羂索?ああ、さっき蟲の餌にしたよ。   作:童慈

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蟲の歩み

 やぁみんな!転生して1年経って2年生に進級した蟲蔵創夜だよ!この1年で俺はかなり成長したぞ!

 

 まず一つ目に呪蟲達の数が著しく増えた。この1年で学校にいた呪霊全てをリソースに変換しきった。お陰でここ最近は学校ではなく俺の住んでる千葉市内に呪蟲達を放ってリソースを確保している。因みに一番最初に創った呪蟲一号ことアインは強化に強化を重ね1級呪霊以上特級未満ぐらいの強さになった。

 

 二つ目に術式がかなり強化された。と言うか本来の性能を取り戻しつつある。どうやら俺の術式は初めは機能が制限されていたらしく3級2級1級と取り込んでいくたびにその機能が解放されている。後は特級を取り込めば本来の性能を発揮するのだろうが、まだ特級に挑むのは早いと思っている。

 

 三つ目は俺自身の強化。術式の制限が解放された事で取り込んだリソースを俺の身体能力、呪力量、神経の強化などに回せる様になったため、手に入れたリソースの内3割を俺の強化に回している?おかげで呪力強化無しでもコンクリぐらいなら素手で砕ける様になった。ついでに最近は近くにあった道場に通っている。なんと素晴らしい事に昔から伝わる対人格闘術の道場だったため親に頼んで通わせてもらっている。

 

 そして四つ目、これは俺じゃなく呪蟲達の方なんだが……

 

 『主よ新たなる贄を持ってまいりました。』

 

 『若、此度の贄は1級ですぞ!なかなか良い術式を持っておりました故良き同胞となりましょう。』

 

 『我等が神よ、此度の聖戦においての我等の損害は0であります。これも神の度重なる我等への慈愛の賜物かと。』

 

 『主、任務、完了。』

 

 『うふふ、お父様聞いてくださいな、フィーアったら呪霊を見つけられなくて泣いてるところを末の弟妹に慰められていたんですよ。可愛いと思いませんか?』

 

 この様に強化に強化を重ねる内に自我を持つ様になりました。いや確かに性格設定とかあったけど、AIの性格設定ぐらいの認識だったからこんなに流暢に喋ってしっかり喜怒哀楽がある人間に育つなんて思わなかったんですよ!?

 

 「お疲れさま、アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フンフ。」

 

 アインは元はアトラスオオカブトに似た呪蟲だったが今は4本腕の漆黒の騎士甲冑の様な姿になっている。身長は3メートルもあるが無駄にゴテゴテしておらず細身のため、対峙すると得体の知れない不気味さがある。元は術式を持っていなかったが今では『崩理呪法』の術式を持っている。

 

 ツヴァイ、名の通り2番目に創ったコイツはベースは蟷螂だったのが今は身長3メートルある深緑色の騎士甲冑姿。アインに似ているがコイツは両腕の肘と両足の膝から緩やかな弧を描く刃が生えているのが特徴だ。術式は『断概呪術』。

 

 ドライ、3番目に創ったコイツは偵察用の呪蟲として蜻蛉をベースにしたのだが何をとち狂ったのか神風特攻大好きっ子になってしまった。見た目は黒地に黄色の線が入ったボーダーを着た痩せ型の目を閉じた青年。背に3対の翅を持つため機動力は呪蟲達の中でトップ。術式は『分霊操術』

 

 フィーア、4番目に創った彼女は上記の3体のおかげで潤沢なリソースと術式持ちの呪霊を素体に創った蛾をベースにした個体だ。実験個体的な意味合いで創ったのだが、元から持っていた『炎舞呪術』にその辺の呪霊の術式を混ぜてみた結果『炎葬呪術』を所有している。見た目は真っ白で背から蛾の羽を生やしウエディングドレスを着た身長2メートルの少女。

 

