マシュ・キリエライトしか分からない   作:ats376

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セプテム(+) 人物紹介その2

【基本データ】

真名:ヘリオガバルス

クラス:キャスター

属性:混沌・善

出典:史実、ローマ帝国史

地域:ローマ帝国、シリア・エメサ

性別:男性

身長・体重:162cm・45kg

 

 

【挿絵表示】

 

 

特技:祭礼、饗宴、香の調合、化粧、衣装選び

好きなもの:薔薇、自分の信仰、華美な衣装、香料、宴会、(放送禁止用語)

嫌いなもの:古臭い格式・しきたり、地味な衣装

 

【ステータス】

筋力:E

耐久:D

敏捷:C

魔力:A

幸運:D

宝具:B+

 

【クラススキル】

 

○陣地作成:B+

エメサ式祭礼由来の陣地作成。装飾品は術式の一部であり、香煙は魔力を運ぶ媒体、音楽は詠唱の代用として機能する。

完成した陣地では太陽、炎、香気を利用した魔術が強化される。

最低限の祭壇でも能力は発動するが、本人が最低限の装飾で満足しないため、準備費用と魔力消費は大きい。

 

○騎乗:C+

馬、駱駝、象、戦車、祭礼用の車両を扱う。

神石から目を離さないため車の進行方向へ背を向け、手綱を持ったまま後ろ向きに走ったという逸話も反映されている。

 

人間に対する騎乗経験についてはもはや語るべくもなし。

 

○神性:D+

エメサの太陽神エラガバルに仕えた最高神官として得た神性。

本人は神の血を引く半神ではない。しかし、幼少期から神官職を務め、後世には祭神の名そのもので呼ばれるようになったため、霊基へ神の性質が一部混入している。

太陽、熱、火、光に関係する魔術へ補正を得て、神殿や祭具の用途と魔力の流れを把握できる。

 

○皇帝特権:E

本来持たない技能を一時的に獲得する能力。

ただし、統治者として高く評価された皇帝ではないため、軍事、行政、法律、国家運営に関する技能はほとんど獲得できない。

 

補正が働くのは、衣装、化粧、香料、料理、舞踏、祭礼、装飾、自己演出など生前から積極的に行っていた分野に限られるので戦闘には向かない。

 

 

【保有スキル】

○異神戴冠:A

エメサの神エラガバルをローマへ運び、ユピテルを含むローマの神々より上位へ置こうとした宗教政策のスキル化。

発動中は周囲の神性、信仰、祭具、聖別された武器を、エラガバル神を頂点とする祭祀体系へ組み込む。神性そのものは奪えないが、土地や信仰から得る魔力の一部を流用できる。

高ランクの神性や信仰そのものを宝具とする英霊には効果が弱く、召喚した神石を破壊されると術式は解除される。

 

○宮廷改革:B

ローマ社会の慣例を無視して人員を登用し、自分の宮廷を作り替えた逸話に由来する。

周囲の人物へ役職を与え、必要な能力を一時的に補強する。効果はそこまで高くないが、皇帝特権を他者へ与えるといってもいい便利な能力。

任命に血統、階級、性別や年齢は問わず、かなり応用が利く。

 

○無辜の怪物・美貌の少年皇帝:B

古代の歴史家、後世の作家や画家によって形成された退廃した少年皇帝のイメージが霊基へ刻まれたもの。

数多くの逸話が能力として追加されている。

これらの逸話はすべてが確実な史実かは怪しいが後世に広く信じられたため、生前に実行した記憶のない宴会芸や処刑方法まで再現できる。

本人も性関係の乱れや皇帝権力の私物化、周囲を趣味へ巻き込んだことは認めている。

 

 

【宝具】

過飾饗宴・薔薇天蓋(ロサ・ヘリオガバリ)

ロサ・ヘリオガバリ

 

ランク:B+

種別:対人宝具

レンジ:1~20

最大捕捉:1人

 

宴席へ招いた客人を大量の花によって窒息させたという逸話が宝具へ昇華されたもの。

対象一名を豪華な饗宴の間へ転移させる。極めて狭い固有結界を展開できるという使い方では化けるかも知れない特性がある。

室内には長椅子、料理、酒、楽器、香炉、金銀の食器が用意され、天井は大量の薔薇を収納した可動式の天蓋へ変化する。

 

