最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第168話

 混沌とする世界の原因の一人が、混沌とする世界を守るとかお笑い草な件。

 

 いやマジでこんな奴が聖王騎士団とか、確かにホズムの言う通り腐った組織なんだろうな!聖王騎士団ってのは!!

 

 そして当然俺としてはそんな腐った組織に入るなどあり得ないので、今回は縁が無かったという事で。

 

「はは!あり得ない話だな!俺がお前たちの様な連中と組む訳ないだろう?」

 

 そう言って断ると、カーンはその答えを予想していたのか、ニヤリと笑って言った。

 

「まぁ結論を急がないでくれよ?俺としちゃアンタ程の戦士が周りから認められてないってのが気に入らねぇ」

「……ほう?」

「アンタは俺が逢った中で間違いなく最強だ。アトラック=ナチャの眷属を踏み潰す奴なんて、正直お伽話でしか聞いた事がねぇ!そんなアンタが……この国じゃ……いや、この世界じゃ全く認められてねェ所か、只の犯罪者扱いだ!!そんなの許せねぇ!!」

 

 まぁ実際客観的に見たら、黒騎士がやってる事は犯罪なのでしょうがないんじゃない?それは。

 俺自身いくつか異議を申し立てたい冤罪もあるけど……まぁそこはしゃーない!!

 

 そんなちょっと冷めている俺を余所に、カーンの言葉にはどんどん熱が帯びてくる。

 

「俺は強い奴が好きだ!!俺は今まで騎士団長が最強だと思ってたが、それは間違いだった!!アンタだ!!アンタこそ最強だ!!!黒騎士!!!世界は武力によって淘汰されるべきなんだ!!そしてその先頭には……最強が立つべきだ!!!」

 

 おおう、世紀末の人でしたか……。

 ちょっと何言ってるか分かんねぇです。

 

「はぁ……。くだらない演説は終わりか?そして俺の答えは変わらん。……世界をどうこうしたいなら、自分達でやればいい。俺は全く興味が無いね……」

 

 まぁいいや……取り合えず終わらせよ。

 

 そう思い俺はまたカーンをダウンさせる為、カーンとの間合いを一瞬で詰める。

 

「!!!は……はは!!すげえや!!やっぱりアンタは……ぐっはぁああ!!!!」

 

 そして今度はさっきより力を籠めて、鳩尾に拳を叩き込むのだった。

 正直だいぶ力を籠めたから……これで死んじゃったら南無阿弥陀仏である(意味不明)。

 

 カーンはその拳を受け、今度こそ白目を向いてその場に倒れた。

 

「……死んじゃったんですか……?」

 

 俺の後ろから、ぐったりとしているカーンを覗き込んでティファが言った。

 俺はそんなティファに肩を竦めて答える。

 

「さぁ?取り合えず生きている様だが……まぁほっといたら死ぬかもな?……さて、ではお嬢さん、今度こそ君を学園まで送るとしよう」

「………ありがとう……ございます。後……本当に……ごめんなさい……」

 

 そう言って、目を伏せ謝ってくるティファの頭に、俺はフッと笑って手を乗せる。

 一瞬ビクリとしたティファだが、俺に敵意が無いと解ると、少し表情を和らげて微笑んだ。

 

「貴方は……噂と違って随分と優しいのですね。もっと……恐ろしい人かと思っていました」

「はは!そうとも?俺は優しい人間なんだよ」

「……ふふ。はい、そうですね」

 

 そう言って笑うティファを見て、内心もう大丈夫だなと思う。

 

 それは……ティファの無事だけじゃなくて……俺自身のティファへの感情も……だ。

 

 

 さて!!これでティファ救出は大成功だ!!

 後はホズムさんと合流して、ティファを学園まで送り届けるだけ!!

 

 こうして俺は、ティファを連れて一階まで歩いて行き……そこで他の連中を相手にまだ戦っていたひょっとこ仮面と合流して、ひょっとこ仮面のあまりの不審さにティファとまたひと悶着あったのだが……まぁそこは割愛で!!!

