アヴォリオンだ!   作:マイmk3

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下の方に、ゼクトル船団艦隊編成を載せておきました。
新たに配備されたコルベット艦以外にも何隻か増強されて、艦艇総数が2倍くらいになってます。


33話 頃合い

(今日の仕事が終わったら、明日は休み〜)

 

最近、何かと激務が続いていたクロッゼルだったが、久しぶりに楽な仕事ばかりとなり、実に充実した日々を送っていた。

 

ピッケル級武装採掘艦が80隻にまで増強された事で、採掘艦隊の作業効率は大幅に向上。

以前なら長時間を要していた仕事も短時間で終えられる様になり、労働環境は大いに改善されていたのだ。

 

(どうしよっかなぁ〜。新しくオープンしたカフェに行ってみようかなぁ〜)

 

そんな事を考えながら、クロッゼルはぼんやりとメインスクリーンを眺める。

 

彼女達が現在居るのは、コトルタ星系と呼称される星系。

金属資源を豊富に含んだ小惑星が大量に存在しており、ゼクトル船団の主要な資源採掘地の1つである。

 

その小惑星帯を、多数のピッケル級が飛び回っていた。

 

艦側面に取り付けられた8基のアヴォリオン製4連装粗鉱採掘レーザーから、赤い光が伸びる。

 

小惑星へ照射されたレーザーは表面を覆う岩石だけを削り取り、その内部に眠る資源を露出させていく。

 

「提督、予定されていた採掘作業の80%が完了しました」

 

休日の過ごし方を上機嫌に考えていたクロッゼルは、思考を遮られた事に僅かに眉を顰める。

 

しかし、直ぐに気持ちを切り替えた。

 

「第2採掘艦隊と第4採掘艦隊は、一度イシオキへ帰還して資源を置いて来て下さい。他の艦隊はポイントD23へ移動。引き続き採掘作業を続行して下さい」

 

素早く的確に指示を出し、各艦隊を動かしていく。

 

かつては、ただの整備士だったクロッゼルも今では、80隻もの艦艇を預かる1人の提督として、確かな成長を遂げていた。

 

「っ! 星系内にワープアウト反応を確認!」

 

突如として響いた報告に、ブリッジの空気が一変する。

 

「場所は!」

「現在地から約40光秒の地点です!」

 

メインスクリーンへ、紫色に塗られた艦艇の映像が映し出される。

 

「艦種照合――コルゴラズ巡洋艦120隻、戦艦80隻を確認しました」

「空母は居ないの?」

「はい、確認出来ません。恐らく偵察艦隊と思われます」

「哨戒艦隊の到着は?」

「到着まで約5分です」

「なら、私達で殲滅してしまった方が早いですね。全ての艦隊を呼び戻して下さい」

 

ワープアウトして来た相手がコルゴラズだと判明した瞬間、それまでブリッジを包んでいた張り詰めた空気が嘘の様に消え去った。

 

採掘艦隊は既に6回もの襲撃を受け、その全てを返り討ちにしていた。

その結果、彼女達にとってコルゴラズは、最早恐れるべき脅威では無く仕事の邪魔をして来る、少々鬱陶しい障害物程度の認識にまで成り下がっていた。

 

天陽系へ向かおうとしていた艦隊や、別の宙域で採掘作業を行っていた艦隊が次々と集結する。

 

やがて、1個艦隊16隻で編成された5個の採掘艦隊が、それぞれ単横陣を形成。

合計80隻のピッケル級が、迫り来るコルゴラズ艦隊を待ち構える。

 

「敵艦隊、射程圏内に入りました」

「全艦、砲雷撃戦用意!」

 

ピッケル級は採掘艦である。

 

だが、『武装採掘艦』の名が示す通り、その戦闘能力は決して低くない。

 

一度も艦の指揮を執った経験が無かったサワミヤですら、僅か1隻のピッケル級を用いて、22隻からなるガトランティス艦隊を損害無しで全滅させている程だ。

 

そんな艦が80隻。

 

どうなるかなど、容易に想像出来るだろう。

 

「ミサイル――一斉発射!」

 

全艦に搭載された2基の18連装小型反物質ミサイル発射機が、一斉に火を噴いた。

 

放たれたミサイルは、実に2,880発。

 

無数の小型反物質ミサイルが宇宙空間を埋め尽くし、真正面からコルゴラズ艦隊へ殺到する。

 

