アヴォリオンだ!   作:マイmk3

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Avorion遊んでて我慢できなかったので書きました。


1話 銀河の果てで

 

自分の部屋でまったりと『Avorion』を遊んでいたはずが、気が付くと真っ白な空間に放り出されていた。

目の前には、デス・スターを彷彿とさせる直径10kmはあろうかという巨大な球体。

 

「ワッザ!?」

 

あまりに理不尽な事態に、思わずどこぞの黒人ヤクザのような叫び声を上げてしまう。

 

「ドーモ。上位存在です」

 

混乱する俺に対し、あろうことか巨大球体がアイサツをしてきた。

困惑はピークに達しているが、アイサツをされたら返さねばならない。

それがこの世界の、いや、どの世界でも礼儀だ。

 

「ア、アイエェェ……。ド、ドーモ、上位存在=サン。サワミヤ・ケイです。キサマは何をする気だ!」

「転生させる」

「ナンデ!?」

「お主が選ばれたからだ!!」

「ヤメロォォォ!」

「イヤーッ!」

「グワァーッ!」

 

逃げようと背を向けた瞬間、拳ほどの白い光の球体が背中に突き刺さる。

 

「ハイクを詠むがいい、サワミヤ=サン」

「嫌だ! 転生したくない!」

「イヤァーッ!」

「サヨナラーッ!!」

 

抵抗虚しく、俺は念動力のような不可視の力で、いつの間にか開いていた「黒い穴」へと放り込まれた。

……なぜこんなことに。

そんな疑問を抱く暇もなく、俺の意識は闇に落ちた。

 

***

 

次に目を覚ました時、そこは見慣れた自室ではなく、見知らぬベッドの上だった。

辺りを見渡せば、まるでSF映画のセットの様だと言う感想が思い浮かぶ。

冷たい金属製の壁と床。

家具はベッドが一つ。

奥の壁にはドアノブのない自動ドアらしき扉。

殺風景だが、明らかに現代の技術ではない。

 

呆然としていると、唐突にドアが開いた。

流線型のボディに3本の足。まるで映画『宇宙戦争』のトライポッドを小型化したようなロボットが滑り込んでくる。

 

「お目覚めになられましたか、サワミヤ様! さっそくですが、現状の説明をさせていただきますね!」

「すまん、ちょっと待ってくれ……」

 

機械混じりの高い男声でまくしたてるロボットを、手で制する。

 

「いくつか質問させてくれ」

「はい! 何なりとお聞きください!」

 

(……やけにテンションの高い奴だな)

そんな感想を胸にしまい、俺は現状の把握に努めることにした。

 

---

 

さて、ロボットから得た情報を整理しよう。

まず、あの上位存在(デス・スターもどき)は、時空と因果を超越した存在らしい。

まさに「上位存在」と言うに相応しい存在だ。

なぜ俺が選ばれ転生させられたのか、理由は一切不明。

ロボット曰く「虫が人間の思考を理解できないように、我々も上位存在の意図は理解できない」とのこと。

 

そして、目の前の全高1メートルほどのトライポッドは、俺を補助するために上位存在によって作られたサポートロボットだという。

そう、本人が誇らしげに語っていた。

 

 

さらに、転生時にいくつかの「特典」が俺の体にインストールされていた。おそらく、あの時撃ち込まれた白い球体が特典だったのだろう。

 

・Avorionの建造技術

Avorionとは、サイズを変えられるブロックで自分だけの宇宙船を建造し探索、採掘、取引、戦争、など様々な事ができるスペースサンドボックスゲームの事だ。

そのゲームで建造できる物を現実でも作れる様だ。

 

・技術チートができる頭脳

言わずと知れた転生系に良くある特典。

初めて操作する機械や道具の使い方が瞬時にわかるので非常にありがたい。

 

・各種マテリアルが200万個

Avorionで使えるマテリアルが各種200万個用意されている。

これだけあれば1kmの宇宙船を2隻は建造できるはずだ。

 

・1人が1年間生活できる物資

水、食料、空気など人が生きるために必要な物が大体1年分用意されていた。

...物資の中に人が呼吸できる空気が用意されている事に非常に嫌な予感がする。

 

・作業用ドローン100機

全長2m程の円盤型ボディに6本の足が付いた作業用ドローン。

掃除、洗濯用から建築、建造用と様々な仕事ができる優れもの。

高度な思考回路は搭載されていないが、量産性に優れている。

 

・マテリアル変換器

貰った特典の中で恐らく1番ヤバいやつ。

その名の通り、入れたマテリアルを別のマテリアルへと変換できる機械。

変換できるマテリアルはAvorionで使用できる物だけだが、ゲーム序盤しか使わない鉄をアヴォリオンに変換できるブッ壊れチート道具だ。

しかも、機材さえ揃えられれば自分で作れる。

 

(至れり尽くせりだが、裏があるな)

 

中々のチート具合に若干引きつつも同時に、ここがコレぐらいやらなければ簡単に死んでしまう可能性のある世界だと理解する。

あの上位存在が、生ぬるい「俺TUEEE」生活をさせてくれるはずがない。

 

「ロボット君、君の事は何と呼べば良い?」

「お好きな様にお呼びください!」

「わかった、ではナビィと呼ばせて貰う」

「かしこまりました!以後、ワタクシはナビィと名乗らせていただきます!」

 

ナビィは高らかに宣言すると、2本の足で英国紳士のようなお辞儀をした。……そこ、足じゃなくて腕だったのか。

 

「よろしく、ナビィ。それじゃあ、俺たちの『現状』を教えてくれ」

「了解いたしました。現在地を表示します」

 

ナビィのボディからレンズが突き出し、立体映像が投影される。

映し出されたのは、見覚えのある天の川銀河の全体図。

 

「現在、我々は天の川銀河、ペルセウス腕の外縁部にて**漂流中**です!」

 

銀河を縦にした時にちょうど太陽系の真下にくるペルセウス腕の外側に、赤い点が表示される。

ペルセウス腕にギリ入っているかぐらいの場所。

Avorionの超空間ジャンプが使えるのなら太陽系からそこまで離れていない。

それよりもだ。

 

「……漂流中?」

「はい! この船は完全に制御を失い、漂っています!」

 

立体映像に我々が乗っている船のデータが映し出される。

 

10mの正方形状の鉄製搭乗員居住区に貨物室と工作室、ソーラーパネルが乱雑に取り付けられた物がお出しされた。

船と言うよりかは、雑な人工衛星と表現した方がいい出来具合だ。

 

「アカン!!!」

 

脳内で警告アラームが鳴り響く。

宇宙の果てで、こんな鉄屑に乗っている。

しかも酸素はたったの1年分。

いくらチートを持っていても、船が壊れれば即終了だ。

 

「ナビィ、すぐに船を造るぞ!」

「かしこまりました! このタブレットをお使いください!」

 

受け取ったタブレットには、ゲームで見慣れた「建造メニュー」が表示されていた。

俺は安堵と焦燥を同時に抱えながら、生き残るための「船」を設計し始めた。




ちな、私の Avorionはmodマシマシ環境です。
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