魔物使い、はじめました。   作:YTとりあえずぶん投げてみる

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第13話 レベルを上げて物理で殴りたい

『スキルアップ』メニューには、いろんなスキルが並んでいた。

 

 まず、パラメータ系――「ちから+1」「ぼうぎょ+1」「きようさ+1」など――を取れるだけ取る。

 

 ステータスの『能力』にある3つの項目――『こうげき』『まもり』『すばやさ』は、基礎パラメータの総合力らしいので、底上げはとても大事だ。

 

 次に、「剣術」がナイフにも適応されてたので取り、さらにもう一段階強化した。

「戦士の心得」も強化できそうだったのでそれにもポイントをつぎ込む。

 

 最後に、「〇〇斬り」とか「〇〇ソード」とかの技系は「先制斬り」をチョイス。

 てか、前二つでポイントがカツカツになったので、一番ポイントが安かったこれをとりあえず選んだだけだ。

 一つくらい技があったほうがいいかなって。

 

 そうして出来上がったのが、パラメータマシマシ、「剣術+2」から繰り出される初手「先制斬り」→相手《ゴブリン》は死ぬ。

 と言った感じのゴブ太郎だ。

 

 その辺のゴブリン程度じゃ文字通り瞬殺である。

 あの小さい体のどこにそんな……というほどのパワー、スピード、テクニック。

 その持て余していたフィジカルは「剣術」を取ったことで最適化し、剣の扱いや体の動きが段違いで良くなった。

 そして、「先制斬り」で瞬く間に相手の懐に入り一閃、ゴブリンの首がポロリと落ちる。

 ちゃんと返り血を浴びないような位置取りだし。

 

 時代劇とかの殺陣を見てるみたいで、ちょっとかっこいいなって……けど、不細工なのは否めない。

 

「まぁ、楽に強くなれるんだ、それに越したことない……けど、やっぱり勿体ないよなぁ」

 

 ポイントのこともあるし、こうなるともはや何でもいいから仲間にしたい。

 けど、ゴブ太郎が他のゴブリンを仲間にするのを嫌がって全殺ししちゃう。

 なら、他の魔物を仲間にするしかない。

 けど、この辺りにはゴブリンしかいない。

 

「おい、ゴブ太郎! お前、なんか知らないか? こうもゴブリンしか出ないなんておかしいだろ!」

「ゴブ? ゴーブブ!」

 

「あーし知らなーい、じゃねぇんだよ。いっちゃん最初に俺の部屋にスライムが出たんだ、他にもいるだろ普通に!」

 

 そう、あのスライム。もしかして、アイツ、めちゃくちゃレアだったとか?

 レアモンスターとかゲーマー的にめっちゃ欲しいんだが。

 普通に倒しちゃったぞ、しかも重曹で雑に。

 

「うーん、うちの近所だけがそうなのか? だとしたら、もう少し足を伸ばしてみるのもアリか……? いや、拠点から離れるの怖ぇしなぁ……」

「ゴブゴブ?」

 

「ゴブリン相手なら簡単にレベル上がっていいって? そう言うけどな、あんまりレベル上げたくないんだよ。『信頼ポイント』的な意味で」

「ゴブ?」

 

『信頼ポイント』はレベルアップで手に入る。

 俺がレベルアップしても、『雇用魔物』がレベルアップしても、だ。

 1レベルアップでどれくらいポイントが貰えるかは、『雇用魔物』との『信頼度』に依存する。

 

 ゴブ太郎の現時点での俺への『信頼度』は「♡ゆうと♡」だ――いいんだけどさぁ……いや、なんでだよ!

 これ、結構というかかなり高めの評価らしく、序盤のクセにレベルアップごとにガッツリポイントが手に入っている。

 

「ゴ……ブ??」

「あぁ、つまりな、魔物をたくさん雇用して、そいつらの『信頼度』を目一杯上げてから俺のレベルアップした方がポイントが美味しいんだよ」

 

 序盤にポイントをガッポガッポ稼ぎたいのに、ゴブ太郎だけじゃ勿体ない。

 仲間がいれば貰えてたはずのポイントは少なくないし、レベルが上がるほど次のレベルアップに必要な経験値が増えるんだから、効率よくやりたいよな。

 

「はぁ、とりあえず疲れたから一旦アパートに帰るか。ほら、ゴブ太郎、帰るぞ!」

「ゴッブゴブ〜♡」

 

「愛の巣じゃねぇよ! 変なこと言うな!」

 

 

 ★☆★☆★

 

 

「……なんだよ、コレ」

「ゴブ!ゴブ!」

 

「「「「ギャッギャッギャッギャ」」」」

「うわぁぁぁ!」

「誰かぁぁぁ!」

「助けて、ママー!」

 

 アパートへと帰ったら、アパートが蜂の巣をつついたような大騒ぎになってる。

 アパートが……俺の部屋が……ゴブリンどもで溢れかえってるんだけど?

 

「……ゴブゥ」

 

 ん? どうしたゴブ太郎?

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