【基本データ】
真名:ジャック・ザ・リッパー
(渇愛の獣 / Beast of Craving)
クラス:アサシン
属性:混沌・哀
出典:都市伝説
地域:ロンドン
性別:不明(藤丸は女の子として見ている。本人の自認もそう)
身長・体重:148cm・43kg
特技:隠密、尾行、奇襲、解体、応急処置
好きなもの:マスター、優しい言葉、撫でられること、独占
嫌いなもの:拒絶、放置、孤独、マスターから遠ざけられること
【ステータス】
筋力:B
耐久:C++
敏捷:S
魔力:A
幸運:E
宝具:B
【クラススキル】
○気配遮断 A+
アサシンとして極めて高水準の隠密能力を有する。
ただ隠れるだけではなく、霧、埃、空気の揺らぎ、都市の雑音に自身を紛れ込ませることで存在感そのものを希薄化させる。
攻撃直前までその気配を悟らせず、また分身展開と組み合わさることで捕捉は極めて困難となる。
○情報抹消 C
犯人不明、正体不明、動機不明。都市伝説としてのジャック・ザ・リッパーに由来するクラススキル。行動痕跡や記録、印象、証言といった“事件の輪郭”を曖昧にする性質を持つ。
目撃したはずなのに思い出せない。追跡したはずなのに像が結べない。そうした不快な空白を残す。
○疑似単独顕現 EX
アルテミット・ワン由来の霊基固定機構。
本来はビーストのみが持つ単独顕現を模倣した劣化機能であり、自己魔力循環によって現界を維持する。マスターへの負担は極めて小さいが、外部補助との相性や成長性は低い。
○自己魔力炉心
獣冠英霊として組み込まれた人工魔力循環機構。
本来であれば外部供給が必要な規模の高位魔術を単独で行使可能とする。
この機構により、彼女は長時間に渡る結界維持、宝具級魔術の連続運用、戦場全域への干渉を低負荷で継続できる。
【保有スキル】
○正体の無い殺人鬼 A+
霧、塵芥、影、人の認識の死角から実体を持つ分身を生成する能力。
形成される分身は本体と完全に同一ではないが、いずれも十分な殺傷能力と隠密性を備える。
単なる囮ではなく、包囲、奇襲、追撃、逃走経路の遮断にまで使われるため、どこからでも凶器を持った敵が現れる悪夢のような状況を作り出す。
元来のジャックが持っていた曖昧な犯人像、群衆の恐怖、都市に潜む見えない暴力がそのまま戦闘技能へ置換されたもの。
○血縁抹消 A
殺意、解体衝動、攻撃性を対象の無意識へ浸透させる侵食型スキル。
同時に高揮発性の混合毒を生成し、本体や分身の刃へ付与する。
この毒は単純な致死毒というより、出血、錯乱、痛覚増幅、体温異常、平衡感覚の崩壊などを複合的に引き起こす殺害のための補助工程に近い。
相手を確実に殺すことで、血縁が紡がれる可能性を消し去る殺意が込められている。
○████治療 A
対象の損傷状態を曖昧化し、止血、縫合、再生補助、生命維持を可能とする特殊技能。
一見すれば回復能力だが本質的には“壊れたものをどこまで保たせるか”に寄った処置であり、純粋な医療とは少し異なる。
そのため治療と拷問の境界が曖昧であり、損傷を維持したまま生存させることすら可能。
【宝具】
『生者解体』
(フェイスレス・リーパーズ)
ランク:B
種別:対人宝具
対象を確実に殺害するための処刑宝具。
発動するとジャックは標的の肉体と感覚を“解体すべき手順”として把握し、視界、聴覚、平衡感覚、四肢の機能などを徹底して奪い取っていく。それは単なる斬撃の連打ではなく、都市伝説として語られる殺人の恐怖そのものを現実化するもの。
特徴的なのは派手な一撃必殺ではなく、圧倒的攻撃密度を持つ点。逃げられないようにし、抵抗できないようにし、最後に完全に壊す。
致命傷を致死量与えるという殺意の塊のような技。
この宝具においてジャックは怒りや憎しみで獲物を裂くのではない。愛されたい、必要とされたい、見捨てないでほしい。
その救われなさが極端な形で裏返って相手を自分の手の中だけへ閉じ込めるための処刑術へ変質している。
【人物・性格】
幼い。危うい。従順。そして、底が抜けている。
この個体は愛を欲している。それも少し欲しいのではない。際限なく、絶えず、確認し続けなければ不安に呑まれるほど深く求めている。
愛されるためなら何でもするし、必要とされるためなら何でも覚える。
殺人や拷問も。我慢も笑うことも。甘えることだって。褒められそうなことはだいたい全部やる。
悪意が強いわけではない。むしろ本人にとってはとても真っ直ぐな感情である。
ただその真っ直ぐさが人間の倫理から大きく外れている。
マスターである藤丸立香を絶対的な拠り所として接する。事案を防ぐために交渉を行った結果、呼称は「マスター」で固定。
命令には従順で、褒められれば素直に喜び、気にかけられれば露骨に機嫌が良くなる。
