半人半妖に救えるものはあるのか【魔】   作:紡縁永遠

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マギカデヴィルソウル

 「私は見滝原中学校三年の巴マミよ」

 「二年の鹿目まどかです」

 「美樹さやかです」

 「ありがとう、キュゥベえを助けてくれて」

 「このこ、キュゥべえっていうんですか?さっき廻喪さんはインキュベータって言ってましたけど」

 「専門家内の、ソイツを表す言葉だ」

 「あら?でも前会ったときは知らなかったって」

 「それについては、後でだ、落ち着いて、かつ周りに聞こえない場所というのなら、家にいけばいいだろ」

 

 商店街を出て、その場の雰囲気に合わない日本家屋へと案内をする廻喪、その後を続くように捌咎が周囲の警戒をしながら、鹿目まどか、美樹さやか、巴マミの後を歩く。

 

 「ここだったんだ…」

 「とりあえず、お茶、熱いから気を付けろ。それと、疑いもなく男しかいない家に上がるんじゃない」

 「まぁ、専門家についてより、魔法少女、後魔女についての、説明のほうがいい」

 

 巴マミによる魔女と魔法少女の関係性、そして魔法少女になる過程を理解した一同、だが、何でも叶うという甘い声に惑わされず、巴マミが出した、ソウルジェムを見続ける専門家二人。

 

 「わかった」『これは……!前回会ったときには感じなかったが、今見れば一目瞭然だな、巴マミは生きていない、生かされている、これも間違いで、斧乃木余接の逆にに近い、魂を別の入れ物に移す、そんな禁術(外道)どんな理由があれど、認められる訳がない、けどそれは人のエゴだ』

 「廻喪くん、顔色悪いよ」

 「え?ああ、悪い少し考えごとしてた」『捌咎、言うなよ』

 『わかってる』

 

 ソウルジェム、Soul Gem、Soul(魂の) Gem(宝石)、ソウルジェムの真実に気づいてしまった。怪異性から来る、幽霊も見切る専門家二人には、巴マミのもつソウルジェムの真相を理解してしまった。後戻りの出来ない、説明の足りない契約ということに。

 

 「鹿目まどか、美樹さやか、キュゥべぇとの契約は俺達専門家を通せ、巴マミについては対処のしようがないが、専門家として見ても、あまりいい方法とは言えない」

 「え?それってどういう……」

 

 忠告、バランサー、仲介役、橋渡し、それが専門家の役目であるが、まだ子供としてのエゴも多い二人、特に廻喪は魔法少女になっていない二人に忠告をする。捌咎は地獄という怪異性から、年齢に似合わず、大局を見る事ができるが、数多の物語(独自性)から、廻喪にそれは似合わない。ルールに反する。

 

 「猿の手って知ってるか?」

 

 猿の手、イギリスの小説家W・W・ジェイコブズによる短編小説である。内容としては、おとぎ話でよくある「3つの願い事をかなえてくれる」魔法のアイテムとして猿の手のミイラが使われている。ただし、その代償はおとぎ話と違って非常に重く、ブラックジョークや皮肉も混ざっている。願いは、歪んだ形で叶えられる。

 

 「いや、レイニー・デヴィルのほうがいいか……【魂ト引キ換エニ、三ツノ願イヲ叶エテヤロウ】どんな願いでも叶えてくれる、手だ、」

 「え?でも、魂って……」

 「当たり前だ、悪魔なら!」

 「キュゥべぇが悪魔たって言うの!?」

 「そうは言っていない、インキュベータ、それがキュゥべぇだ、悪魔ではない、そもそも猿の手は願いをねじ曲げる。願いの裏を叶える、」

 

 等価交換、何かを得るには何かを与えなければならない。どんなにささいなことでもそれは変わることのないことだ。

 

 「あくまで、専門家としての予測だ、事実とも限らないが、魔法少女になるのなら専門家を通せということだ、嘘つきには二種類いる、全てが嘘で塗り固められた存在、そして嘘はつかないが、真実も語らない、インキュベータは後者だ、この考察が正しいなら暁美ほむらの判断はかなり良いものだ、真実を語らないやつと喋る必要はないからな」

 

 キュゥべぇを友達と思っている巴マミには受け入れがたいものだった。己を助けてくれた存在が、己を利用しているかもしれないということに、専門家という、魔女以上に異形と、相対する専門家に、嘘つきと、断言された。

 

 「そんなの、誤解かもしれないじゃない!」

 「誤解を解く努力をしないというのは、嘘をついているのと同じだ、そもそも、誤解されるような言葉なんてこの世にいくらでもある、まぁ聞くことはお勧めしないな、何が返ってくるかわからん」

 「それに嘘も、本当にできる奴もいる、裏が叶えば表も叶う」

 

 嘘が、虚言が形となる、そんな都合のいいことあって良い訳がない、そんなハッピーエンドは、存在自体が逸脱していなければ成し得ない。

 表裏一体、裏の願いが叶うのならば、表の願いも叶わなければならない。結果として、それがどれだけ捻じ曲がろうが願いが叶ったことにはかわりないのだから。巴マミは、【生きたい】と願い、生きている、その裏や【生きたい】という願いの対価は別の事柄である。

 

 「分かった……」

 「それでも、魔法少女がどういった物かは、百聞は一見にしかずとも言う、見てみることは別に問題はない」

 「だな、それに魔女の倒し方も覚えないといけないし」

 「そう……」

 「まぁ、俺は暁美ほむらのほうを注視する」

 「魔女殺しについては任せろ」

 

 魔法少女の真相は仮説という虚言によってうやむやになった、魂の隔離がどんな影響を及ぼすのか、インキュベータが何を隠しているのか。それが分かるまで専門家は魔法少女を見続けることしかでこないのであった。




専門家と魔法少女の相性が良すぎる、
ちなみにインキュベータは廻喪の家にある結界で侵入ができません
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