とあるライダーオタクが絶望の世界に来てしまった件   作:キラトマト

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第38章 追憶:LG 永遠(とわ)に輝くカグヤ様×(クロス)英雄譚は終わらない。

 

 ────経験が人を作る。果たして本当のわたしは、一体なんなのだ。

 

 それは、カグヤがこの世界に来る前。数多くの世界の支配を企む秘密組織 ハンドレッドはある世界に目を付けていた。

 

「この世界のライダーは……1人だけか」

「神川賢人、仮面ライダーヴァルキュア。聖剣を使うセイバー由来のライダーのようだな」

「えぇ、厄介なあの男がいないだけで、これほど気楽とは」

 

 アカツキ レイメイ ハクジツの3人の構成員はオーロラカーテンシステムを使いパラレルワールドに移動、賢人の住む世界に来たのだった。

 そして騒動の翌日、2人は泊まっていたホテル内で対策を考えていた。

 

「クソ……なんなんだよあの能力は一体……」

 

 思い当たる怪人が浮かばない。記憶操作なんて厄介な怪人、賢人の見てきた中には存在しなかったからだ。その上、綴からの冷たい目線。ポートラルの中に居場所が無くなるという想定外の事態。

 賢人の心は、既に限界だった。

 

(……思ったより俺、皆のこと好きだったんだな)

 

 先日の豹藤の一件もあってより結束がより強くなったはずのポートラル。なのにリセットどころか、スタート以前になってしまった。

 

(戦って傷ついた訳じゃないのに、心が痛い。2年以上も一緒にいたから……)

 

 簡単に割り切れるほど賢人は大人じゃなかった。

 そんな必死さを見て、カグヤは胸を痛める。自分がいるから奴らが来て賢人が苦しんでいるのだと。

 

「……話さなければならないみたいだな」

 

 顔を伏せ、声を落とす。

 

「どうしたんだよカグヤ」

「この世界に来た理由。そしてカグヤ様を狙う、敵について、な」

 

 カグヤは真剣な目で見つめる。

 

「え、俺の力を写しに来たんじゃないのかよ」

「それはついでだ。敵はハンドレッド。数多の世界を狙い、そしてその度にこのカグヤ様が阻止して来たのだが、次はこの世界に狙いを定めたようでな」

 

「カグヤ……もしかしてこの世界を守りに?」

「いいや。自分の世界の落とし前を付けに来ただけだ。だが奴らの保有戦力は全ての悪のライダー。……絞り込むのも一苦労だ」

 

 建前でそうは言っているが、賢人は察する。そして彼は彼の心に応えるべく、脳内のライダー図鑑を絞り込む。

 

「それなら任せてよ。俺一応、セイバーまでの全ライダー分かるからさ」

「フッ、頼もしいな」

 

 しかしそんな時、ガトライクフォンが鳴る。示された箇所は2箇所。狙ったかのようにお互い離れていたその場所を見て賢人は歯噛みする。

 

「クソッこんな時にまた……! なっ……同時侵攻だと!?」

「ハンドレッドかもしれない。手分けしていくぞ」

「あぁ!」

 

 切り替えた彼らはひとまず現場に急行した。そこにいたのは2人の男性。アカツキとレイメイ。

 

『アメイジングセイレーン!』

 

 1人がブックを開くともう1人の手に全く同じブックが現れる。

 

「あの本……それに……無銘剣!?」

 

 過去、神峰を倒した際に失われたはず。という考えを隅に追いやり、彼は目の前の敵に集中する。

 

『『エターナルワンダー!』』

 

 白と黒だけのファルシオン アメイジングセイレーン。その姿を、賢人は知らない。

 

「なんだよその姿は!!」

 

「お前にとっては少々未来の姿だったか。……まぁ良い。ヴァルキュア、貴様のそのライダーの力を奪えればそれでいい……!」

 

「クソ……!! 変身!!」

『エナジーユニコーン!』

 

 白と白のぶつかり合いが始まった。

 

