最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第111話 狂人達の処刑台(ラザロ視点)

「いやーwwwオウフwww先日いきなりエイシャ殿が訪ねてきましてなwww『マフィアの場所が解ったからお前が潰してこい( -`ω-)キリッ』なんて言うもんだから拙者驚きましてなwwwでも話を聞けば、なんとこのマフィア、拙者のアイドルを襲っていたマフィアではありませぬか!!ってwww拙者のアイドルってwwwいやいや失敬失敬wwwこれは失言でしたなwww」

 

 俺の目の前で大男がペラペラと、訳の分からない事を言ってやがるが……そんなイカレタ糞野郎を前にして、俺は一歩も動けないでいた。

 

 それはなぜか?

 

 簡単だ。この野郎……ニヤニヤと笑って喋ってやがるが……体から発される圧倒的殺意を全く隠してはいなかったからだ。

 少しでも動いたら……それこそ逃げる素振りでもしたら、俺を殺す……と、この男の殺気ははっきりと告げていた。

 

「おっと拙者としたことが、名乗り忘れていましたな!!拙者、しがないドルオタですが……あ!ドルオタと言ってもドールの方ではなくてですなwwwドプフォwwwってこの状況でドールの方想像する奴は居ねーってwwwいや失敬失敬www」

 

 ぺらぺらぺらぺらと、くっちゃべりながらも一歩一歩俺に近づいてくる男。

 その右手には……これ見よがしに光り輝く大斧が握られている。

 

 俺は精一杯の去勢をはり、その男に言った。

 

「て……てめぇ……俺が誰だか「はいダウトー!!人の話は最後まで、黙って聞くものですぞwww」っく!!」

 

 正直に言ってしまえば……俺は今、今まで経験したことも無いほどの恐怖を感じていた……!

 

「拙者の名前はぁぁぁぁあああ!!デデン!!」

 

 次の瞬間目の前の男の雰囲気ががらりと変わった。

 

「勇者ギーツってんだ。……冥土の土産によぉおおく覚えてやがれ……。てめぇが今まで傷つけた、アイドルの子達の分も……てめえをぶっ殺す男の名前をよぉ……!!」

「!!!?……ひ……ひぃいい!!?」

 

 その瞬間俺は椅子から転げ落ち、腰を抜かして尻もちをついていた。

 

 今までとは比べ物にならない程の圧倒的殺意。

 その殺意は俺を必ず殺すと、明確に物語っていたからだ……!!

 

 勇者だって!!?なんでこんな所に……勇者がまた現れたってんだ!!?

 

「んもう!!ギーツ君!!簡単に殺したら面白くないでしょぉ??こういった奴は最大限に苦しめて殺さないと!!」

 

 尻もちをつき、怯える俺のすぐ背後から……声が聞こえた。

 

「ファーーーーwwww拙者としたことが!!ベリさんの言う通りですな!!……簡単に殺したんじゃあ……面白くねぇもんなぁ!!!」

「くほほほ!!そうよそうよぉ!!私はイケメン勇者君との契約で、人間に直接攻撃は出来ないけど……逃げない様にする事ぐらいできるわぁ!!!」

 

 いつの前に後ろに!!?

 他の奴がこの部屋に入って来た形跡なんざ……なかったぞ!!?

 

 そう思うが……俺は後ろを振り返れはしなかった。

 

 何故なら、目の前の勇者ギーツをも上回る圧倒的気配が、俺の後ろからひしひしとしていたからだ……!!

 

「私の可愛いアイドル達すら狙うかも知れない連中なんですもの。今まではこの国に守られてたみたいだけど……くほほほほほ!!アンタ達見捨てられた様ねェ!!!なら……もう遠慮なんて要らないわよねぇ!!?ねぇ!!ギーツ君!!!」

「その通りですなwww……さぁ……この世とのおさらばの準備は出来たかい?おれぁ元海賊なんでね……容赦なんて……しねぇぜ?」

 

 こいつらは俺を逃がす気なんて全くない。

 この狂人達を相手に、俺も逃げれる気なんてしない。

 

 だが……俺ぁ今までそんな窮地を何度も乗り越えてきた!

 こんな所で……死んでたまるかってんだ!!

 

 時間を稼ぐ!!時間さえ稼げば……クロスが俺を助けに来てくれるはずだ!!

 

「あ!!そーだ社っ長さん!!貴方に大ニュースがあるのよぉ!!聞きたいでしょ?」

「あん!?な……なんだ!!?」

「んふふ。それはねぇ……。頼みの綱の剣の勇者くん!どうやらコウちゃんに勇者としての権利を剥奪されたみたいよぉ!!!」

 

 …………………は?

 

 こいつは一体……ナニヲイッテルンダ?

 

 クロスが勇者としての権利を剥奪された?そんな事……ある筈……。

 

「ほーんとにあんた達勉強不足ねェ……。ま!この事は私達魔族があんた達に隠蔽したのもあるんだろうけど……。そもそも勇者ってのは白銀の(エンシェント)ドラゴンが選定するのよぉ?その白銀の(エンシェント)ドラゴンを害して、なーんで勇者続けられるって思っちゃったわけ??馬鹿なの??」

「デジマ!!?拙者も知らそんwww」

「んもう!んじゃギーツ君もこれを機に覚えといたらいいわぁ。勇者は特に白銀の(エンシェント)ドラゴンを傷つけるなんてリスキーな事、するもんじゃないってねぇ!」

「りょ('◇')ゞ!!まぁ拙者がコウたんを傷つけるなんてあり得ねぇですけどなぁwww」

 

 知らない。そんな事は知らない……。

 

 こいつは……こいつは嘘をついている……!

 

 後ろから嘘をくっちゃべる糞野郎に、俺は反論しようとして……。

 

「ボス!!!大変です!!!クロスさんが……勇者クロスさんが、黒い騎士に……多分、セントラリアで指名手配になってる黒騎士ってやろうに、殺されちまいました!!…って!!手前ら何もんだ……ぐべぇ!!?」

 

 部下が俺の部屋に慌てて飛び込んできて、ギーツに裏拳をかまされ気絶する。

 

「くほほ!黒騎士も本当にやるわねェ……。さて!じゃあ……もういいわよぇ??」

「お仕置きの時間だぜぇ??マフィアのボスさんよぉ……!!」

 

 ぽきぽきと手を鳴らして、ギーツが……俺の終わりがじりじりと近づいてくる。

 

「あ……ああ……ああああああああああ!!!!」

 

 こんな所で終わりたくねぇ!!

 まだまだ俺はこんなもんじゃねぇ!!やっとこれからなんだ!!クロスの力や、麻薬!!この国を牛耳る力が揃って……国王すら裏から操れるようになって……!!!

 聖王をも超える権力を得て!!俺に逆らう奴なんざこの街にもこの国にもいねぇ筈だったんだ!!

 

 なのに、なんでなんでなんでなんでぇ!!!!

 

「いやだいやだいやだ!!!死にたくないぃいいい!!」

 

「……お前が殺した連中も、お前が虐げてきた連中も……お前に辱められたアイドルの子達も……皆そんな想いだったさ……」

 

 泣き叫ぶ俺を無視する様に振り上げられた斧は、まるで処刑台のギロチンの様に真っすぐと降りてきて……。

 

「あ!やっべ!!結局あっさり殺っちまった!!」

 

 そんな声が耳に届いて、俺はそのまま意識を手放した……。

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