最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
俺の姿を見ただけで、バタバタと倒れていく男子生徒達に……俺は普通にドン引きしていた。
確かにちょっと殺気を出してたとは思うけど、ちょっと反応がオーバー過ぎない!?そんなもん!?
何か想像と違いすぎる反応に俺はため息をついて、探索魔法を発動する。この辺りはキーちゃんの煙幕で視界が役に立たないが、俺の探索魔法ならどこで誰が居て、何をしているのか手に取るように解るのだ!
取り合えず廊下に出ている男子生徒は全員の倒した……と言うか、勝手に気絶していったので、後は教室でふんぞり返っているルーカスと取り巻き数名をボコすだけなのだが……なーんかいい予感しないなー。
というのも、今回俺が黒騎士になってこいつらにしたかった事って単純に倒すだけじゃなくて、二度とこんな事が出来ない様に恐怖を与える!!って感じな事がしたかった訳だ。
だというのに、俺を見ただけでどいつもこいつもバタバタ倒れていっちゃうので、もうこんな事二度とするな!!って脅す事も出来ない!!その前に気絶してるから!!
うーーん。
相変わらず前途多難というか、行き当たりばったりというか……でも、ルーカスとその取り巻きは流石に俺を見ただけで気絶はしないんじゃないだろうか?
だって仮にも貴族だし、そんなルーカスの側近みたいな奴らも、廊下で
俺は一縷の望みをかけて、教室の扉を開こうとして………探索魔法に、ソフィアとティファが引っかかるのを感じた。
どうやらソフィアの先生への謝罪(?)が終わった様で、
このままじゃティファ達が、
もう廊下にはルーカスの取り巻きは居ないので、俺は分身を作り出す。
そして
……お願いだから、今度は
◆
んで、何か今現在なんかカオスな状況になっているのである。
ルーカス脅す為に教室に入ったら……案の定側近たちが悲鳴上げて倒れてしまった。
流石にルーカスは俺見ただけじゃ気絶しない所か虚勢を張って来たけど、お前ガタガタ震えてんの解ってんだからな?
でもまぁ大したもんだ。震えながらも弱さを見せないなんて、思ったより根性あんだな!!その意気込みを別の所に使うべきだとは思うけどな!!
よし!!今度こそ俺の目的である、お前らやりすぎ、ちょっとは反省しろって怒るためにルーカスに近づいた時……教室にティファが教室に乱入してきたのだ!!
……
ていうか、何かティファさんってばルーカスを心配する感じで教室に入ってきたけど……こんな奴でも、幼馴染だったから心配なんだろうか?
「ティファ!!なんで来た!?離れろ!!こいつは危険だ!!!」
ティファが教室に入って来たことに、ルーカスが驚きの声を上げるが……おいこら誰が危険だ。なんか俺が悪者みたいに言うの止めて貰っていいですかね?
ティファは俺を見て震えていたが……ルーカスの言葉にハッとなり、口を開いた。
「何言ってるんですか!?貴方も逃げるんですよ!ルーカス君!!この辺りは今……この犯罪者……黒騎士のせいで酷い状況になってます!!この男の狙いは解りませんが……とにかく今は逃げましょう!!コウ達に警備隊を呼びに行って貰ってますから!!」
あーー。それで
……何やってんだあの
ていうかマジで俺を悪者みたいに言うの止めて貰っていいですかね!?これでも一応
そんな俺の想いなどお構いなしに、ティファはルーカスに近づいてその手を取る。
「さぁ!!行きますよ!!ルーカス君!!」
「くそ!!逃げ切れる訳ないだろ!!?煙が晴れてきて解ったけど……君の言う通りこいつは黒騎士だろ!?だったら……俺達がこいつから逃げきれる訳がない!!君だけでも逃げろ!!時間は……少しは稼いでみせる!!」
そう言って掌に魔力を溜めるルーカスだが……なんだこいつら?一回しばいたろか?
目の前で乳繰り合うのは結構だが、今俺がお前らに何もしてない時点で襲われないって解んないのかね?
