マシュ・キリエライトしか分からない   作:ats376

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(+)おまけ編 ビフォアータイム、オルレアン

これは少し前の物語。

第一特異点が観測され、その調整にカルデアが追われていた頃。

マスターである藤丸の伺い知らぬところで起きていたほんの小話。

 

なぜキャスター、ランサー、アサシンが藤丸の同行サーヴァントとして当然のようにいたのか?

その理由が語られるアットホームなお話である。

 

 

 

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カルデアのとある一室。

そこには長机が一つ置かれていた。四角い天板の上には紙も資料も茶も菓子もなく、机を囲むように人数分の椅子だけがきっちり並べられている。

 

フランチェスカ・プレラーティはそんな闇のサバトに参加していた。ひとまず膝の上で手を組もう。姿勢も正しておこう。余計なことは喋らずに目立たない。今日ここで必要なのは魔術師としての技量ではなく、厄介事をやり過ごすための小技である。すなわちそれ、処世術なり。

 

 

 

~本日の議題~

「第一特異点へ向かうマスターの同行サーヴァントについて」

 

 

 

同行枠は三つ。そのうち一つは現地事情に最も詳しいという理由でジャンヌ・ダルクが一抜けした。これは分かる。

 

『フランチェスカさん。特異点へは私が出向きます』

 

少し前のことを思い出す。何の前置きもなくそう告げてきたジャンヌ。

 

『残りの枠は皆さんで決めてください。マスターに同行する方々ですから、きちんと話し合うべきでしょう』

 

そこまではいい。問題はその次。

 

『あ、フランチェスカさんは出席して下さい』

「・・・・え、わたし?』

『はい。同じく冬木で喚ばれ、マスターに仕えるサーヴァントですし、あとは頼みますね? フランチェスカさん。私はマスターにお伺いを、わ・た・しが! お伝えしてきますので』

 

なぜ自分に後始末を押し付けてきたのかは理解できない。

だが現実から目を背けることは出来ない。今の問題は残り二枠を決めるこの場に当事者の一人として自分が混ざっていること。

 

自分の向かいにはモルガンが座り、その隣でエレナが頬杖をついている。ブーディカは腕を組んで困ったような顔をしており、ドレイクは背筋を伸ばしたまま微動だにしない。リチャードは机に肘を乗せてなんか愉しそうで、ジャックは椅子の背に軽く体重を預けて足をぶらぶらさせている。

 

全員が冬木で同じタイミングに召喚された面々。どういう性質で、何を最優先に動くのかもある程度は知っている。マスターを中心に回っている危険物の集まりだということは理解している。理解しているが――何で私まで同じ列に座らされてるんだい? 

善良な一般人なのに!

 

フランチェスカは心の中でため息をつく。今すぐ帰りたい。

 

 

 

「では始めましょう」

 

部屋の中央で進行役のように口火を切ったのはモルガン。感情の上下を一切見せない声だったが、支配者らしい雰囲気は場を仕切ることが様になる。

 

「ジャンヌは既に決まっています。ならば残る二枠については護衛、制圧、状況対応、現地での継戦能力まで含めて選ぶべきでしょう。誰が最もマスターの行動を滞らせず、最短で安全を確保できるか。その観点で考えれば答えはそう複雑ではありません」

 

言い終えるまでの間表情はほとんど動かない。だがフランチェスカには分かる。今のは進行でも整理でもない。遠回しに「私が最適です」と売り込みを仕掛けてきただけ。

 

「いやあ、見事な切り込みだな。そこまで綺麗に自分を結論に据えられると清々しさすら覚えるよ、俺は」

 

明らかに人外の見た目を普段している人物。彼の名はリチャード一世。本日は普通の人間の姿のようだ。

 

「だが、戦場ってのは数字や条件の並びだけで転がるもんじゃないだろ? 崩し、押し込み、敵が態勢を整える前に喉元まで踏み込む。その瞬間に必要なのは前に立つ者だろう。ならば俺の方が話は早い。マスターが進むならその横に並べる奴が行くべきだ」

 

 

