半人半妖に救えるものはあるのか【魔】   作:紡縁永遠

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マギアレコード 拾漆話〜
カミハマウワサ


 「そこはごめんとしか言いようがないね、最初から正位置につかなかったというのは私の誤算だ。もう少し簡単に乗っていると思っていたよ」

 「いや、良いんですけどね、思いのほか弱かったってだけなんで」

 「一応正位置についてから一時間経ったら世界滅亡級になるんだけどね、そこは次に回そう」

 「はぁ…で、次の場所は?」

 「ウワサ蔓延る、魔法少女が多くいる街だ、神浜だよ、どうせ休みだろ?」

 「そりゃまぁ」

 「定期券はこちらで買っていおいた。好きに使うといい」

 

 臥煙伊豆湖が直接銀憑家に来て、次の舞台を知らせる。魔法少女が事実を知って、魔法少女を救おうとする、狂気と怨嗟の街。ウワサ、つまりは都市伝説が蔓延る街である。

 ワルプルギス再来による自然災害にて現在見滝原中学校は休校している。

 

 「わかりましたよ、行かせてもらいます」

 「頼んだよ、」

 

 見滝原から駅を数個渡り、神浜へ、そこは本来気づきようもない変化である、ただし、異形に対して、怪異の総集である廻喪と咎を閉ざす捌咎だから気づいたことである。

 

 「結界、」

 「ああ、対象は分からんが、侵入を防ぐ類のもんだ」

 「入れたってことは、今は気にする必要がないということか?」

 「たぶんな……」

 「多いな」

 「ああ、」

 

 神浜全域に張られた結界は二人に影響を及ぼすものではなかったが、それでも気づく感知能力の高さ、それ故に魔女の多さも理解する。

 

 「どうする?」

 「ぶん殴る」

 「了」

 

 近くにあった結界に、殴り込みに二人は歩き出す。見滝原の魔法少女は家族と共にあるため、二人だけである。無断で戦っていたのだから当たり前ではあるが、そもそも二人は連絡をしていない。

 

 「連絡」

 「面倒」

 「行くか、」

 

 結局連絡はすることなく魔女の結界の中へ入っていく。ワルプルギスと戦っていたため、出力調整が分からないのだ、なまじ最後の方は適当に攻撃していたので、ミスって関係ないところに被害が生きかねない状況である。

 

 「おろ、先客か……」

 「弓」

 「ん、マヨイガ、隠れ神……大剣、後でまともなやつ作らないとな」

 「罪焼」

 「失礼!」

 「え?」

 

 魔法少女が二人、既に結界内で戦っているが、そんなことはお構いなしに、使い魔を殺していく。

 

 「使いづらい……っと、大丈夫か?」

 「え、は、はい!」

 「ふゆぅ、大丈夫です」

 「なら、良いんだ、が!鬱陶しいな……雷獣……?少し強めだったはずなんだが……」

 「摩訶鉢特摩」

 

 廻喪の放った雷は使い魔を一掃することはできずに、致命傷で終わる、それでも捌咎の八寒地獄の容赦ない冷気によって一掃される。

 

 「……取り敢えず、出るか…」

 

 使い魔の強さに少し違和感を覚えながらも、廻喪は魔法少女二人を連れて外に出る。

 

 「お疲れ」

 「疲れてねぇだろ」

 「あの!助けてくれてありがとございました!」

 「いいよ、暇つぶしの殴り込みだったから……ところで聞きたいことがあるんだが、この辺はあのレベルの魔女が多いのか?」

 「そうだよ、もしかして神浜の外から来たの?」

 「仕事でね」『このレベルが普通か……面倒くさい話しだな』

 

 捌咎は見滝原より面倒くさくなりそうな予感からため息をつく。魔女の強さは問題にならないが、そこからなる、魔法少女の強さが問題である、

 

 「あの!小さいキュゥべぇを見ませんでしたか?私その子を探しに来たんです!」

 「「小さいキュゥべぇ?」」

 「知ってるよ、というより神浜ではその小さいキュゥべぇしか見たくなったよ?」

 

 防止を背負った魔法少女はそう言って首を傾げる。フードを被った魔法少女が探すキュゥべぇを専門家二人は知らなかった。

 

 「普通のイ、キュゥべぇを見てないのか?」

 「うん、」

 「なるほど、結界の正体は理解したが、何のためだ?」

 「結界?」

 「気にする必要はない、ただ、神浜内で魔法少女が生まれなくなっただけだから」

 

 普通のキュゥべぇを見ない、この言葉から二人が感じた結界がインキュベータを拒絶するものと予想する。目的は分からないが、それでも魔法少女がこの街で生まれないことがわかる。

 

 「まぁ、そこまで気にすることでもないだろ、」

 「ああ、ソレよりも、いつまで結界を縛っておけばいいんだ?」

 「ん?ああ、離していいよ、そのなかに小さいキュゥべぇがいるなら別だけど……どうせ殺すんだし」

 「それなら、結界の中で見たよ……」

 「行かせてください!」

 「……分かった、ただし、ここからは自業自得だ、俺は関わらん」

 「はい!」

 

 捌咎は結界が移動しないように、その場に縛り続けていたが、フードを被った魔法少女が入りたいと言ったので、自業自得として、離れる。

 

 「俺達は帰る、お前も気をつけるよ、」

 「う、うん……」

 

 専門家二人はその場を離れて、歩き出す。この街において魔女はついでであり、目的は噂である。魔女は二の次、専門家である二人は噂の募集が本来の仕事である。

 魔女が周囲にいてもそれを無視して歩き続ける。神浜全域を軽く歩いて回る。

 

 「バグってんのかこの街」

 「まぁ、何かあるから呼ばれてんだろ」

 「それはそうなんだが、噂だよ、あからさますぎるものばっかりだ。それに学校内でのおふざけだけじゃないだろ」

 「確かにな、神社絡みだと、直ぐに動けるようにしていたほうがいい、」

 

 一通り回って得た噂、ただし出どころだけは掴めなかった。それが噂というものではあるが、その異常な数と、物語の内容、まるで都市伝説が意図的に作られたというように、蔓延っている。

 

 「それに、空気が悪い」

 「ああ、東西でここまで違う理由はなんだろうな、」

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