コルゴラズ艦隊も即座に対空砲を向けた。

濃密な弾幕によって大部分のミサイルが迎撃され、次々と宇宙空間に閃光が瞬く。

 

しかし、全てを撃ち落とす事など、到底不可能。

対空砲火を突破したミサイル群が、前衛艦隊の船体へ次々に突き刺さり炸裂する。

 

反物質の爆発によって装甲が吹き飛び、船体が引き裂かれ、前衛を務めていた艦艇の殆どが炎に包まれながら爆沈していく。

 

そして、攻撃はそれだけでは終わらない。

 

「主砲、照準完了!」

「撃て!」

 

ミサイル攻撃から間髪入れず、80隻のピッケル級による一斉砲撃が開始された。

 

艦上部に並ぶ4基の200cm連装陽電子砲が、次々と橙色の閃光を放つ。

 

無数の陽電子ビームが漆黒の宇宙を切り裂き、ミサイル攻撃によって陣形を乱したコルゴラズ艦隊へと押し寄せる。

 

既に前衛を失い、陣形を崩していたコルゴラズ艦隊に、その猛攻を避ける余裕など無い。

 

陽電子ビームが巡洋艦の装甲を容易く貫通。

船体を深々と貫かれた巡洋艦は内部から爆発を起こし、真っ二つに折れながら爆散していく。

 

戦艦とて例外ではない。

 

巡洋艦より遥かに分厚い装甲を備えていようとも、口径200cmの陽電子砲の前では紙切れ同然である。

 

そうして、増援の哨戒艦隊が到着するまでの僅か数分――。

 

たったそれだけの時間で、200隻を数えたコルゴラズ艦隊は、僅か3分の1にまで撃ち減らされていた。

 

***

 

ボラー連邦との国交が樹立してから、約2ヶ月後。

 

何度か話し合いを重ねた末、どうにか対等な関係へ持って行く事が出来た。

 

……まあ、その為に色々と見せ付けて、向こうをビビらせたりもしたけど。

 

膨大な数のマーヴィンと作業用ドローンが蠢く、自動化工場を見学してもらったり。

 

ステーション内へ放たれた虫型ドローンを、散布してあったナノマシンで一斉に無力化したり。

 

新型コルベット艦である『サキウチ級』を、僅か2日で40隻建造している所を見せたり。

 

そのせいか、向こうの政治将校さんと顔を合わせる度に、物凄く警戒される様になっちゃったけど。

 

⸻ ⸻ ⸻

 

【サキウチ級コルベット艦】

 

【挿絵表示】

 

 

【挿絵表示】

 

 

全長202m / 全幅68m / 全高82m

居住区51名分

運用人員数

・技術者2名

・整備士2名

主機関 

・アヴォリオンジェネレータ

防御 

・シールド発生装置

・維持フィールド発生装置

・1.5m厚のトリニウム装甲

武装

・80cm連装陽電子砲 × 3門

・16連装小型反物質ミサイル発射管 × 1基

・100mm連装対空レーザーガトリング砲 × 8基

・魚雷発射管×6門

 

極限までの省人化、低コスト化、高機動化を主眼に設計されたコルベット艦。

 

性能の大部分はクロスボウ級の下位互換ではあるが、艦内の娯楽設備等を犠牲にする事で、同級に匹敵するシールド量を確保。

特に機動性では、クロスボウ級を大きく上回っている。

 

火力については、現状100cm以上の砲は過剰と判断され、主砲には80cm連装陽電子砲が採用された。

 

対空砲も装備しているが、艦上部と艦下部に設置スペースを確保出来なかった為、全て船体側面に配置。

その結果、直上と直下への対空射撃が不可能という弱点を抱える事となった。

 

⸻ ⸻ ⸻

 

あのラゾルフとか言う男、警戒心が強く、かなり抜け目の無い奴だ。

 

だが、ゼクトル船団を脅威として警戒しているのと同時に、それ相応の価値も感じている。

 

でなければ、あそこまで必死になって内部の情報を手に入れようとはしないだろう。

外交交渉の場にも積極的に顔を出して来るし、こちらとの関係を深めようとする姿勢も見せている。

 

現在、ボラー側から輸出を要望されている民間用タイタンの話も、最初に言い出したのは彼だと聞いた。

 

警戒はしている。

だが、利用価値が有ると判断すれば積極的に関わろうともする。

 

そう考えると、意外と分かりやすい奴なのかもしれない。

 

