「えー、まず一つ聞きたいことが」
「何ですか?今私は手が離せないのですが」
「漫画読んでるだけでしょうが。ていうか何リビングのソファに寝転がってぐーたらしてるんですか。あなたメイドでしょ」
「メイドだからといって毎日働くわけではありません。今日は非番です」
「じゃあなんで僕の家でくつろぐんですか……」
「暇だったから来ました。後少しでこの漫画を読み終えるのでその後に構ってください」
「えぇ……」
今ソファで寝転がって漫画を読んでいるメイド服を着た女性は、名を飛鳥馬トキ。ミレニアムサイエンススクールに在学している現C&Cの1年生です。年齢は僕と同じ16歳なのですが留年しているらしいです。本来はミレニアム学園の会長である調月リオ会長が失踪したことで主を失っていたのですが、今は先生が実質的な主らしいです。何でもセミナーが命令権の引き継ぎを拒否したらしく、その権利があるのはシャーレの先生だけだということらしい。そしてその先生から命令が下らない限り暇だということで僕の家に頻繁に遊びに来ている。そこがよく分からない。先生は何を血迷ったのかトキさんに僕の家に行くと良いとかいうふざけた事を抜かしたんですよ。その時は思春期真っ只中で苦しんでいるということを伝えていなかった僕も悪いんですが普通男一人しか住んでない所に女性を送りますか?まあ何の用意もしていない僕じゃ逆立ちしてもトキさんには勝てないんですが。そもそも自力が違います
「読み終えました。構ってください」
「シャーレに行けばいいじゃないですか……」
「……??」
「え、なんでそんな不思議そうな顔するんですか?僕何も変なこと言ってないんですけど……」
「いえ、なぜ今更そんな事を言っているのかと疑問に思いまして。それに初めは先生からの指示でここに来たとはいえ、今は自分から足を運んでいます。つまり私が来たくて来ているということです」
僕トキさんからそんな事言われるほど何かした覚えはないんだけど……いやまぁ家に来たからにはお客さんだからできるだけ要望には応えましたけど……なるべく自由にやってもらっていましたがそれが仇となったか……別に嫌というわけではないんですが、例に漏れずトキさんも物凄い美少女である。心臓が保ちません
「せめてメイド服は脱ぎましょうよ」
「……シンヤさんは私を脱がして何をするおつもりですか?もしや、バニーガール衣装のほうが好みですか?」
「待ってください。なんで今持ってるんですか?ていうか着ないでください。着ようとした瞬間追い出しますよ」
目の前であんな肌の露出が酷い服……いや服でもないでしょあれは。まあ何でもいいですけどとりあえず僕の心臓が限界を迎えるのでやめてください。いやでも追い出したら女の子にすごい格好させて家の外に放り出した最低野郎とか思われないか?やっぱり追い出すのは止めよう
「肌をさらけ出した私を暗い寒空の下に放り出すんですね……」
「今は昼です」
「……」
「とにかく着ないでください。ていうか脱いでって言ったのはメイド服がシワになったらいけないと思っただけですよ。替えの服は僕が渡しますから」
「漫画やアニメで見ました。所謂彼シャツというものですね?」
「違いますが!?」
何を言ってるんだこの人は!?何の前振りもなくドキッとするようなこと言わないでくださいよ!それは恋人限定ですよ!いやまぁ確かに気軽に服を貸すとか言った僕も悪いですが流石に心臓に悪すぎる……
「では今着ているそのパーカーを貸してください」
「え……?いや普通に洗濯して畳んでおいたものを……」
「私はそれがいいです」
「………」
この人は本当に……!!なんでそう思春期男子を殺しかねない発言ばかりするんですか……いま着てる服がいいとか普通思わないでしょ……いや、これはからかっているだけだ。うんそうだ、そうに違いない!ていうかそう思わないとやってられない
「またまたぁ。あんまり思春期男子をからかわないでくださいよ」
「本心ですが?」
「カヒュッ」
──ッぶねぇ。なんでそんな澄み切った顔で恐ろしいこと言うんですか。もしこれ以上耐性が低かったら僕は倒れていましたよ。何度も言いますけど本当に心臓に悪い……まあこのパーカーがいいと言うなら貸しますが……
「じゃあこのパーカーと一緒にシャツとズボン貸しますから。あいにくスカートなどは持ってないのでそれで我慢してもらえると」
「わかりました。では今から──」
「だぁぁぁぁぁぁ!!!」
「──驚きました。急に叫び出してどうかしましたか?」
「なんで目の前で着替えようとするんですか!?羞恥心や警戒心は何処においてきたんですか!?」
「そんなことですか」
