とあるライダーオタクが絶望の世界に来てしまった件   作:キラトマト

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渚輪島編 第1部 渚の孤島、生まれる剣士。
第1章 目覚める、渚なき輪の島。


 

 ────みんな死んだ。僕のせいで、みんな死んだ。だから今、僕たちの小さな(せかい)は破滅の一途を辿っている。

 

 今や物語は、終焉へと向かっていた。それは間違いなく最悪の方向に。

 

 辺りは業火に包まれている。もはやその島に生存する少女は、ほとんど残っていない。

 そして、そこに立つのは2人の男。1人は、とある科学者の模造品である少年、そしてもう1人はこの地獄を作り出した元凶。

 

「君がもし、傍観者でさえ無ければ、この運命に"もしも"があったかもしれない────と、偏見でものを言おうか」

「お前も随分とロマンチックなことを言うんだな。人間不全」

「言うじゃないか、真の傍観者が。これはただの必然に過ぎない。そしてこの世界の、運命だ」

「……こんな酷い結末が、運命であっていいはずがない!」

「啖呵を切ったところで、今更遅いが?」

 

 少年の足元に、年端もいかぬ少女の首がゴロリと転がる。それは彼の仲間であり、戦友。そう、今彼ら彼女らは最期の戦いに、島を懸けた血戦に挑んでいた。

 

「……かもな」

「君は既に役目を終えた。あの少女を死に追いやる、という役目をな」

 

 時には見捨て。時には自ら死を選ばせ。そして時には、最愛の相手を殺させた。その結果、少女たちは今も死に続けている。

 

「役目なんて何度でも、変えればいい話だ! 僕はもう、二度と過ちを犯さない」

「面白いことを言うね。だが断言する。君じゃ何度繰り返そうと結末は変えられない」

「あぁ、"僕だけ"じゃ、そうだろうな!」

「何を言っている……?」

「悪いな、──。もう僕は、次の世界に託したぞ」

 

 彼が託したのは、全てが歪んだ世界。そして、最後の世界。

 

 ────しかし彼は目覚めない。

 

 

 

 

 

 

 ────瘴気に満ちた世界。生まれたのは災か、希望か。我と共に歩むは、一体誰だ。

 

 

 2118年6月6日

 

「……え?」

 

 声は、ひどく乾いていた。目を開けた瞬間、最初に感じたのは寒さだった。あまりにも冷えたその気温。そして鼻を突くのは焦げと腐臭の混じった匂い。

 

 身体を起こすと、視界いっぱいに廃墟が広がっていた。崩れた建物とひび割れた道路。それらには焼け焦げた跡。都市だったものの残骸が、音もなく横たわっている。

 

「……なんで。いやここどこ……?」

 

 軍艦島に匹敵する崩壊具合。呟きは瓦礫に吸い込まれ、返事はない。状況を理解するより先に、胸の奥がざわつき始めた。

 死んだ。たしかに、自分は死んだはずだった。最後に覚えているのは、眩しい光と、衝撃だけ。

 

「……ッ」

 

 鼻を突く別の匂いに息を詰まらせる。腐った肉のような生臭さ。視線を巡らせた先。瓦礫の陰に異様な何かが立っていた。濁った眼。崩れ落ちた皮膚。ぎこちなく引きずられる脚。

 

「ゾンビ……?」

 

 彼を認識した瞬間、それは動いた。

 

「コスプレ……だよな……?」

 

 ゆっくりと歩み寄るゾンビ。彼はされど楽観的に振る舞う。

 

「なっ……!?」

 

 しかし、ゾンビは腕に振り下ろす。咄嗟に避けたのだが、勢いそのままに腕は地面をえぐりとる。

 

「っ……!」

「……ぅご、ごぅ……!」

 

 冗談じゃない。映画でも、撮影でもない。本気でこちらを殺そうとしている。

 恐怖で声が出ない。息をするのですらはばかられた。怪物はまたもや彼に対し敵意を持った攻撃を繰り出す。

 

「クソ……死にたくない……!」

 

 後退りしかけた足が、何かに触れた。視線を落とす。

 そこにあったのは赤の鍔に、銀の刃。記憶と違うのは、刀身の色だけだった。

 

 ────その名は火炎剣烈火。

 あり得ない。現実に存在するはずのないもの。だが、考えるより先に身体が動いた。

 

