舞台は陸上の廃墟のビル街、それぞれの陣地に配置が完了したことで戦闘が開始される。
「じゃあまずは下地から整えていこう。」
『弓の装』
俺は仁王の通常形態である二刀一対の状態で柄同士を合わせ、和弓型を形成していく。シグナムとレヴァンティンのボーゲンフォルムと似ているがさらに大きい。実際シグナムの戦い方は参考になるものが多い、魔力光も変換気質も同じ、数年前には模擬戦でよく世話になった。それを俺の戦い方に落とし込んで出来た形態。その一つ。
【
一本の炎の矢をつがえ、上空に向けて放った。
一方、時を同じくしてなのは達も行動を開始していた。
「じゃあ、打ち合わせ通りいこう。二人とも!」
選択したのは、フェイトが近接でかく乱し、なのはとはやてが遠距離からたたく作戦。遠距離の技がないわけがないことは分かっている。しかし、何よりも近接戦闘での突進力を警戒するべきというのが3人の共通見解であった。速度で勝るフェイトが釘付けし、残り二人が妨害、砲撃を用いてナニカをさせる間も無く圧殺する。そういう手筈であった。
しかし、開始直後。赤い閃光があいてから放たれ、はるか上空で幾度も弾けた。
それは上空で今なお弾けながら、迫ってきていた。指揮を任されているはやては判断を迫られる。防御か、回避か、迎撃か、問題はなにが仕込まれているのか分かったもんじゃないこと。こちらの場所がバレてない状況で、あの遠距離からの広域攻撃に威力そのものはそうそう籠めないはず。周辺には倒壊したビル群がある。はやての選択は回避であった。
「何仕込んでるか分かったもんじゃないよ!ここは散会してビル群利用して回避!絶対触らんといて!」
3人がビル群を傘にして回避行動をとる。そしてすぐに無数の火の矢が殺到する。地面や瓦礫に着弾したそれらは閃光と爆音をまき散らす。しかし、破壊効果は全く無かった。効果を認識した各々のデバイスは主を守るため、視覚と聴覚をガードする。
「いまのは、
フェイトが相手の狙いを考察しようとして
「そうだな、そのものの威力としては精々、豪華な閃光花火ってところだ。非殺傷設定関係なく殺しなんてできない代物だよ。」
聞こえてはならないはずの声が背後から聞こえ、視界の端に見えたのは、二刀を横凪にし突進せんとする黒鬼の姿であった。
『プロテクション』
バルディッシュが辛うじて反応するも突進は止められない。瞬く間にいくつものビルを貫きながら二人と離されていき、廃ビルの密集地帯。状況を理解しきれぬまま、フェイトを見捨て、纏めて狙わぬ限り、狭く障害物の多い支援や砲撃には条件が最悪の場所で二人きりの状況となった。
正しく状況を認識していたのは黒鬼と実況席、そしてクロノとユーノだった。
「あの火矢の雨は敵の探知とかく乱のためのものだな。そしてデコイとして魔力も乗せていた。あいつ自身が気配を隠せば十分に紛れられるほどにまき散らせたわけだ。敵が目と耳を保護することも作戦のうちだろう。」
「3人は「アイツが何をしでかすかわからない」そんな心理をつかれ、必要以上に警戒し、避けてしまったため着弾を許した。それが接近を許すこととなった。その接近方法も速度も彼でなければまずできないだろうが。クロノ提督とユーノ殿はこの戦法のこと、知っていたんじゃないか?」
シグナムとアインスが解説する。黒鬼は矢を放ったあと、仁王を巨大な爪がついた両腕の装備に変化させ、その体をドリルのように回転させながら地面を掘り進めていったのだった。接近したところで気配を消して獲物に襲い掛かる。火矢が機能しなければ接近に絶対に気づかれる方法だった。
「ああ知っていた。クラナガンでやるには被害がおおきいからそのまんまってわけじゃないがな。そしてあいつは感づいたんだろうなのは達にチクったのが俺たちだってことに。」
「同時に信用されてるんだろうね。
クロノとユーノが答える。
「あれをチクったのは流石に度を越したものだと思ったから叱られるべきとしてだが、あいつはその場での奇抜な思いつきを実践投入したりはしない。必要になったときに備えて積み上げ続けて仕上がったものをその場に応じて引き出してる。今のあいつを以前の延長線上だけの存在と思っているとあっという間に喰われるぞ。」
「地球には男子三日会わざれば刮目して見よって言葉があるらしいけど。期間も中身もそれどころじゃないからね、今なのは達には正体不明の怪物ぐらいに見えてるんじゃないかな?」
男子組は少し自慢げなのが隠し切れていなかった。
がんばったよ。だけど戦闘の描写カロリーたっけえ。小分けに出してがんばってやっていこうと思います。