 フンフ、5番目に創った1番の問題児。蜘蛛をベースに溢れるリソースを注ぎ込みとある悍ましいタコがでる神話の蜘蛛を想像しながら創った結果、術式がバグった。『歪曲操術』ありとあらゆるモノを歪めねじ曲げる禁忌の術式。下手すると俺の術式から抜け出す恐れがあったのだが何やら俺の事を父と慕ってくれている。見た目は真っ黒のゴスロリを着た美少女だ、背中から蜘蛛の脚が生えてなければ。

 

 以上5体が俺の……側近?重鎮ポジの呪蟲達。名付け自体は10番目の子達までしている。名付けた子供達は質を重視しているから原作ナナミンとタメはれるぐらいには強い。だけどメロンパンを殺すにはまだまだ戦力不足。あいつ殺すと過去に契約やら縛りを結んでいる呪霊や呪物が溢れ出すからな。

 

 呪蟲のストック数も200まで増えたけど数が多いだけじゃ意味がないんだよな〜。

 

 『此度の贄は主が欲していたモノにかなり近いかと』

 

 深夜の公園で俺の前に捧げられている呪霊は元は20〜30メートルぐらいあった体中にでかい口がある猿型呪霊らしいがアインに死なないギリギリのレベルで物理的に畳まれているため10メートルほどの球体になっている。

 

 「え、マジで。コイツの術式解除系なの?」

 

 『いえ、解除ではありませんが、此奴の術式は嘘を真にするモノ。それも格上に通用するほど強力なモノです。フンフがいなければ我等の内誰かが欠けていたやもしれぬほどに。』

 

 『アインの言う通り恐ろしい術式であったが、コヤツ術式が強い事に胡座を描き直接的な害を与える事にしか術式を使わんので宝の持ち腐れでしたぞ。』

 

 頬が吊り上がる。俺が欲していたのは天逆鉾に近しい、又はそのモノの術式。俺が襲撃する予定である虎杖悠仁出産時のメロンパンの術式は『反重力機構』。そして名は明かされていないが体を乗り換える術式。奴の意表を突く為に欲していたが、それよりも応用力と汎用性が高い術式が手に入ったのは行幸だ。

 

 メロンパンも言っていたが呪霊操術の強みは手札の多さだ。それは俺の呪蟲創術も同じ。

 

 「よくやったぞお前達!本来欲しかった術式じゃないがそれよりいい素体をよく手に入れてくれた。流石は俺自慢の子供達だ!」

 

 呪蟲達が俺からの言葉で歓喜に体を震わす。

 

 「共食い・蠱毒・奈落の底。『嚼』」

 

 呪詞を唱え指を向ける。こうする事で本来より数%ほどだが得られるリソースが増えるのだ。呪霊が変形していき、出来上がったのは漆黒の2Lペットボトル。

 

 「ん〜?おかしいな……1級なら1.5Lなのに……まさか、特級か?」

 

 この1年で嫌になる程見た呪液。だがこのサイズは初めて見た。嘘を真にする。即ちコイツは人の虚言への恐怖から生まれた呪霊。あ〜ならあり得るか?大なり小なり人は嘘をつく。嘘への恐怖から、嫌悪、憎悪、後悔その負の念の集合体がコイツ。もしかしたら俺は運が良かったのかも知れない。

 

 「なぁ、お前らコイツ領域使った?」

 

 『いえ、使いませんでしたが、最後の方に手印を組むそぶりがあったので何かする前に畳みました。』

 

 やっぱり。多分コイツ生まれてまもない呪霊だったから、まだ領域を完全に習得していなかったんだろう。危ねぇ、下手したら5匹共殺られてたかもな。

 

 そんな事を考えながらペットボトルのキャップを開け一気に中身を飲む。胃に呪液が入った瞬間今までにない感覚が俺を襲う。臓腑が焼き溶ける様な、溶鉄を直接流し込まれた様な激痛に、未だかつて味わったことのない味。

 

 ゲロ雑巾など生やさしい、もはや味ではなくこれは刺激。今まで1級以下の味はゲロ雑巾の味が更に不味くなったモノだったが、特級は違う。甘さもある、辛さもある、苦味もある、酸味もある、ありとあらゆる味がお互いの悪い部分を最大限に引き立てあう。