 一方その頃、レジェンドはハクジツの変身するネガ電王との戦闘を繰り広げていた。

 お互いの銃を撃ち合いながらの銃撃戦。しかし周囲の被害を気にしてレジェンドは思った方向に放てない。

 

「お前が元凶ではないようっ、だな!!」

「まさかお前がこの世界に来ているとはねぇ! 鳳凰・カグヤ・クォーツ!!」

「当たり前だッ! 貴様らがカグヤ様を見なくなっては世界が傾くからな!!」

 

 あえて建造物を背にして戦うネガ電王。その考えを見抜き、レジェンドは専用銃 レジェンドライドマグナムにカードを装填する。

 

『ギーツライダー! レジェンドライド!』

 

 召喚したのはギーツIX(ナイン)。そしてドレイクのカードを装填しサブグリップを捻る。

 

『カブトライダー! レジェンドアタックライド! フィ・フィ・フィ・フィニッシュ!』

『FULL CHARGE!』

 

 一方のネガ電王はパスをかざし、銃口にエネルギーが溜まる。

 ────同時に放たれた訳ではなかった。レジェンドの弾道を見てから、一瞬だけ遅れてネガ電王が発射する。

 

「そう来ると思ってな」

 

 ドレイクはトンボのライダーである。であれば当然その能力を使った攻撃もトンボの力が使える。

 後ろに飛んで回避しようとするネガ電王。しかし光弾は急旋回する。

 

「ゴージャスシューティング」

 

 両名の背後には建物があった。お互い避ければ爆発に巻き込んでしまう状況だったが、レジェンドは躊躇なく回避した。

 瞬間、鳴り響く荘厳なる鐘の音。ギーツIXにより、爆発の寸前で光弾が消えたのだ。そして直撃したネガ電王は爆発の隙に変身を解除、仲間の元へと退避したのだった。

 

「逃げたか。方向は……これはまずいな」

 

 彼専用の通信デバイスを使い、位置を確認したレジェンドは直ぐに賢人の方へと向かった。

 

「大……丈夫じゃない」

 

 着いた頃には、既にヴァルキュアはボロボロだった。装甲は剥がれ、膝は地につき、そしてマスクも割れて素顔すら見えていた。

 

「既に貴様の事を覚えているのはこの忌々しい男だけ! この世界の異物であるお前が! 何故戦う必要がある!!」

「さぁ、そのブックと聖剣を渡してもらおうか!」

 

「……賢人」

 

 レジェンドは事前に交換していたLINEでヴァルキュアにメッセージを送る。彼は振り向かずに頷いた。

 

『ケミーライド! ウィザード!』

「ゴージャスに潜ろうか!!」

 

 指輪の魔法使いへと変わったレジェンドは、魔法を発動させる。そして足をドリルのように回転させ、ヴァルキュアを抱えて退避するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

想定外(イレギュラー)

 

 一方その頃、地下施設で1人、竜瀧は佇んでいた。

 

「面倒なことになりましたねぇ……はぁ」

『ジャマト栽培日記』

「然るべき時に使いたかったですが、まぁ今が然るべき時でしょう」

 

 そして、太陽機関内に"ライダー"が現れた。

 

「ジュラピラ」

『ジャマト!!』

 

 植物のような上半身をしたライダー。ジャマトライダーは長官室へと向かっていく。

 

「……なぜ忘れていたのだ」

 

 続いて、2体目が現れる。それはポートラルの寮へと足を運ぶ。

 扉をゆっくりと開けたそれは、中央会議室に集まっていた全員をゆっくりと見回す。

 

「な……怪物ですの!?」

「いや待て甘噛君! 見た目で判断するな……見てきた仮面ライダーでもそういう回があっただろう! キュビちゃんやモグラ獣人! ……あれ? 何故そんな作品を見たのだ? 私は」

 

「というか……仮面ライダーってなんですの? 三静寂さん」

「……そういえばなぜ今そんな単語を」

「ち、ちょっと待って皆! 向こうに敵意は……うッ」

 

 アドの手を無理やり掴み、ジャマトライダーは自らのベルトの中央部にかざす。

 