「横に並ぶだけで済むなら結構ですがね。敵地で必要なのは進路の確保、補給、撤退線、接触後の立て直しまで含めて考えるべきでしょう。戦場は力だけが決めるわけではありません。その先まで処理して初めて回るものです。ですから、まあ、私が同行するのが妥当かと」

 

ほら来た、とフランチェスカは目を伏せた。この海賊__フランシス・ドレイクはなんか言葉遣いこそ丁寧だが結局は同じ穴の狢。要するに「現地運用込みで私が一番使える」と言っている。

 

「ふふ。みんな、ちゃんと違う方向から自分を売り込んでくるのね」

 

エレナが片肘をついたまま笑う。笑ってる場合じゃないんだぞこっちは。

 

「でも、想定内の条件だけで並べるのはつまらないでしょう。特異点ともなれば、途中から妙なことになりそうじゃない? そういう時に必要なのは、想定外を前提にして動ける人材よ。つまり、そこは私の出番! 先回りして穴を埋める役が一人いるだけで、マスターの手間はかなり減るもの。どうかしら?」

 

「先回り、ですか。同じ魔術師としてそれは同意できる点です。ですがあなたは少しばかり前のめりでやり過ぎる節があります。マスターの手間は減るでしょうが、把握できる情報も一緒に減るのでは?」

「危ないものには近づかせないに限るわ。見せなくて済むなら、その方がいい場合もあるでしょ」

 

どっちも一緒じゃないですか! とフランチェスカは心の中でだけ突っ込んだ。

方向が違うだけで結局どっちも先回りしてマスターの周りを固めたい側である。お前ら鏡見て話してるの?

 

「私はねえ、そこまで難しく考えなくてもいいと思うんだけどな」

 

それまで黙っていたブーディカが口を開いた。自分を売り込むやべー連中とは違う落ち着いた雰囲気。こういうのでいいんだよ。

 

「もちろん、強い子が必要だっていうのはその通りだよ。でも、マスターって放っておくと無茶を重ねるでしょ? シミュレーションでもそういう雰囲気あったしさ…。だから、前に出るだけじゃなくて、ちゃんと見て、ちゃんと止めて、必要なら引き戻せる人もいた方がいい。そういう意味では、同行役って戦力の強さだけじゃないと思うんだ」

 

この場で唯一まともなことを言っている。おめでとう、あなたがもう同行者でいいよ。

しかし食いかかる男がいる。

 

「止めるのは分かるが、それで足が鈍るのは惜しいな。マスターは危険だから下がれと言って納まる手合いじゃないだろう。あれは前に出る覚悟を持ってる。ならばやはり、最初から前線を前提にするものがいる方がいいだろう」

 

「速さだけで全部片づくなら、兵站担当はいりませんね。現地でマスターを支えるというのは気分よく突っ走ることではありません。補給が切れ、足場が崩れ、退路が消えた時に何が残るのかまで考えるべきです。その点で言えば私の船は役立つでしょう」

 

 

いや......、あんたも怒られた側じゃん....、やめといた方がいいよ多分。マスター君への悪ふざけの結果マシュちゃんのファイナルアタックライドで尻に強烈な跳び蹴りを食らった自分と、シンプルにやばいことをして態々やってはいけないことリストを作られることになったお前は同類だろ。

 

その時、これまで黙っていたジャックがふいに顔を上げる。

会話を聞いていたわけではないようだが、自分に必要な単語だけは見逃していなかったらしい。

 

「マスターが戦いに出かけるの? 隠れるのも敵を探して殺すのも得意だよ。マスターのすぐ近くにいるなら余計なものが届く前に片づけられる」

 

 

「近く、ですか」

 

 モルガンが静かに繰り返す。その言い方がもう良くない。明らかに別の論点を見つけてしまった感がある。

 

「確かに距離は重要でしょうね。マスターの傍にいるほど判断も行動も短く済む。危険への介入も、余計な段階を踏まずに済む。そう考えるなら、なおさら人選は慎重であるべきです」

 

「そういうところよ、あなた。距離の話が出るとすぐ、全部を管理できる位置を取りたがるんだもの。近くにいるって、何でも先に決める権利を持つことじゃないでしょう?」

「必要なことを先に済ませるだけですよ。エレナ」

 

 モルガンは表情を変えない。

 