 

 反射で体が吐き出そうとするのを気合いで止め、飲み続ける。原作キャラ達の幸福のために、こんな夜中に出歩くクソガキを愛してくれる今世の俺の両親の為に、そして何より俺自身が好き勝手する為に飲み続ける。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 特級呪霊:虚真言(うつろしんごん)の取り込みに成功。

 呪蟲創術の全制限解除。

 呪蟲ストック数の上限解放

 呪蟲構築時、縛りによる性能の向上を許可

 呪蟲強化による特級への昇格を許可

 呪蟲による情報網(ネットワーク)構築の許可

 呪蟲の自己学習能力の許可

 蟲型呪霊への強制調伏の許可

 拡張術式【喰】の解放

 極の番【蝕】の解放

 結界術の制限を解放

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 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 特級呪霊:虚真言を素体とし構築を開始。

 術式を最適化。リソースを最適化

 術師の意思を反映……反映……

 構築完了。

 名称:天言蟲 個体名:虚飾(ヴァニティ) 術式『嘘言神託(アンチ・クライスト)

 ロールアウトします。

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 呪蟲創術が俺の意思とは関係なく取り込んだ呪霊を呪蟲に変換してロールアウトまで勝手にしてしまった。全解放された術式によると、特級のリソースは莫大であり取り込んで直ぐに構築を始めてリソースを消費しないと俺が爆散する為仕方ないらしい。

 

 空間が歪み現れたるは虚飾の名を持つ反救世主。人型ではあるがその姿形は明らかに異形である。閉じられた目に縫われた口、全身を黒い拘束服の様なモノで固定されているがよく見るとそれは背から生えた極薄の翅が体を覆っている。そして彼を異形たらしめているのは身体中にある縫われた数多の口。

 

 『お初にお目にかかります。我等が神よ。我が名はヴァニティ。神の道行を嘘にて飾る使命を与えられた道化であります。以後よろしくお願いします。』

 

 頬にある口唯一縫われていない口から鈴の音の様な澄んだ声を出す新人。

 

 「鈴虫モデルか?お前。」

 

 『!ええ、ええ、その通りです我等が神よ。神の御前にて囀る私の起源は鈴虫。良き声で囀るのが我が使命ならば。』

 

 「そうか。鈴虫ね。それにしても『嘘言神託(アンチ・クライスト)』とは、ククククク、笑えるなぁ」

 

 愚衆の救済たる羂索を屠る為に出来上がったのが、反救世主の虚飾とは……なんたる皮肉!なんたる運命!!

 

 「いいね、いいねぇ!世界は俺に味方している!こうも早くから求めたピースが一つ手に入った!!」

 

 ああ、待っていろ羂索。お前は1000年の終着駅たる髙羽史彦にたどり着くことはない。お前の夢はこの俺が、異物たる俺が粉々に噛み砕いてやる。

 

 「ウップ、ごめんアイン。コーラ買ってきて。」

 

 『締まりませんなぁ。若。まあそれが若らしくていいのですが。』

 

 

 

 

 




 オリ主は呪術世界で最後までいい空気を吸って勝ち逃げしたメロンパンを敵キャラとしては高評価していますが、それはそれとして原作の悲劇の元凶のため死ぬほど嫌っています。今直ぐ殺しに行きたいと思っていますが、1000年も生きた呪詛師を舐めて言い訳がないと思っているため、期限ギリギリまで自己強化に費やしてからぶち殺しに行く予定です。

 オリ主は自身の事をかなり過小評価しているため現在の戦力でも禪院家くらいなら容易に潰せます。(ギフテッドオスゴリラは除く)

 因みにオリ主の味覚は呪液のせいで終わっているので、なんでも美味しく食べます。

 等級による呪液の量
 特級2Lペットボトル
 1級1.5Lペットボトル
 2級1Lペットボトル
 3級250ml缶
 4級ヤクルト
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