お前らが言う通り、俺は黒騎士なのだから、その気になればお前ら一瞬で八つ裂きに出来るって理解してんだろ?そして今そうしてないんだから……俺がお前らにあんまり危害加える気が無いって解んだろ!!
うがーーー!!なんかめっちゃ腹立ってきた!!
今回の俺の目的は、何度も言うけどルーカス一派にもう悪さするの止めろって釘刺すことだった!!
でもなんかもうこの状況じゃあそれも無理っぽいし、何かめっちゃ悪者にされるし……そんなに俺を悪者に仕立て上げたいならやってやらぁ!!!
「くくく、くははははははははぁ!!!」
「!!!」
「いやいや実に素晴らしい三文芝居だったな?小僧ども……。どうした?その掌の魔力で俺をどうこうするんだろ?………いいぞ?俺は逃げも隠れもしないから、好きなだけやってみるといい……」
俺の挑発にルーカスは目をカッと開き言った。
「馬鹿にしてくれるね!!ティファ!!行け!!こいつは……俺が抑える!!」
「ルーカス君!!」
そう言ってルーカスは、掌に溜めた魔力を俺に向けて解き放った。
解き放たれた魔力は属性を乗せ、氷の刃となり俺を襲うが……俺はそれを棒立ちで受ける事にした。
そして氷の刃は、俺の鎧に直撃し……まるで始めから何も無かったかの様に蒸発するのであった。
「!!!?」
「おいおい。俺は棒立ちだぞ?驚いている暇があったら……どんどん撃ってこい。じゃないと愛しの彼女にいい所を見せれないぞ?」
「くそ……!!馬鹿にしてくれる!!」
その言葉と共にルーカスは次々と氷の刃を俺に撃ちだすが……当然どれだけルーカスが魔力を籠めた攻撃でも、俺の鎧にかすり傷一つ付ける事は出来ない。
そしてそんなルーカスと俺を見て、ティファもどうしたらいいのか解らないといった風に戸惑っている。……いや逃げろよ。
俺はそのままゆっくりとルーカスに近づいていって……目と鼻の先まで顔(兜)を近づけ告げた。
「ヒーローにはなれなかったなぁ?……まぁお前は只の子悪党だ。子悪党は子悪党らしく……ここで終わるんだな?……だがもしこれでお前が生きていて、まだ悪事を続ける様なら……俺は地の底までお前を追いかけて、今度は息の根を止める」
「あ……く……」
そして軽く拳を振り……ルーカスの顔面を殴り飛ばした。
「ぶぐううぅううう!!?」
「る……ルーカス君!!?」
ティファの悲痛な叫び声が教室に木霊する中、ルーカスは勢い逆らわず飛んで行き、そして教室の壁に激突して、ぐったりと倒れるのであった。…………死んでないよね?
そんなルーカスにティファは駆け寄り、彼を抱きかかえる。
そして俺を睨みつけて口を開いた。
「貴方の……貴方の目的は一体なんですか!!?なんで……ルーカス君にこんな事を……!!」
そう言って俺を睨みつけるティファに、俺は冷めた声で言った。
「おいおい。お前だってその子悪党の悪事を知らなかった訳じゃないだろ?」
「!!!………だからって……貴方に彼を捌く権利なんて……無い筈です……」
「くくく。そうだろうなぁ?何せ誰もそいつを捌けなかったんだからな?しかし……お前のボーイフレンドは少々やりすぎた……。別に俺はそいつの被害者の代理人な訳じゃないが……少し腹が立ってね?それだけだよ……」
「そ……そんな………そんな理由で……!!」
尚も俺を睨むティファだが……これ以上こいつと問答する気なんて無い。
どうやら俺が思った以上にティファとルーカスは深い関係の様だが、だから何だというのだ?
もし
…………ううん。なんか久々に黒騎士の過激な思考に流されている気もしなくも無いが、どうにもこいつの肩を持つティファには単純に失望する。
俺は内心でため息をつく。……まぁ一応目的であったお灸をすえる事は出来たし……これ以上騒ぎになる前に、退散するか……。
そう思い俺は体を霧状に変化させ……今回なんも役にたたなかった