最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第153話

「では……俺も一度国に戻るが、コウ……本当に気を付けてくれ。君が思っている以上に……狙われていると言う事を忘れないでほしい」

「はい!エイシャ様もお気をつけて……!」

 

 俺達がフォストニア学園に編入して早三日。

 問題なく学園生活を送れている事を確認したエイシャは、ついにこの街を離れて一度帰省する事になった。

 

 俺達は今、学園の寮に住まわせてもらっている。

 シスタさんは何時までも彼女の実家で過ごしてくれて構わないと言ってくれたが……流石にずっとお世話になりっぱなしってのは憚られるので、寮に入れてもらう事になったのだ。

 

 ……因みに学費と寮費は義務教育なんで、なんと無料です!!

 この国の人間じゃない俺達までそれでいいのかな?って思ったけど……そこは学園長の遠い親戚って設定なのでオッケーらしい……。大丈夫、それ。詐欺じゃない??

 

 まぁともかくそういう訳で、俺達はフランソワ卿のお陰で何不自由無く、学園生活を送れている訳だ!!

 最初絡んできたルーカス率いるグループも、一回ティファさんに牽制されてからというもの特に絡んでこなくなったし、そのお陰でクラスメイト達ともそこそこ打ち解けたと思う。……ティファさん達意外とほとんど話してないけど!!

 まぁたまに意味ありげにこっちを見てニヤリとしてるルーカスはちょっと気になるが……気にしてもしょうがないのでほってます。

 

 そんな俺達を見て少しは安心したのか、こうしてエイシャも一時帰国に踏み切った訳なのである。

 

「用事を終えたらすぐ戻ってくる。その間……コウの事は任せたぞ?ソフィア」

「ずっと戻ってこなくて……ゴホン。了解……コウの事は任せて?」

 

 エイシャは俺の事をソフィアに任せると、もう一度俺に向きなおって言った。

 

「コウ……では……行ってくる……」

「はい!……いってらっしゃい……」

 

 その挨拶を最後に、エイシャは名残惜しそうにしながらも……瞬間移動を発動して、目の前から消えて行った。

 

 うーーん。やっぱりずっと一緒に居た三人が居なくなると、ちょっと寂しいな……。

 ていうか、俺前回の旅館の事件で、もっとエイシャに向き合おうって思ってたのに……なんか出鼻を挫かれちゃったな……。

 

 そんな風に少し浸ってる俺と違い、ソフィアは随分と上機嫌だ。ソフィアって……あの三人嫌いだったのかな?

 

「ソフィは……エイシャ様達が居なくなって寂しくない?」

「寂しくは無いよ?……あ!!別にあの三人が嫌いな訳じゃないよ?えっと……ほら!どうせ直ぐに戻ってくるだろうから心配してないし、何より私、学校とか通った事が無いからそれが楽しくて……ね?」

 

 なーるほど!そういう事が!

 確かにソフィアはエルフだし、人間の学校とか通った事はないだろう!だからそれを今楽しんでいるのだ!!

 だとしたら俺も……何時までも学園に通うの嫌だなーなんて思ってないで、せっかくの機会なのだ……全力で楽しまないと!!……それこそ楽しんでるソフィアに失礼だ!!

 

 それに……これは寂しがってる俺に、ソフィなりに気を使ってるのかもしれないしな!!

 

「うん!そうだね、ソフィ!なかなか無い機会だもんね……。精一杯楽しもう!」

「うんうん。その意気だよ?コウ。皆が居なくなって寂しい……よりも、せっかくの学園生活……目いっぱい楽しもうね?……私と二人っきりで……ね?」

「うん!!」

 

 そう言って二人で笑い合う。

 

 よっし!!ここからは……全力で学園生活を楽しむぞ!!

 

 

「こんな問題も解らないんですか?コウ。貴女は本当に今まで勉強を疎かにしていたのですね……」

「うううう。ごめんなさい……」

「コウをいじめないで。後私もこの問題解らない」

「はぁ……。まったく。お二人とも、そんなのだから顔だけで生きてきた。とか、どうせ男に媚びて今までやってきた。とか言われるんですよ!?……いいですか?ここはですね……」

 

 はーい。

 絶賛居残り補修中のコウです。

 

 いやーーー。マジさっぱり勉強が分からない。

 どん位分かんない言うと、レベル〇び太君ぐらい。つまり全て0点レベルである。授業聞いててもまるで異次元に来たみたいだ……まぁ実際異世界に来てるんだけどな!!

