地獄の黒鬼 咆哮す   作:町コアラ

8 / 17
ほのぼのした日常回です


おまじない

 

「…それで買い物に付き合えと。まあ妥当なとこだわな。」

 

 試合の翌日。現在は海鳴の大型ショッピングモール。3人のお願いは1日の買い物に付き合えとのことだった。あと月村とバニングスもついでに来ていた。ふたりは買い物とか要るのか?特級のお嬢様だろうに。友達とショッピングは別?それもそうね

 

「やっぱ男のひといると色々助かるわぁ。ザフィーラには普段わんこになってもろてるから、人型で買い物にくると学校で騒ぎになるねん。知らない男の人と歩いてたいうて。」

 

「そっちはそっちで大変だな。」

 

「まあタケくんはタケくんで別のいみで騒ぎにはなるけどねえ。」

 

「”伝説”の帰還。だもんね。」

 

「にゃはは。それそれ。」

 

「それはやめてくれ。恥ずかしい思い出なんだ。」

 

 6年前、当時小学3年生。海鳴から消える時に心残りがあった。チンピラどもである。海鳴にもそれ相応にガラに悪い奴らはいるもんで、魔法がかかわらないほうが逆に心配だった俺は、知り合い連中が普通の学校生活を送れるようにと海鳴全域のその手の連中にお願い(・・・・)をしていたのだった。全員美人になるのは分かり切っていたし…もちろん魔法も武器も使ってない

 

「界隈の有名な人はみんな引退(・・)しちゃって大手のグループはみんななくなっちゃって、すぐに小さなところも消えちゃったってすごい騒ぎだったよね。月村の家にも聞こえてきたぐらいだもん。」

 

「小3にやられたなんて恥ずかしくて言えない連中はもちろん警察に泣きついた奴らもとうてい信じちゃもらえないもの。実際あんたの掃除は有効だったわよ。それなりに快適だったし、ただねえ6年ともなると忘れる奴も出てくるのよ。」

 

 月村とバニングスも話にのってきた。

 

「ん?読めたぞおまえら。」

 

「はいよろしく蚊取り線香!しっかり匂いつけていきなさい!なんなら帰る前にもういっかい掃除していってくれてもいいのよ?」

 

「ごめんね?アリサちゃんの言い方はどうかと思うけど大体そんな感じなの。」

 

 月村もしたたかになったなぁ

 

「構いやしないけど、ほんとにどうかとおもうよ?とてもお嬢様の言葉とは思えんぞ。」

 

「なによ。」

 

 と、談笑していると

 

「なあなあ、お嬢さんたちぃ?暇してるの?なら俺たちと遊んでかない?」

 

 パツ金のイケメン集団がこえを掛けてきて

 

 ((((((なんてベタな))))))

 全員の心の声が一致した

 

「まあ、こんな有様ってわけ。という訳で行きなさい蚊取り線香。」

 

「へえ、いまマジでこんな感じなのか。普通にやってりゃモテそうなもんだけど。」

 

 アリサは黒鬼を繰り出した。____

 

 はい。ベタな問答はカットカット。それはそれはベッタベタなやり取りがありましたとさ。もちろん暴力反対。平和的に乗り切った。6年前とは違うのだ。

 

 __それから__

 

「タケくんことだし、私服ほとんどないよね?」

 

 今の流行りがどーのこーの、5人の着せ替え人形となり、それぞれの趣味の恰好を次々試された。終いにはお嬢様ズが全部買おうとしたのでそれは全力で止めた。給料なんて使う暇なくて溢れかえってるから自分で払うわ。そうじゃなくても現役で働いてるやつが学生お嬢様に払ってもらうとか絵面がしゃれにならん。

 

「タケミチ、タケミチ、あれ出来る?」

 

 お昼時、テスタロッサが指をさすのは大食いチャレンジ特盛ちゃんこ鍋30分チャレンジの文字。すげえ目を煌めかせてる。まあ余裕である。俺はこの6年で食い溜めを会得済み。え?次はステーキ20枚?依然問題なし。まあこんなもんよ。ん?次はバケツアイス?…できらあ!!

 

「ふっふっふ。ここまでが作戦や!この前のリベンジはここで晴らすで!今の状態でうちとフェイトちゃんにエアホッケーで勝てるかいな?」

 

「ごめんねタケミチ。」

 

 な、なんだってー!?

