出るまで回せば実質無料なんですよ
「食事は外食と自炊、それぞれ一長一短ですけど、よほどのことがなければ僕は自炊派です」
独り言を呟きながら僕は昼食を作っている。野菜炒めでも作ろうかと思い、玉ねぎやキャベツなどの野菜を切っていく。しかし、なぜか手が滑り、指を切ってしまった。そこまで深くはないが血が出ている
「まあちょっと洗って絆創膏でも貼っておけば……」
「いけません。ちゃんと消毒もしなければ」
「確かに……てっ、うぉぁ!?」
後ろから声が聞こえ、その声に反応する。しかしこの場には僕一人しかいないのになぜか聞こえてくる声に違和感を感じ、後ろを振り向くと、天使と見間違うような綺麗な桃色の髪の美少女がいた。彼女の名は鷲見セリナ、トリニティ総合学園の救護騎士団に所属している2年生で僕と同い年です。そしてなぜか僕が怪我をする度に何処からともなく現れて救護されます
「セ、セリナさん!?」
「はい、あなたのセリナです♪」
「う゛ッ!?」
そのあなたのセリナですって言うのやめて。あまりの可憐さに心臓が破裂しかけた。これもう犯罪でしょ。美少女罪ですよ美少女罪。罪状は美少女が可愛すぎる仕草で思春期男子の心臓を破裂させかけたこと。これ殺人未遂だな。いつまでたっても耐性のつかない僕が100%悪いですね
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃないです。離れてください」
「ま、まさかどこか具合が……!?」
「(貴女が美少女すぎて)苦しいです……」
「ッ!今すぐ救護します!大丈夫です。もう苦しませたりなんてしません!」
「いや、違くて……」
いや、これは言い方が悪かった。しかし面と向かって美少女すぎて苦しいと言えるわけもなく、寝室のヘッドに寝かされた。ちなみに切っていた野菜はセリナさんが調理して冷蔵庫に保存してくれた。こんな子が彼女になってくれたら幸せだろうなぁ。いや、多分耐えられずに心臓や脳が破裂して死ぬな
「ありがとうございます、セリナさん」
「いえいえ、患者さんを働かせるわけにはいきませんから」
「その優しさが心に染みる……」
可愛くて優しいとか理想の女性すぎる。それに比べてやれ美食テロリストだの発情狼だの……たまに僕の家を温泉に作り変えようとするヤバすぎる集団も来るし、なんで僕の周囲にはヤバい人ばっかり……なんか泣きそう
「う、うぅぅぅ……」
「シンヤさん!?どこか痛むんですか!?」
「身体的ダメージではなく精神的ダメージがですね……」
「で、では私が添い寝をします!!」
「待って?」
「で、ですが男性は添い寝をすれば喜んでくれると聞きましたが……」
「誰ですか?それ教えたの」
「先生です」
あんのクソ教師がァ……!!頼れる大人の男性とか言った僕がバカみたいじゃないですか。あの時の僕の話聞いてなかったんですか?後でモモトークで問いたださなければ。いやその前にセリナさんの説得を
「待つんだセリナさん。そんな気軽に男に添い寝するとか言っちゃいけません」
「いえ、シンヤさんとならかまいませんが」
「僕がかまうんです」
「……私とは、嫌ですか?」
「嫌じゃないです」
そんな顔して言われたら断れないでしょ。いや、シロコさんなら断るな。添い寝なんてした日には童貞卒業してそうだ
「では失礼します……」
「……」
「……」
くっそ!顔がいい!直視していたら心臓が爆発してしまう。壁側を向こ──
「目をそらしちゃ駄目ですよ?」
「ミ゜ッ(瀕死)」
なぜ顔を抑えるんですか!貴女は俺を昇天させたいんですか!?そしてなんですかその赤面しながらの笑顔は!あまりの眩しさに目が潰れそうです。でもなんか 、安心してきた……
「………」
「眠ったんですね……」
「シンヤさん、貴方を看病するのはもう何度目かわかりません。でも、本当は貴方が傷つく姿なんて見たくないんですよ?エデン条約、アリウスの襲撃で腹部に傷を負って生死を彷徨っていたとき、私は本当に心配でした……」
「それなのにシンヤさんは何度も何度も怪我をして……これ以上自分の身を大切にしないのなら、少し強引な手に出ますので注意してくださいね♪」
─────────────
「ふわぁ〜……よく寝──ッ!?」
「………」
め、目の前にセリナさんの寝顔!?そ、そういえば添い寝してたな!!寝てても顔がいいなチクショウ!はぁ……コーヒーでも飲むか。僕はセリナさんを起こさないようにベッドを出てリビングに……その前ちょっと顔洗おう。リビングに行く前に洗面台に向かい顔を洗う。顔を洗い終えると、シャツの裾を持ち上げる
「やっぱり何年先でも残ってるのかな。この銃痕は」
トリニティとゲヘナの結ぼうとした不可侵条約。その名もエデン条約。その調印式の日、僕達はアリウスを名乗る集団の襲撃にあった。あのヒナ委員長やツルギさんみたいな学園最強格の生徒でさえ物凄く傷を負っていた。そしてその日、僕は腹を撃ち抜かれた。あの時は流石に死を覚悟した。でもキヴォトスの要である先生が撃ち抜かれるよりは、幾分かマシだったはず。まあ撃ち抜かれてから2、3週間は眠ってたみたいなんですが。
「流石にもう銃弾は食らいたくないな」
苦笑いを浮かべながらそう言って、顔を拭いてからリビングに向かう。そしてコーヒー、まあインスタントですけど用意して椅子に座って携帯を眺める。それから30分ほどした頃、セリナさんが起きてきた
「あ、セリナさん。起きたんですね」
「し、シンヤさん……」
「どうかしましたか?」
「いえ、よくよく考えてみれば、添い寝をするのは流石に恥ずかしかったなって……」
そう言いながら赤面するセリナさんは控えめに言って凄く可愛かった。みんなこれぐらいの羞恥心を持ってくれてたら僕も助かるんですけど。あなたに言ってるんですよシロコさん
「セリナさん、今日はありがとうございました」
「いえ!救護が必要な方に救護を。それが救護騎士団の役目ですから」
「頼もしいですね。あ、セリナさんもコーヒー飲みますか?インスタントしかないですけどよければ用意しますよ?」
2杯目に突入していたコーヒーを啜りながらセリナさんにそう聞いてみる。すると、お願いしますとのことだったので、作ってからセリナさんに渡した
「こうやって、2人で静かにコーヒーを飲む。こんな日常が続けばいいですね」
「はい」
まあ、度々僕の心臓を爆発させようとしてくるのは辞めてほしいんですけど、そんなの僕の問題だから彼女達には関係ないですからね。でもそろそろ心臓が保つか心配になってきたな……
今回の生徒はセリナでした。まだまだ色んな生徒との話を書きたいな
各話の長さをどうするか
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今のままでも十分
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もう少し長くてもいい