時間は来ていません頑張りましょうゲームオーバーはありません。
「そこまでにしとき、いくらなんでもやりすぎや、人の心とかないんか?」
立ちふさがるのは八神はやてと4人の騎士。
魔導士たちも救援に心を奮い立たせる。
さあ、反撃の始まりだ。
「いやー、ボコボコにされたな。見事に。」
当然の結果である。こいつら丸ごと相手にして後方から集中砲火されたらそりゃあ無理。
「だけどよかったん?タケミチくんが提案したとはいえ、悪者みたいやん。」
向こうでは勝利報酬の子供たちが作ったスイーツを陸、海関係なく肩をよせて頬張っている。一連の行動は陸も海も全員打ち合わせ済みの台本どうり、救援のタイミングも分かっていたことだった。しかし演習そのものは容赦なくやったので、わかっていたことでも恐怖と後からくるこころ強さ、そして勝利の報酬は心に染みる事だろう。
これで今回来てた連中は結束が生まれたに違いない。
「いいさ、何よりも団結してもらわないと困るのこっちだしな。」
それにヴォルケンリッター達があんなに人に囲まれている。視線のむこうでは4人がそれぞれの技を称賛されていた。
「そっか。じゃあはい。これは頑張った子にごほうびや。うちの手作り心して味わうんやで。」
八神から渡されたスイーツは確かに十分以上の報酬だった。
なお後日、巷では悪さをすると怖ーい黒鬼がやってきて食べられるぞという教育が流行るようになったという。
現在主人公は恐怖の象徴街道を突っ走っております