魔物使い、はじめました。   作:YTとりあえずぶん投げてみる

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第11話 教育開始

『社内恋愛』問題をなんとか誤魔化して片をつけたところで、改めてスキル『魔物教育』を試してみる。

 

 スマホをタップしてスキル詳細を確認する。

 

 

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・魔物教育

 仲間にした新入魔物を教育し、業務遂行に必要なスキルを習得させる。信頼関係を築くことが大事。信頼ポイントの運用が鍵。

 

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 次はゴブ太郎のステータスをチェックする。

 

 

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 名前   : ゴブ太郎

 種族   : ゴブリン(♀)

 レベル  : 4

 信頼度  : 大好きピ

 ジョブ  : 未選択

 能力   : こうげき ☆☆

        まもり  ☆☆

        すばやさ ☆☆

 状態   : アゲアゲ

 弱点   : 頭(色んな意味で)

 好み   : コーラ

        大好きピ

 性格   : 恋する乙女

 

《備考》

 愛する大好きピと結ばれる為に元群れへの討伐に燃える乙女。「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られる前にあーしが殺すし!」。ヒロイン枠。処女。   

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 おい、またなんか色々変わってんぞ……。

 

『信頼度』が「好きピ→大好きピ」になってるし、性格も「ぼっち→恋する乙女」に変わってる。

『弱点』の頭には「色んな意味で」という謎の注釈が追加。

 おまけに『備考』に至っては全部変わってんじゃねぇか。

 

「てか、なんで俺のステータスより遥かに豪華なんだよ! 俺のなんて5つくらいしか項目ないのに!」

 

 くそ、相変わらずツッコミどころが山ほどある。

 これ全部にツッコんでたら身が持たん。

 俺はもう何も言わない。スルーだ、スルー!

 そういうもんだと思って気にしないほうがいい、精神衛生的に。

 

 さて、スキルの詳細にある『信頼度』『信頼ポイント』を見てみる。

 この『信頼度』が高いとレベルが上がった時の『信頼ポイント』の入手量が変わるっぽい。

『魔物教育』のメニューに書いてあった。

 

『終末はじめました』アプリのトップメニューへ戻ると、『ステータス』の下に『魔物教育』という項目が増えてた。

 それをタップすると、いつものよく分からない事務的なメニューが表示される。

 

 

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《魔物教育:メニュー》

 

・『昇進』:雇用魔物を昇進させジョブを与える(信頼度が一定値必要)。

 

・『スキルアップ』:特定のスキルを教育し習得させる(信頼ポイント消費)。

 

・????

・????

・????

  ︙

  ︙

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「なんだこの項目……仕事か? いや、もう、何も言うまい」

 

 つまり、コミュニケーション取って『信頼度』を上げて、『昇進』させてジョブにつかせ、レベルを上げて『信頼ポイント』を稼いで『スキルアップ』でスキルを習得って感じだ。

 

 まんま会社の新人教育だな。

 ……なんで終末世界で人事っぽいことやってんの俺。

 もうさ、全部ひっくるめて『魔物強化』でいいじゃん。

 なんでビジネスっぽいんだよ。

 

「くそ、俺だけがこうなのか? それとも魔物使いのジョブがおかしいのか?」

 

 こんなことになるなら、違うジョブにすれば良かった!

 いや、他のジョブもこういう仕様の可能性もあるのか?

 どちらにしてもクソゲー臭がパない。

 

「ゴブ? ゴブッゴ、……ゴブ?」

「あ? あぁ、うん、そうだな。……いや、遠慮しとくよ」

 

 ゴブ太郎に「気にしちゃダメだよ? 大丈夫? おっぱい揉む?」って慰められた。

 

 一瞬、ほんの一瞬だけゴブ太郎の胸に視線が――

 いや、スルーだ。

 

 ゴブ太郎が画面の『昇進』を「ゴブ!」っと指差し、見るからにワクテカしている。

 こいつ、普通に日本語読めるのな。

 まぁ、俺と同じでフワッと雰囲気で読み取ってんだろう。

 

 ゴブ太郎からの信頼度が『大好きピ』なら、『昇進』の条件はクリアしているだろ。

 よし、うだうだやっててもしょうがない。

 やってみるか。

 

 教育メニューの『昇進』をタップし、ゴブ太郎を選択。

 

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《ゴブ太郎を昇進させます》

《ジョブを選択してください》

 

 ・戦士

 ・武闘家

 ・盗賊

 ・狩人

 ・復讐者

 ・お姫さま

 ・かわいいお嫁さん

 

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 はい、下3つは無しだ。

 ちょっと選んでみたい欲に駆られるが、どうせネタジョブだろうし我慢する。

 面倒くさいジョブなのは分かりきっているんだ、そういうのは魔物使いだけで間に合ってる。

 

「うーん、この中から選ぶなら『戦士』かな。

『武闘家』は前衛職だけど素手で魔物に挑ませるとか、なんか人としてどうなんだっていう思いがあるんだよなぁ……。却下で」

 

『盗賊』は鍵開けとか罠解除する人だろ?

 それも大事だけど、今はそれよりも単純なパワーが欲しい。

 だいたい『盗賊』って何だよ? 犯罪者じゃん。却下。

『狩人』は弓使うイメージがあるし、遠距離タイプだろう。

 俺は俺より前で戦う元気な盾が欲しいんだ、却下。

 

「ということで、ゴブ太郎。お前のジョブは『戦士』でいいか? カッコつけて言うと『ゴブリンファイター』って感じだ!」

「ゴブ!」

 

 ゴブ太郎がナイフをクルッと回して、気合バッチリに元気よく頷く。

 よし、『戦士』をポチッとな!。

 

 ピロン!

 

 俺の時と同様、軽快な音が響いてスマホが一瞬光る。

 画面が切り替わってゴブ太郎のステータスが表示される。

 

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 名前   : ゴブ太郎

 種族   : ゴブリン(♀)

 レベル  : 4

 信頼度  : 大好きピ

 ジョブ  : 戦士

 能力   : こうげき ☆☆☆

        まもり  ☆☆☆

        すばやさ ☆☆

 状態   : アゲアゲ

 弱点   : 頭(色んな意味で)

 好み   : コーラ

        大好きピ

 性格   : 恋する乙女

 スキル  : 『戦士の心得』

 

《備考》

 愛する大好きピと結ばれる為に元群れへの討伐に燃える乙女戦士。『戦士』ジョブに就いたことで、大好きピの力になれることを喜んでいる。ヒロイン枠。処女。

        

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「よし、ゴブ太郎のジョブが無事『戦士』になったぞ」

 

『こうげき』と『まもり』に☆が一つずつ増えて、『戦士の心得』とかいうカッコいいスキルも生えてきた。

 

 ゴブ太郎も強くなったのが嬉しいのか、ナイフを振り回しながらソファで飛び跳ねている。

 

「危ないからやめろよ」とガチ目にゴブ太郎に注意してから、『戦士の心得』をタップし詳細を表示。

 

 

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・『戦士の心得』

 『戦士』のジョブに就くと取得できるスキル。滅私奉公、会社の為なら私を捨てて働け。如何なる困難も乗り越える突破力と、如何なる理不尽にも耐える忍耐力。上司の命令は絶対。ブラック上等、リメンバー昭和!(こうげき+☆、まもり+☆)

 

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 また説明が変なんだけど……。

 ブラックとか昭和ってなんだよ。

 そんな理不尽な命令しねぇっての。

 ただ、俺の為に無休無給で肉壁になって欲しいだけだわ。

 

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