 

 

 その後ホズムさんが警備隊を呼び、その屋敷に居た連中はお縄につくことになった。

 

 何時もなら見てみぬふりする警備隊らしいのだ、被害者が自ら名乗り出てしまった以上無視は出来ないそうで、カーン含めその場にいた奴ら全員が捕まる事になったのだ。

 

 だが、ホズムさん曰く、恐らくカーンはすぐに釈放になるだろうという事だ。

 サタノニア公爵家の権力には警備隊は逆らえないのが理由らしいのだが……なんだかなー。

 

 だからルーカスもカーンもやりたい放題なんじゃん。一回潰れた方がいいんじゃね?サタノニア公爵家は!!

 

 ていうか国王様とかもそれを許してる時点でもうこの国ダメな気がするけど……そもそもあの国王、クロスの事にも目を瞑ってたし、マジでダメな王様だったな……。

 

 あ!!因みに警備隊に見つかるとまずいので、俺はさっさとお暇させて貰う事になった。

 流石に警備隊にティファを預ければ、そのまま学園まで送り届けてくれるだろうしな!!

 

 ただもしもの事があったら嫌なので、警備隊にはホズムさんにも同行して貰った。

 

 そして俺は霧状に変化して、後をついて行った訳だが……その後無事にティファは学園まで送り届けて貰えた!!

 後日また警備隊に、今日の詳細を説明する為に顔を出さなきゃいけないみたいだけど、取り合えず外傷もないし、精神的しっかりしているので帰れたみたいだ。

 

 俺はティファが無事に学園まで送り届けて貰ったのを見届けて、そのまま分身(コウ)の元まで戻るのであった。

 

 

「昨日はごめんなさい!」

 

 翌朝、ティファの無事を確かめる為、部屋を訪れた時……開口一番にティファに頭を下げられた!

 

「ティ……ティファ!?ど……どうしたの!!?なんでコウに謝ってるの!!?」

 

 ティファが無事だと分かって、抱き着こうとしていたアンナが、出鼻を挫かれて固まりながらティファに問いかける。

 そんなアンナに、ティファは眉をはの字にして答えた。

 

「アンナ……心配をかけましたね」

「う……うん!!無事でよかったよぉ……!!」

 

 そして今度こそアンナは涙を流しながらティファに抱き着く。

 そんなアンナを振りほどくことはせず、ティファはしばらくアンナと抱き合っていた。

 

 そして……アンナが落ち着くと、改めて俺に向き合って言った。

 

「コウ……昨日はごめんなさい。ルーカス君達に襲われて、傷ついている貴女を放って私は……ルカース君の元へ走りました。自分で自分が恥ずかしいです……」

 

 そう言って頭を下げるティファだが……正直俺の中ではもうその話は解決してるし、ティファに対して怒ってはいない。

 でも……ここで「いいよ!全然気にしてない!」って言ったら、多分ティファも納得できないと思うし……事実昨日は傷ついてたんだ。……なら!

 

「ティファ……顔上げて?」

「はい……」

 

 俺の言葉で顔を上げたティファの両のほっぺを俺はちょっと強めにつねる!!

 

「こ……こう……!?」

「……確かに昨日はショックだったけど……これでおしまい!」

「コウ……」

「ティファも大丈夫?ひどい事されなかった?」

 

 その言葉にティファは目を潤ませて……俺に抱き着いて来た。

 

「はい……!この通り私も無事です……!」

「良かった……。心配したよ?ティファ……。無事でよかった……」

 

「ほんとだよぉ!!!」

「……私も」

 

 そんな俺達を二人に覆いかぶさる様に、アンナが抱き着いてくる!!あとソフィアも!

 

「わ!アンナ!!ちょっと苦しいですよ……!ふふ!」

「ふ……あはは!」

 

 そう言って笑うティファに釣られて、俺も笑ってしまう!

 

 これでティファとのわだかまりもすっかり解消だ!!ともかく皆無事で良かった!!

 

 俺は四人で抱き合って笑い合いながら、黒騎士になって頑張って良かったと心から思うのであった!!……めっちゃ寝不足だけどな!!!

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