アヴォリオンだ!   作:マイmk3

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今考えてる構想だと、原作突入が30話超えるんじゃないかと戦慄してます...


7話 ゼクトル流 突撃戦法!

「主砲1番、2番。撃てッ!」

 

俺の号令一閃。

駆逐艦センエイの200cm陽電子砲が咆哮を上げ、移民船を狙っていたラスコー級を真っ向から貫いた。

 

「速度落とすな! 単縦陣(ラインアヘッド)のまま敵陣へ突入する! 第2突撃艦隊は不明艦の防衛。ナビィ、支援艦隊は現在地で待機、ミサイルの即応体制を整えておけ!」

 

『了解です! いつでも“雨”を降らせられますよ!』

 

ナビィの頼もしい返信が響く。

俺が率いる第1突撃艦隊、センエイと5隻のクロスボウ級フリゲート艦が、虚空に光の尾を引いて加速する。

 

無人艦のマーヴィンたちは、高度な自律判断こそ苦手だが「命令への忠実さ」は天下一品だ。

ならば、活躍の場を与えてやればいい。

有人艦であるセンエイが先頭に立ち、無人艦が列車のように一列に連なって追従する。

 

大型の先頭艦がすべての攻撃を受け止め、敵陣を食い荒らしながら強行突破、続く後続艦が穴を押し広げる。

シンプルだが、圧倒的な耐久力と機動力を持つ我が艦隊には、これが最高に刺さる戦術なのだ。

 

敵はナスカ級空母を中心に密集陣形を敷いているが、俺たちの乱入は完全に予想外だったらしい。

迎撃態勢が整う前に、その懐へ飛び込む!

 

「魚雷1番から6番、放て!」

 

センエイから放たれた『ホーク級反物質魚雷』が、外縁のククルカン級に突き刺さる。 

直撃した艦のみならず、周囲の数隻をも飲み込む巨大な火球が、敵の陣形に大きな穴を開けた。

 

「各艦、砲雷撃戦用意! 近い敵から順に叩き潰せ!」

 

陣形の内側という、敵にとって最も脆い場所へ滑り込んだクロスボウ級たちが、120cm陽電子砲とミサイルを狂ったようにバラ撒き始める。

 

ガトランティス艦隊も必死にミサイルと緑の光線を放ち抵抗するが、アヴォリオン技術のシールドと厚い装甲の前には、文字通り豆鉄砲だ。

ご自慢の量子魚雷も、敵陣の懐を高速で駆け抜ける我々に対し射角が取れず撃つことができない。

 

橙色の光線がラスコー級を爆散させ、反物質ミサイルが回頭中のククルカン級を容赦なく粉砕していく。

 

「敵空母ヲ捕捉」

「魚雷7番から10番、用意!」

 

眼前に、ナスカ級を捉える。

最優先目標だ、放っておけば奴の艦載機によって、不明艦が被害を受ける可能性がある。

奴の艦載機が上がり切る前に叩く。

 

「前方ヨリ航空機4機接近。 機種デスバテーター」

「対空武装、前方集中! 叩き落とせ!」

 

カブトガニのような不気味な機体が迫るが、200mmレーザーガトリングの濃密な弾幕がそれを許さない。

火花を散らして墜ちていく敵機を無視し、号令を下す。

 

「魚雷、撃てぇッ!」

 

4本の反物質魚雷がナスカ級へ殺到する。敵の対空砲火が2本を撃ち落としたが、残る2本がその飛行甲板へと吸い込まれた。

次の瞬間、物質と反物質が衝突して起こった対消滅の奔流が、敵の空母を内側から引き裂く。

 

「敵空母ノ撃沈ヲ確認」

「よし、このまま離脱する! 測距データを支援艦隊へ転送。ナビィ!」

 

『了解! 艦隊の離脱を確認次第、ハードボックスおよびヘビィボックスによる全弾発射を実施します!』

 

俺が命じるより早く、ナビィはすでに艦隊を動かしていた。

まったく、最高の相棒だよ。

 

第一突撃艦隊は、ナスカ級の爆炎を背に最大戦速で敵陣を突き抜け、鮮やかに戦域を離脱した。

 

「小型反物質ミサイル、発射! 回頭してこちらを狙おうとしている奴を優先的に叩け! ナビィ、やれ!」

『了解! ミサイル発射! ミサイル発射ぁぁ!!』

 

離脱した俺たちの背後から量子魚雷を放とうと、必死に艦首を向けてくる敵艦。

そこへ、ハードボックス級二隻から放たれたミサイルの雨が降り注ぐ。

全長20m、直径4mの巨体に反物質を詰め込んだミサイル、計72発。

ククルカン級もラスコー級も、その圧倒的な物量の前には成す術がない。

次々と爆沈し、宇宙の塵へと変わっていく。

 

運良く初撃を回避、あるいは迎撃できた艦もいたが、雨は一度きりではなかった。

 

『発射! 発射! 発射ぁぁぁッ!!』

 

景気よく放たれる第二射、第三射。

……というか、あいつ、ちょっと怖くないか?

