最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
山賊に襲われていた女性を、ミリアが助けたが……いきなり襲われたショックからか、彼女は気絶してしまった。
そんな彼女をミリヤが支えてくれたが……さてどうしよう?
このまま雨に打たれるとそれこそこの人体調崩しちゃうかもしれないし……どこか雨宿り出来そうな所無いかなぁ……。と思い辺りを見回すと……この女性が乗ってたであろう、倒れた馬車を見つけたのである!!
幸い起こせばまだ動きそうだったので、警備隊が急いで馬車を起こしてくれて、気絶した女性と俺とソフィアを乗せてくれた。
……あ!!
因みになんで車輪取れた馬車で雨宿りしなかったんだ?って思うかもしれないけど、あの馬車……幌馬車だったため、屋根が布だったんだけど……車輪取れて俺達が降りると同時に馬車も倒れちゃって、その時屋根の布が壊れちゃったのである。……降りた後倒れて良かった……。
でも、この女性が乗っていた馬車はちょっとしたお貴族様が乗る様なちゃんと扉と屋根が一体化になってる様な馬車なので、幌馬車と違って作りが頑丈だったのか、倒されてもあんまり壊れてなかった!!
なので……対面式の椅子に反対側に女性を寝かして、俺とソフィア(とキーちゃん)がその対面に座れたのである!
ミリヤも乗って欲しかったけど……本人曰く、自分は頑丈だし、少々雨にぬれても大丈夫!っと言って聞かなかったので渋々俺とソフィアだけで乗り込む事になった。
このまま迎えの馬車待っても良かったんだけど……幸い馬車を引いてた馬は襲撃と同時に馬車を倒された時に逃げてた様で、暫くして帰って来てくれたみたいだ。
御者も無事だし、どうやら目的地は王都の様なので……もういっそこのまま行っちゃおうか?って事になった。
こうして俺達は、気絶したままの女性の馬車に乗せてもらい、王都まで行ける事になったのだ!!……まぁ気絶してる女性が目を覚まして、お前達と一緒に行くなんて絶対にいやだ!!って言われたらその場で降りなきゃいけないけど……。因みにミリヤは御者の隣に乗ってます。
そんで馬車に揺れる事数分……ようやく目の前の女性が目を覚ました。
「っは!!私は……寝てたのかしら……?確か夢でコウちゃんに会って……」
寝ぼけ眼を擦りながら言う女性だが……何で俺の名前知ってんの?
そう思いながらも、俺は彼女に声を掛けた。
「あの……大丈夫ですか?」
「ひえ!!?コ……コウちゃん!!?」
「え……っと。はい……コウです。すみません……勝手に馬車に乗せてもらってます……。あの……体は大丈夫ですか?」
ホント何でこの人俺の名前知ってんだ?多分初対面の筈なんだけど……。
というか隣に座ってるソフィアが、この人が俺の名前知ってる事を不審に思っているのか、若干臨戦態勢に入ってる気がする……。
そんなソフィアの手を握って落ち着かせつつ、俺は再度女性に問いかけた。
「貴女は山賊に襲われて……それをお姉ちゃんが助けてくれたんですけど……それは覚えていますか?」
「お姉さん?……ああ!!あのすごく強かった女性ね?あの人が……コウちゃんのお姉さんなのね……」
「はい。えっとそれで何度も聞いて申し訳ないですけど……体は大丈夫ですか?傷は私が癒しましたけど……」
「癒し……ああ!!大丈夫!!大丈夫よ!?……えっと、助けて貰ってお礼言うのが遅くなってしまったわね……助けてくれて本当にありがとう!!……お姉さんは?」
そう言って首を傾げる女性に、俺は安堵の息を吐く。
どうやら思考が纏まってきたのか、大分状況が解って来たみたいだ!
「お姉ちゃんは前の御者の人の隣にいます!」
「そうなのね……後でお礼を言わないと……。それにしても……こんなところで生コウちゃんに出会えるなんて……夢にも思ってなかったわ!!」
「えっと……どうして私の名前を……?」
ようやくまともに会話できそうなので、さっきから思ってた疑問を女性に投げかける。
「ああ!!それは私が貴女のライブを見たからよ!セントラルステージの!!」
「!!!」
セントラルステージ!!
って事はこの人は……あの時のライブに居たのか!!
やばい!!そう思うと恥ずかしくなってきた!!
あのヒラヒラのアイドル衣装で、歌って踊ってる所を見たことある人が目の前に居るなんて……めっちゃハズいんだけど!!
セントラルステージというワードがいまいちピンと来てなくて、首を傾げているソフィアの横で、俺は頬を朱くしながら口を開いた。
「えっと……それはありがとうございます?」
「いえいえ!!こっちこそありがとうよ!!私、たった一曲しか貴女の歌ってるところ見てないけど……それだけで貴女の……コウちゃんの大ファンになったのよ!!だからこうやって逢えて光栄だわ!!」
うああ、やめて!!
正直ファンと言われてめっちゃ嬉しいけど……それ以上に恥ずかしいから!!
「コウ?セントラルステージって何?歌ってるって……コウは一体何してたの?」
「え!!?貴女セントラルステージを知らないの!!?正直この国でもかなり有名な祭典よ!?」
「……知らない……」
「そう……じゃあ教えてあげる!!セントラルステージっていうのわね………」
そう言って女性は身を乗り出し、セントラルステージを知らないソフィアに事細かく説明してあげるのだった。
何か何事にもあんまり興味なさそうなソフィアが、彼女の説明には食い気味に聞いてるけど……ソフィアそういうの興味あったんだな……。
そして一通りセントラルステージの事を女性が説明すると、最後にそのセントラルステージの舞台に俺が立っていたことを説明し終えた後…………ソフィアは若干怪しい笑みを浮かべて俺に言った。
「そっか……。コウが体を癒そうと思ってたのは、またアイドルする為だったんだね……」
「うえ!?いや……それもあるかもだけど……それだけじゃ無くて……!」
「ううん、解ってる。次のステージ……私楽しみにしてるから……。だってコウはもう……体、治ったもんね?」
「え!!?そうなの!!?コウちゃん体調治ったの!!?じゃあ……来年は大丈夫そうなのね!!?良かったわぁ……。じゃあ来年は、コウちゃんアイスちゃんクルミちゃんの……トリプルトップ達による夢の舞台になるのね!?それは……もう最強のグループよね!!?楽しみだわぁ……!!」
「うん。私も楽しみにしてる……ね?コウ……。えっとそう言えば貴女は?……私はソフィア」
……当事者の俺を無視して話進めるの、辞めてくんない?
というか本当に珍しいな!!ソフィアが自分から名乗って、相手の名前を聞くなんて!!
「そうだったわね!!ごめんなさい!!つい楽しくて、名乗るの忘れてたわ!!私はシスタ!シスタ・フランソワよ?よろしくね!!コウちゃん、ソフィアちゃん!」
そう言って笑顔を作るシスタさんに、俺は若干疲れた笑みを向けて頷くのであった……。