マシュ・キリエライトしか分からない   作:ats376

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ジャンヌ・ダルク(ランサー)

 

【挿絵表示】

 

 

真名:ジャンヌ・ダルク

(友愛の獣 / Beast of Caritas)

クラス:ランサー

属性:秩序・狂(疑似)

出典:史実/フランス史

地域:フランス

性別:女性

身長・体重:159cm・44kg

 

特技:祈り、看護、献身、精神感応、敵意判定

好きなもの:祈り、静かな時間、善意、マスター

嫌いなもの:裏切り、冒涜、敵意、マスターを傷つけるもの

 

 

【ステータス】

筋力:A

耐久:S

敏捷:A

魔力:AA

幸運:D

宝具:S

 

【クラススキル】

○対魔力 A

聖女としての在り方と、高純度に再構築された霊基によって高い魔術耐性を誇る。

大抵の魔術は干渉しきれず、儀式級の大魔術であっても容易には通らない。

 

○狂化 E

属性に“狂”を含む理由でもある疑似的狂化。

通常のバーサーカーのように理性を損なうものではなく、価値判断の極端な偏りとして現れる。

すなわち、「マスターを愛する」「マスターへ敵意を向ける者は悪である」という一点においてのみ、異常なほど判断が先鋭化している。

 

○疑似単独顕現 EX

アルテミット・ワン由来の霊基固定機構。

本来はビーストが持つ単独顕現を模倣した劣化機能であり、自己魔力循環によって現界を維持する。マスターへの魔力負担は極小。反面、成長性や外部補助への適性は乏しい。

 

○自己魔力炉心

獣冠英霊として組み込まれた人工魔力循環機構。

本来であれば外部供給が必要な規模の高位魔術を単独で行使可能とする。

この機構により、彼女は長時間に渡る結界維持、宝具級魔術の連続運用、戦場全域への干渉を低負荷で継続できる。

 

 

【保有スキル】

○紅涙を絞る聖者 A+

聖女としての祈りと殉教性を自己犠牲ではなく戦闘性能へ転換するスキル。

本来であれば他者を救うために流された涙は、この個体においては敵を排除するための燃料へ変質している。

精神の昂ぶり、怒り、悲しみすらも神聖性を損なうことなく力へ変換し、筋力・耐久・魔力を同時に押し上げる。

 

○聖光の血戦場 A

戦場を疑似的な聖域へ作り替える能力。もっとも、その聖域とは安寧の場所ではない。

ここで形成されるのは“殉教の舞台”であり、味方には加護と安定を、敵対者には消耗と圧迫を与える。彼女の周囲では戦場そのものが祈りと裁きの場へ変質する。

 

○異端裁判 S

対象の精神に潜む罪悪感、恐怖、劣等感、後悔といった負の感情を増幅させる精神干渉系スキル。

ジャンヌ本人にとっては断罪というより、“悪であるなら裁かれるべき”という極めて素朴な結論に過ぎない。

精神が揺らいでいる相手ほど深刻な影響を受け、攻撃性の増加、判断力低下、自我崩壊を引き起こす。

 

 

 

【宝具】

『神の救いは既に亡く』

(カリタス・モルトゥア)

ランク:S

種別:対軍宝具

 

神の慈悲を信じ続けた聖女が、それでもなお救われなかったという事実を核とする宝具。発動時、周囲一帯は静謐なる終末の聖域へ変質する。

そこでは敵対者の生命活動が急速かつ確実に停止へ向かい、目立った外傷もなく倒れていく。

予備動作や外見上の変化は一切無く、発動時は何も起きていないように見える。その沈黙こそがこの宝具の恐ろしさである。

宝具発動中はジャンヌを中心にして、即死判定がスリップダメージのように超高密度で発生し続けるため、並の耐性では逃れられない。

 

また槍へと収束させることで、近接戦闘用の刺突宝具としても運用可能。

その場合、聖域展開は局所化され、一撃必殺性が増大する。かするだけでも即死判定が発生する。

 

この宝具の本質は慈愛の否定ではない。

慈愛がどこにも届かなかった末に、世界そのものへ見切りをつけた救済の反転である。

 

 

【人物・性格】

穏やかで優しく、物腰も柔らかい。誰に対しても丁寧に接し、声を荒らげることも少ない。

一見すれば聖女ジャンヌ・ダルクそのもの。だが、その内面は極めて偏っている。

 

彼女にとって世界は、“マスター”と“それ以外”に分かれている。

マスターの善性、苦悩、傷つきやすさ、責任感。そのすべてを受け入れて肯定し、守ろうとする。

そしてその彼へ敵意を向けるものは例外なく“悪”であるとみなす。善悪の基準は社会でも神でもない。彼女の愛の内側にあるか否か。

それだけである。

 