「危険が見えているなら排除する。不安定要素があるなら隔離する。マスターの行動を滞らせるものを先に処理する。それを管理と呼ぶなら、そうなのでしょう」

 

囲い込んでるだけじゃん、フランチェスカは心の中でだけ言った。口にしたら絶対に拾われる。今日はその手の不用意をやる日ではない。

だがそんな思いをくみ取ってくれたのだろうか。ブーディカが口を開く。

 

「近すぎると息が詰まることもあるよ。マスターが何でも一人で背負い込む子なのはそうだけど、だからって周りが全部先に片づけていいかって言うとそれも違うでしょう。考える余地まで取っちゃったら、今度は違う意味で苦しくなるよ」

 

モルガンの目がすっとブーディカへ向いた。

 

「息が詰まる。我々は重荷だと?」

「そういう意味じゃなくてね?」

「ですが、今の言い方はそう聞こえます。私がマスターの自由を奪うように見える、と」

「そこまで言ってないよ。言ってないけど、そっちがさっきまで考えてたような単純な話でもないってこと」

 

ブーディカは引かない。困ったように笑ってはいるが座ったまま視線を逸らしもしない。

止め役まで腹が据わっている。厄介だね、とフランチェスカは思った。全員ちゃんと真面目で少しずつおかしい。だから話が終わらない。

 

「私は別に全部を抱え込まなくてもいいと思うのよ」

 

もう一人の魔女、エレナが軽い声で続ける。

 

「必要な時に手を出せば十分でしょう。危ないものを先に処理して、説明が必要なところだけ渡せばいい。それで回るならとっても楽ちんよ。マスターもきっと大満足ね!」

「結局、マスターのために取捨選択を先に済ませる気でしょう。それはやっていることが違うだけで行き着く先はかなり似ています」

「やだ、私同列扱い? もう、違うわよドレイク」

 

 

「俺はもっと単純でいいと思うが?」

 

なんかちょっと雰囲気が悪くなったときにリチャードが話を戻す。

 

「マスターが進む時に一緒に踏み込めるか、退く時に背を預けられるか、それで十分だろう。前へ出る覚悟がある者の隣には、同じ速度で走れる奴がいるべきだ。そこで躊躇う者より、迷わず剣を振れる者の方が役に立つ」

 

「迷わず振るうだけなら、壊しすぎるでしょう。マスターは戦争しに行くわけじゃないのよ」

「戦場が大きくなるのは悪いことばかりじゃないぞ? ブーディカ、お前も身に覚えがあるだろ」

「あなたはそう言うと思った・・・・・」

 

リチャードは笑い、ブーディカは額を押さえ、ドレイクは呆れもせずに黙っている。エレナは楽しそうに見物し、モルガンは一つずつ言葉を積み上げてくる。ジャックは.....暇そうだなお前。

 

地獄。会議は踊る。されど進まず。

フランチェスカはそっと視線を落とし、木目を数え始めた。こういう時は気配を消すに限る。今この部屋で一番正しいのは空気でいること。誰の肩も持たない。誰にも視線を向けない。幻術はこの面々には効かないからただ静かに。よし、それで行こう。

 

 

 

「そこで黙っているあなた」

 

だめだった。あぁ、逃れられない!!

フランチェスカは反射で背筋を伸ばした。声の主はもちろんモルガンである。よりによって、今一番拾われたくない相手にきっちり拾われた。

 

「フランチェスカ・プレラーティ。先ほどから沈黙を貫いていますが、第三者の視点が無意味だとは思いません。あなたなら、どう決めますか」

 

 何で?

 いや、本当に何で?

 

フランチェスカは口元だけで薄く笑った。笑うしかない。ここで嫌そうな顔をしたところで見逃される相手ではない。

 

「いやあ、私に振るのは違うんじゃない? みんなお互いの勝手は分かってるし、誰がどういう方向でマスター優先なのかも知ってるでしょ? というか、何で私まで当然みたいな顔で同じ席に座らされてるのか、そこからしてまだ納得してないんだけどね!」

 

言いながら、しまったと思った。少し本音が混ざった。アカンこのままじゃ私が死ぬゥ!

