アヴォリオンだ!   作:マイmk3

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本小説に出てくる自作艦には以下のmodを使用さて頂いております。
・Custom Subsystems I 
好きな様にサブシステムが作れるmod
・Custom Turrets V
好きな様にタレットが作れるmod
・Custom Torpedoes V
好きな様に魚雷が作れるmod
・Crew System
無料のクルーが手に入るサブシステムを追加するmod
・<Mod> Positron beam Cannon. Space Battleship Yamato
Avorionに陽電子砲を追加するmod
・Cam-no-flage Replacement Armor Textures
装甲ブロックのテクスチャを変えるmod

mod製作者様並びにAvorion開発メンバーの皆様に感謝を。


2話 始動、武装採掘艦ピッケル

あれから一時間後。

 

「ナビィ、この設計で建造を開始してくれ」

「承知いたしました。全ドローン、建造モードに移行します」

「あ、待った。作業用ドローンを10体ほど回してくれ。先に『船員』を作らないといかん」

 

設計中、最も頭を悩ませたのがこれだ。

いくらチート能力があっても、1km近い巨艦を一人で維持するのは不可能だ。

最低限の頭数がなければ、船はいずれ朽ちていく。

 

本来『Avorion』では、友好的な勢力のステーションで船員を雇うのが定石だ。

だが、この孤独な宙域にそんな場所はない。

俺のクローンを作る選択肢もあったが、物資が乏しい現状で口を増やすのは悪手だ。

何より、自分と同じ顔が艦内に溢れている光景は、想像するだけで気味が悪い。

 

ならば、作るしかない。

食事も酸素も必要としない、金属製の船員を。高度な自律思考回路を搭載した、忠実な機械たちを。

 

「工作室へ案内してくれ。ロボットの部品製造プリンターと組立機を統合した、自動製造ラインを構築する」

「はい! では、こちらへ!」

 

ナビィはそう言うと、ふわりと浮き上がって部屋を出ていく。

オメエ浮けたのか。

 

工作室へ移動した俺たちは、即座にラインの設計図を完成させ、ドローンに指示を飛ばした。

みるみるうちに組み上がっていく製造ラインを横目に、俺はナビィから「マテリアル変換器」の説明を受けていた。

 

縦横3メートルほどの白い楕円形の機械。

これに不要なマテリアルを放り込み、変換したいマテリアルを指定するだけで、分子構造を組み替えて出力してくれるらしい。

このサイズなら、100単位のマテリアルをわずか1分で変換できるという説明を聞き、あまりの無法ぶりに唖然としてしまう。

 

「サワミヤ様、ラインの組み立てが完了いたしました!」

「早っ! まだ一時間も経ってないぞ」

 

横を向けば、すでに10メートル規模の製造ラインが完成し、静かに稼働の瞬間を待っていた。

 

「では、船員ロボットの設計を行いますか?」

「いや、ベースはもう決めてある」

 

俺はタブレットを操作し、あるゲームに登場する機体を再現した設計図をナビィに提示した。

角張った黄色いボディに、緑色に光る単眼レンズ。

そして最大の特徴である、胸元の「ニッコリマーク」が表示されたモニター。

『タイタンフォール』シリーズを嗜んだ者なら、誰もが知っている汎用作業機。

 

移動ロボット型汎用作業機

「マーヴィン(M.R.V.N)」だ。

 

もちろん、再現したのは外見だけだ。

フレームと装甲には、チタンより軽量かつ強固な「トリニウム」を採用。

内部構造の要所には、究極のマテリアル「アヴォリオン」を惜しみなく使用している。

さらに高度な思考回路を搭載し、ある程度の自律行動を可能にした。

ゲームでは非戦闘用だったが、こいつは違う。銃を構えての白兵戦から、巨大な艦砲の制御までこなす万能兵士だ。

 

「メンテナンス性と量産性に優れた、極めて合理的な設計です!」

 

ナビィの太鼓判に、俺は少し得意げになる。

 

「しかし、この胸元のモニターは必要ですか?」

「いる!!!」

 

コヤツめ、マーヴィンのマーヴィンたる部分だぞ。

 

***

 

その後、マーヴィンの生産過程を眺めたり、マーヴィンの下半身をタンクにしたり、四脚にしたり、ポンコツ号にトイレと風呂が無かったので急いで増築したり、食料が全部味のしない栄養バーな事が判明し絶望したりと忙しい日々を送り6日が経った。

 

この6日間、自分が宇宙を漂っているゴミに載っている恐怖で発狂しない様に別の事を考えることに必死になっていた。

 

だが、そんな日々も今日で終わり!

ついに船が完成したのだ!