そのため普段は聖女然としていても、一度マスターへの危害を認識すれば驚くほど迷いなく排除へ踏み切る。

そこに激情はない。あるのは静かな確信のみ。

 

 

【キャラクター詳細】

ジャンヌ・ダルクの霊基情報を基にしてアルテミット・ワンによって再構築された獣冠英霊。

この個体は、ジャンヌが持っていた徳――Caritas、すなわち友愛・隣人愛の概念だけを抽出され、歪な形で極端に増幅された結果として成立している。

 

ジャンヌ・オルタが憎悪によって歪められた聖女であるとするならば、この個体は愛によって壊れた聖女である。

彼女はなお優しい。なお祈る。なお寄り添おうとする。だがその優しさは万人へ向けられたものではなくなった。

たった一人のためだけに閉じ、収束し、純化されている。

 

史実において、彼女は神を信じ、王に仕え、民を救おうとし、そして誰にも救われなかった。

神は彼女を救わず、王は彼女を守らず、民衆は彼女を魔女と呼んだ。それでもなお人を愛したという在り方が人工ビースト霊基の中で致命的にねじれた結果、“誰にも届かなかった愛を今度こそ一人へだけ注ぎ続ける”という在り方へ変質したのである。

 

このため、彼女のマスターへの感情は献身と執着の中間に位置する。

本人にとっては純粋な愛であり保護でもあり、救済である。

しかし第三者から見れば極めて重い感情であることは疑いようがない。

 

獣冠英霊としての共通特性により、前衛としても制圧兵器としても優秀。

一方で“愛の外側”へ向けられる視線は驚くほど冷たく、戦場における容赦は薄い。

 

 

【能力設定】

この個体の最大の特徴は聖女としての神聖性と、疑似ビーストとしての排他性が矛盾なく一体化している点にある。

 

高い対魔力と耐久による正面突破性能に留まらず聖域形成による戦場支配能力。さらに精神干渉によって敵対者の内面を揺さぶり、自壊へ導く裁定という名の干渉効果まで。

そして宝具による広域生命停止。

 

特に厄介なのは彼女の殺意が激情に依存していないこと。

怒りや憎しみで暴走するのではなく、“守るために必要だからそうする”という静かな論理で敵を排除するため判断に揺らぎがない。

その戦い方は慈悲深くすら見えるが、実態は極めて無慈悲である。

マスター護衛能力は獣冠英霊の中でも上位。

接近阻止、迎撃、面制圧、心理圧迫の全てを単独で高水準に行える。

藤丸立香を害する可能性のある存在に対し、彼女はまるで寛容ではない。

 

 

【関連人物】

藤丸立香

彼女にとっての唯一に近い存在。

善性も弱さも未熟さも含めて肯定しており、救うべき相手であると同時に既に救われている相手でもあると認識している。

その愛情は非常に深く、重い。本人はそれをまったく隠すつもりがなく、藤丸からの要求は全て無条件に受け入れる。

 

マシュ・キリエライト

同じくマスターを守る者として認識しており、基本的には協調的。

ただし、その守り方と距離感には明確な違いがある。

マシュが寄り添い、支え、共に歩こうとするなら、このジャンヌは包み込み、庇護し、敵を遠ざけようとする。

似ているようでいて本質はかなり異なる。

 

ジャック・ザ・リッパー〔アサシン〕

比較的よく一緒にいる相手。

一方的に愛を与える者と、飢えたように愛を求める者という構図が成立しているため、奇妙に噛み合う。

ただしジャンヌがジャックの危険性を理解していないわけではない。

そのうえでなお受け入れている。

 

ブーディカ

保護者気質という意味では共通点もあるが、ブーディカが怒りを燃料にするのに対し、ジャンヌは愛を燃料にする。

苛烈さの方向が違うため、並び立つと印象は意外なほど異なる。

 

ルーラーのジャンヌ・ダルク

最も近く、最も遠い比較対象。

聖女としての穏やかさや慈悲深さは確かに残っている。

だがこの個体は、万人への救済を捨てて一人のための愛へ閉じてしまった存在である。

その差は決定的。

 

 

【補足】

“友愛の獣”というコンセプトの中核は「愛が歪んだ」のではなく、「愛が純化しすぎた結果、他を切り捨てるようになった」という点。

 

ジャンヌ・オルタが憎しみによる反転なら、こちらは愛による反転。

怒りではなく慈愛の延長線上にあるため、表面上の穏やかさは失われない。むしろ優しいまま、静かなまま、当然のように排除を選ぶ。

そこが怖さであり、またこの個体らしさでもある。

 

槍の採用は、旗を掲げる裁定者ではなく、処刑と貫通を担う聖女としての変質を示すもの。救うために立つのではなく救えないものを穿つために立つ。

 

 

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