最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
目が覚めると全てが終わってた。
そういう経験をしたことはあるだろうか?
……お前はあるのかって?
まさに今!!その経験をしてるんだよ!!!
◆
俺が目を覚ますと、そこは知らない部屋だった。
「……知らない天井だ……」
何となく言ってみたくなって言ったが、本当に知らない天井である。何処だここ?
取り合えず俺はベッドから体を起こし、これまでの経緯を思い出してみる。
えーーーっと、確かクロスに連れられて、市長の所に行ったらそこにエイシャ達が居て……そんでエイシャ達がクロスを追い詰めたら……クロスが俺の首輪に電流流したんだった!!そんで俺は気絶しちゃって……それからどうなったんだ?
「コウ!!目が覚めたのね!!?」
俺が疑問に首を捻っていると、ミリヤが勢いよく部屋に入って来た。
よかった!!やっぱりミリヤは無事だったんだ!!
「お姉ちゃん!!良かった!!」
俺はミリヤの元に行くため、ベッドから降りようとして……ようやく誰かが俺の手を掴んで一緒に寝ていることに気が付いた。
俺の手を掴んで一緒に寝ていたのは……。
「ソフィ……」
俺と共にクロスに電撃を浴びせられたソフィアであった。ソフィアも俺と一緒で、あの場で気絶してしまったのだろうか?
俺はソフィアを起こさない様に、手をゆっくり放そうとして……さらにがっちりと掴まれてしまった。
俺の手を強く掴んでいたソフィアはゆっくりと瞼を上げ……そして俺を確認して優しく微笑んで言った。
「おはよう……コウ……。お互い……災難だったね?」
「おはよう、ソフィ!そうだね……でもお互い無事でよかったね……!」
お互いの無事を確かめ合い、二人で笑い合う。そんな事をしていると、ふとソフィアの首輪が無くなっている事に気が付いた。と、言う事は……!!
「首輪……取れてる……!ソフィ、私達……!」
「うん。もう奴隷じゃ無くなったみたいだね」
やったぁ!!あの後どうなったか知らないけど、上手くいったって事だろう!!
俺が喜んでいると、ミリヤが優しく俺を撫でて言った。
「ごめんね……コウ。酷い目に合わせちゃって……」
「お姉ちゃんのせいじゃありません!そんな事より……お姉ちゃんが無事で良かったです!!」
「……コウ……本当に、元のコウに戻ったのね……!」
「………???」
元のコウとは何ぞや??
私以外私じゃ無いの……当たり前だけどね??
なんて阿保な事を考えつつ……なんだかめっちゃ嫌な予感がする。
そんな冷や汗を垂らす俺を見て、ミリアは意を決したように言った。
「コウ……一体何があったか……説明するわね……」
◆
結論、第三の人格が目覚めてました。
まーじーかーよー。
まぁ……実は少しだけ疑問には思ってたんだよね!!だって俺って女神様に金の命と銀の命を貰った(有難迷惑)訳だけど、金の命……つまり黒騎士はなんだかすごい自我がある様な気がしてたんだよね。
よく心の中から俺に罵倒してたし、黒騎士に変身してても言葉とか……あるいは思考とかジャックされてる感がよくしてた。
俺の妄想なのかな??って思ってたけど、やっぱり黒騎士って人格はちゃんといる気がしてたんだ。
なら……銀の命は……?
普段のコウとして生活しているこの容姿だけど、本来は銀の命の姿……つまり、
なら当然黒騎士の様に、この
そして……実際に
んで、ここで怖いのが、
なんでこんな奴に私が一体化しなきゃいけないの?殺すわよ……!こんな奴……話しかける価値も無い!!って思って、俺に全然問いかけてこないとかだったら……俺はこれからどうすればいいんだろ?
って思ったけど、その後のミリヤの話を聞く限りそうでもない様だ。
それ所か
なんだか……すごく出来の良い妹が出来たみたいで、心がポカポカする!!
───……私が姉よ………!
………ん?今なんか電波が来たような……。き……気のせいだよな!!まさか俺と
───私が、姉よ……!!
自己主張激しいな!!?なんで今までダンマリだったの!!?黒騎士レベルで自己主張してくんじゃん!!
「コウ……?大丈夫?……ごめんね?いきなりこんな話聞いたら……混乱するわよね」
「……!いえ!大丈夫です!今……心の中の
───私が、姉よ!!そこだけは……譲れない……!
なんで!!?そこ譲ろうよ!!
大体にして
そして俺は前世では十四年も生きてる!!つまり……どう考えても俺の方が姉ないし兄の筈だ!!
───精神年齢よ……!
なん……だと……!?
せ……精神年齢が君より低いと申すのか……!?この……俺が……!?
「コウ……本当に大丈夫?あんまり顔色が良くないけど……」
「だ……大丈夫です……。ねぇお姉ちゃん!私……精神年齢高いですよね!?お姉ちゃんから見て……私のもう一つの人格より、私の方が年上に見えますよね!?」
「…………コウは何時までもかわいいわね……」
そう言って頭を撫でてくれるミリヤ。
うわーい。ミリヤに頭を撫でられるのは本当に好き……いや待て!!これははぐらかされてないか!!?
「お……お姉ちゃん……!?」
「話を続けるわね?それで……どこまで話したかしら?」
…………その後、ミリヤによって事の顛末の説明を受けたが……俺はそれよりも、自分の精神年齢が低いとミリヤに断言された(言われてはない)ショックで、話がほとんど頭に入って来ないのであった……。
「で、コウの中の
へーすごーい。ミリヤが剣の勇者かーーー。
…………え!!?待って!?剣の勇者!!?ミリヤが!!!?
「お……お姉ちゃんが剣の勇者……!!」
「そうよ!!ちゃんと聖剣も持ってるわよ!……見る?」
呆然とする俺を余所に、ミリヤは腰に差していた聖剣を鞘から抜き、俺に見せてくれる。
そんなミリヤを俺は話についていけず、只々呆然と見ているのであった……。