「あっつ!?」

 

 柄を掴む。熱く、異様なほど重い。それでも引き抜き、剣を振る。狙いも何もない、ただの必死な一振り。

 それが、ゾンビの腕を飛ばした。

 

「……え」

 

 自分がやったことを、理解するのが遅れた。だが、剣は重い。

 切断面が、蠢いた。肉が盛り上がり骨が伸びる。腕が、再生していく。

 攻撃は緩慢だった。だが烈火は重い。動きが遅れる。回避が間に合わない。足がもつれ、体勢が崩れる。

 

「……っ」

 

 焦りからの手汗で柄が滑り、烈火が地面に落ちた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 迫るゾンビ。徐々に荒くなっていく呼吸。もう無理だ、諦めよう。そう顔を腕で覆う。伸ばされた腕が、振り下ろされる瞬間。

 

「うらッ!!」

 

 ────腐った腕が当たるすんでのところで、ゾンビは上半身ごと"ズレた"。

 

「え……?」

 

 衝撃は来ない。恐る恐る目を開く。

 

「おんなの……こ……?」

 

 ────それは少女だった。

 

 年端も行かぬ、彼自身とそう年齢も変わらない、少女だった。長い黒髪に赤いマフラー。刀についた血を払い、少女は静かに鞘へ刀身を収めた。その名は来栖崎ひさぎ。呆気にとられて少し気が動転していたところにもう一人の少女がやってくる。

 

「ちょっち! 大丈夫かい? あたしらが来たからには、もう自殺なんてさせないぜぃ!」

 

 特徴的な橙のミディアムヘア、大胆な服装。太ももには拳銃のホルダーが携えられている。その名は樽神名(たるみな)アド。

 

「じさつ……? えっと……」

「だいじょぶだいじょぶ! ヒサギンが来たからには、もう死なないからね!」

「もう……大丈夫なんですか?」

「ん? ────って!? お、男!?」

 

 少し間を開けてアドも気づいたのか、少し眉がピクっと上がり、呟いた。

 

「……まさか」

 

「あの……」

 

 沈黙に耐えられなくなったのか、彼は小さく声を漏らす。

 

「……本当にありがとうございます!」

 

 精一杯の感謝を込めて頭を下げた。彼の人生上いちばん誠実な気持ちで。

 

「……」

 

 思うところがあったのか、来栖崎は何も言わない。

 

「まあまあ! くるしゅうないくるしゅうない! とりあえず自己紹介するね! あたしの名前は樽神名アド。んでこのクールな娘が来栖崎ひさぎ」

 

「あっ、俺は神川賢人っていいます!」

「なんで勝手に名前言うのよ……こんな奴が知ったところで……」

「あはは……ま、まぁ! 行く宛てがないなら着いてきな少年!」

 

 迷いはなかった。賢人は地面に落ちた烈火を持ち直す。

 

「それ、アンタの剣?」

「俺のっていうか……」

 

 ────死にたくなかったから。卑しくも、彼は2度目の生に執着していた。

 

「そんじゃ行こっか、アタシらの拠点に」

「……ていうかこの世界はなんですか? ゾンビなんて架空の存在じゃ。あとなんで火炎剣烈火があるんですか? もしかして仮面ライダーがいるんですか? あ、もしかしてジオウのミライダーみたいな!」

「……かめんらいだー? 何それ」

 

 そんな単語存在しないかのように、アドは首をかしげた。賢人の世界ではありえなかった。見た事はなくとも、存在くらいは知っていて当たり前、そんな歴史のあるテレビ番組だったから。

 

 『この物語を書き換えてくれ。異物(イレギュラー)




感染×少女 第一部 第一章 第1話 第3話『目覚め』『渚なき輪の島』より

Tips.感染×少女は元々は台湾のゲームだぞ。『末日少女』というタイトルだったぞ。ブラウザゲームとして、DMMやハンゲームで配信されていたぞ。2014年に配信開始、その数日前にはテスト配信されていたぞ。鎧武中盤という事だな。

もしも仮面ライダーセイバーのスピンオフとしてTTFCで配信されていたら。

なんか始まった。アニメ?
何このやり取り。上條さんくらいフワッとしてるけど
なんで烈火?
世界観と仮面ライダー合わなくない?

神川賢人のキャラが好きか

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