その反面で放置された、自分は要らない子なのではないか、と感じた瞬間に情緒が不安定化しやすい。下手に相手がそういったことを煽れば命はないと思った方がいい。
愛情が補給であり、安定剤であり、生存理由そのものになっているためである。
【キャラクター詳細】
ロンドンを震撼させた連続殺人鬼の一側面を内包したジャック・ザ・リッパーの霊基を基にアルテミット・ワンによって再構築された獣冠英霊。
本来のジャック・ザ・リッパーは、“生まれることを許されなかった子供たち”の集合体としての一面を抱えた存在である。
だがこの個体はそれだけでは終わらない。
祝福されなかった子供。愛されなかった子供。生まれたことを歓迎されなかった子供。
誰にも守られず、誰の記憶にも残らず、都市の底で捨てられていった無数の幼い感情。
そうした見捨てられた子供たちの層がさらに大量に流し込まれたことでこの個体は底の抜けた愛情欲求を核とする存在へ変質している。
結果として成立したのが渇愛の獣。
どれほど愛されても満たされず、どれほど優しくされても不安が消えず、だからこそもっと欲しがる。そのくせ得た愛を誰かと分け合う発想は乏しく、独占と執着へ寄りやすい。
愛を求める存在でありながら、その愛の扱い方を知らないのである。
外見は本来の個体よりやや成長した姿であり、性差認識や周囲の関係性理解もいくらか向上している。しかし精神の芯は依然として幼く、承認と庇護を欲しがる子供のまま。
そのアンバランスさがこの個体の不安定さと危険性をさらに強めている。
獣冠英霊としての共通特性により、自己魔力循環、高い自律行動能力などを備える。
もとよりアサシンとして厄介なジャックが低燃費かつ自己完結型の殺戮機構を得ているという時点で脅威度は非常に高い。
【能力設定】
この個体の恐ろしさは単純な暗殺性能の高さだけでは説明しきれない。
人間のストッパーとなる罪悪感が大きく欠落している。
戦場での挙動はきわめて機動的で単独でも群体でも振る舞える。分身生成によって包囲や陽動を行い、本体が死角から急所を狙う戦法を得意とする。正面戦闘能力も低くはないが、この個体の本領は抵抗できない状況を作ってから仕留めることにある。
毒、気配遮断、感覚攪乱、局所的な治療と延命。それらすべてが最終的には標的を逃がさないための手段として機能する。
精神面の脆さはそのまま危険性でもある。
安定している時は命令遵守かつ有能な護衛・暗殺者として振る舞うが、愛情飢餓が悪化すると独断専行や過剰反応に走る可能性が高い。
特にマスターを傷つける可能性のある存在に対しては警戒、監視、先制排除へ傾きやすい。
一方でマスター本人がきちんと目を配り、言葉を与え、必要性を示してやれば驚くほど素直に落ち着く。
この個体にとって愛情とは贅沢品ではなく行動制御の基盤そのものなのである。
【関連人物】
藤丸立香
世界で唯一の拠り所に近い存在。
好かれたい、必要とされたい、見捨てられたくない、褒めてほしい。
そうした幼い欲求の大半が向けられている相手であり、ジャックにとっての“世界の中心”でもある。命令に従うのも守ろうとするのも全部その延長線上にある。藤丸のベッドに忍び込むことが多々ある。
ジャンヌ・ダルク〔ランサー〕
比較的よく一緒にいる相手。一方的に愛を与える聖女と、飢えたように愛を求める殺人鬼という組み合わせは奇妙な安定を生む。
もっとも、ジャンヌの愛は万人向けではなく、あくまでマスターへ収束しているため、ジャックがそこに安心しきっているわけではない。
それでも受け入れられているという実感は大きい。
マシュ・キリエライト
マスターの傍にいる重要人物として認識している。
敵ではないが、距離の近さや信頼の深さを本能的に意識しやすく、微妙に張り合う余地がある。
ただしマシュ側が一定の理解と配慮を示せば、露骨な衝突までは起きにくい。
モルガン
怖いけれど嫌いではない相手。
モルガンの支配的な在り方は、ジャックにとっては“ちゃんと枠を与えてくれる大人”にも映る。
一方で、完全に管理されすぎるのは本能的に窮屈でもあり、距離感はやや複雑。
【制作メモ風補足】
“渇愛の獣”というコンセプトの中心にあるのは、殺人鬼性ではなく飢餓感である。誰かを殺したいから殺すのではない。必要とされたい、見捨てないでほしい、自分を見てほしい。そのどうしようもなく幼い願いが都市伝説的殺人鬼の霊基と結びついた結果、最悪の方向へ育ってしまった。
元のジャックが持つ子供としての危うさは残っているがこの個体では肉体年齢と認知が少し引き上げられている。
そのため幼さが消えたわけではなく、むしろ「ある程度は理解できるのに、感情処理が追いつかない」という別種の危険さへ移行している。
可愛い。危ない。放っておけない。けれど放っておくと何をするか分からない。
獣冠英霊ジャック・ザ・リッパー〔アサシン〕はちゃんと構ってあげよう。犠牲者が出る前に。