しかし、内なる自分が書けと言っているので書きます!
ゼクトル艦隊とはぐれガトランティス艦隊が激しく交戦する中、ステーション内部でも戦いの幕が上がろうとしていた。
「副船団長。全防衛設備の排除を確認しました」
「よし、フロントランナー全機発艦。スペクター隊を内部に突入させろ」
トラベラーの巨大な格納庫から、60機の輸送機が一斉に飛び立つ。
それぞれの機体には、20機のスペクターが搭載されていた。
輸送機はステーション下部のドックへ張り付き、スペクター部隊を降下させる。
兵員を送り届けると、さらなる増援を運ぶためすぐにトラベラーへ帰還していった。
今回の作戦に用意されたスペクターは、総数1万機。
圧倒的な数の機械兵が、次々とステーション内部へ送り込まれていく。
「スペクター隊がドック内部に侵入。敵兵と交戦開始しました」
機械の歩兵たちは整備用ハッチから施設内部へ入り込み、ドック内にいたガトランティス兵を正確な射撃で排除していく。
目的は艦船用ゲートを開け、追加の戦力を招き入れる事。
道中で出会ったネステリア人の整備士たちの前では武器を下げ、危害を加える意思がないことを示す仕草を見せる。
敵ではない事を示し、安全な場所へ退避するよう促した。
その様子を見守りながら、ルオコスは移乗部隊とは別に準備していた医療部隊の状況を確認する。
「クロッゼルさん、準備はよろしいですか?」
『は、はい。いつでも行けます!』
通信の向こうには、先の戦いで救出されたネステリア人たちの姿があった。
クロッゼルをはじめとする彼女たちは、この作戦への協力を自ら申し出ていた。
「移乗部隊がドック内部を制圧した後、トランスポーターを設置します。貴女たちには住民への説明と、トラベラーへ避難するよう説得をお願いします」
『はい!』
混乱する住民を落ち着かせ、ゼクトル船団が敵ではないことを伝える。
それが、彼女たちに与えられた重要な役割だった。
「その後、居住区の安全が確保でき次第、そちらへ向かってください」
『わかりました。あの、コントロール室と発電室はどうなっていますか?』
クロッゼルの不安げな声に、ルオコスは落ち着いた口調で答える。
「ご心配なく。現在、ツァンヒア隊とナイトフォー隊が制圧に向かっています」
そう言いながらも、彼の胸中には緊張が渦巻いていた。
(頼むぞ、皆。何とか最悪の事態だけは避けてくれ)
ルオコスは表情には出さぬまま、2つの部隊の成功を祈り続けた。
***
ステーション最上部。
そこへ、1機のフロントランナーが降り立った。
機体後部のハッチが開き、白を基調とした戦闘服の兵士が4人、外へ飛び出す。
一見すると、彼等の装備は布製のようにも見える。
だが、実際に使用されている素材はナノマシンで構成された特殊繊維。
一般的な宇宙服よりも遥かに強固で、完全な気密性を持ち、体温調節機能まで備えた極めて高度な装備だ。
そのため宇宙空間でも問題なく行動できる。
4人は腰部に装着されたジャンプキットを噴射し、軽やかにステーション上部の一角へと移動する。
「こちら、ツァンヒア部隊。クロッゼルの情報通り、隠しハッチを確認。これから内部に突入する」
ステーション外壁をスキャンし、装甲の継ぎ目に巧妙に隠されていたハッチを見つけると、ゆっくりと開ける。
4人は迷うことなく内部へ滑り込んだ。
狭い通路を進み、いくつかのハッチを手際よく開けながら奥へ進んでいく。
やがて先頭の隊員が足を止めた。
「ゲルザ隊長。この先、重力と空気を確認した」
「了解よ、ベキス。全員、戦闘準備」
最後のハッチが開く。