 

「同じタイミングで召喚された以上、無関係ではないでしょう。勝手を理解しているならば、なおさら意見は出せるはずです。遠慮は不要ですよ」

 

遠慮ではない。自己防衛。

フランチェスカは膝の上で組んだ指に力を入れた。全員の視線がこっちへ向いている。誰の肩を持っても死ぬ。曖昧に濁してもたぶん死ぬ。ならばせめて、平和的で、責任の所在が薄くて、誰の実力も否定しない方向へ逃がすしかない。

 

 考えろ。

 考えろ、私。

この机の上から自分の首を守れる程度には、揉めにくい案を。

 

「……じゃんけん、とかでどうでしょう?」

 

言った瞬間、フランチェスカは終わったと思った。

 

あまりにも雑だ。もっとあっただろう。くじでも抽選でも、せめて投票くらいは言えただろうに、なぜそこでじゃんけんが出るのか。自分でも分からない。だが状況は意外な方向に動いた。

 

 

「なるほど」

 

 最初に拾ったのはドレイク。

 

「単純で公平ですし、これ以上同じ理屈を何周も重ねるよりは早いですね。結果の責任を押しつける先としても、運というのは悪くありません」

 

そしてエレナもブーディカもまた満足げに頷く。これはいけるか?

 

「悪くないわ。理屈で決めるなら、たぶん朝まで終わらないでしょう。だったら最後は運命に聞くのも一つの手よ。単純だし、後を引きずりにくいし」

「引きずる奴はいると思うけどね、絶対に。でも、ここまで来るとそれが一番ましな気もしてきたなあ……」

「ははっ! いいじゃないか、勝負で決めよう。実に分かりやすい。腕でも剣でもなく、今日は運で席を奪いあうわけだ。そういう日があってもいい!」

 

なんか盛り上がるリチャードにジャックも反応して机に身を乗り出す。

エレナが簡潔に説明する。じゃんけんに説明とかいるか・・・?

 

「簡単でしょ。勝った人が行くの」

 

ジャックは少しだけ考えて、、それから素直に頷いた。

フランチェスカは一人だけ混乱していた。通るんかい、これ。

高位存在の同行会議がじゃんけんで? いやでも実際、一番平和かもしれない。平和の基準がおかしいことはもう忘れよう。

 

「…よいでしょう。これ以上同じ話を繰り返しても、結論は進みません。運で切るというなら、それに従います。マスターのバーサーカーとして、勝利はこの手につかみ取って見せます」

 

本当に通った。

フランチェスカは小さく息を吐いた。助かったのか、助かっていないのかもまだ分からない。ただ少なくとも、自分の発言で部屋が爆発はしなかった。

六人が立ち上がる。椅子が引かれ、長机の前に並ぶ気配がする。なんか自分も参戦させられた。

助けて。

 

 エレナが軽い調子で声を上げる。

 

「じゃ、いくわよ。最初はグー――」

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、決まりね。残り二枠は私とジャック、それで異論はなし。そういうことでいいでしょう?」

「ここで“やっぱり三本勝負にしましょう”なんて言い出されると面倒だし、勝負は勝負で切っておきたいの。みんなもそこは分かっているでしょうし、今さら机をひっくり返すような真似もしないでしょう?」

 

「しませんよ」

 

そんなエレナの言葉にドレイクがすぐに応じる。背筋を伸ばしたまま、勝者でも敗者でもない顔付きで言う。

 

「方法に同意した以上、結果にも従います。そこを蒸し返すのは契約違反と同じですし、私としても見苦しい真似は好みません。今回の同行があなた方に決まったというなら、それを前提に役割を考えるだけです」

 

ブーディカもまた肩の力を抜いたように頷く。リチャードもまぁこれはこれで仕方ないかと納得している。

 

想ったよりまともだとフランチェスカは思った。これは・・・・生き残ったか?

