思春期男子にキヴォトスは刺激が強い   作:作刀

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ついにシロコの登場です。クロコはもうちょっと先かな……


思春期男子と砂狼

 

「シンヤ、そろそろ観念すべき」

 

「僕が諦めるのを諦めてください」

 

「ん、私は諦めない。シンヤは私に貞操を捧げるべき」

 

「ダメだっつってんでしょうが」

 

「……私のこと、嫌いなの?」

 

「そんな悲しそうな顔をしてもダメなものはダメです」

 

「んー!」

 

「頬を膨らませてもダメです!」

 

 

 

最近来てないと思ったらついに来てしまった。今僕の目の前で頬を膨らませているケモ耳の生えた人は、砂狼シロコ。アビドス高等学校の2年生で僕の天敵です。なぜか先生ではなく僕にグイグイ来る。他のアビドスの人達はみんな先生が好きなのに。確かに先生と僕、どちらの方がシロコさんと関わりがあるのかと言われればまあ僕ですけども。

 

 

 

「ていうか学校はどうしたんですか?」

 

「今日はアビドス全員でシャーレ当番」

 

「シャーレに行ってくださいよ」

 

「先生がシンヤのところに行ってもいいって言ったから来た。もしかして、ダメだった……?」

 

「あのクソボケ教師ィ……まあ、会いに来てくれるのは嬉しいんですけど、もっと自重してください」

 

「なんで?」

 

「僕の心臓が保ちません。それと同時に理性が壊れます」

 

「ん……私はそれを望んでる」

 

 

 

そういう事言わないでください。ホントに壊れたらどうするんですか。こっちは思春期以前に健全な男子高校生なんですよ。そりゃ性欲だってあります。でもそれを発散するのは不味いわけで。それなのに顔の良い華の女子高生に迫られたらいよいよ踏ん張りが効かなくなってしまう。そもそもシロコさんの容姿が僕の好みにドストライクなのがいけないと思います。ていうか家に来る人はみんなドストライクです。見た目は違いますが好きな見た目なんて幾つあってもいいですからね

 

 

 

「僕はまだそんな覚悟ないのでやめてください。10年後ぐらいにシロコさんがまだ僕のことが好き、且つ僕に恋人などがいなければ結婚でも子◯りでもなんでもしますよ」

 

「ん、言質取った。私がシンヤの事を好きじゃなくなるなんてことはあり得ない。子供は何人欲しい?」

 

「……」

 

「それはそうと、その時のための予行演習は必要だよね」

 

「は?」

 

「脱いで。私も脱ぐから」

 

「待てぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

脱ぐんじゃない!脱がすんじゃない!!この発情狼め!羞恥心は何処においてきたんですか!?いいでしょう。ならばどちらかが折れるまでとことんやってやろうじゃないですか

 

 

 

「僕がホシノさん達アビドス生徒の連絡先を持っていることをお忘れですか?」

 

「問題ない。連絡する前に押し倒す」

 

「残念。もう連絡してあるんですよ」

 

「卑怯!」

 

「なんとでも言うといいですよ!」

 

 

 

僕達は手四つの状態でリビングに立っている。だが力量に差がありすぎて押され始めている。しかし、もう少しでホシノさん達が来るはずだ。それまで耐える!

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「ん、シンヤは温かいね」

 

「くっ……負けた……!」

 

 

 

はい、あれから1分もしないうちに負けました。今はソファとシロコさんに挟まれた状態で寝転がっています。僕の顔に頬ずりするのやめてください。心臓ががが……

 

 

 

「これからホシノ先輩たちも来るってシンヤが言ってたから予行演習はお預けだね」

 

「お預けどころか中止ですよ中止」

 

「シンヤはぶっつけ本番を望むんだね」

 

「違いますが?」

 

 

やだ、この人話通じない……ん?今スマホに通知が来たな。ホシノさんからだ、なになに?『今ちょっとやらなきゃいけない仕事が多いから行くの遅れる』……えぇ?