 

・・・・・・・・・・

 

「「なんで!?」やー!?」

 

 フィジカルとテクニックで勝てるわけねえだろ。余裕って言ってんだろうが陸暮らしなめんな。なんかギャラリーいっぱいできてた。

 

「今度はアンタが選ぶ番ね。」

 

 なん…だと?

 

 今度は女子エリアでのファッションショーが始まる。…ファッションなんてなんも分からん。みんなして全部似合う。というか元がいいからなあ。全部コピペ回答はマズイと思ったのでがんばって感想を答えた。我ながら拙いにも程があった。今日初めての敗北である。…え?全部買う?お金…は大丈夫?そう…

 

 そんなこんなで夕暮れ時。そろそろ解散…

 

「じゃあ月村家(うち)行こっか。」

 

 え?

 

 

 

 

 

「…これは、(かんざし)?」 

 

「そう。月村家(うち)御用達のお店の奴なんだよ。」

 

 通された客間に広げられたのは様々な色、種類の簪の数々であった。なんかすごいのはわかる。

 

「今からタケくんには私たちにそれぞれいいなって思ったものを選んでもらいます。」

 

「なんだって?」

 

「大丈夫うちらも似合うの選んでるで。」

 

「なにこの有無を言わさぬ雰囲気。こういうのなんか色とか形とか意味ある奴だろ?ちょっと調べてから…」

 

「だめ」

 

 テスタロッサさん?

 

「こういう時はそういうのに頼っちゃダメなのよ。仁王にも頼っちゃだめだからね。」

 

「そういうもん?」

 

「でも、なんにも説明ないのもよくなかったね。簡単に言えば交換することでお互いの無事を祈りましょう。って感じかな?また危険な所に行くんでしょう?あなたが強いのはよくわかったけど心配はどうしてもしちゃうから。」

 

 月村にそう言われれば断れない。心配かけた負い目もある。

 

 そして俺はしばらく悩んだ後____

 

 

 

 

 やはりファッションのことは分からん。けど分からんなりに選んだ。シンプルな奴が個人的に気に入ったので形は共通で玉簪という先端に玉飾りのついたベースが木目があるもの。その玉飾りを高町、テスタロッサ、八神にはそれぞれの魔力光に合わせた桃、金、白を選んだ。で、バニングスには赤。月村に紫を選んだ。こっちは性格から考えた。

 

 不安もあったが皆それぞれ喜んでくれているようでひとまず安心

 

「はい。タケくんにもあげるからちょっとすわってね。」

 

「ん?ああ?」

 

 誘導されて椅子に座らせられると、

 

「ちょっと動かないでね。」 

 

 俺の髪が後頭部でまとめられ、一個の団子型になる。そして__

 

 高町が__さくり

 

 テスタロッサが__さくり

 

 八神が__さくり

 

 バニングスが__さくり

 

 月村が__さくり

 

 

「見てもいいよー」

 

 高町の許可により確認する。鏡でみるとなんとそれぞれに送ったものと同じいろの玉簪。違いはそのベースが漆黒であることか

 

「簪ならタケくんのバリアジャケットにも合うでしょ?これからはできる限り常に付けててね。悪いものが寄ってきませんようにっていう大事なおまじないだから。」

 

 それほどまでに心配をかけてしまっていたのか。これからもっと強くならねば。

 

「本当にありがとう皆。大事にするよ。それでお値段は?」

 

 あっ目をそらすな。ちゃんと教えなさい。___

 

「このおバカ娘たち!!俺が選んだ分は絶対払うからな!!!」

 

 将来。惚れた奴になんもかんも貢いでしまうんじゃないか心配ですよ全く。

 

 

 

 その後月村家でごちそうになり、今日はここまでで解散。月村のご両親をはじめ家の方々は妙に機嫌がよかった。俺はそれぞれの家に送り届けてから帰路につく。それにしても買い物に付き合う話だったのがずいぶんたくさんのものをもらってしまった。これに報いなければ。

 

 ああそうだ。町のゴミ掃除してから帰ろう。夜道をひとり、後ろをつけてくる不心得者どもに振り返りながらそう思った。

 

 

 伝説再臨 町のバカどもが10年はおとなしくなる事件であるが黒鬼の日常にとっては些事である。

 

 

  

 

 その後、黒鬼の髪の簪を見た友人YさんとKさんの感想

 

 まあいつか刺されるんじゃないかとは常日頃思ってました。

 




これでひと区切り。

6課の面々との絡み書こうかしらどうしようかしら

ところで呪術廻戦の新しいOPのAIZOいいですねえ。
リリカルなのはStrikersと合う気がするんですよ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。