閉鎖環境内で天蓋から降り注ぐ薔薇は魔力によって増殖し、床から天井まで室内を埋める。花弁は身体へ付着して動きを封じ、香気は肺と気管の働きを鈍らせる。最終的には花の重量と酸素不足によって対象を圧死または窒息死させる。

毒への耐性があれば香気の効果を軽減できるが、物理的に積み重なる花の重量までは無効化できない。炎で焼却することも可能だが、密閉空間で大量の花と香料を燃やすため、煙と熱が新たな危険となる。

 

最初から歓待を拒み、料理や椅子を破壊した対象には拘束力が低下する。

逸話そのものは史実性が低い。しかし後世の絵画や文学によってヘリオガバルスを象徴する話として定着したため、本人の他の事績より強固な宝具となった。

 

 

贅を尽くした歓待のつもりだった。

花を用意し、香を焚き、料理と酒を振る舞った。

楽しかった。

なんか死んだ……。

 

ヘリオガバルス本人はこの宝具に納得していない。

 

 

【人物・性格】

少女と見紛うほど美しい少年皇帝。

細い手足に白い肌、柔らかな声と長く手入れされた髪。絹、金糸、宝石、化粧品、香料を好み、男性用と女性用を区別せず、自分に似合う衣装を選ぶ。

黙って座っていれば異国から招かれた姫君と間違われることもある。

 

だが男だ。

 

一人称は「僕」。

普段は明るく、人との距離が近い。

宴会や祭礼の準備には勤勉。ただし費用と物資の上限がなければ、際限なく規模を拡大する。

 

生前は自分で選択しているつもりで多くの判断を母や祖母、軍人や側近、神官達へ委ねていた。

現在はそれを自覚し、積極的に自分で動こうとする。

失敗に対する恐怖が強く、重要な決定では結論を出すまで時間がかかる。特に人事、宗教、民衆への施しに関する判断では、生前の失敗を思い出して慎重になる。

ただし、慎重になったことと大人しくなったことは同義ではないことは注意。

 

男性であることも女性的に振る舞うことも否定せず、様々な側面や立場を使い分ける。

性に対する奔放さも改まっていない。好意を持った相手には男女を問わず接近するが、昔のやりたい放題からちょっと自粛することを学習した。

 

現在の基本姿勢は判断を他人任せにせず、決定前に当事者の意思を確認し、失敗した場合は責任を認めること。

 

言い訳はする。

拗ねもする。

都合の悪い逸話については歴史家の悪意を強調する。

しかし最後には自分の失敗を認める。

 

真面目になった。

性関係以外は。

 

 

 

【キャラクター詳細】

ローマ帝国セウェルス朝の皇帝。

出生名はセクストゥス・ウァリウス・アウィトゥス・バッシアヌス。

即位後の正式名はマルクス・アウレリウス・アントニヌス。

 

一般に知られるヘリオガバルスという名は本人の本名ではなく、本来は彼が仕えたエメサの神エラガバルの名である。後世になって、祭神の名が皇帝本人を指す呼称として定着した。

シリアの都市エメサに生まれ、幼少期から一族の神エラガバルへ仕える神官として育てられた。神体は人型の神像ではなく、円錐形の黒い聖石だった。

神官としての彼は、紫と金を用いた長衣、宝石を連ねた冠、首飾りや腕輪を身につけ、音楽に合わせて祭壇の周囲を舞った。その容姿と祭司姿は近隣に駐屯していた兵士たちの注目を集めることとなる。

 

当時の皇帝マクリヌスに不満を持つ兵士は実に多かった。ヘリオガバルスの祖母ユリア・マエサはこの状況を利用し、ヘリオガバルスが先帝カラカラの実子であるという噂を広めた。

カラカラを慕う兵士、セウェルス朝の復権を望む者、マクリヌスを嫌う者が少年神官の周囲へ集まり、反乱軍は彼を皇帝として擁立した。

即位時の年齢は十四歳ほど。

自ら長期的な政治計画を立てたわけではなく、周囲が彼を利用した宣伝によって皇帝にされた。

 

そう、ヘリオガバルスは皇帝になってしまった。

皇帝として育てられたわけではなかったのにも関わらず。

 