 

 

 

「どうかした?」

 

「いや、シャーレでの仕事が多いらしくて、ホシノさん達が来るのが遅れるそうなんですよ」

 

「忙しいんだね」

 

「あなたも行ってくださいよ」

 

「ホシノ先輩に仕事が忙しくても、私はシンヤの家でゆっくりしてていいって言われたから行かなくてもいい。先生も承諾してた」

 

「え、もしかして味方がいない?」

 

 

 

なぜ頑なにシロコさんを僕の家にいさせようとするのか。まあ、100歩譲ってアビドス生徒の皆さんはいいとしましょう。でも先生は止める側でしょうが。なぜ年頃の男女を同じ家にいさせるんですか。なにかの間違いが起きたらどうするんです

 

 

 

「はぁ……」

 

「ため息をついたら幸せが逃げちゃう」

 

「それはまあ、そうなんですけど……」

 

「よしよし、落ち込まないで、シンヤ」

 

「いや、別に落ち込んではいないんですけども」

 

「じゃあなんでため息をついてるの?」

 

 

 

強いて言えばシロコさんがずっと僕にくっついてるからですかね。全身密着してますよ。凄くいい匂いがします。女の子特有の甘い香りと言うか、しかも女性らしく身体も柔らかいのでそれはもう精神がゴリゴリと削られていく

 

 

 

「あ、そう言えば言い忘れたことがあるんだった」

 

「言い忘れたこと?」

 

「ん、また一緒にサイクリングしようね」

 

「ああ、そういう。それは別にいいんですけど体力持つかな……前はちょっとバテちゃったし」

 

「大丈夫、ちゃんと休憩は取るから」

 

「なら大丈夫そうですね」

 

 

 

 

以前シロコさんとサイクリングをしたことがあるんですけど、その時は暑さもあってバテてしまったんですよね。日頃からランニングとか筋トレとかはしてるんですけどシロコさんについていくには体力が足りませんでした。

 

 

 

 

「今は私がシンヤの家に来てるけど、次はシンヤがアビドスに来てね。また1年生の頃みたいに一緒に遊びたい」

 

「はい、近いうちに遊びに行きますよ」

 

「そのままアビドスに編入してきてもいい」

 

「それはまだ考えさせてください。他の学園からもウチに来ないかって誘われてるんですよ。それを全部蹴ってアビドスに行くっていうのは……」

 

「まあ、もともと入学するつもりで色んな学園に行ったんだから、どこの学園にも所属していない今の状況が可笑しいんですけどね。でも、どこの学園も良いところと悪い所があるから、そう簡単に決められないっていうか……」

 

「また、キヴォトス中の学園を回ってみる?」

 

 

 

 

うーん、それも良いんですけど1年の頃の二の舞になりそうだしなぁ……先生に相談してみるか。先生なら何かいい案を思いつきそうだし。また今度話をしよう

 

 

 

「そのことについては先生に相談してみます」

 

「それがいいと思う」

 

「じゃあ、アビドスの皆さんが来るまでゆっくりしましょうか」

 

「うん」

 

「ちなみに、ずっとくっついていますけど、いつ離れてくれるんでしょうか」

 

「ん、離さない。今日はずっとこのまま」

 

「ですよね〜」

 

 

 

分かってましたよ。シロコさんが離れてくれないことぐらい。でも、ずっと心臓がバクバクしていますが、それがなんだか心地良いんです。口ではああ言ってるけど、内心はうちに来て僕に好意を向けてくれる生徒の皆さんのことを、好ましく思っています。でも今は耐性がないのであまりグイグイ来られると最悪の場合キャパオーバーで倒れるので程々にして欲しいです

 

 

 

「これからもずっと一緒に居ようね、シンヤ。絶対、どこにも行かないでね……」

 

「……はい。どこにも行きませんよ」

 

 

 

 

 

 

 




こいつ今は思春期を理由に抵抗してますけど、思春期を抜けたとしても多分逃げますよ。ヘタレなので。まあいずれ喰われるでしょうけど

各話の長さをどうするか

  • 今のままでも十分
  • もう少し長くてもいい
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