最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
いつの間にか新しい人格が表に出て、俺の姉が勇者になってた件。
なんだか話について行けなくなってきた……。久々に目が回るよ……話の展開が凄すぎて……。
「ちょっと!コウ大丈夫!?」
「は……はい……。なんだかついて行けず……目が回っちゃって……」
目をぐるぐるさせながらも俺は、とりあえずミリヤからの説明を頭で整理する。
まぁとにかく、その力は知らなかったけど、ミリヤが次の勇者に選ばれた事はすごく嬉しい!!だってミリヤはこの世界で俺が最も信頼している人なのだから……!
後どうでもいい事なんだけど、それを
……まぁそれは置いといて、気になる事……勇者の権利を剥奪されたクロスは……一体どうなったのだろうか?
俺とソフィアの首輪が外れているという事は、もう俺達は奴の奴隷じゃないのは間違い無い筈だけど……当の本人は?
「あの……クロスさんは……どうなったんですか……?」
「ああ、あいつね……。クロスは……死んだわ。スラムの裏路地で死体が発見されたらしいの。そしてクロスを殺したのは……黒騎士らしいわ」
「………………え??」
え??黒騎士???な……なんでここで黒騎士が……!?
もしかして偽物!?それとも……俺が気絶して
おしえて!!俺の心の黒騎士or
……………だんまりかーーい!!
まぁ正直黒騎士にはあんまり期待してなかった!!あいつ俺を罵倒する時以外はとんと出てこないし!!でも
でも……クロスを殺したのが本物の黒騎士にしろ、違うにしろ、もう噂が立ってる時点でどっちでもいい気がする!!
「キーー……」
「グギャギャ……」
いつの間にか俺のベッドに乗っていたキーちゃんと黒い小さなドラゴン?が俺を慰める様に鳴く。
「ありがとう……」
二匹を優しく撫でて俺は荒れた意識を落ち着ける。
……アニマルセラピー………ん?何この小さなドラゴン??
「あ!その子の事紹介するわね!その子は小さくなったジャバウォッキーで、エイシャ曰くなんかクロスの騙されてたんだって。そして私が勇者に選ばれたら、何か懐かれちゃって、連れて行こうかな?って思ったんだけど、ジャバウォッキーって大きいでしょ?それで困ってたら……小さくなったのよ!」
『よろしく頼む。
………マジか。
なんか……俺が気絶している間にホントに多くの事があったんだな……。マジでついていけなくなってきた……。
ジャバウォッキーがミリヤに懐いたこととか、小さくなれる事とか、俺がいつの間にかドラゴン語を理解してる事とか、黒騎士がクロスを殺した事とか……。
もう完全にキャパオーバー……。
「それでね……って!!コウ!?大丈夫!!?」
「コウ!?どうしたの?……コウ!?」
「キーーー!!?」
「グギャギャ!!?」
俺はミリヤやソフィアの声が遠くに聞こえるのを感じながら、目をぐるぐるさせて気を失ってしまうのであった……。
……あ!どうでもいい事だけど、ドラゴン語はそういや先代
◆
なーんて感じで一回また気絶しちゃった訳なんだけど……俺がいるのは今どこだ??
辺りが真っ暗で何にもない空間に、今俺はポツンと立っていた。
普通なら……こんな状況なら混乱するんだろうけど、多分これは……。
「そこにいるんだろ?妹!!」
「………ふふ。妹じゃないわ?コウ……お姉さんよ?」
俺の思った通り、そこには俺と瓜二つの少女が立っていた。……というかこの少女こそ俺の容姿の元になっているんだから、俺の容姿と瓜二つなのは当然だけど……。
ここは……多分俺の精神世界みたいな所なんだろう。
あ!俺の精神世界なら、今の俺の容姿ってもしかして前世の容姿なのかな!!?
「いいえ、違うわ。貴女の容姿は私と一緒……。そもそもこの世界に降り立って、私達の器になった時点で、貴女の昔の容姿は残ってないわ」
「……え!!?そうなの!?あれ?この世界に来ていきなり襲われて、最初に変身した時、俺って男だった様な気がしたんだけど!!?」
「それは俺の容姿だ……阿呆が」
むむ!!このくぐもったいかにも嫌味っぽい声は……!
「黒騎士!!」
「ふん。ようやくお目覚めの様だな?随分とまぁぐっすりの眠り姫だったなぁ?」
俺の後ろに立っていたのは、俺が何時もお世話になっている最強戦士、黒騎士だった!
……ん?お目覚め??俺は今またキャパオーバーで気絶してるんだけど……。
「貴女は前回からの深いダメージを負っていたの。それは……バエルと戦った時に使った
「ほえーーー」
「ちっ!間抜けな声を出すな!!危うくお前は廃人になる所だったんだぞ?そこの
怒られちゃった。
でもしょうがなくない??バエルとの戦いだって避けれなかったんだし、今回だってなりたくて奴隷になった訳じゃないし……。
「ふふ。そう拗ねないで?黒騎士も貴女の事を心配してるのよ?」
「していない!!……まぁ本体が廃人になったらこっちも困るのでな?その点では少しは思う所があるがなぁ……」
素直じゃないんだから、と言う
うーーん。
正直黒騎士はもっと俺の事嫌いなのかと思ってた!
でも実際話してみると、思った以上に嫌われてないのかな??……だとすると……ちょっと嬉しい!!
だって黒騎士の力のお陰で今までずっと戦ってこれたのだ!結構傷つくことを言われてきたけど、やっぱり黒騎士だって俺の一部なのだから仲良くしたい!!
「……!!っち!!本当にお前は……調子の狂う餓鬼だ!!」
「ふふ。私も勘違いしてたんだけど、彼……思った以上に貴女の事、嫌ってないみたいね?」
そう言って朗らかに笑うシェンに釣られて俺も笑顔になる。
「というか……シェン??」
「
「ふふ。素敵な名前ありがと」
不公平だ!!っと抗議する俺を余所に笑顔で俺に礼を言うシェン。
はぐらかされたのは非常に気になるが……まぁお礼を言われて悪い気はしないな!
そんな俺を微笑んで見ていたシェンは……少し真面目な顔を作って言った。
「コウ……これから貴女に大事な話をするわ。……聞いてくれる?」
そう言って真剣な目で俺を見つめるシェンに、俺はちょっと生唾を飲み込んで、コクリと頷くのであった。