最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第159話

 今このクラスで最もホットと話題の男、ルーカスが仲間を引き連れて現れた。

 タイミングを図ってたのか、丁度こいつの話をしている時に現れた訳だが……これで俺を取り囲んでとやかく言ってた女子たちも、鳴りを潜めてくれるかな?

 

 ともかく俺が昨日こいつと一緒に居たという誤解から解きたい。

 ていうかルーカスがこのクラスに入ってくる時、既に俺の誤解を解く事言いながら入って来たから……正直もう大丈夫かもしんないけどな!

 

「ルーカス君!昨日一緒に居たの、この女じゃ無かったの!?」

「銀髪だったから、多分この女なんだろうって思ってたけど……昨日の女誰なの!?」

 

 口々に女子がルーカスに問いかけるが……そんな女子達の質問に、ルーカスは一瞬驚いた顔をして……そしてニヤリと笑って答えた。

 

「ああ!昨日一緒に居たのはコウちゃんだよ?あれ?見られちゃってた?」

 

 お前ついさっき最初以来俺と話してねェっつって教室に入って来ただろうが!!下の根も乾かぬうちに矛盾だらけの事言ってんじゃねぇ!!

 ……というか、今日の俺の思考ちょっと知的じゃない?鳴りを潜めるとか下の根も乾かぬうちにとか……!これもティファとの勉強のお陰かな……なんか思考がちょっと知的に感じる(勘違い)!!

 

 なんて現実逃避しつつ、俺は口を開く。

 

「いえ。昨日私は此処でティファ達と勉強してました。それは間違いありません」

「はは!!なに恥ずかしがってんのさ!!昨日君は……俺と一緒に居ただろう?あんなに楽しく……遊んだのに、覚えて無いって言わせないぜ?ほら……だから今日も一緒に、俺の部屋で遊ぼうぜ?いろいろと……な?」

 

 ……こいつティファの幼馴染って知っても、やっぱ好きになれないなー。

 何か思考とか言動が、俺を奴隷にしてたクロスっぽくて、生理的に拒否反応でちゃうんだよね。

 

「ほら!!ルーカス君もそう言ってんじゃん!!このアバズレ!!嘘ついたわね!!」

「ホントだよ!!嘘ついてんじゃねぇよ!!」

 

 水を得た魚の様に周りの女子たちがまた騒ぎ立てて……て痛い!!髪引っ張られたんですけど!?

 

 椅子に座っていた俺は、周りの女子の一人に髪を引っ張られてそのまま立ち上がらされる。あんま髪引っ張るな痛いよ、ハゲんだろうが!!

 

 流石にこれには俺も黙ってこのままにされる訳にもいかないので、正当防衛させていただきます!

 

「おい……やめろよ……。聞こえなかったのか?その子は俺と遊ぶんだけど……何勝手な事してんの?」

「え……ルーカス君……でも……っていたぁ!!?」

 

 俺はガンジーじゃないので、右の頬殴られても左の頬差し出しません!!……間違えたイエス・キリストだった!!それ言った人!!

 

 基本的に言葉にはそこまで返したりしないけど、俺はこう見えてもやられたらやり返す派なのだ。生前だってそうだし、教会に居た時だってそうだ。

 ……まぁ教会の時は、女だったのもあるし、何度も言うけど俺はクソザコナメクジなので大してなんも出来ないんだど……それでもランディにやり返してたよ!!まぁ俺じゃ無くて主にジュディがだったけどね!!

 

 なので……俺の髪掴んでる女子生徒の足を取り合えず思いっきり踏みました。

 

「何するの!?っこの!!」

 

 うーん。でもいまいち効果が薄かった様だ。

 女子生徒は髪放してくれるまでは良かったけど、普通に怒って殴ってきた。んで、俺はそれを避ける事なんて出来ないので(実力的に)普通に殴られちゃいました。あいた!

 

「ちょ!ルーカス君の前でそれはダメだって!!ナーサ!!」

「あ!!で……でもこの女が!!」

 

 ルーカスの前じゃ無かったらいいなんて事無いからな?

 普通に痛いわ。唇が切れて、血が出てきちゃった。

 

「……ホントに……俺の話聞いてないんだね?お前……何してんだよ……?」

「あ……で……でも……ルーカス君……この女が……」

 

 俺を殴った女子生徒を、ルーカスが怒りの表情で威圧するが……元はと言えばお前が昨日俺と一緒に居たなんて言わなかったら、彼女こんなに怒ってなかったんだからな?