ローマへ入った後も彼は皇帝よりエラガバル神の神官であることを優先した。

エメサから黒い神石をローマへ運び、パラティヌス丘に神殿を建設。エラガバル神をローマの最高神ユピテルより上位へ置こうとした。

既存の神々を廃絶するのではなく、すべての神々をエラガバル神の下へ集め、一つの祭祀体系へ再編しようとしたのである。

本人としては信仰を帝国全体へ広める政策だったが、ローマ側の人々には地方の異国神を最高神とし、従来の宗教儀礼を個人的信仰へ従属させる行為と映った。かなり評判が悪かった。

 

また、治世中には複数回結婚した。

特に問題となったのが、ウェスタの巫女アクウィリア・セウェラとの婚姻である。

ウェスタの巫女には長期間の貞潔が義務づけられており、その違反はローマ宗教に対する重大な冒涜とされた。ヘリオガバルスは自分を最高神官、セウェラを最高位の巫女と考え、両者の結婚によって神聖な子供が生まれると説明した。

 

現在の本人は、この婚姻には彼女を巫女の義務から解放する意図もあったと説明する。が、生前からの本心だったかは判然としない。本人がセウェラの意思を十分に確認したという記録もなく、制度から解放するという名目で自分の宗教政策へ彼女を組み込んだ可能性も捨てきれない。

 

宮廷ではこれまでのローマ社会の慣例を無視した人事を行った。低い身分の者や自分に近い人物を重要な役職へ就け、従来の元老院階級を軽視した。既存の身分制度へ挑戦した面はあるが、能力主義を導入したわけではないのがわだかまりを生むこととなる。本人の寵愛、信頼、恋愛関係、政治的権限が明確に分けられておらず、宮廷人事は不安定だった。

 

民衆へ食事や金品を配り、大規模な祭礼や競技を開催するなど、目に見える形で人気を得ようともした。しかし、財政負担や群衆の混乱まで十分に考慮していたとは言い難く、施しがそのまま支持には結びつかなかった。

 

彼は怠惰だったわけではなく、積極的に働こうとした一面も確かにあるのだが、問題はそのほとんどを十四歳から十八歳までの少年が、皇帝の権力によって一度に実行したことにある。

本人の意図に善意が含まれていたとしても、方法まで正しかったことにはならない。

 

やがて軍と近衛兵の支持は従弟アレクシアヌスへ移った。祖母マエサは彼を養子として迎えさせ、後継者に指名させた。アレクシアヌスは後の皇帝セウェルス・アレクサンデルである。

支持が離れたことを知ったヘリオガバルスは従弟の地位を奪おうとした。しかし近衛兵はアレクサンデルを守り、最終的にヘリオガバルスと母ソアエミアスを殺害した。

遺体は市中を引き回され、最後にはティベリス川へ投げ込まれたという。

享年十八歳前後。

 

ヘリオガバルスに関する記録の多くは、彼を嫌った元老院階級の歴史家や、死後かなり後に成立した史料へ依存している。そのため、性関係、宴会、残虐行為、奇行に関する逸話のどこまでが事実かは判断できない。

 

史料に悪意や誇張が含まれていたとしても、異国神を皇帝権力によって最高神へ据え、私的な寵愛と公的な人事を混同し、従弟の排除を図ったことまで否定できるわけではない。軍や近衛兵の支持を失い、宗教政策によってローマ社会の反発を招いたことも、単なる後世の中傷だけでは説明できない失敗である。

 

これらは後世の悪評や捏造だけでは片づけられない、統治者としての明確な失敗である。

 

サーヴァントとなったヘリオガバルスは自分を無実の被害者とは考えていない。史料によって誇張された部分には反論し、実行した覚えのない奇行については否定する。性別や服装を理由とする非難には反省を示さない。

 

しかし、皇帝として人を振り回したこと、自分の好みを国家へ押しつけたこと、自由にするつもりだった相手へ別の役割を強制したことについては自分の責任として受け入れている。

_____つまり、かなり反省している。

 

このように、ヘリオガバルスが後世に語られた通りの悪性を備えた人間ではなかったことは推測できる。

 

しかし当時から評判が悪かったこと自体は間違いない。即位から殺害まで四年にも満たず、軍と近衛兵、元老院。さらに一族から急速に支持を失った事実を考えれば、同時代における評価が著しく低かったこともおそらく確かなのであろう。

 

 




ついに語られたもう一人の皇帝。

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