 

 なので授業が終わった後の放課後に、ティファ捕まえてこうして勉強教えて貰っている訳である。

 

 幸いティファも寮生なので、遅くまで俺達の勉強に付き合ってくれる。

 言い方きついし、嫌な事ビシバシ言うけど……ティファはめっちゃ面倒見がいい子だ。

 

「ありがとう……ティファ。勉強教えてくれて……遅くまで付き合ってくれて」

「……はぁ。別にいいですよ?まぁ人に教えるのは、自分の復習にもなりますし……ソフィは置いといて、貴女は頑張っていますからね……。馬鹿ですけど」

「うぐぅ!!」

「……ふふ。ほら!ここも間違ってますよ?ここはですね……」

「……( ˘ω˘)スヤァ」

 

 勉強に飽きて隣で寝ているソフィアをほっといて、二人で勉強をする。

 

 マジで全然勉強分かんないけど……ティファが懇切丁寧に教えてくれるお陰で、少しずつ……少しずつ俺も理解出来ている様な気がするのだ!!

 

「ティファ!コウ!ソフィ!……そろそろ暗くなるからいこー?続きは寮でしようよー」

「アンナ……。そうですね。遅くなる前に寮に戻りましょうか?」

「うん!……ソフィも起きて?」

「……むにゃ……ん?もう朝?」

 

 ティファの友人……赤毛のアンナが、教室で勉強していた俺達を迎えにくる。

 アンナは明るく元気な女の子で、クラスの中でも中心的人物だ。転入生の俺達にも、ティファと一緒に気にかけてくれるとってもいい子なのである。

 

 アンナは部活動をしていて、俺達の補習には参加しないのだが……部活が終わるとこうやって迎えに来てくれるのだ!

 

 こうしてアンナを加え、4人で談笑しながら寮へと戻る。

 最初はこの街に新しい喫茶店が出来て、そこのスイーツが美味しいから次の休日に皆で行こうって話から始まって……いつの間にか話題は、この街に最近起きた事件についてになった。

 

「なんか女性が二人で夜道を歩いてたら、いきなり後ろから大勢の男達に取り囲まれて……そのまま連れ去られたらしいよ!!」

「ええ!?……そ……その人は大丈夫なの?」

 

 アンナから聞いた話に俺は驚愕する。

 滅茶苦茶物騒な話だな!?普通に人攫いじゃん!!

 

「分かんない。なんか警備隊の話では……今捜索中らしいけど……」

「うええ……。なんか怖いね……」

「うん!だから学園内なら大丈夫だろうけど……学園から出るときは、女の子だけで夜道を歩くなって部活の先生から言われたんだー」

 

 まじかー。何とも……怖い話だなぁ……。

 俺がその話を聞いて震えていると……黙って話を聞いていたティファが口を開いた。

 

「……攫われた人たちの安否が解らないのに、どうしてそんなにはっきりと事件の概要が分かるんですかね……」

「……??どゆこと??」

 

 ティファの疑問にアンナが頭に疑問符を浮かべながら聞くが……なるほど、そういう事か。

 

「そっか……。確かに、そんな状況分かるのは、被害者だけだもんね……。もしくは目撃者か……」

「コウは頭は悪いのに、察しはいいですね」

「うぐぅ!!」

「ふふ……そうですね。事件の状況が分かるのは、被害者、目撃者……そして犯人たちだけです」

「あ!!!そっか!!確かに!!」

 

 ティファの説明に、アンナがようやく理解して手を叩く。

 そうなんだよなーー。なーんでこんなに事件の詳細しってんだろ……。

 

 アンナの話ではこの話は、部活の先生から聞いたらしいんだけど……その先生が誰から聞いたのかな?

 

 うーーん。何か気になるなーーー。

 ここは……この学園の近くで下宿しているホズムに、ちょっと相談してみようかな?

 そういやホズムも俺になんか話があるって言ってたし……丁度いいかも!!

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