その先には、縦横10メートルほどの広い通路が広がっていた。
天井の両脇に並ぶ青白い照明が、金属製の床を淡く照らしている。
その光景が、はるか奥まで一直線に続いていた。
「デケェ通路だな。これならタイタンでも入れたんじゃないか?」
「馬鹿言えニクム。隠し通路からどうやって7mの巨体を入れるんだ」
「けどよ、俺と一緒に居られないって、きっとDTが泣いてるぜマクタス!」
2人のパイロットが軽口を叩きながらも、銃口は常に通路の先へ向けられている。
「無駄口を叩かない」
ツァンヒア部隊の隊長、ゲルザが短く制した。
「マクタス。パルスブレードで周囲の索敵を」
「了解!」
マクタスは腰からパルスブレードを取り出し、前方へ投擲する。
ブレードが床に突き刺さり、オレンジ色のソナーパルスが通路全体へ拡散した。
「敵反応なし。全部下に行ったのか?」
「いや、最低限の守備隊は残しているはずだ」
ベキスは小型デバイスを操作して、ステーション内部の構造を立体映像として空中に表示する。
「コントロール室はここから800m先。パイロットの機動力ならすぐに着く」
さらに別のポイントを指し示す。
「それと、ナイトフォー部隊は既に発電室の手前まで進んでいる」
ゲルザは小さく頷いた。
「なら、こっちも急ぐわよ」
4人は一斉にジャンプキットを噴射し、青白い通路の奥へと駆け出した。
床と壁を蹴って加速し、通常の兵士では考えられない速度で、800mの距離が瞬く間に縮んでいく。
「隊長、この先の十字路右側に敵反応。数は20!」
先頭を走っていたマクタスが敵の存在に反応する。
パルスブレードの索敵情報が各隊員のヘルメット内バイザーに表示された。
「ウォールランで背後を取る。べキスとニクムはアークグレネードを用意して」
壁を走りながら、2人は腰から青いグレネードを取り出す。
「準備よし!」
「いつでも」
十字路に差し掛かった瞬間、集団の中心へグレネードが投げ込まれた。
床に落ちたと同時に青い稲妻が走り、8人のガトランティス兵を感電死させる。
「何処からだ!?」
「上だ!」
「消えた!居ないぞ!?」
そこへ、背後に降り立ったツァンヒア部隊のフラットラインから放たれたエネルギー弾が、混乱しているガトランティス兵の背中に叩きつけられた。
「敵襲――」
叫びかけた兵士の首に、マクタスのパルスブレードが突き刺さる。
生き残った3人が慌てて剣を抜き、突撃するが。
「近接か、助かる!」
ニクムが笑いながらジャンプキットを噴射。
壁を蹴って跳び上がり、そのまま敵兵の頭上へ回り込む。
落下の勢いを乗せたキックが、ガトランティス兵の首をへし折った。
残る2人は、ゲルザとベキスが同時に射撃。
2発のエネルギー弾が頭を貫き、兵士はその場に崩れ落ちた。
「クリアか?」
マクタスが周囲を警戒しつつ、敵兵の死亡確認を済ます。
『こちらナイトフォー。発電室前で多数の敵と交戦中』
「数は?」
『ざっと、50以上』
ニクムが口笛を吹く。
「そりゃ派手にやってんな」
ゲルザは一瞬だけ考え、即座に判断を下す。
「予定通りコントロール室を取る。発電室が取れなくても、こっちを押さえればステーションの自爆は止められる」
誰も反論はない。
4人は再びジャンプキットを噴射し、通路を駆け出した。
青白い照明の先に、巨大な扉が見えてくる。
コントロール室。
ステーションの命を握る場所だ。
その扉は固く閉ざされており、中には既に武装したガトランティス兵が待ち構えているだろう。
「べキス、扉を開けて」
「了解だ」
そんな事には臆さず、ツァンヒア部隊は突入の準備をする。