 

「貴方が彼女怒る権利なんてないでしょ?だって貴方が嘘つかなかったら、彼女も怒らなかったんだから」

「あ……あんた……」

「………へぇ?………」

 

 俺はルーカスと女子生徒の前に割って入り、そう言った。

 大体にして女の喧嘩に男が入ってくるなよ。そういうの、女子が一番腹立つやつなんだから。……俺がちゃんとした女子かどうかは別としてな!!

 

 そんな俺を、ルーカスは舐め回すような視線で見ると……口を気持ち悪いくらい吊り上げて言った。

 

「君……面白いね?やっぱり俺に逆らっちゃうんだ?……よし決めた!!今回の生贄は……君だよ!!」

「!!!ルーカス君マジで!?この子……まわしちゃうの!!?」

「いやっほーー!!サイコーじゃん!!俺ずっとコウちゃん気になってたんだよねー!!」

「やったねコウちゃん!!仲間が増えるよ!!ぎゃはははは!!」

 

 ルーカスの言葉に周りの男子達が騒ぎ出す。

 ……その騒ぎようで、大方何をしたいのか解ったけど……だとすると、こいつら本物の下種だなぁ……。

 

 そして……俺を取り囲んでいた女子達は、そんな男子達を見てじりじりと後退していった。

 

「る……ルーカス君……こ……この子……壊しちゃうの……!?流石にこの学校の生徒は……」

 

 震える様に声を出す女子生徒だが……うーーん。どうしたもんか。

 

 こいつら定期的にこんな事やってたのかな?

 だとすると、それをする為の場所みたいなのがあると思うのだが……そこに今から俺を連れて行くのかな??

 

 なら、こいつらを纏めて締め上げるのはそこでいいのかなぁ??

 それとも……いっその事、ここで黒騎士に変身して……纏めてボコった方がいいのかな?

 

 ん?

 そういや今この女子生徒、流石にこの学校の生徒は……って言ったよな?

 

 だとすると…………夜に女性とか攫ってんのこいつらなんじゃね?

 

 とすると、昨日の夜シスタさんを襲った黒騎士Bと忍者もこいつらの中にいるのかな?

 でもこの取り巻き達も、ルーカス自身もそんな手練れな感じしないし……もしかして、昨日シスタさんを襲った黒騎士B達と、最近女性を攫ってる連中って別口なのかな??

 

「あと……お前もコウちゃんと一緒で生贄ね?だって俺の言葉に逆らったんだからさ」

「え!!?いや……私はルーカス君に逆らった訳じゃ……!!!」

「は?俺言ったよね?コウちゃんは俺と遊ぶんだから、勝手な事すんな……って。なのに何殴ってんの?馬鹿なの?」

 

 馬鹿はお前だよ。

 ティファの言う通り、昔はいい奴だったのかもしれないけど……本当にこいつらが自分たちが言うような事を女性にしてるんだったら、こいつらは普通にクズだ。

 

 流石に命取るまではしないけど……ちょっと痛い目見た方がいいんじゃない?

 

 そう思い、俺はカバンに目をやる。

 カバンの中には何があるのかって?……それは……!

 

「キーーーー!!!」

 

 次の瞬間辺りを覆いつくすキーちゃんの煙幕!!

 そう!実は俺は自分のカバンにキーちゃんを入れていいつでも一緒にいるのだ!!

 

「うわ!!?」

「な……なんだ!!?煙!!?」

「前が見えねェ!!?」

「きゃあ!?なにこれ!!?」

 

 突然の煙幕皆阿鼻叫喚である。

 俺はその隙をついて、俺を殴った女子生徒の手を取って走り出す!!

 

「!!?な……なんで!!?」

「??あそこに居たら、貴女も連れて行かれたんでしょ?……そのまま居たかった?」

「あ……でも私……髪ひっぱったし……あんた殴ったし……」

「私も足ふんずけたよ!おあいこ!」

 

 そう言いながら頑張って走るのだが……やっぱり俺って走るのおせぇ!!

 

 もう後ろから俺達を追いかける男子生徒達の声が近づいてくる!!……なら!!

 

「キーちゃん!!」

「キーーーー!!」

 

 俺の掛け声と共に、キーちゃんが今度は廊下に煙幕をはる!!これで連中も追って来れない筈!!

 

 そして走り出そうとするのだが……ここで俺は驚愕の事実を目のあたりする……!!

 

 それは……キーちゃんに頑張って貰ったせいで、俺達の目の前も煙幕ですごい事になって……正直どこ行きゃいいのか分かんなくなっちゃったことだ!!……やっぱり俺って馬鹿なの??

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