「これ呪術廻戦の世界じゃね?」
俺、蟲蔵創夜小学1年生は学校での算数の授業中に前世の記憶を思い出した。何故このタイミングだったのかはなんとなくだが、俺の術式が発現したのが原因だと思っている。
教室に入ってきた先生の背中に張り付いていた人面のクソでかい蠅、たしか蠅頭だったか?それを見た瞬間に俺の術式が発現。蠅頭に意識を向けた瞬間、捩れ、潰れ、圧縮され、成形されたのは黒いヤクルト。
それを見た俺は全てを察した。クソきもい見覚えのある蠅頭。俺の前に黒ヤクルトができるまでの見覚えのある過程。現在進行形で俺の中で廻る謎の力。そして冒頭の言葉に繋がる。
今現在、俺は教師の算数の授業など一切気にせず目の前の黒ヤクルトをガン見していた。何故ならこれを飲めば俺の術式的になんらかのプラス的な効果、又は使役などができるのだろう。だがだ、だがしかしだ。
(絶対これマズイじゃん!絶対これ飲むゲロ雑巾だろ!?確かに呪霊操術的なサムシングなら強術式だよ!でもなんでこれなんだよ!?しかも丸呑みできるゲロ雑巾ならともかく、俺のは飲むしかないっぽいじゃねえか!?ふざけんなチクショオーーー!!)
目の前の黒ヤクルトを目が飛び出んばかりに凝視し、内心絶叫しながら俺は教師の目が黒板に逸れた瞬間にそれの蓋を開けて一気に飲んだ。
口内に注がれた呪液を味わう事なく一気に飲み込む。しかし飲み込む為に一瞬舌に触れた時俺の味覚が悲鳴をあげた。
(マッッッッズ!!まんまゲロじゃねえか!!クセェしマズイし、液体の癖にやたらザラザラして喉越しも最悪だ!!そりゃ夏油も闇堕ちするわこんなもん!!)
吐き出したい気持ちで心が一杯になるが、俺に刻まれた術式がそれを静止する。
吐けば失敗。取り込みに失敗した呪霊が強化されてこちらを殺しに来る
残せば確率。容器内に残った呪液の量によって成功確率が変動。
あまりの不味さに涙ぐみながら飲み込み数秒すると目の前に黒い画面が現れた。
ブゥン
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呪霊の吸収に成功。呪蟲創術の発動条件が満たされました。
対象呪霊を素材に呪蟲を構築しますか?
対象呪霊を素材にせずストックしますか?
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画面に表示された情報から俺の術式は『呪蟲創術』と言うらしい。どうやら夏油の呪霊操術とは別物の様だ。そんな事を思いながら呪蟲の構築をタップ。
すると画面が変化し先ほど取り込んだ蠅頭が表示されどの様に構築するか問われる。俺はニヤつく顔を教師から隠す為に本を立てる。一番後ろの席だった事を今猛烈に感謝している。記憶が戻る前は自分の名前を恨んだが今はこの名前に生まれた事を誇りに思う。
前世では小さい頃絵師や画家に憧れたが俺にその手の才能はなく、世に出される名画や神絵を見て尊敬すると同時にその才能を嫉み悔しく思っていた。
そして今世でも俺に絵の才能がないのは分かっていた。だが、だがだ!俺の呪蟲創術は俺の思考を汲み取って呪蟲の姿、能力の割り振り、個体の性格などが構築される。
それすなわち前世で設定をこね回し絵心がないためにAIに出力させるたびに画伯になって帰ってきた俺の脳内にしかいなかったキャラ達が生み出せると言う事なのだ!!
(なんてこったパンナコッタ。呪術廻戦は原作最終巻まで履修済み。そいで俺の生まれは1989年つまり五条とタメ。つまり原作開始前であり強い呪霊が生まれ出す時期。)
呪霊を取り込み活性化した術式により分かったことは、俺の術式は取り込んだ呪霊をリソースとして呪蟲を構築、使役するもの。
呪蟲を構築するにあたり必要なリソースは取り込んだ呪霊の格によって変わる。そして俺の術式は夏油の呪霊操術と違い、取り込んだ呪霊をリソースに分解し、手持ちにいる呪蟲を成長、強化することができる。なんと言う強術式。生まれに感謝(一般の生まれ)
(うーん。原作だと2003年に虎杖が生まれるから、今から7年後には確実に虎杖家に羂索がいるわけだ。ぶっちゃけおれ原作厨とかじゃないから夏油は闇堕ちさせたくないし、千葉生まれだから東京が潰れるのは困るし、呪術キャラは大概好きだしな〜(御三家のカスどもと上層部及びメロンパンは除く)よっしゃここは原作改変しようか。)
原作改変を決定したところで呪蟲の構築が完了した。
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呪蟲の構築完了。
ロールアウトしますか?
倉庫に送りますか?(保有可能数0/1000)
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迷いなくロールアウトを押すと俺の左手側の空間が歪み、そこから大人の頭ほどある呪蟲が現れる。
素になった蠅頭と同じ褐色の体を持ち、頭部から3本の角と3対の翅を持つアトラスオオカブトの様な呪蟲が今回構築した我が記念すべき1匹目の呪蟲だ。
もっとデカくて複雑な造形の呪蟲を創りたかったのだが、リソースも俺の術式練度も足りない為に断念。今回作ったコイツは素の大きさより小さくすることで硬さを上げ、飛翔速度も上げている。
(メロンパンを確実に殺すには虎杖の母親をやっている時が一番容易い。術式も割れているしな。その為に7年以内に戦力を集め強化して殺す。その為には高専にはバレない様に活動しつつ手駒を集める。その第一歩としてこの子を創った。)
4級の蠅頭から創ったこの子は体積を減らして得たリソースを強化に回したため3級相当の能力を持たせている。この子の役割はリソースの回収。ここは学校。人の情念が渦巻く場所だ。今の俺にとっては格好の狩場。
「行け。アイン。4級だけ狙って俺に持ってこい。3級より上に遭遇したらすぐに倉庫に避難しろ。建物と人に被害を出すなよ。」
ブォン。
力強い羽音と共に勢いよく教室の外に飛び出していくアイン。その頼もしい背中を見つめながらこれからの自分の行動を原作を考えながら組み立てていく。
小学1年生7歳の夏。ここから俺の呪術廻戦が始まった。