彼は不意を突かれた
応援が到着して安心したその時、彼の相棒が狙撃され胸から血を吹き出し倒れた。咄嗟に相棒を庇い、死角まで引きずって守ろうとしたが、影から現れた犯人に数発撃ち込まれて彼も倒れた。
倒れて意識が遠のく中で、動かない相棒、そして応援の刑事が犯人を確保する姿が一瞬見えたが、すぐに目の前は真っ暗になってしまった。
(…タカ、頼むから無事でいてくれよな)
神奈川県警港署捜査課の刑事「大下勇次」は相棒の事を考え、目を閉じた
……
時間が経ち、大下は暗闇の中を彷徨っていた
(少し時間が過ぎたけど、目の前はまだ暗い。意識があると言うことは俺はまだ生きているのか?いや、もしかしたらもうあの世なのかもしれない。死んだってこう言う感じなのか…)
(にしてもこんな寝ているような感覚なのか。死んだのに少し居心地が良いな)
「………い。」
突然声がした、女性の声だ
(看護婦さんか?もしかしたら生きてた俺?)
「………先生、起きてください」
(先…先生?俺の隣で医者寝てるの?何してるの先生…起きてて僕とか診察してくれてるんじゃないの?)
「大下勇次先生!」
(え、俺?俺先生?
…あれ?これもしかして目開けて起きれる?)
そう思い目を開けると
⁇?「………。」
目の前は女性、いや少女が立っていた。長い黒髪で青い目をした可憐な少女だった。
(美人な子だなぁ……って、あれ?ここは…)
目を覚まし、ぼやけながら辺りを見回すと、そこは病室では無かった。
見たことのないオフィスの中で、窓の外には高層ビル群が立ち並んでいる。大下がいた場所もベットではなく、このオフィスに最適であろう高級そうなソファの上であった。
⁇?「少々待っていてくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。
なかなか起き無いほど熟睡されるとは。」
大下「…え?ここは…一体何処?」
⁇?「…夢でも見られていたようですね。ちゃんと目を覚まして、集中してください。」
大下(夢…?夢ってこれが夢じゃねぇのか?訳がわから無いがとりあえず話を聞いてみて理解してみるか…)
大下は彼女の聴きながらふと今の状況を考えてみた。
なぜ生きているのか、そしてここは何処なのか、なぜ自分が先生と呼ばれているのか、疑問は考えれば考えるほど大量に出てきたが、今そんな事を考えていても更に混乱するだけだと思い、ひとまず話を聞くのに専念した。
⁇?「もう一度、改めて今の状況をお伝えします。」
リン「私は七神リン、学園都市『キヴォトス』の連邦生徒会所属の幹部です。」
大下「き…?なんて??」
リン「『キヴォトス』です。ここの都市の名称です。」
「そしてあなたはおそらく、私たちがここに呼び出した先生……のようですが」
大下「俺が…先生?」
リン「はい、あなたは先生…らしいです。」
「…ああ、推測系でお話ししたのは、私も先生がここに来た経緯を詳しく知らないからです」
大下「…?、君が俺を呼び出したんじゃ無くて?」
リン「……混乱されていますよね。分かります。」
大下「うん、全然わからない」
リン「こんな状況になってしまったこと、遺憾に思います。でも今はとりあえず、私についてきてください。」
「……どうしても、先生にやっていただかなくてはいけない事があります」
大下「俺に…?」
リン「「学園都市の命運を賭けた大事なこと……と言うことにしておきましょう」」
大下「命運を賭けた大事な事……」
大下はリンの話を聞いて嘘とは思えなかった。いや、今の状況を考えると嘘と思えなくもないが、彼女の話し方や雰囲気が真剣に、深刻に事を伝えるような仕草をするので、これは本当の事なんだろうと判断していた。
彼女はまだおそらく子供だ、かなり大人の雰囲気を醸し出しているが、幼さが伝わってくる。そして大下にやって欲しいこと、恐らく子供では処理でき無い事、『大人』が解決するべき事を頼まれているのだろうと大下は薄々感じた。
困惑はしているが、しかし大下は刑事だ。警察官としては彼女を放って置けるわけはない。そして大下は答えた。
大下「わかった、とりあえず何をすればいいのかな?」
リン「ありがとうございます先生。それでは私について来てください。」
リンが案内をすると、大下は立ち上がり彼女について行こうとした。
その時、彼女は何かを思い出したかのように大下に言った。
リン「そういえば先生、後ろの御連れの方も起こした方が良いのではないでしょうか?」
大下「え?後ろ?」
大下は振り向くと、椅子で寝ている男が目に入った。ソフトリーゼントのスーツを着た男、大下は男を見てすぐに思い出した。彼が何者か、そして大下にとってどれだけ大切な人物なのかを。大下は泣きそうになったが、それを堪えて一言言った
大下「…タカ、やっぱりお前もいるじゃねぇか。」
男の名は鷹山敏樹、大下の唯一無二の相棒で、最高のバディだ。
初投稿。思いつきで書いてみたので変な箇所があるかもしれませんがご了承いただけると幸いです。