半人半妖に救えるものはあるのか【魔】   作:紡縁永遠

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今回、戦闘シーンはほとんどありません、少し変わった視点から見る魔法少女の意見をご覧ください、
戦闘シーンは書けないのですいません。


ハマヤマギカ

 「私、メリーさん、ちょっと手伝ってほしいの」

 「『はいはい、こっちも説得が完了したよ、まったく、世界滅亡級を背負ってるなら、一撃で吹き飛ばしなさい』」

 「無茶言わないでくれ、ソレやったら見滝原が更地になるぞ、後倒すの禁止されてる」

 「『できないとは言わないのが問題ね、まぁまどかちゃんがそっちに行ってるから、守りなさいよ』」

 「了解!」

 

 電波不要の連絡、これはラグが無く電話をかけた側は相手側に移動が可能であるが、他の魔法少女を生かすために捌咎が漏らした波状攻撃を捌くために残っている。

 

 「?…!ほいっ!」

 「ねぇ、さっきからなんか、適当じゃない?」

 「いい感じに強くなったから、適当にやっても余波が綺麗に消えるんだよ、」

 

 現在、ワルプルギスから程なく離れた場所にて攻撃の全てを燃やすか凍らすかで足止めをしている捌咎が殺し損ねた使い魔を鎌鼬やら狐火などで切り裂くなり、燃やすなりをしている。

 正位置にいないワルプルギスの夜はせいぜい都市滅亡級であり、国家滅亡級の怪異となるのは正位置についてからである。

 今まで二人は、能力を千分の一までに抑えて戦っていた、都市滅亡級のならば、百分の一ではあるがちょうど一%の調節は難しいので、防御に徹していたが、国家滅亡級ならば一割出すだけで問題はなく、この一割も通常攻撃が一割くらいの力である。

 

 「鎌鼬、」

 「みんな!!」

 「速かったな……塗壁」

 「それで、私はどうすれば……」

 「魔法少女に擬似的になってもらって、弓を使って彼奴を射抜く、と言っても擬似状態じゃ倒すに至らないから、その後は俺たちに任せてもらえれば」

 「わかった、インキュベータ!」

 「まったく、でもまぁこれで魔法少女に擬似的にだけどできるからいいとしよう……はい、これで魔法少女の力の一部を使えるよ」

 

 まどかは、専門家による最大の対策を持って魔法少女に成った。インキュベータにとっては、願いさえ叶えれば目標はクリアでき、尚且つもう魔法少女であることかは逃れないため、呆れながらも了承をした。

 

 「初戦がラスボス戦だから、全力でサポートする、他は使い魔を対処してくれ」

 「なら、ぶっ壊す勢いで叩きつける、」

 「了解、自由落下を数秒でもいいから、作れ」

 「おう、」

 

 廻喪は魔法少女に成ったまどかの後ろに立ち、自身の武器を渡す。

 

 「左手で持って、右手で引く、そう、後は捌咎が動きを固定してくれるから、」

 「うん、」

 

 まどかの姿勢を制御するように、共に弓を引き、ワルプルギスの夜の下に焦点を合わせる。

 逆に上の方では、金砕棒を掲げた捌咎が自由落下を超える速度でワルプルギスの夜に向かって飛び込む。

 

 「出力最低……およそ都市滅亡級……圧縮技法……落苦瀬……うおおおおお!!!」

 

 落下の激流と表現される落苦瀬はワルプルギスの夜の浮遊機能を塗りつぶし、落下へと誘う。落下という一つの行動に抗うこともできずに落ちて行く、その先には、能力制限をかけられた最強の魔法少女と、呪いの力を矢へと圧縮し続ける半人半妖の少年が、弓を構えている。

 

 「絶望なんかしない、助けてくれる人がいる!「破魔矢!!」」

 

 最後の技名は二人同時に、一直線に、荒ぶる天候をきり裂いて、突き抜けて、ワルプルギスの夜へと突き刺さる。刺さった衝撃は弱く、刺さっただけ、それでも、呪いを込めたその矢は、永続的に毒を生み出して、魔女を苦しみ続ける。

 もとより、使われたこの矢は、呪いを扱う銀憑呪怨の血肉を鍛えた武器である。刺さったものに対して、呪いを振りまき、絶対に抜けることはなく、呪い返しも武器ゆえに意味は無い。

 怨念を形とした一射絶命の殺し切るまで残る矢である。

 

 「ア゙、ア゙、ア゙、ア゙、ア゙、ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙」

 「ふぅ……」

 「終わったな、」

 「金砕棒は?」

 「落下付与に使ってぶっ壊した、多分数日は飛べなくなるな」

 「アレも親父の血肉だしな、呪い付与はできるか」

 「随分と、あっさり終わったな」

 「ねぇ、なんで?私の苦労は?」

 「そりゃまぁ、戦力の差だったり、ワルプルギスレベルが二人いるし……」

 