「……! 神川……神川賢人……ケンティー!! なんでこんなこと忘れて……」

 

 そしてそれはベルトを操作し、蔦でその場の全員を引き寄せる。

 

『ジャジャジャストライク!』

 

 コアIDは、記憶の塊。触れれば元に戻ることができるというある種の博打で、彼女達の記憶は元に戻った。そしてジャマトライダーはベルトを外し、種子に戻るのだった。

 

「ライドブック……」

 

 更に、ベルトに装填されていたジャマトバックルがなんと、アルターブックに変化したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてそんなことは露知らず、賢人は波癒によって傷が治し、そのエネルギーの補給のために、ちょくちょくメンバーの皆と来ていた街の弁当屋を訪れていた。

 

「すまない、その聖剣の能力を知らず出すぎた真似を……」

「いや、あのままじゃやられてたのは確実だったからさ。じゃ、あの時は食べれなかったし、何食べたい?」

「賢人と同じでいいぞ」

 

 それを聞いた賢人はレジに向かう。

 

「そんじゃあのり弁当2つでお願いします」

「はい、のりがおふたつですね。では以上2点で920円になります。オーダー入ります。のり2。ではこちら番号札になります。少々お待ちください」

「待つ……?」

 

 座っていたカグヤはその待つという言葉に疑問を抱いた。

 

「そ、待つんだよ。そしたら作りたてのが出てくるから受け取って店出てさ。う〜ん……あの公園で食べよう!」

「……そうか。普段はバトラーに頼りきりだったからな」

 

 カグヤは執事に頼りきりではなく、少しは自分で自分のこともやってみようと、決意するのであった。

 そして少し経って、店員の大きく快活な声が響く。

 

「番号札38番でお待ちのお客様〜。こちらのり弁当がおふたつになります。ありがとうございます! またお越しくださいませ〜!」

 

 袋を受け取った賢人はカグヤと共に店を出て、近くの公園のベンチに座った。弁当の蓋を開けたカグヤは驚愕する。

 

「……これだけか?」

「まぁまぁ、食べてみろって。見た目よりボリューム凄いから」

「……温かい、な」

 

 彼の脳裏に浮かぶのは生前の祖父の手料理。その頃は決して裕福ではなかったものの、心の籠ったその料理を思い出し、カグヤは郷愁の念を浮かべる。

 そして食べ終えた彼は顔を上げて賢人を見つめる。

 

「そういえば貴様、何故本当の主人公ではないのにそれほど必死になるんだ?」

「カグヤはさ、幕の内弁当って知ってる?」

「? なんの話だ一体?」

 

「幕の内弁当ってのはさ、沢山の付け合わせの中にご飯とメインがあるんだよ」

「あぁ、それがどうした」

 

「それでさ、真に美味しい幕の内ってのは、その付け合わせも主人公……いわばメイン具材にも匹敵する美味な料理なんだ」

 

「……そうか。つまり主人公でなくても胸を張り生きる。それが大切だと。……神山飛羽真のようなことを言うんだな」

「えっ、カグヤも飛羽真さんに会ったことあるの!?」

 

「あぁこの世界に来る直前にな。とてもゴージャスだったぞ。賢人は……庶民派だな」

「庶民派!? ……いやそれが俺だから! ゴージャスになる必要ないから!」

「……ふっ、面白い男だ」

「なんだよそれ、少女漫画みたいに」

 

 賢人の笑みが零れる。先刻まで落ち込んでいたはずなのに。彼は自分の頬を叩き、立ち上がる。

 

「何度でも作ればいいんだよ。思い出なんて。俺自身そう言ってたじゃん。……行こうカグヤ、ハンドレッドとやらを、俺たちで倒そう!」

「あぁ、元よりそのつもりだ。行くぞ」

 

 そんな中、綴の声が聞こえた。今は名前すら知らないはずのその少女。

 

「賢人様!!」

「……え?」

「心です! 賢人様を、心で思い出したのです!!」

 