 

通信越しに聞こえてくるナビィのノリノリな発射命令に若干引きつつ、俺は艦隊を反転させた。

残存勢力がいないか確認しながら、ボロボロの不明艦へと引き返していく。

 

おい、ナビィ。

それはもうただの残骸だ。

高笑いしながらオーバーキルするんじゃない!

 

***

 

「しっかし、あの船は一体どこの所属なんだ?」

 

ハードボックスへ戻った俺は、ミサイルを崇拝しながら高笑いしていた相棒をチョップ一発で正気に戻した。

その後、不明艦へこちらの言語・文化データを送信し、対話の意思を示す。

向こうも対話を望んでいるようで、即座にデータが返ってきた。

現在は、翻訳作業の真っ最中だ。

 

「彼らは、ホヒヤ星系第四惑星シドカム出身のシドカム人の皆様ですね」

「……なんでお前、もう知ってんの?」

 

文化データが送られてきたのは、つい10秒前である。

 

「どうやらワタクシにも、創造主様より賜った『ギフト』があったようで。出会った文明の言語、文化、歴史などのデータが自動的に開示される仕組みになっているようです!」

「はぁ〜!? なーんだ、なんだその超絶チート能力は! ずるい、俺にも寄越せ!」

「そう言われましても……」

 

そんな便利なものがあれば、ファーストコンタクトで失敗するリスクがほぼゼロじゃないか!

 

いいなぁ、俺にもチート能力寄越せ!

…もう持ってたわ。

 

後で脳内にデータ保存用のインプラントを埋め込んで、ナビィから直接データを流し込んでもらおう。

そんなことを考えながら、俺は本格的な言語翻訳機の設計に取り掛かった。

 

***

 

「艦長、前方1.5キロ級の巨艦より通信が入りました!」

「何だと? 送った言語データを、わずか2時間足らずで解析したというのか」

 

シドカム第26移民船『カーハリア』の艦長、ルオコス・レナン大佐は驚愕を隠せなかった。

目の前の存在が、自分たちを遥かに凌駕する技術力を有していることを突きつけられ、ブリッジに動揺が走る。

 

(いや、あの異星人の艦隊を一方的に壊滅させた時点で、分かりきっていたことではないか…)

 

ルオコスは深く息を吸い込み、乱れる心を鎮めた。

いきなり殺されるようなことはないだろう。

だが、圧倒的な武力と未知の技術を持つ異星人を相手にするのだ。

向こうはこちらの文化や礼儀作法すら既に把握しているはず。

一分の失礼もあってはならない。

 

「繋いでくれ」

 

メインモニターに、一人の異星人が映し出された。

薄いオレンジ色の肌に、黒い髪と瞳。

これまで見たことのない特徴に意表を突かれるが、あの緑色の野蛮な連中のような凶兆は感じられない。

 

『ゼクトル船団、船団長のサワミヤ・ケイと申します』

 

合成音声ではない、滑らかな自種族の言語。

ルオコスは居住まいを正した。

 

「シドカム第26移民船カーハリア艦長、ルオコス・レナン大佐です。先程は、我々の窮地を救っていただき、心より感謝いたします」

『ご無事で何よりです。ですが、貴艦の損傷は極めて深刻に見える。我が船団の支援は必要ですか?』

「……率直に申し上げますと、非常に助かります」

 

予想外の申し出に、ルオコスは迷わず飛びついた。

傍らの副艦長が不安げな視線を送ってくるが、ルオコスはそれを手で制した。

この10年、死線を潜り抜けて培ってきた彼の勘が告げていた。

画面の向こうにいるこの男は、信じるに値する、と。

 




シドカム人はファミリーネームが先に来て、ファーストネームが後ろに付く名前となってます。
なんで、ルオコスさんはレナンがファーストネームですね。
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