最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
スティーブさん達がエントランスから去ってしまったので、これ以上ここで皆で居ても仕方がなくないか?という話になり、取り合えずその場は解散という事になった。
残った人間だけでもエントランスに居た方がいいんじゃないかとも思わなくは無いが、オーナーさんや従業員の人達は仕事があるし、そもそも犯人が捕まるまでエントランスに集まっておくのか?って話になってしまった訳である。
一応部屋から極力外には出ない様に……とホズムさんから忠告を受けた訳だが、それはどっちかというとスティーブさん達に言うべきセリフだと思う。だってあの人たちなんか危なっかしいし……。
そして俺達は部屋へと戻り、ミリヤとマリィは俺達が心配だと、俺とソフィアの部屋で今一緒に居る。
ミリヤはエイシャの元へ行かなくても大丈夫なのかな?と思ったが、そんな俺の考えを見抜いてかミリヤが笑いながら言った。
「エイシャなら大丈夫よ。まだ刃竜の巣を特定するだけだろうしね!それよりもこっちの方が心配だわ!」
との事なので、取り合えずエイシャは大丈夫なのだろう。
俺は部屋でケージから出したキーちゃんと戯れながら、さてどうしたものかと考えていた。
外のドラゴンはエイシャ達に任せるとして、問題は旅館に居る殺人犯だ。早く犯人を見つけないと、このままでは温泉に浸かる所の話ではない。
とはいえ今の俺に出来る事などほとんどないし、殺人犯を捕まえる事なんてまず無理だろう。だって今、黒騎士に変身しちゃダメだし……。
……まぁ本音を言えば黒騎士に絶対に変身出来ない訳じゃないんだけど、本調子じゃないのに変身したら、俺の中のシェンに怒られそうなので控えているのである。
ん??そう言えばシェンが
……というかどうでもいい事なんだけど、俺はキーちゃんをケージのまま温泉に連れて行こうとしてたけど、キーちゃん温泉に入れる訳じゃないんだからどうするつもりだったんだろ……。わざわざ連れて行かなくても部屋で待っててもらった方が良かったんじゃね??あと、普通にジャバ君ずっとミリヤの肩にいるけど、その事について誰も突っ込まないんだな……。
などとどうでもいい事を考えながら、暫くキーちゃんと戯れていると……。
「うわああああああ!!!?ホラン!!?ほ、らーーーーん!!!」
という、ケビンさんの叫び声が旅館に木霊した!!
「っつ!!言わんこっちゃないわね!!」
「すぐに向かいましょう!!……コウ様!ソフィアさんと部屋から出ないで下さいね!?ソフィアさん!コウ様を宜しくお願いします!!」
「え!?」
「……分かった。コウは任せて」
ミリヤは直ぐに部屋から飛び出て行き、マリィはそんなミリヤに続こうとして……それに続こうとしていた俺に待ったを掛けた。
そしてソフィアに俺を任せて部屋から出て行ってしまう。
「コウ、ここで聖女様達について行っても、私達じゃ何もできないよ?それよりも部屋で大人しく待ってよ?」
「うう……そうだね……。大人しく部屋で待っとくよ……」
「ふふ。いい子だね?……コウ」
ソフィアに頭をよしよしとされながら俺は、嫌な予感でいっぱいになっているのだった……。
◆
結果は……まぁ案の定というか、こういっては非常に失礼なのだが……やはりホランさんは亡くなっていたそうだ。
でもこれは殺人ではなく、ホランさんは自殺だったらしい。
エントランスから飛び出した後、ホランさんは自室の鍵を閉め完全にケビンさんを部屋から閉め出して一人で閉じこもってしまったそうだ。
ケビンさんはしばらくしたらホランさんも落ち着くだろうと、少し一人にしてあげたらしいのだが……それが失敗だった訳だ。
何故ならその後、旅館を少しぶらついた後部屋に戻ったケビンさんだったのだが、部屋の鍵が開いているのに気付いて部屋に入ると……首をつって亡くなっているホランさんを発見したらしい。
そして足元には遺書があり、そこには……愛するシャーロットさんが殺された事で、生きる希望を無くしたと書かれていたそうだ。
……ん?ホランさんってケビンさんの恋人じゃなかったっけ?って思うけど……まぁそこはなんか複雑な恋愛事情があったのだろう!人の恋愛事情に口を突っ込むのよくない!!
さて、これがホランさんが亡くなっていた概要なのだが……事件はこれでは終わらない。
なんとこの自殺と並行して、もう一つの事件が起きていた!!
それは……時を同じくして、殺人が起きていたのだ!!
しかも殺されたのはこの旅館のオーナーであるリュウロウさんで、なんと自室で刃物に胸を刺されて殺されていたらしい!!
殺されたのは恐らくエントランスから自室へ戻った後直ぐぐらいの様で、争った形跡などは無かったそうだ。殺されたオーナーさんの死体を発見したのは女将さんだそうで、そのショッキングな現場に遭遇した後悲鳴を上げて気絶してしまって、まだ目が覚めていないそうだ。
その悲鳴を聞きつけた他の従業員が、慌ててホズムさんを呼び出したらしい。
こうして混沌渦巻く温泉旅館は、また新たに二つの事件が起きた事によってまたさらに混沌を深めていく。
一体誰が何のためにシャーロットさんとオーナーを殺したのか、そしてホランさんは本当に自殺なのか……。そして事件を起こした犯人は一体何処にいるのか……。
外の
解決の糸口が見えないまま、ただただ時間だけが過ぎていくのであった……!
……あ!後なんで部屋で大人しくしてた筈の俺が、こんなに事件に詳しいのかというと、なかなか戻ってこないマリィとミリヤが心配になり部屋をちょっと出た時に、たまたま出くわしたホズムさんが二つの事件の詳細をめっちゃ饒舌に語ってくれたからである。
そしてそれを見つけたミリヤに、余計な事を俺達に語ってんじゃねぇ!!っとホズムさんは思いっきり殴られていたのであった……!
……まぁ俺がホズムさんに根掘り葉掘り聞きたくて聞いた訳じゃないけど、なんかゴメンね!ホズムさん!!