 

ダークグレーの船体に、オレンジのライン。

独特なシルエットを持つその巨体が、虚空に浮いている。

 

ピッケル級武装採掘艦 一番艦『ピッケル』

 

 

【挿絵表示】

 

 

【挿絵表示】

 

 

全長936m、全幅310m、全高405m。

『Avorion』の基準では中型艦だが、現実に見れば圧倒的な巨躯だ。

最大1,473名もの居住区を備えているが、現状人間は俺一人なのでほぼ使う事はない。

艦内の移動に関しては、至る所にトランスポーターいわゆるワープ装置を設置してあるので問題無用。

 

主機関は「アヴォリオンジェネレータ」

内蔵された反物質炉が膨大なエネルギーを供給し、超空間ジャンプを用いれば1万光年をわずか5日で踏破できる。

21世紀の人間からすれば、魔法の産物と言ってもいい。

 

武装面も抜かりはない。

 

* 200cm連装陽電子砲 × 8門

* 18連装小型反物質ミサイル発射機 × 2基

* 200mm連装対空レーザーガトリング砲 × 28基

* アヴォリオン製4連装採掘レーザー × 8基

 

元々、ゲーム内で襲ってくる海賊やエキゾタンをぶちのめしながら採掘作業を行う事を想定して設計した船のため、かなりの重武装に仕上がった。

正直、これを採掘艦と呼ぶのは無理がある気がするが、ルビコン在住のデッカい目玉を付けた彼だって採掘艦を名乗っているのだからまあ良いだろう。

 

船をあらゆる方向に旋回できる複数のジャイロを内蔵したジャイロアレイに、人工的な亜空間で摩擦抵抗を発生させ、船の減速を補助する慣性ダンパーを搭載してあるから、機動性も悪くない。

 

さらに、俺が作った超チートサブシステム。

『レクレト強化システム』

 

 

【挿絵表示】

 

 

このサブシステムを搭載する事で、艦の性能を底上げし、武装の自動制御までこなす。

間違いなく、強力な艦になる事間違いなし。

 

この巨体を維持し、動かすのは500体のマーヴィンたちだ。

艦内のどこへ行っても、あの黄色いボディとニッコリマークに出会える。

 

『サワミヤ様、ピッケルの発進準備が完了いたしました』

 

ナビィからの通信。

ようやく、この時が来た。

 

「わかった。すぐに向かう」

 

さらば、ポンコツ号。

6日間を過ごした狭い部屋を一瞥し、俺は携帯型トランスポーターでピッケルのブリッジへと転移した。

 

***

 

ブリッジに足を踏み入れると、操舵、武器制御、通信、レーダーなど艦を動かす為に必要な作業を担当するマーヴィンたちとナビィが出迎えてくれた。

内装は『スター・ウォーズ』のミュニファスント級のブリッジを横に伸ばした様な作りになった。

階段状の多層構造で、それぞれの段にコンソールとそれを操作するマーヴィンが配置されている。

 

「艦長、お待ちしておりました!」

「艦長・・・そうか、俺が艦長なんだな」

 

今更ながら、この巨大な力を振るう責任を自覚する。

まあ、失敗しても死ぬのは俺一人だ。

気負う必要はない。

 

「よし! 機関始動、発進準備!」

「了解デス。メインエンジン出力上昇」

「全システム、クリア」

 

マーヴィン達が一斉に自機が担当しているシステムや機関の調整と確認を始める。

 

「発進準備が完了次第ピッケルの試運転を行う」

「サワミヤ艦長!あの漂流中の船はどうなさいますか?」

 

ナビィがポンコツ号の事を聞いてくる。

んなもん決まっているだろ。

 

「砲撃試験の標的にする」

「えぇ...」

 

ロボットがドン引きするんじゃないよ。

 

***

 

しっかりと宇宙を漂うゴミを塵にした後、近場の小惑星帯に向かった。

ピッケルと大量のマーヴィンにマテリアルを結構使ったから補充しなければならない。

補充できたら、水と食料、酸素を探さなければ。

 

「サワミヤ艦長、地球へは行かれないのですか?」

 

ナビィの問いに、俺は少し考えてから首を振った。

 

「ああ。ここがどの世界か分からない以上、無闇に近づくのは危険だ。どんな事態にも対処できるよう、まずは勢力を拡大する」

 

ここが某宇宙世紀な世界なら何とかなるかもしれないが、暗黒の遠未来とかなら終わる。

イカれたカルト達にふぉーじえんぺらーと叫びながら襲われるのが目に見えている。

 

そんな思考を巡らせていると、強烈な眠気が襲ってきた。

気が付けば20時間も起きている。

 

「ナビィ、7時間寝る。その間、採掘の指揮を頼む。もし作業中に何かあったら叩き起こしてくれ」

「かしこまりました、作業中にトラブルが発生した際は大音量で報告いたしますね!」

「頼んだ」

 

優秀な相棒に苦笑いしつつ自分用に用意した寝室へと向かった。

 

***

 

心地よい眠りに落ちていた俺を叩き起こしたのは、けたたましい警報音だった。

飛び起きてブリッジへ駆け込む。

 

「サワミヤ艦長、おはようございます。本星系内で重力場の歪みを検知しました!」

「場所は!?」

「本艦後方、約3万kmです。小惑星が邪魔で直接視認できません。偵察ドローンを飛ばします」

 

採掘作業の為、小惑星帯に深く潜りすぎ艦を上手く動かせない様だ。

幾つかの突起が付いた四角い偵察ドローンが小惑星の間を縫って確認できる場所へ飛んでいく。

モニターに、ドローンが捉えた映像が映し出された。

何もない空間に突如として白い渦が現れ、水柱のような物を纏って「それ」が飛び出してくる。

 

白と薄緑の流線型の船体に沢山の穴が空いた突起物が並んでいる。

その独特すぎるフォルムを、俺は知っていた。

 

「ガトランティス!!」

 

ようやく理解した。

俺が放り込まれたのは、『宇宙戦艦ヤマト』の世界だったのだ。

 





クリピテラ級(仮)との大きさ比較

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