 それは、救いだった。IDコアで生まれた記憶の余白に、賢人という器が混ざった結果だった。

 

「……もちろん他の方々の記憶も戻っていますわ! ……ふふ、思う存分戦ってきてくださいまし!」

 

 綴は賢人の胸に握り拳を突き出す。それを彼は満面の笑みで返し、カグヤの方を振り向く。

 

「行こうカグヤ!!!」

「さっきも言った。行くぞ」

 

 賢人はライドガトライカーの後部座席にカグヤを乗せ、彼の指示の場所に向かった。

 

「見つけたぞ。ハンドレッド新三人衆 アカツキ レイメイ ハクジツ」

「名前まで知られていたか。……お前もこれを使え」

 

 全員が無銘剣を手に持ち、それぞれが別々のライドブックを装填する。

 

『エターナルフェニックス アメイジングセイレーン ポセイドンサーガ』

 

「そのブック……!!」

 

 かつて神峰が使用していたブック。それすらもコピーされていたのかと、賢人は驚く。……が、絶望はしない。

 

『……抜刀!』

「変身」

『エターナルフェニックス ワンダー パワー!』

 

「そいつは1回俺に負けてんだよ!」

『聖剣ソードライバー!』

『レジェンドライバー!』

 

 辺りが、金を超えた白金(プラチナ)に包まれる。そしてカードとブックを装填するとプラチナ像までもが現れる。更に、白銀に輝く幕が賢人とカグヤの前に降りる。

 

「今日は特別バージョンだ。最期に目に収めておけ」

 

『波癒抜刀!』

『ケミーライド!』

「「変身!!」」

『スピニングユニコーン!』

『レジェンド!』

 

 幕が上がり、そして光り輝く本からページが2人に覆い被さる。片方には装甲が、片方にはマスクが形成され、その姿を変える。

 

「この物語は俺が────」

「カグヤ様がゴージャスに書き換えてやろう!」

「ちょっと! それ俺のセリフ!!」

 

 上書きされたヴァルキュアは、レジェンドの肩を叩く。

 

「いいだろ? ゴージャスにアレンジしてやったぞ」

「ふざけているのか!!」

 

 そんな戯れに痺れを切らしたファルシオン軍団は叫び、戦闘員を呼び出した。

 

「カッシーン!? え!? なんで!?」

「そのような雑兵、これで十分だ。見ていろ賢人。貴様は高校生だったな?」

「え、まぁこの世界に来た時は……」

 

 レジェンドは銃に4枚のカードを装填する。

 

『ファイズライダー! フォーゼライダー! ゴーストライダー! ジオウライダー! レジェンドライダー! マッシモ!!』

 

 4人のライダーが、バイクのビジョンと共に召喚される。それらは高校生が変身している仮面ライダー。

 

「尾上タクミ!? リマジまで知ってるのカグヤ!」

「もちろんだ。ディケイドが巡った9つの世界のライダーの力も手中にある」

「スゲェ……!」

 

 ヴァルキュアが目を輝かせてるその一瞬で、大量のカッシーンは蹴散らされる。

 

「やはり敵わんか。なら行くぞお前ら!!」

 

 それでも相手は退かない。

 

「まだ引かないか。宝太郎、使わせてもらうぞ」

『ケミーライド! ガッチャード! スチームホッパー!!』

「これがガッチャード!? 目が矢印! しかもすっげぇピカピカだ……。じゃなくて! 俺もいかないと!

 

 レジェンドは友の姿を借り、歌姫の剣士に立ち向かう。そしてヴァルキュアは深海の剣士を相手取る。

 

「卑怯だぞ! 剣士相手に銃とは!」

「卑怯もらっきょうもあるものか! だったら錫音でも使えばいいだろう! はぁ!!」

 

 友の武器を使い、レジェンドは両手の銃で付かず離れず、しかし決して攻撃を喰らわない位置から銃撃を絶えず続けていた。

 アメイジングセイレーンには、記憶の操作という能力はあるものの、他に戦闘面での特殊技能はない。そして聖剣とは使用者の鍛錬と共に強くなるもの。それを怠るアカツキに、未来はない。

