最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
私はそう思いながらも、吹き飛んで行ったシトリーの元まで羽ばたいていく。
コウだって、意地悪で私に死んだシトリーを見せつける為にあんなことを言った訳では無いだろう。
黒騎士に変身してもコウはコウなのだ。ちょっと……所か大分抜けてるコウだが、恐らくは私とシトリーの関係を察してシトリーをどうするのかを任せてくれたのだ。
まぁ自分の攻撃の威力をいまいち自分で把握していないのもコウらしいが……なんて思いながら、私はシトリーのすぐそばまで近づく。
ぐったりとしてピクリとも動かなくなっているシトリーだが……私の予想に反して、何と微かに息をしているのが解った。
こうなると困ってしまう。
このままシトリーを放置してミリヤ達の元へ戻るか……それともここで完全にシトリーの息の根を止めるべきなのか……だ。
「キー……」
「………ヴェネア……様……?」
私がどうするか迷っていると、シトリーは微かに目を開け……ゴフっと言う音と共に口から血を吐き出した。
……やはり……彼女の命は長くは無いのだろう。
私はここで完全に決めるべきなのだ。
彼女達魔族と決別して、コウ達の……人間側に就くか、それともここで彼女を救ってコウ達と決別するか……だ。
そしてその答えは私の中で既に決まっている。
「……申し訳ありません……どうやらしくじってしまった様です……。前言った通り、本当に……貴女様の力を戻す……方法が……あったのですが……。私はどうやら……ここまでの様……です……。ヴェネア様も……どうか……」
「………」
私はこれからの身の振り方を完全に決めている。
……でも……それでも今回だけは……。
『お疲れ様……シトリー。後は私に任せて、ゆっくり休みなさい……。大丈夫、私の計画は完璧よ?この姿になったのも計画の内。黒騎士も
「!!!……ふふ……流石はヴェネア様……。嗚呼……良かった……では……後は頼みます……薄汚いエン……シェン……ドラゴン……も……人間どもも……みな……ごろ……し……に……」
安心したように吐き出したその言葉を最後に、シトリーは動かなくなった……。
私はそんなシトリーを見て……目から一筋の涙を零す。
そして……この涙と先程の嘘を手向けに、私は魔族と決別する!
今後もう私は迷わない。
コウの命ある限り……コウが私を傍に置いて居てくれる限り、私は人間達を守る為にコウと共に戦おう!
それが多くの人達を不幸にしてきた私の……償いでもあるのだから……。
私はもう動かなくなったシトリーを後に、ミリヤ達の元へと飛び立とうとして……やはり
かつての私は、ミリヤを操った時の様に、人や魔物を操る力を持っていたいが………正直、今の私の力では、あの強大な
それに……今私一人で戻ると、コウは一人きりと言う事になりミリヤ達を余計混乱させてしまう恐れがある。
故に私はコウを見つけるべく、空へ向かって大きく羽ばたくのであった。そこにもう……全くの迷いは無かった……!
◆
コウが旅館の奥へと消えた後、私は直ぐにでもコウを後を追おうとしてホズムにそれを止められた!
確かにホズムの言う通り、この旅館にこれ以上
やっぱり私としてコウが心配なのでついて行きたい!!
最近はそんな素振りが無かったから安心してたけど、コウを拾って最初の頃は、結構思い立ったら直ぐに行動しちゃうタイプの様でいきなり居なくなったりしてたのだ!
その先で怪我した人とか、魔族に襲われて動けなくなっていた人とか……まぁいろいろな人たちが居たりした訳だが……。
だから心配なのだ。
私の目の届かないところで、コウが危険に晒されてしまうなんて……心配で居ても立っても居られない!!
だってコウは、この場面で怖気づいて逃げてしまった……なんて事は絶対に無いから、何かを感じ取って行動したに違いないのだ。……だから私も……!!
だが、そんな私の気持ちも余所に、
ジャバ君を除いて、この旅館で戦力になるのは……正直ソフィアしかいない。
そんなソフィアも、マリィに守られている人たちとマリィを守るので精一杯で私の変わりなど出来ないだろう。
かく言う私もジャバ君が取りこぼした
「ミリヤさん、冷静になって下さい……。私はコウさんが行きそうな場所を知っています。そして……コウさんは間違いなく無事ですよ!」
私の傍で、周りに指示を出しているホズムが私にウインクしながら言うが……正直この探偵の言う事はうさん臭くてどこまで信じていいのか解らない!!
というか……こいついつの間にか魔族取り逃がしてるじゃない!!何やってんのよ!!
「あんた……魔族どうしたのよ!?取り逃がしたの!?」
「……ミリヤさん。集中して下さい……。
はぐらかすなぁ!!
そう思い声を荒げようとした時、ホズムは静かな……しかし芯のある通った声で私に言った。
「ミリヤさん、貴女の心は今乱れている。それでは聖剣を上手く扱う事など出来ない……。どの神器もそうだが、神器とは自らの心臓からの魔力を神器に流し込み、それを神力に変換して攻撃する。その時大切なのは揺るがぬ心と強き心だ」
「……!!?」
私は何時こいつに自分が持っている剣が、聖剣だと言った!!?
「乱れた心では神力を扱う事など出来ない。確かにコウさんが心配だろうが、今大切なのは目の前の敵を素早く倒し、そして安全を確保してコウさんを迎えに行く事ではないのですかな……?」
「……く!!」
確かにこいつの言ってる事は正しい!!正しいのだろうけど……なんかしたり顔でこいつに言われると腹立つわね!!
でも……確かにホズムの言う通りだ。
私は一度息を整えて、取り合えず雑念を振り払い、目の前の敵に集中する……。
「そう……。大切なのは神器と心を通わせ、息を合わせる事だ。独りよがりの力は大した力は生み出さない。集中して、神器の言葉に耳を傾け……そして解き放つ!!……それが勇者というものですよ?ミリヤさん?」
お前にそれが出来るか?……そう問いかける様にホズムが私に挑発する。
……本当に腹が立つ男だ。
でも……やってやろうじゃ無いのよ!!
こいつがなんで私が勇者になってるの知ってるのか?っとか、コウは今大丈夫かしら?っとか……そんな思いはひとまず端に追いやり……私は聖剣を構えた。
「グルグアアア!!!」
そんな私に
私は聖剣を高く掲げ、そして……自分の持つ魔力を最大限聖剣に溜め、一気に振り下ろした!!
「
私の魔力を聖剣は巨大な雷に変え……
その雷は、