 あっさりと撃退できたことに、何百と世界を渡ってきたほむらは絶望する。グリーフシードで回復してあるため、魔女化することはない。

 

 「いや、そもそもが、正位置とかの謎要素だよ」

 「帰ったら問い詰めるぞ、」

 「その前に、お母さんが話したいって」

 「「……了解」」

 

 まだ残る曇天から差し込む光を背に魔法少女と専門家は避難所へと戻る。事後処理は天候災害による建物崩壊になるために、事情を知った鹿目家への説明である。

 結界で無事であった銀憑家にて、鹿目家と美樹家の親が応接間で、銀憑廻喪と鬼灯捌咎と対面していた。

 

 「で、なんで止めなかった」

 「……聞いたかどうか知りませんが、これに関してはインキュベータ、及び魔法少女や魔女の問題に呼ばれた、被害者の立場である娘さんがたを、そのまま引き込んでしまったことは、謝罪の意を示させてもらいます。

 「ただし、踏み込んでしまった者は、今後も踏み込んで、出逢いやすくなる。美樹さやかが魔法少女と成ったのは監督不行と共に、彼女の自己責任であることを理解してほしい。

 「そして、鹿目まどかが魔法少女に成った件に関しては、こちらの実力不足で、被害者であると言っていい、

 「ですが、それを抜きにして、他の魔法少女達を切り捨てることは、プロとしても、知り合った友として、拒否させていただきます。

 「魔法少女のシステムに巻き込んでしまったことを深く謝罪するとともに、一年以内にこの件の収束をしたいと考えております」

 

 専門家としての、けじめ、これは魔法少女を魔法少女のシステムから崩す計画の最前線で動く銀憑廻喪自身の言葉である。娘達と同じ歳、ただし精神においてはこの場にいる誰よりも先を往く。そんな人間の言葉。

 

 「そもそも、被害者、加害者の定義だ、なぜ、公にしない」

 「怪異は人に語られて始めて存在できる、公に知られれば、怪異という、触れられないが確実にいるという不安に駆られる、そこから新たな怪異が生み出される可能性があることを危惧してのものです。

 「人に危害を加えるかもしれない、この、不安定な思考が怪異をつくる、ならば、知らずに空想のモノとしたほうが実害は出ません。

 「怪異は本来、何処にでもいて何処にもいない、触れるには、こちらが土足で踏みいることが多くの事です、もともとそこにいる、そこに、わざわざ入ったのならば、誰が庇えるものでもないでしょう。

 「失礼なことをしたのは、踏み入った人間ですから」

 「だから加害者だと、それで魂を別の場所へと変えられて、命をかけて戦うことになるのか!!」

 

 今度は捌咎が答える。被害者になることはない怪異事に、納得できるものはほとんど居ない。そもそもとして知覚できないものをどう警戒しろというのが、そういった疑問も、加害者と成った人間は感じるものである。

 美樹家父親の言葉はそういった疑問も含まれていた。

 

 「自己責任でしょう、どんな願いも叶う、この誘いに対して、私達は否定をして動いています。

 「願いに対して、地獄を歩む、これを知らなかったからと、知らされてなかったと、そういいたい気持ちも分かります。確認を最後までしなかった、美樹さやかにも責任はあり、それを、背負う覚悟をしたのは貴方の娘さんです」

 「止められなかったら、意味がないじゃないか!」

 「それを決めるのは、貴方でも、私達でもない、

 「状況に合わせて、戦闘を取ることもありますが、私達専門家は、怪異と人を繋げる、間を取り持つ、これを生業とします。契約する瞬間に対しては、専門家を通さなかったのは娘さんですよ」

 

 親としての意見、この成長を願う意見、それは心配と、怒り、自身の娘を知り得なかった責任、多くの感情が入り混じり、言葉にするのは難しい。

 

 「何を願ったんだ?」

 「それは、本人から聞いてください、」

 「わかった、ならこの話は切り上げよう、私は既に話してある、ガキだ子供だと思っていたが、知らぬ間に大きくなってやがる、頼んだよ」

 「「はい!」」

 「本人から聞いたほうがいいことについて、なんでだ?」

 「過去には、親に対して願い、それを否定した親もいる。そりゃそうでしょう、そんな幻想の嘘は、努力とは言わない、周囲を惑わす、魔法、魔女が嫌われた理由ですよ、

 「こう言ってはならないですが、魔法少女に選ばれる子供は、精神の脆さを強く感じます。受け止めてあげてください。

 「私達にできることは、そこまでありません、親として子の成長を讃えることも必要だと思いますよ、」

 

 子供だからこその意見、親だからこその意見、食い違うこともあるし、納得できない、そんなことは何度もある。だが、命を懸ける覚悟をしたことは、願う瞬間にはあったことであり、願いに対してそれだけの重いがあったことも事実である。

 成長を讃えないでは挫折する、頑張る理由は、多くあったほうがいい、進む道を促すだけが親じゃない。背中を押して見守ることも親のすることである。

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