リン「…大下先生?大丈夫ですか?」
寝ている男を見て泣きそうになっている大下を見て、リンは不思議そうに尋ねた。
大下「あぁ、ごめんね。ちょっと思い出しちゃってさ…」
「この人も連れて行くからちょっと待ってて」
大下は涙を拭くと、鷹山の肩を叩いた
大下「タカ、タカ起きろよ。」
声をかけ体を揺さぶるが、一向に鷹山は起きそうにない。少し眠りが深いのだろうか、声をかけると反応はするものの全く起きようとはし無い。
大下「何してるんだよタカ、ほら早く起きろよ」
少し強めに叩くとさっきより反応するが、まだ起きそうにない。
大下「こいつ…俺が心配してやってるのに…」
少し苛ついた大下は何かないかと辺りを見回し、棚の角に重なれている金属製のトレーを見つけた。
大下「リンちゃん、ちょっとこれ借りるね。あと、耳塞いだ方が良いかも」
リン「(リン…"ちゃん"?)…はい
わかりました…」
リンが耳を両手で塞いだのを見ると、大下は両手にトレーを一枚ずつ持ち、それをシンバルのように強く叩き合わせた
「「「ジャァァァァァァン」」」
ビクッ
鷹山「!?」
大きな音に驚いた鷹山は飛び起きた。椅子から転げ落ちて辺りをキョロキョロ見回している。
大下「やっと起きたか、熟睡刑事」
鷹山は声のする方に振り向くと、大下の顔を見た。そして顔を困惑させ、自身の胸に手を当てながら喋りはじめた
鷹山「…ユージ?あれ?…俺胸にドーンって弾食らって死んだはずじゃ…?」
大下「ちゃんと生きてるよタカ。もうほんっとうに眠りが深いから起こすのに苦労しちゃったよ。もっと俺みたいにシャキッと起き無いと。」
リン(大下先生もさっきものすごく熟睡してたのでは…?)
鷹山は、目覚めた時の大下と同じく辺りを見回した。病室では無くオフィス。窓の外には高層ビル群。あり得無い状況に困惑すると大下に話しかけた
鷹山「どうなってるんだよユージ。まずここ何処なんだよ。」
大下「タカ、かなり長くなるけど良い?」
鷹山「出来れば手短にお願い。」
大下「多分無理かも」
「俺もよくわから無いんだけどね、なんか目が覚めたらな……」
大下は目覚めてからのことを鷹山に話した。
鷹山「なるほどな、俺とお前は死んだかと思ったら生きていた。しかも気づいたら見たこともない場所にいて、お前は先生と呼ばれていて、そこの彼女に助けを求められていると。」
大下「そう言うこと。ちなみにタカは俺のツレと言う扱いらしいんだけど…」
「タカも先生ってことでリンちゃんに話通してよ良いよな?」
鷹山「そうしてもらえるとありがたいかな。」
2人は上手く話をまとめると、大下はリンに話しかけた。
大下「ごめんごめん!待たせちゃって。紹介するね、この人は鷹山敏樹。俺の同僚の刑…… いや先生!」
鷹山「鷹山です。今日からお世話になります。」
リン「この方も先生……まさか1人ではなかったとは。いや、先生が2人もいるとなれば心強いです。私は七神リンと申します。宜しくお願い致します、鷹山先生。」
リンは鷹山に挨拶を交わすと、大下と鷹山を案内してエスカレーターに乗り下の階へと降りていった。
エレベーターの外には大量の建物。街と街の間を流れる大きな河川。そして向く方向によって雰囲気の違う地域が目に飛び込んできた。
リン「『キヴォトス』へようこそ、先生。」
「キヴォトスは数千の学園が集まってできている巨大な学園都市です。これから先生が働くところでもあります。」
鷹山「数千の学園が…?」
大下「まるでSFだな。」
リン「きっと先生がいらっしゃったところとは色々な事が違っていて、最初は慣れるのに苦労するかもしれませんが……」
「でも先生なら、それほど心配しなくても良いでしょう。」
「あの連邦生徒会長がお選びになった方ですからね」
大下「横浜と違って平和そうなところだな」
鷹山「面倒な銀星会も犯罪も無さそうだし、意外と暮らしやすいかもな。」
(チン)
エレベーターが停止して扉が開いた。リンに続いて大下と鷹山も降り、後をついていった。
廊下を抜けると大勢が集まるレセプションルームのようなところへと付いた。何やらざわいついており落ち着きがないように見えた。
すると、1人の少女がこちらに気づき叫んだ。
ユウカ「ちょっ待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
大下、鷹山(また女の子が増えた…)
怒っている彼女を見た2人は面倒なことを察し、これからの行先が心配となってきたのであった。
しかし、その心配が想像のはるか上を行くものだとは2人は知る由もなかった。