べキスが扉の真横に付いていた操作パネルを引き剥がし、内部へナイフを突き立てた。
「なんだいそりゃあ?」
「データナイフだ。船団が新しく開発したハッキングツールで、こう言う時に役に立つ」
「ほぉ、良いな。俺も後で貰ってこよっと」
コントロール室前の巨大な扉の前で、ツァンヒア部隊の4人は短く隊列を整える。
「ベキス、まだか?」
「あと3秒だマクタス。...よし、開く!」
データナイフを差し込んだ操作盤が小さく火花を散らす。
次の瞬間、重い駆動音と共に扉のロックが外れた。
「グラビティースターを投げる!」
ゲルザが手裏剣型のグレネードを扉の隙間から、待ち構えるガトランティス兵へ投げ込む。
「なんだ、渦が!」
「うぁ!吸い込まれる!?」
グラビティースターが床に突き刺さった瞬間、重力フィールドが発生し、敵兵を引き寄せる。
扉の前に居た6人のガトランティス兵が中心にまとまった瞬間、爆破。
その爆破と同時に、4人が一斉に突入する。
コントロール室は巨大な空間だ。
円形の広間に無数のコンソールが並び、その中央にはステーション全体を制御する巨大ホログラムが浮かんでいる。
そして、その周囲を取り囲むように、30人近いガトランティス兵が待ち構えていた。
「掛かれ!!」
兵士たちが叫ぶ。
だが、その声より早くツァンヒア部隊の銃声が響いた。
フラットラインから放たれるエネルギー弾が、次々と敵兵の胸や頭を撃ち抜く。
だが数が多い。
ガトランティス兵も拳銃を抜き、一斉に発砲する。
光弾が飛び交う。
「散開!」
ゲルザの声と同時に、4人はジャンプキットを噴射。
床、壁、コンソールの上を三次元的に駆け回る。
敵の拳銃では、その速度を捉えられない。
マクタスが壁を走りながら射撃し、2人を撃ち倒す。
ベキスはコンソールを滑り越え、至近距離から連射。
ニクムは空中で体を捻りながら撃ち込み、3人をまとめて倒した。
だが、ガトランティス兵もただの雑兵ではない。
「斬り殺せ!」
十数人が剣を抜き、突撃してくる。
「来た来た!」
ニクムが笑いながらジャンプキットを噴射。
先程と同じように敵兵の頭上を飛び越え、背後から首に蹴りを入れる。
マクタスは床を滑りながら足を払い、転倒した兵士の胸に弾を叩き込む。
ゲルザに接近してきた敵は、剣を腕装甲で受け流され、至近距離でエネルギー弾を浴びせられた。
戦闘は激しく、そして短かった。
たった数分で、床にはガトランティス兵たちの死体が転がっていた。
「おのれぇぇぇぇぇ! 我が同胞をよくもぉ!!!」
黒髪モヒカンのガトランティス人が、大剣を振りかぶりながら突撃してくる。
「模造品が、人間の真似をするな」
冷酷に言い放つと、ゲルザは迷いなくフラットラインをフルオートで撃ち込んだ。
多数のエネルギー弾が巨体をズタズタに引き裂く。
大頭は剣を落とし数歩よろめいた後、その場に崩れ落ちた。
「...大丈夫か、ゲルザ隊長?」
らしくない彼女に、べキスが心配そうに声を掛ける。
彼女もまた、はぐれガトランティスに大切な人を奪われた1人だった。
「心配しないで、大丈夫よ」
深呼吸をして落ち着きを取り戻したゲルザは、通信を入れる。
「こちらツァンヒア隊。コントロール室を制圧した」
背後でホログラムが静かに輝いている。
ステーションの主導権は、今ゼクトル船団の手に渡った。
船団員達は、ガトランティスに付いて主人公から色々と(滅びの方舟以外)聞かされてるので、人造人間と言う事も知ってます。
後、ツァンヒア部隊はタイタンフォール2の6-4部隊をモデルにしてます。