 

「貴様の剣からは何も感じ取れないな! 終いにしよう!」

『ゴージャスアタックライド!』

「何だと……?」

『必殺黙読!』

 

 剣を収め、歌姫の剣士はトリガーを2度押す。どちらも飛び上がり、双方の足が激突する。聖剣を振るわない技。それを見てレジェンドは勝利を確信する。

 

「剣を使わなかったのが、お前の敗因だ」

「……貴様が」

剣士達(彼ら)のように、鍛錬を重ねろ」

「な……んだとぉぉぉおおお!!」

 

 爆発は、無に帰した。

 一方のヴァルキュアは、深海の剣士の鍔迫り合いを何度も繰り返していた。

 

「お前は、神峰透露じゃない!!」

 

 あの時のように海は押し寄せては来ない、あの時のように剣が現れてヴァルキュアを狙いはしない。明らかに、あれよりも弱かった。

 

「お前じゃ本も、剣も使いこなせねぇよ!!」

『必冊読破! 3冊斬り!!』

 

 波癒に、3つの力が重なる。心が救われた今、ヴァルキュアに敵はない。深海の剣士の海のように分厚い装甲でさえ、容易く切り開く。すぐさま修復されるそれの中心に白い炎を灯し、阻害したヴァルキュアは最後にベルトを切り裂く。

 

「たかが模造品が、聖剣に勝てると思うんじゃねぇ!」

「くそッ……があああああ!!!」

 

 変身が解除されたレイメイは塵となり消滅する。

 残るはハクジツの変身した不死鳥の剣士のみ。橙の羽根が戦場に飛び散る。それを振り払い、レジェンドはある通信機器を取り出す。

 

『レジェンドカメンライザー!! ファイナルケミーライド!』

「……なんて?」

 

 それはまさかまさかの銃だった。そして銃口から幾枚ものカードが排出され、まるで図鑑のように宙に浮かぶ。

 

「レ・レ・レ・レジェンダリー! レジェンド!!」

 

 仮面ライダーレジェンダリーレジェンド。

 レジェンド自身の上半身を囲うようなたてがみに、カードが並ぶ。金・金・金!! 金色に包まれた姿。しかし下品さは全く無く、むしろ高貴な気品すら漂うその姿にヴァルキュアは目を見張る。

 

「これがカグヤの最強フォーム!? スゲェかっこいい……なら俺も負けてられないな!!」

『波癒抜刀! Please call me. スペリオルユニコーン!! つまり、最強!』

 

 現代に生きる2つの伝説。黒と金。まるで美術品かのような佇まいに、一瞬だが不死鳥の剣士もひれ伏しそうになる。

 

「たとえこの俺一人になろうとも!! いいや好都合だ! この世界は、俺のものだッ!!」

「そうか!! だったら俺が倒す!!」

 

 ヴァルキュアの持つ白銀の波癒と、ファルシオンの持つ漆黒の虚無がぶつかる。衝撃波は無に帰されるが、それでもお互いの体に負担はかかる。

 

「ここまでのご褒美だ賢人。大盤振る舞いといこう!!!」

 

 レジェンドはカードを差し替える。そのカードは賢人の憧れの"頂点"。

 

『ゴ・ゴ・ゴ・ゴージャス! クロスセイバー!!』

「え、まさか……」

 

 彼の予想は的中する。10本の聖剣がレジェンドを囲い、終焉の聖剣を生み出す。それを手に取るとレジェンドの体はまるで銀河のようなキラッキラの美ボディへと変わる。

 

刃王剣十聖刃(はおうけんクロスセイバー)! 創世の十字! 煌めく星たちの奇跡とともに! 気高き力よ勇気の炎! クロスセイバー! クロスセイバー! クロスセイバー! 〜交わる、十本の剣!! 〜』

「嘘……フルで流れんの?」

 