『船団長、採掘艦隊が200隻規模のコルゴラズ艦隊と接敵しました。既に、警備艦隊第26哨戒艦隊及び第18哨戒艦隊が現場へ向かっています』

 

執務室でボラー連邦への輸出品を確認していると、ナビィから通信が入った。

 

「敵の増援は?」

『今の所、確認されていません。恐らくは、偵察を主目的とした艦隊かと思われます』

 

先週、銀河南西交易路守備艦隊として再編された辺境巡視艦隊第225と共に、この辺り一帯で活動していたコルゴラズ艦隊を殲滅したばかりだ。

 

更に、これまでの戦闘で合計8000隻近くは撃沈している筈。

 

だと言うのに、もう湧いて出て来たのか。

 

「いい加減、鬱陶しいな……」

 

ボラー連邦との国交樹立に加え、新型コルベット艦の大量配備もあって、市民感情は落ち着きを見せている。

 

とは言え、こうも毎度の如く襲撃されていては、再び不満が高まり始めるかもしれない。

 

椅子へ深く身体を預け、これまでの被害報告を呼び出す。

 

幸い、今まで致命的な被害は出ていない。

しかし、このまま防衛だけを続けていれば、何時か必ず大きな被害が出るだろう。

 

以前なら、こちらから攻め込む事には躊躇していたが、状況は変わっている。

 

これまで蓄積した戦術データを基に対抗策を確立し、戦力そのものも大幅に増強した。

今では、1個哨戒艦隊だけでも100隻規模のコルゴラズ艦隊なら撃滅可能だ。

 

更に、皮肉な事に連中との度重なる戦闘のお陰で、こちらの艦隊の練度も随分と上がった。

 

奴らの国内に存在する軍事施設、造船所、軍需工場といった戦略目標の位置も、既に把握している。

 

最早、神聖コルゴラズ選民国は大した脅威では無い。

 

このまま、放置し続ければボラーとの貿易にも悪影響が出る。

採掘艦隊の邪魔をされ続ければ、作業の遅れも生じるだろう。

 

なら――。

 

「……そろそろ、潰すか」

 

 

 

 

 

・ゼクトル船団艦隊編成。

 

⸻ ⸻ ⸻

 

【合同艦隊】

 

■突撃艦隊 計180隻

センエイ級駆逐艦×30隻

クロスボウ級フリゲート艦×60隻

サキウチ級コルベット艦×90隻

 

■航空機動艦隊 計72隻

ヴィクトリーロード級空母×2隻

ホシカゼ級巡洋艦×10隻

クロスボウ級フリゲート艦×30隻

サキウチ級コルベット艦×30隻

 

■艦載機 計4180機

戦闘用航空機×3760機

輸送機×420機

 

■遠戦艦隊 計48隻

バトルウォリアー級戦艦×2隻

グレイゼファー級巡洋戦艦×6隻

クロスボウ級フリゲート艦×20隻

サキウチ級コルベット艦×20隻

 

■支援艦隊

ハードボックス級補給艦×12隻

 

――合計艦艇数 312隻

 

*合同艦隊は第4艦隊まで存在する。

――全合同艦隊合計艦艇数 1248隻

 

⸻ ⸻ ⸻

 

【強襲打撃艦隊】 

 

■第1強襲艦隊 計21隻

アイアンフレイム級強襲揚陸艦×1隻

ホシカゼ級巡洋艦×2隻

クロスボウ級フリゲート艦×18隻

 

■艦載機 計476機

戦闘用航空機×312機

輸送機×164機

 

*以下同様の艦隊が第3まで続く。

――合計艦艇数 63隻

 

⸻ ⸻ ⸻

 

【警備艦隊】

 

■第1哨戒艦隊

クロスボウ級フリゲート艦×4隻

サキウチ級コルベット艦×8隻

 

*以下同様の艦隊が第40まで続く。

――合計艦艇数 480隻

 

⸻ ⸻ ⸻

 

【採掘艦隊】

 

■第1採掘艦隊

ピッケル級武装採掘艦×16隻

 

*以下同様の艦隊が第5まで続く。

――合計艦艇数 80隻

 

⸻ ⸻ ⸻

 

 

――全艦艇合計 1871隻 




ボラー連邦がタイタン使うなら、スコーチが似合うと思うの。
でもアイツ、主兵装が全て炎系だから宇宙では使えないの。
(テルミットは酸素を必要としないので使える)

何?
武器を変えれば良い?

武器変えたらスコーチのチャームポイントほぼほぼ消し飛ぶやんけ。
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