なんっなんだこの人は!?まさかシロコさんタイプか!?なぜ男である僕が目の前にいるのに堂々と着替えを始められるんだよ!!おかしいだろっ!!………はあっ、取り乱しました。とりあえず出ていきましょう
「僕は廊下に出てるので着替えたら呼んでください。着替えたメイド服は僕が畳んでおきます。まあご自身で畳んでもらえるならそれに越したことはないですが」
「わかりました」
僕は廊下に出てその場に座り込んだ。ダメだ、これ以上は本当に保たない。なんで僕がこんなに振り回されなくちゃいけないんですか……やっぱり今からでも先生に押し付けたほうがいいかな……ん?今トキさんに呼ばれたな。早くない?まあそんなもんか。僕はリビングの扉を空けてトキさんの姿をみた瞬間扉を閉めた
な、なんで下履いてないのぉぉぉ!?いや、確かに僕の身長とトキさんの身長は10cmぐらい差があるから服がぶかぶかでも不思議ではないけどだからって上だけはダメでしょう!?しかも自分でもちょっと大きいと感じるサイズで買ったから尚更ぶかぶかだ。そのせいで太ももぐらいまであるからトキさんが横着してズボンを履かなかったな。僕を殺す気なのかな?しかも袖が長いのか手が隠れて萌え袖になっている。そこで更に追い打ちをかけてこないでください。と、脳内で考えていると不意に扉が開かれる
「なぜ閉めるのですか?着替えたのだから入ってくれば良いでしょう」
「いや、下履いてくださいよ!?下手したら下着が見えそうなんですけど!?」
「その必要はありません。見られても問題ありませんから」
「あなたになくても僕にはあるんですよ!」
「細かいことはいいでしょう。それより私はお腹が空きました。昼食を所望します」
「もう、なんでもいいです……今から作りますから待っててください」
僕は所謂彼パーカー状態で下を履いていない且つとても図々しいトキさんに対して深く考えるのをやめた。もう成るように成れといった感じです。そしてこれまでの行動を鑑見て、先生は僕の敵だと思いました
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昼食を食べてから数時間後、夕飯も食べて今は食器を洗っている。今回はトキさんも手伝ってくれています。でもやっぱり下は履いていないので離れてほしいです
「シンヤさん、今日はここに泊まっていきます」
「わかりました……ん?今なんと」
「今日はここに泊まっていきます」
「聞き間違いじゃなかった……なぜ?」
「まだ読んでいない漫画があるのでそれを読みます」
「貸すので帰ってください」
「貴方は夜の暗い中で1人で私を帰らせるのですか?」
「くっ……」
確かにいくら強いとはいえ夜に女性1人で歩かせるのは……仕方ないか……渋々だが僕はトキさんが家に泊まるのを許可した。そして僕が許可を出したらすぐに僕の部屋に向かってベッドで漫画を読み始めた
「なぜ僕のベッドで読むのか理由を説明してもらいたいんですけども」
「この家のベッドはなぜか落ち着くのでここがいいです」
「え、なら客用の部屋を使えばいいのでは?」
「いえ、このベッドがいいです」
「何が違うんですか……」
どの部屋のベッドも同じ物を買ったはずなんですけど……まあ、僕はリビングでゆっくりしておきましょう。僕はリビングに居るから何かあれば伝えてほしいと言って部屋を出ようとする。しかしなぜかトキさんは僕の服の袖を掴んで引き止めてきた
「シンヤさんもここにいてください」
「えっ」
「いてください」
「………はぁ、わかりましたよ」
トキさんに引き止められて渋々この部屋に留まることにした。それからに時間ほどたった頃、トキさんは眠くなったのか、寝てしまっていた。はぁ、そんな足をさらけ出して寝ていたら風邪を引きますよ。幸いここはベッドなので毛布さえかければそれで済む。さすがに僕がここで寝るわけにはいかないので客室のベッドで寝ることにしました。やっぱり寝心地とか変わらないじゃないですか
翌朝、早起きした僕が朝食を作ってトキさんに提供した。その後は少しの間くつろいで帰ってもらった。もちろんメイド服には着替えてもらいましたよ。そして叶うならもうこんな心臓に悪いことはしないでほしいと天に願った
ここまでの関係で同棲してないってマジ?もう彼女じゃん。でもなんかちょっとキャラ崩壊入ってる気がするな
各話の長さをどうするか
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今のままでも十分
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もう少し長くてもいい