最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
ううーん。
本当にあれでいいのかな?
俺は蹲ってしまったダン君を見て……ひぃ!!?
なんでダン君は俺を憎しみを籠った目で睨んでるの!!?
もしかして……俺がソフィアを奪ったって思ってるの!!?違うんですけど!!?
俺はダン君に弁解したかったが、その後ミリヤ達が迎えに来て結局ダン君への誤解(?)を解くことは出来なかった。
何かとてつもなく嫌な予感がするが……取り合えずもうどうする事も出来ないのでしょうがない。
それにしても、最初ソフィアが俺達について行きたいと言った時には驚いた。
なんでもエルフとしての使命として、
エイシャ曰くエルフはとても希少な種族で、普通は生涯その姿を見る事も叶わないような……言い方悪いけど、雪山のイエティみたいな存在らしい。
だからそのエルフ達の使命なんて俺達には解らないので、ソフィアがそう言うなら間違いはないのだろうが……本当にいいのだろうか?
ダン君はソフィアとまた一緒に生活するために、ミリヤに手を貸してくれたそうだし、俺としてはソフィアには使命なんて気にせず自由にしてほしいのだが……ソフィアは決意は非常に固かった。
「奴隷の首輪があったから力になれなかったけど、首輪がなければ私は多彩な魔法が使えるの。勇者様や聖女様には劣るかもしれないけど、足手まといにはならない……!それに、私自身がコウの力になりたいの!お願い……コウ……。私も貴女達の旅に連れて行って……!」
と、決意の籠った目で言われて、俺はそれ以上何も言えなくなったしまったのだ。
まぁ本人がそう言うなら、俺に止める権利なんて無いし、エイシャやミリヤ達も特には反対しなかったので、ソフィアはエイシャご一行に加わる事になったのだ。
ダン君の事は非常に気になるが……今は置いておこうと思う。……ゴメンね……ダン君……。
……あ!!ちなみにギーツとベリアルは帰りました。
やる事やってもらって、ハイさよなら!!ってのはいいのかなーって思ったけど、あのマフィアが居なくなっても別の脅威もあるかもしれないので、余りセントラリアから離れたくはないそうだ!
まぁ目下の脅威も居なくなったし、ギーツ達がこれからも皆を守ってくれるなら、ミルクたちアイドルも安心だろう!!
「そうそうコウちゃん!貴女
っと、ベリアルが去り際に忠告してくれたが……言われなくてもそんなに使うつもりありません!!ていうかまだそんなに使えません!!
まぁ何はともあれ、こうして今度こそ俺達は、目的であった温泉街へと出発したのである!!
◆
今回もほんとーに大変だった。
いきなり襲われるし、ミリヤ達とは離れ離れになるし、奴隷になるし……。
俺の心の中の
でもまぁ新しい仲間も増えて、今度こそ無事に温泉へ行けるからいいのかな?……と思うが……やっぱり一つ気がかりなことがある!!……それは……。
「何故黒騎士は……クロスを手にかけたのだろうな……」
「……解りませんが、今までの彼の行動から考えて……少し違和感を感じますわね……」
「うーーーん。それって本当に黒騎士だったのかしら?あいつって魔族は殺しても、人間を……しかも自分と関係ない、元とはいえ勇者を殺すなんて……ちょっと考えられないわよね」
温泉へと向かう馬車の中で、エイシャとマリィ、そしてミリヤが訝しげに話す内容に耳を傾ける。
ちなみにソフィアは俺の隣の席で寝息を立てていて、俺もそれに合わす様に寝たふりしてます。あとキーちゃんもジャバ君も寝てます。
………そう!そうなのだ!!
俺は心の中でシェンと黒騎士と会話した時に、黒騎士がクロスを殺したのかどうかを聞くのをすっかり忘れてしまっていたのだ!!
今心の中の黒騎士への会話は禁止されてるので、もう聞くことも出来ない!!なんてこった!!
……もし答えてくれても、何かはぐらかされそうな気もするけど……。
まぁ例え黒騎士が殺していたにしろ、殺してないにしろ……今や黒騎士はこの国一番のお尋ね者だ。
前回のセントラリアでの街の破壊、そして今回の勇者クロスの殺害容疑で、黒騎士へ掛かっている懸賞金はなんとこの国の歴史上もっとも高くなってしまったそうだ!!
勇者を殺すなんて大罪だし、黒騎士が指名手配されるのは当然なのだが……クロスがやってきたことを棚に上げられるのはなんかちょっと納得いかない!!
そんな思いをしつつ、寝たふりしながら……俺の頬に冷や汗が流れる。
つまり何が言いたいかというと、毎度のことながらなのだがこんな状況で、実は俺が……なんて絶対に言えない!!そう!!
黒騎士の中身が俺だと、絶対にバレる訳にはいかない!!!