「たとえ姿を変えたところで! 全てを無に帰して、私だけが永遠に生き続け支配を!」

「違うな。人は人生という短い時の中で最輝(さいこう)の瞬間を目指す。貴様の様な下賎に邪魔されることなくな!」

「物語の結末は、お前には決めさせない!」

「黙れ黙れ黙れェ!!」

 

『刃王クロス星烈斬!!』

「刃王ゴージャス斬!」

 

『スペリオル必殺斬り!』

「白炎十二聖剣斬!!」

 

 12本の聖剣の力が1つに、ファルシオンに迫る。虚無の力を行使し、一瞬はその斬撃は無に帰る。

 

「知らないのか? 刃王剣には無銘剣虚無も入ってる。本物のなッ!!」

 

 所詮コピー品であるハンドレッド。無に帰す能力を返され、逆に無に帰ってしまう。

 

「おっと……」

 

 爆発の後に残された1枚の羽根と、ライドブック。それらをヴァルキュアは握りつぶす。

 

「こうしないと復活しちゃうからね。てかちょっとさっきの金ピカのに戻ってくれない?」

「この姿はいいのか?」

「大丈夫だって!」

 

 賢人は生前、ヒーローショーで撮影用スーツを間近で見た経験があるので、今は見たことがないライダーの方が大事だった。レジェンダリーレジェンドに戻ったカグヤの体を、じっくりと見回す。

 

「これってコンプリートフォーム意識?」

「よくぞ分かってくれたな。だがカグヤ様は凡人ではない。コンプリートフォームを超えるコンプリート21……すらも超えるのがこの、レジェンダリーレジェンドだ」

 

「もしかしてこれもカグヤが作ったの?」

「あぁ、というかベルトもこのライザーも全てカグヤ様が作っている」

「え、え、ええええ!? すごいよカグヤ! カグ……ヤ?」

 

 カグヤの体は、半透明になっていた。

 

「すまない。オーロラカーテンシステムの限界のようだ。……また会おう、神川賢人」

「……約束だぞ。絶対にな!」

 

 まるで今生の別れかのような会話を最後に、カグヤは世界から弾き出されてしまった。

 

 かくして、賢人にとって初めて出来た仮面ライダーの友達は離れ離れになってしまった。しかしいつか会えると確信した賢人はまず太陽機関の長官室のドアを叩いた。

 

「入れ。……あぁ、神川賢人か」

 

 中にいたのは頭に包帯を巻いている妃崎長官。

 

「あの……治しに来ました。すみません。守れなくて」

「後輩を守れたんだ。これほど名誉な負傷があるものか」

「ホント……大事なんですね。俺達のことが」

 

 白い炎が妃崎の顔を包む。そして炎が晴れた頃には包帯は焼き切れ、無くなった両目が再生していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 レジェンドの世界 カグヤ邸。

 

「友達……か。バトラー、弁当屋に幕の内弁当を買って……カグヤ様も行こう」

「左様ですか。では」

 

 ──────────────────────

 9/20

 レジェンドって1号ライダーなのかな? ガッチャードが1号ライダー? てことはガッチャードもカードで変身? うわぁどういう感じに玩具発売してたんだろ。もしかしてトレカ形式? だとしたらやばいなぁ……。

 

 なんてことは置いといて。いやぁ、記憶が戻って良かった良かった。戻ったから言えるけど、桜井侑斗ってこんなに辛かったんだね。




『ジャマト栽培日記』
『目を覚ませ 記憶より生まれしストーリーメギド』

幕の内理論は、バイト先の方に買っていただいた他店舗の本当に美味しい幕食べてる時に思いつきました。
最初のプロットでは、記憶が戻るのは最後の最後でした。でも決戦では晴れ晴れとした気持ちで戦って欲しかったのです。なので早めに記憶戻しました。
ゴージャスガッチャード、ガッチャードシーズン2に出るそうですね。見たいです。後、ゼッツも出るそうで、とても楽しみです。
妄想です。
後、今後ゼッツがスポット参戦するのでこれだけ覚えてください。仮面ライダーゼッツ=コードナンバーセブンは夢の中で戦うエージェントです。
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