 

 

 

 

 

「バ…、馬鹿な? この私が……、このような、じゃんけんごときで…!?」

 

なんかすごい悲痛な声がした気がする。フランチェスカはそちらを見た。見た瞬間、ああだめだ、と思った。やべー魔女がなんかこの世の終わりみたいな顔をしている。ざまぁみろ。

 

そんな気配を感じ取ったのかモルガンは一度目を閉じ、咳払い。数秒前までの彼女ならそれでどうにかなっただろう。

だがもう遅い。すでに“ば、馬鹿な・・・・・!?”を全員が聞いている。

 

「……失礼。少々、予想外だったもので。実際の現地での動きを確かめましょう」(震え声)

 

 

 

 

その日、モルガンは大切なものを失った

一つはマスターとの初の特異点への出撃という名誉。

クールキャラでマスターに通そうとしたのに、すごいしょうもないことで同僚から弄られることになった。

殺してやる・・・・、殺してやるぞ、ジングル・アベル・ムニエル。

 

 

 

ようやく声を整え直したものの、完全には戻っていない。普段の滑らかさが微妙に途切れ言葉の端へまだ悔しさが残っていた。

フランチェスカは視線を逸らした。

 

いや、これは笑ったら駄目だ。絶対に駄目だ。ここで笑ったら面倒が永久保存されちゃう。後で何かの折に確実に返ってくる。だから笑うな。耐えろ。耐えろ、わたし。

口元を押さえたい衝動をぐっと飲み込み、代わりにもっともらしい顔を作る。

 

「あー……その、惜しかったですねえ。ええ、ほんとに…」

 

我ながらひどい棒読み。だが幸い今のモルガンにはそれを追及する余裕がないらしい。視線がまだ卓上をさまよっている。

そしてフランチェスカの胸中では祝砲が鳴っていた。

助かった。ほんとうに、助かった!。

誰が選ばれたか、ではない。エレナだろうがジャックだろうが、そこは正直どうでもいい。重要なのは、自分が同行枠に入らなかったという一点である。

 

勝った。わたしは(じゃんけんの)運命に勝った! 巻き込まれ会議の被害者ポジションから、そのまま現地同行まで連行される最悪の未来を回避した。こんな連中と特異点でずっと一緒に行動するなんて、フランチェスカ・プレラーティを名乗るこのわたしでも流石にごめんである。観察対象としては面白い。面白いが、同じ陣営で長時間密着は別だ。核爆弾とご機嫌なピクニックだなんて死んでもごめんだ。死なないけどね!

 

いや、死んでるからサーヴァントにされてるんじゃん......。

ともあれ、特異点攻略に混ざらなくていい。それだけで今日はもう勝利である。

そう思っていた矢先。

 

「では」

 

モルガンが、まだ少し悔しさを滲ませた声で言う。

嫌な予感がする。やめろ、言うな。お願い!! 靴舐めるから!

 

「次の大規模特異点については、今のうちに決めておきましょう」

 

何を?

何を決めるの?

まったく決めなくていい話を、なぜ今ここで?

 

「今回外れた者で同行とします」

 

外れた者達がもっともらしい理由をあれこれ付け足して「それはいいなアリだね!」的なリアクションをしてエレナが呆れている。

だがよく考えて欲しい。これ自分も危険なのでは・・・・?

 

・・・・・あれ? 誰も声をかけてこないぞ~? 気配遮断EXを手に入れてしまったというのか!?

言ってる場合かー―――!!

 

触れるな。

この話題にだけは、絶対に触れるな。

せめてものお詫びにマスター君の無事を願おう。それでチャラにして。

 

 

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~なんやかんやでお開きになって~

 

 

真っ先に廊下へ出たところでフランチェスカはようやく小さく息を吐いた。

 

「……いやあ、ほんと」

 

そこで一度言葉を切る。

誰もいないのを確認してから、唇の端をぐいと持ち上げた。

 

「助かったあ……!」

 

心の底からの本音だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが現実は非情である。

背後でドアが開く音が聞こえた。

今この瞬間、聞きたくない声No.1のモルガン。

 

「提案なのですが。」

「な、なんでございましょうか?」

「あなたは私とマスターの旅路を共に見ることとしましょうか。好きなお菓子を持ち込んで構いません。腹部に忍ばせているものでもいいですよ?」(ただの善意)

「え、えっと。マスター君ならそこまでしなくてもいいかな~って。ほら! サーヴァントとして信頼してるから!」

 

「あなたの意見は聞いていません」

「▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂ うわああああああ!!!!」

 

 

 




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